【感想・ネタバレ】憲法と平和を問いなおすのレビュー

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Posted by ブクログ

同じ著者による『憲法とは何か』を読んだ際、しばしば引用されていた本書。
民主主義や立憲主義の基本的な説明は、こちらに書かれていそうだったので、続けて購入しました。
読んでみると、予想した通り。

例えるならこの『憲法と平和を問い直す』は、もう1冊の『憲法とは何か』の双子のお兄ちゃん。
華やかで社交的(発展的な議論を多数紹介)な弟に対して、実直で勤勉(基本的な考え方を丁寧に解説)な兄。
なぜ民主主義や多数決が採用されるのか。
その上でどのように立憲主義に基づく近代国家が成立したのか。
そして、国家間の争いを解決するにはどのような方法が考えられるか。
お兄ちゃんがじっくり解説してくれたお陰で、ようやく弟くんの内容も含めて議論がふに落ちました。

本書全体から感じられたのは、憲法は政治や社会をコントロールするための1つの手段に過ぎないのであって、平和を維持するためにはどのような社会でありたいか、人が粘り強く考えて決断を重ねなくてはいけないこと。
憲法は1つの手段に過ぎないとはいえ、その性質からみて安易に改正する、若しくはやみくもに護持するだけでは、本質を誤る可能性があること。

一人ひとり、異なる価値観をもつ人が一緒に暮らしていくって大変なことなんだな。
毎日ふつうに夕ご飯が食べられることだって、決して当たり前のことじゃない。
沢山の戦争と死の上に、今の私の生活がある。
終章「憲法は何を教えてくれないか」の中で、「自分で考えるということは、『……である以上、当然……だ』という論法で使われる、そうした『切り札』など実はないとあきらめをつけることである。」と記す著者の言葉が、祈りのように静かに心に沁みた1冊でした。

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2017年11月07日

Posted by ブクログ

なぜ多数決なのか、民主主義なのかに対して自己決定の最大化、功利主義、一人一人を平等に扱うこと、コンドルセの定理と四つの説を紹介するとこから始まる。そして良好に民主政治が機能するためになぜ立憲主義が必要かって話になる。究極的な比較不可能な価値観が対立すると、それは血みどろの争いに向かう。だから政治などの公にそのような私を持ち込まないよう公私が区別される。そしてそれを憲法で規定する立憲主義が出てくる。んで国家や権威にどこまで、なぜ従うのかといった議論が紹介される。オデュッセウスの寓話で憲法九条を合理的自己拘束として紹介してて面白い。
憲法や民主主義、平和主義、自然権とかってのを考える上で大きなヒントを与えてくれる本。大学で政治哲学のクラスを取ってた時に聞いた名前がいっぱい出てきて懐かしかったし。

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2013年07月12日

Posted by ブクログ

憲法というものを考えるとき、憲法そのものがどのようにして考えられているのか、憲法の問題とは何なのか、どうして憲法と平和が関連するのか。
そういった基本の内容を初学者向けにまとめた良書。

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2012年11月28日

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ネタバレ

 「そもそもなぜ憲法が成立したのか」、「なぜ憲法が必要なのか」といったことを問う「立憲主義」という立場から憲法について論じた本。著者は、外国勢力に対抗するため、改憲を声高に主張するタカ派の言説にも、9条を金科玉条とするハト派の言説にも欠けているのが「立憲主義」だと述べる。

 立憲主義とは国家権力を憲法によって制御することで、国民の多様な価値観を擁護するという考え方。

 他に日本のタカ派とハト派に共通しているのは「平和ボケ」なのではないかと思った。タカ派は外国が大挙して日本を攻撃・侵略しようとしている、と言うし、ハト派は「9条があるからミサイルが日本に飛んでこない」とか「改憲=戦争のできる国づくり」と言うし。この辺は本書とあまり関係なので割愛。

 「憲法は国家権力の暴走から国民を守る」とする立憲主義という立場は、憲法について論じる場合には必要不可欠なのだろうが、欧米と違い、市民革命によって時の権力者から自由や人権を勝ち取ってきたわけでもない日本にはなかなか根付かないかもしれない、と思った。

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2011年06月05日

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特に面白いのが、多数決の正当性の根拠である。

昼食を決めるのも、クラスの出し物を決めるのも、政治家を決めるもの、何かを決める際には、我々は無批判的に多数決を利用している。

ではなぜ多数決なのか?
本書では、多数決の根拠として4つがあげられているが、そのすべては決定的な問題を抱えている。

詳しくは本書に譲る。
モノの見え方が変わる本だとは思うので、ぜひ読んでみて欲しい。

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2010年08月29日

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立憲主義の意味と限界を丁寧に端的に指摘している
「憲法で決まっていること」にどれほどの重みがあるのか

あとがきにあるように、
凝り固まった憲法観を持つ人ではなく、
なんとなく「じゃあ何が問題なのよ」って人向け

どっぷりと楽しめた

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2009年10月04日

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筆者は立憲主義と民主制とを峻別する。これ自体は目新しい思考態度ではない。民主主義と自由主義とを区別したHayekや、市民的法治国的憲法はあらゆる政治制度に対する制約を目的とし民主制もその例外ではありえないとしたSchmittもその流れにある。
民主主義は何でもなしうるという、素人=「市民」的理解を長谷部は採用しない。
そして、立憲主義の適切な理解こそが、「憲法と平和」ついて語る鍵であるとする。
では、長谷部は平和主義とは何と語っているのか?
…語っていない。諸概念を列挙はしている。しかし、終始「〜ではない」の論法に徹している。それについて歯がゆく思うかもしれないが、それは当然に予定されたこの書の態度である。
すなわち…以下のように記してこの書は終わる。
「…自分で考えるということは、「…である以上、当然…だ」という論法で使われる、そうした「切り札」など実はないとあきらめをつけることである。
そして、自分で考え始めた以上は、本書ももはや用はないはずである。願わくば、本書を踏み台としてさらに進まれんことを。」

あたかも、Ludwig Wittgensteinが、
「わたくしを理解する読者は、わたくしの書物を通り抜け、その上に立ち、それを見おろす高みに達したとき、ついにその無意味なことを悟るにいたる。まさにかかる方便によって、私の書物は解明を行おうとする。(読者は、いうなれば、梯子を上りきったのち、それを投げ捨てなければならない。)読者はこの書物を乗り越えなければならない。そのときかれは、世界を正しく見るのだ。」
"Meine Sätze erläutern dadurch, daß sie der, welcher mich versteht, am Ende als unsinnig erkennt, wenn er durch sie - aufihnen - über sie hinausgestiegen ist. (Er muß sozusagen die Leiter wegwerfen, nachdem er auf ihr hinaufgestiegen ist.)
Er muß diese Sätze überwinden, dann sieht er die Welt richtig."と述べているように。

本書は、「あとがき」から読むことを強くお勧めする。知る限り、日本一の「あとがき」である。

目次
憲法の基底にあるもの
第1部 なぜ民主主義か?(なぜ多数決なのか?
なぜ民主主義なのか?)
第2部 なぜ立憲主義か?(比較不能な価値の共存
公私の区分と人権
公共財としての憲法上の権利
近代国家の成立)
第3部 平和主義は可能か?(ホッブズを読むルソー
平和主義と立憲主義)
憲法は何を教えてくれないか

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

そもそも多数決で決めるのは正しいのか、から始まって立憲主義とは何か、平和主義とは何をさすのかなどを丁寧に説明していく作品。ホッブズ、ルソーなどの古典はもちろん最近の政治学者の名前も沢山出てくるのだけど一つ一つの議論は比較的わかりやすい。個人的には自然権に関する説明が面白かった。

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2016年06月03日

Posted by ブクログ

今や時の人になってしまった感もある長谷部恭男先生の著書。昨年夏に読んだものを再読。しかし難しい。去年読んだときも難しいと思ったが、再読でもなお難しい。この1年間に噴出した様々な憲法がらみの議論と照らし合わたとき、その多くが的外れであると指摘する内容だけに、現実とアカデミックな事実とのすり合わせによけい頭を使うことになる。しかしここには「民主主義や立憲主義やとは何か?」に関する様々なヒントが書かれていて、その豊潤さは汲めども尽きない。

昨年初めて読んだとき、「ソーシャルライブラリー」用に書いた感想が意外にまとまっているので、それを以下に再録しておく。




タイトルのイメージとはだいぶ違う本である。日本の憲法、特に第九条について詳しく書かれた本かと思いきや、憲法や立憲主義の意味について、ロック、ホッブス、ルソーまで遡って考えていく"政治哲学"の本だ。新書の体裁を取りながら、大学の教科書なみの歯ごたえ。「なぜ多数決なのか?」「なぜ民主主義なのか?」など、普段その意味を深く考えず、当たり前のように受け取っている事柄について根本から問い直していく。当然スラスラ読みこなすのは難しい。
しかしこれがすこぶる面白い。目から鱗の連続。立憲主義というものは多様な価値観を共存させるために生まれたものであるため、そこには違う価値観同士の対立が必然的に内包されていること。それ故に、自分が一番大切だと思う価値観を抑制しなければ維持できない不自然なシステムであること…そのような立憲主義の本質と限界を踏まえた上で、日本にとっての戦争と平和について考え直すと、これまでとかなり違う風景が見えてくる。改憲派と護憲派、どちらの立場にも情緒的な動機や、自らのイデオロギーを普遍の正義だと思い込む面が見られるが、それは立場の如何にかかわらず、立憲主義に反するものだということが分かってくる。立憲主義とは「普遍的な正義など無い」という立場から違う価値観同士の共存を目指す、非常にシニカルなシステムなのだ。

終章の「憲法は何を教えてくれないか」の一部を引用しよう。


立憲主義は現実を見るように要求する。世の中には、あなたと違う価値観を持ち、それをとても大切にして生きている人がたくさんいるのだという現実を見るように要求する。このため、立憲主義と両立しうる平和主義にも、おのずと限度がある。現実の世界でどれほど平和の実現に貢献することになるかにかかわりなく、ともかく軍備を放棄せよという考え方は、「善き生き方」を教える信仰ではありえても、立憲主義と両立しうる平和主義ではない。


ここだけ読むと改憲派(軍備拡張派)が喜びそうな内容にも聞こえるが、もちろんそんなことはなく、次の下りでは、憲法が定める枠組みは、自然ではなく人為的なものであるからこそ、いったん後退を始めると踏みとどまることが出来なくなってしまうという趣旨が述べられていて、改憲派に冷水を浴びせるような内容になっている。

要するに、改憲派・護憲派双方の議論や活動が、いかに立憲主義の基本理念から外れたものになりがちであるかが、この本を読むとよく分かる。

立場の違いにかかわらず、憲法と平和の問題に興味を持つ人なら、ぜひ一度読んで欲しい本。文章は無駄に難しい部分もあるが、この著者の他の本も読んでみたくなった。

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2015年08月02日

Posted by ブクログ

先日おこなわれた憲法審査会での答弁がメディアで広く取りざたされるようになった著者が、立憲主義と平和主義との関係について基礎から考察をおこなっている本です。

著者によれば、立憲主義が前提とする国家は、市民の生に包括的な意味と目的を示すものではなく、多様な価値観を持つ人びとが平和に共存し、社会生活の便益とコストを公平に分かち合う枠組みを作るための限定された役割を担うものとされています。そして著者は、公共性に高い価値を与えて、そこにこそ市民の生きる意味があると考えるアレントの立場を批判します。

一方で、社会契約論の系譜を参照しながら、そこで国家を設立することで平和な社会の実現をめざすプロジェクトについて考察をおこない、立憲主義と平和主義の間にどのような仕方で折り合いをつけることができるかを、あくまで理論的な観点から冷静に考察を進めています。やや議論が簡潔にすぎるような印象もありますが、立憲主義と平和主義をめぐる本質的な議論の地平を示しているところに、本書の一番の魅力があるように思います。

憲法をめぐって左右両陣営が喧しい議論を戦わせている今だからこそ、本書の議論が展開されている地平にまで立ち戻って考えなおすことがますます必要になっているように感じました。

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2015年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

民主主義と立憲主義についての理解が進む本。「憲法」「法律」は難しくて偉そうでつまらなくて面倒くさいものと刷り込み完了していたが、読後に日本国憲法を一読してみようと思った。

民主主義はその社会で統一した結論が必要な時に、その構成員(国民)全体で合意した結論を出すことが期待される。基本的に多数決で決める。なので、少数派は割りを食う。そして世の中には多数決で統一した結論を出すべきでない問題がある。例えば、宗教とか価値観(どのように生きるべきかとや何を美しいとするか)とか。民主主義で扱うべき問題とそうではない問題の境界線を引き、民主主義の名のもとに行われる多数派による少数派迫害を制限するのが立憲主義の大事な役割である。

「実際は囚人のジレンマ状況なのにチキンゲームと看做して、いつも「チキン」で振る舞う行為は強奪者の存在を合理的にする。」という意見には納得した。

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2013年01月12日

Posted by ブクログ

憲法とは何か、国とは何か、なぜ人は社会のなかで法律を守らなければならないのか?

といったいわゆる立憲主義の成り立ちについて考察がなされています。
また、その立憲主義と平和がどう結び付いているかについて言及がなされており、最終的には憲法9条に対しての著者の考えが述べられている作品です。

もともと一人では幸福に生きていけない人間が、それぞれの異なる価値観を衝突させないよう一定のルールを定めたものが憲法とすれば、一つの「正解」となる価値観が存在しない以上、憲法も国の数だけ様々なものになる。


その国家間の価値観が衝突したときに戦争が起こり、個々人の衝突とは比べ物にならないほどの規模での悲劇が起こってしまった…。今、教訓としてそれが認識できるのはありがたいことだと感じました。


かなり深いところまで掘り下げた考察をされているので、じっくり読まないと理解できなくなる恐れがありますが、論調と自分の思考回路が幸いに相性がよかったのか個人的には読みやすい作品でした。


あと、最後のあとがきはちょっと笑っちゃいました。
「わずかな印税を得ようという卑しい私心からではなく…」なんて書きながら、きっちり自分の著書をPRしてます。

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2011年01月26日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。
だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。
立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。
本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。
情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。

[ 目次 ]
憲法の基底にあるもの
第1部 なぜ民主主義か?(なぜ多数決なのか? なぜ民主主義なのか?)
第2部 なぜ立憲主義か?(比較不能な価値の共存 公私の区分と人権
公共財としての憲法上の権利 近代国家の成立)
第3部 平和主義は可能か?(ホッブズを読むルソー 平和主義と立憲主義)
憲法は何を教えてくれないか

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月27日

Posted by ブクログ

試験で必要だから買って読んだ。

絶対自分の積極的な意思では買わないであろう本です。

憲法に興味がなければ書いてあることすら意味がわからないかと思うし、何を書きたかったのか理解することすら放棄するでしょう。

流行の簡単な文章

難解な文章

の間くらいでしょうが、おそらく現代人にとっては難しいと感じる本でしょう。

内容は読んでください。

さまりーじゃなくてレビューなので内容は書きませんー

あ、『オデュッセイア』を出して

「それにしても、率いた兵士をことごとく失ったうえ、故郷で待ちつづけた妻への求婚者たちを皆殺しにする男のどこが英雄なのか理解に苦しむ。やはり異なる世界観は比較不能である」

って長谷部さん言ってたけど

比較する必要もないし、比較不能と断ずる根拠がどこにあるんだろーって思いましたねー

「比較不能な価値の迷路」と普遍的ラベルをどこから入手して貼ったんでしょ

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

思想的に偏りすぎることなく、理性的で公平な視点で書かれた良書。立憲主義について興味深く読ませて頂きました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

 出張中に読んだ「憲法と平和を問いなおす」(長谷部恭男著:ちくま新書)。筆者は先日の国会参考人意見陳述で 「安保法案は違憲」を明晰な論理で断じたこの国を代表する憲法学者。情緒や感情と一線を画した民主主義、立憲主義、平和主義を論じ憲法と平和を冷静に考えさせる。「理」の世界に浸る感覚で読む、終章が見事。電車で時々居眠りしつつ18時間。
             
 朝日歌壇(7日)にあった歌、「総理大臣からその国をまもらねばならないといふこの国の危機」。原発やTPP、そして安保法案、加えて消費増税、ひどい話がこれでもかこれでもかと続く。だが、何となく別の胎動が聞こえるような気もするこの頃。

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2015年12月30日

Posted by ブクログ

違憲証言で脚光を浴びた著者。「憲法とは何か」と同様、憲法の本質を哲学的、政治学的に追究していく一方で、立憲主義と民主主義の両立しない側面、立憲主義と平和についての矛盾点?を追究していく。これまた内容の濃いコンパクトな一冊!。今回の安保法案は両立しえない典型例だった!平和を囚人のジレンマ命題、またチキン・ゲームに譬えての説明はユニークで斬新に感じた。絶対平和主義を唱えることが非常に危険であることも諄々と説いていく姿勢に感銘さえした。自民はこの点でこの人を国会召致したのかも。しかし、立憲主義の大切さを訴えることからすると自民は浅薄だった!次の言葉があった。「集団的自衛権は自国の安全と他国の安全を鎖でつなぐ議論であり、国家としての自主独立の行動を保障するはずはない。自国の安全が脅かされているとさしたる根拠もないのに言い張る外国の後を犬のようについて行って、とんでもない事態に巻き込まれないように、あらかじめ集団的自衛権を憲法で否定しておくというのは、合理的自己拘束として充分にありうる選択肢である。」(P162)

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2015年10月23日

Posted by ブクログ

前半の立憲主義、民主主義に関するくだりは面白かったが、肝心の戦争と平和の問題になったら失速してしまった感がある。確かに「情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜く手がかり」を示してはいるか…。何より、あとがきが面白かった。

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2014年03月25日

Posted by ブクログ

民主主義とは?立憲主義とは?という視点から、憲法の平和主義を考えた本。
立憲主義の核心である「さまざまな価値観を抱く人々が平和的に共存するための枠組みをどう築くか」というテーマには興味があるものの、政治学を全然勉強したことがないせいかちょっと難しかったです。
古典なり参考書を読むなりして勉強しないと、自分の意見を言えない状況です(汗)

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2009年10月04日

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