【感想・ネタバレ】自殺の9割は他殺である 2万体の死体を検死した監察医の最後の提言のレビュー

タイトル通りに読み解くと世間で自殺と言われているものは、実は殺人だった!というように読み取れる。
だが内容は少し違っていて、自殺といわれているものは直接手を下さなくても死に追い込むという意味で上野氏は他殺であるということを訴えている。

いじめ、家族阻害、パワハラなど理由は様々だが加害者の方は実感がなく平気で人を追い込む。日本の現代社会の病として周りにいる人も見て見ぬふりをする。特に憤りを強く感じたのは子供の自殺問題である。よくニュースになる子供の自殺問題だがその後の大人達の動向を見ていると学校、周囲はもみ消しを謀ろうとする。これは立派な他殺のあとの隠ぺい工作であり犯罪だと思う。この本にあるように人を死に追いやる行為や見て見ぬふりをするということは立派な他殺でありタイトル通り納得の内容である。

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Posted by ブクログ

べき論が多い。機関にはそれぞれ事情はあるので、その辺りも汲んでは欲しかったが、よい問題提起だと思った。

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2021年06月02日

Posted by ブクログ

「いじめ」や「体罰」による「自殺」が社会問題になっているが、東京都監察医務院長を勤めていた著者の経験から出されていてこの本は、タイトルも衝撃的だが、的をついた提起だと思う。
 やや著者の思いが先行し、いじめの問題では、教育関係者などと深く討議をするとよいとも思うが、そうしたことを割り引いても、自殺においこまれてしまう状況まで、遡って明らかにしていくことが、癌などの主要疾患よりも死亡原因で多くをしめる「自殺」大国の日本で、求められることは明らかであり、重要な視点であると思う。
 ただ私は、警察が教育現場にどんどん入っていくようなことには同意できないが、「いじめ」や「体罰」は常にありうることであり、生命をも奪いうるものであることを明確にして教育現場で対応していくことの重要性や人権を考えさせる教育を再構築してもらいたいという思いが強くある。
 また、大人も含めて「虐待」や「孤立化」などの本当の死因についてほりさげていくこと。これなしには自殺を減らしていくことはできないと思う。
 

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2013年01月27日

Posted by ブクログ

タイトルで選んだので、求めていたものとはちょっと異なった。
自殺者の9割が他殺というのは、「それってあなたの感想ですよね?」と読んだ誰もが思ってしまうくらいに9割の根拠がデータで示されていない。
元監察医が検死について職務上経験したことをエッセイにした、くらいで読むのがいい。
タイトルが大袈裟すぎたかな。
最後の死生観についての文は、ちょっとガッカリ。「自殺する人には理由があり、社会的に死を選ばなければいけないような背景があった。社会的擁護がもっと必要ではないか」くらいの言葉が欲しかった。
内容とタイトルがずれている。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

戦前・戦中・戦後を生きた著者が、現代の日本を「自殺」という視点から書き上げた一冊。戦後教育しか知らない自分にとっては、考え方が少々古いと思うところもあるが、人を自殺に追い込んだ者が罰せられない歯痒さは感じる。法医学の知識・技能に優れた警察の検視官を増強する案は良いと思う。後半1/3を占める第4章は監察医務院での経験談が多く、著者の他の著作と共通する部分が多い。

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

・独居老人
・夫婦ふたり暮らしの老人
・3世代同居の老人

このなかで一番自殺が多いのは「3世代同居」の老人。
孤独とはなにかという真相を示す事実。

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2016年08月25日

Posted by ブクログ

いじめ(教育)や老人の孤独死を中心に、それぞれの死因別特徴もあっさりと記載されている。
内容は面白いが、いくつか著者の作品を読んだ自分としては、やはり他の作品との重複は感じざる得ない。

初めて上野氏の本を読む人には良いかもしれない

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2015年06月16日

Posted by ブクログ

前半は道徳的な話だったのが後半に入り絞殺された際の自殺と他殺の見分け方などの教授など様変わり。まさにリアル版「臨場」
この本で素人が偽装殺人してもすぐバレることが分かる。

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2014年01月02日

Posted by ブクログ

上野先生のコメントが、最近の世相に非常にマッチしている。
特に、いじめについて。
いじめは無くなるものではない、あるものとして対応する。
「わが校にいじめの事実はなかった」などという説明はありえない、
には全く同感。

本書で覚えておきたい事実。
一人暮らしと家族と同居の老人を比べた場合、家族と同居の老人の
方が自殺率が高いという事実。

自殺の方法のトップは首つりで、60%超。

扼殺は手や腕で絞めて殺すこと、絞殺はひもなどを使って殺すこと。

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2013年03月21日

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