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Posted by ブクログ
「国語が子どもをダメにする」
国語力とは論理的思考力である。しかし、学校では感性の授業ばかりで進学塾の模試やセンター試験は読解偏重、難解複雑信仰、長文速読主義で弊害が多い。このままでは子どもは危ない。
国語力。それは論理的思考の技術を使いこなす能力である。
端的にいえば、論理的思考力である。
これを身につけさせることこそが国語教育である。
これは常識だ。しかし、現状はその常識を外れている。
まず、その現状を知ることだ。
そして、改革を始めることだ。
著者福嶋氏がこの本を書いた理由は「国語教育の傷口を開き、現状を知るため」です。福嶋氏はこれまで10冊の本を出版してきました。しかし、それらの多くは治療法重視のものとのことです。この本は治療よりも痛みを伴う。それだけ福嶋氏が本気であるということと国語教育が危機に瀕しているということでしょう。
内容は非常に重要なことだと思いますし、親や教師、学生も読むべきだと思います。福嶋氏は教育者ですから、道徳のような授業やみんなで授業を作っていこうといった子供達の自主性を生かすということで教えるという行為を投げた授業をしかも国語の時間に行う教師達に怒っています。
ここで問題なのが、これらの感受性や自主性に任せきった道徳のような国語をやり続け、それが新聞などで理想的な授業として取り上げられ、それについて教育者も親も誰も何も違和感を感じないということ。感受性や自主性を伸ばす授業は道徳の時間にするべきであって、国語の時間でするべきではないはずです。国語は全科目の中で大きな割合(履修時間)を占める教科ですが、小学校や中学校の重要な時期に国語が意味を成していないのは痛いですよね。
また、「進学塾の模試やセンター試験は読解偏重、難解複雑信仰、長文速読主義で弊害が多い」ということも非常に共感出来ます。実際、私は学校のテストやセンターなどではこれらのいわゆる悪問で点数を稼ぎ、論述に繋げてましたから。しかし、結局それらが国語力の向上に繋がっていないと勉強する側もしっくりきません。
これ以外にも福嶋氏の熱のこもった指摘が満載です。新聞やtwitterでの出来事を普通に載せているので、「これは何やら言われないのか?」と心配になってしまいますが、それだけ本気だということだと思います。実際、そのような事例を出してもらえると読者としても考えやすいですし。
読むべきな一冊。
Posted by ブクログ
国語教育の考え方がぼくがぼんやりとただただ考えていたことを言語化してもらった印象です。
あんまり国語の授業って好きじゃなかったし、思いいれもないので、この本を参考にしてみようと思っています。
Posted by ブクログ
テストが返って来たら
総合点ではなく部分を見ること
当たり前のことだけど大切なことががたくさん書いてある本
国語の授業が道徳化してるというのは本当、納得
Posted by ブクログ
中々衝撃的なタイトルに惹かれて読んでみました。
『国語力とは論理的思考力である。』
という福嶋氏によるそもそもの前提に、まず驚き腑に落ちました。国語は何を教えているのか?何を教わっているのか?と今まで考えてみた事もなかったので。
英語を学ぶ時には「Grammer」と「Reading」に分けられているのに国語の場合も「文法」と「文学」などに分ければいいというような意見もあり、納得しました。
小説を読んで登場人物の気持ちを考えるというようなものは、「道徳」だと。「国語」ではないと。納得です。
技術さえ教えれば誰でも論理的な文章を書けるようになるらしい。言葉というツールをいかに正確に使うかの技術を習得する。それこそが「国語」。私も子どもの頃に技術を教わりたかったです・・・
Posted by ブクログ
義務教育での国語の授業時間は約1,500時間。そに膨大な時間が無駄に使われている、いやむしろ間違ったことを教えるのに使われている。だから国語教育を変えなければいけない。
そんな著者の切実な訴えを強く感じた。
「国語教育を変えるために自分のできることをしたい」そう思う次第である。
以上
Posted by ブクログ
要約。
1.
国語教育が重視すべきは、文章の内容より形式。(内容が重視されるべきは道徳などの授業に一任すべし)
2.
文章の「型」を徹底して教えるべき。(文章の内容や思考を形にはめる、ではない事に留意)
3.
読み書きの能力とは、論理的思考能力そのものである。書く力は構成力、読む力は再構成力。論理的思考能力は、関係を整理する技術を使いこなす力を指し、具体的には、言いかえる力、くらべる力、たどる力である。
言語を使って思考をする技術は、人間が人間であるための大事な条件だと思うので、著者の考えには賛成。
大学でレトリックとか勉強しても、基礎ができていなきゃね…。
英語を勉強しても、そもそも言葉を使いこなす事が母国語でできないんじゃね…。
Posted by ブクログ
よく分析されていて、悪い本ではないと思う。
ただ、やはり筆者の言葉に熱がこもりすぎていて、話の持っていき方が少し強引かなと感じました。熱すぎて呪詛のような本でした。
小説をなくせと言ったり、内容ではなく形式だと言ったり、そんなに今の国語教育が悪いものかねえと思った。
少なくとも過去の積み上げがあってこその今の国語教育があって、それを今のセンター試験は焦点がぶれているからひっくり返せっていうのはむずかしい話で、そんな大々的な変革をためらってしまう気持ちもわかってあげるべきやと思う。
まあ国語教育に特化して考えたことのない自分にはまだ早い本かなと思いました。
あとがきに書かれていた「本書を書き終わったときに、今日死んでもいいと思った」という筆者の覚悟はすごいと思います。