【感想・ネタバレ】大局観 自分と闘って負けない心のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

当代きっての勝負師が体得した大局観とは何か

・「大局観」とは具体的な手順を考えるのではなく、文字通り大局に立って考えることだ。パッとその局面をみて、今の状況はどうか、どうすべきかを判断する。

・将棋の対局中では、どのように考え次の決断を下すのか。「直感」、「読み」、もう一つが「大局観」である。

・情報と知識の洪水のなかで、「大局観」では「終わりの局面」をイメージする

気になったことばは次の通りです。

・若い頃は危機意識もなく、何も考えずに冒険ができた。

・勝ちに不思議の勝ちはあり、負けに不思議の負けはなし

・リスクをとらないことが最大のリスクだ

・部分的に見るだけでなく、全体的な認識を小まめにすることが、リスクを取るときには必要不可欠なようだ。

・相手を真正面から見ることは、現実を見据えることであり、逃げることなく挑戦することを意味する

・集中力を高める三つのトレーニング法
 ①何も考えない時間をもつ
 ②一つのことをじっくり考えることに慣れる
 ③時間と手間のかかることに取り組む

・とにかく毎日、練習を続けることが肝心だ。

・勝負の世界では、自分で決断をして局面を打開し、全責任を負わなければならない

・教える時に肝心なことは、教わる側は何をわかっていないかを、教える側が素早く察知することだ

・一方的に入ってきた知識は一方的に出ていきやすい 自分で体得したものは出ていきにくい

・法則性のないものは記憶しにくい

・真面目にコツコツと積み重ね、真面目に不必要な物を捨てるという作業を繰り返してゆく先には、深遠な真理があるのではないかと考えている。

・小泉純一郎談「人生には、上り坂もあれば下り坂もある。そしてもう一つ、”まさか”という坂がある」

・今再び、”野性のカン”が必要な時期に来ている

これが結論???

・対局に臨んだら、その時その時の局面で、自分ができることを精いっぱいやるだけだ。

目次は以下の通りです

はじめに
第一章 大局観
 1 検証と反省
 2 感情のコントロールはどこまで必要か
 3 リスクを取らないことは最大のリスクである
 4 ミスについて
 5 挑戦する勇気
第二章 練習と集中力
 1 集中力とはなにか
 2 逆境を楽しむこと
 3 毎日の練習がもたらす効果
 4 教える事について
 5 繰り返しの大切さ
第三章 負けること
 1 負け方について
 2 記憶とは何か
 3 検索について
 4 知識とは
 5 直感について
 6 確率について
 7 今にわかる
第四章 運・不運の捉え方
 1 運について
 2 ゲンを担ぐか
 3 スターの資質
 4 所有について
第五章 理論・セオリー・感情
 1 勝利の前進
 2 将棋とチェスの比較
 3 コンピュータと将棋
 4 逆転について
 5 ブラックスワン
 6 格言から学ぶこと
 7 世代について

0
2022年05月09日

Posted by ブクログ

羽生善治の「決断力」(角川oneテーマ21)がとても良かったので、続編である本作も迷わず、読んだ、と言っても10年前の話。そして、メモがあったので、そこから書評にしてみる。書籍も手元にあるが、敢えてメモから。

「集中力を高める3つ」として羽生善治が挙げているのは、
・第一 何も考えないでボーとする
・第二 一つのことをじっくり考えることに慣れる
・第三 時間と手間のかかることに取り組む 

としている。手間のかかることの例として

紫式部「源氏物語」
山岡荘八「徳川家康」

を読むことを挙げている。

そして、最も良いパフォーマンスは、リラックスして落ち着いて楽しんでいる状態の時に、充実して活き活きと取り組むことで発揮され、その時は疲れも少なく、効率も上がり、内容も優れる、とある。

目標設定では、義務感や強制の気持ちが強くなると、やる気が落ちるケースもあると述べている。

目標設定の基準として、キーワードとなるのは「ブレイクスルー」である。

毎日練習を続けることを一日も休まず、というのはとても大事な心がけであるし、結果も出したいところ。

忘れることも大事。忘れるから生きて行ける。


書籍は「決断力」の方が「大局観」よりも優れている。どちらも手元に置いておきたい重要本なので、折に触れ読んでみたい。

0
2021年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

将棋界最強の棋士である著者が、勝負に対する考え方をまとめた本であり、天才棋士の頭の中を垣間見た心境。

当初は、感情の起伏もなく、常に冷静でコンピューターのような思考回路なのではという勝手なイメージを持っていたが、「プロといえども感情の起伏はある。ポカをやらかせば自分自身に腹が立つし、予想外の手を指されれば動揺する。」と述べているところなど、著者の為人に触れることができ、大変興味深く、また著者を身近に感じることのできる本であると思う。

しかし、やはり凡人とは大きく違うと痛感させられるのは、将棋にとどまらない広範で重層な識見と、それらを支える知的探究心である。

例えば、集中力の深さというテーマからアインシュタインの相対性理論、神話、神学の世界にまで話題がおよんだり、はたまた、記憶力のテーマでは、認知心理学やエビングハウスの忘却曲線の引用がなされたり、さらには、将棋とチェスの違いから、その奥にある文化的背景や西欧諸国の社会情勢への深い洞察など、著者の知的興味は尽きることがなさそうである。

この圧倒的な知的探究心による広範で重層的な識見こそが、著者のいう「経験から培われる」大局観の源となっているのではないかと感じた。

****
2021/01/23追記
数年前にみた羽生さんがAI世代との激闘の末、27年ぶりに無冠となった時のインタビュー番組で、誰よりもコンピュータを将棋の研究に取り入れてきた羽生さんが、こんなことを言っていた。

“AIも強いのは間違いないが、一年たつと一年前のバージョンに7割から8割ぐらい勝つと言われているので、絶対的に正しいと思わない方が良い。と言うことはその中に間違いがあるということ。自分なりに考えて判断することが大事だと思っている”

無冠になることが決定期的なった広瀬棋士との終盤戦では、プロの目から見れば既に勝負は付いているなかで、「もつちょっと、もうちょっと」と最後まで差し続けるセーンがあった。

“棋士は最終的には自分が持っているものをどれだけ伸ばしていけるかだと思っている。逃れようがない。そうゆう世界に入ってしまったな、と思っている”

勝負に対する諦めない気持ち、と言うそんな程度のものではなく、人生そのものだからなのかもしれない。

****
2021/01/30追記
木を見て森を見ず、全体を把握していない状況の逆が「大局観」

プレッシャーを感じた時こそいい。山の8合目まできている。能力が発揮されやすいというプラス思考は昔からそうだったのか?
『プレッシャーを対処すればいいか昔はわからなかった。プレッシャーで負けたり、うまく対処できなかったりと、いろんな経験を繰り返す中で、プレッシャーに対する考え方を今はそのように考えている。10年先同じ考えを持っているかはわからない。進化と呼べるかはわからないが、今後また変化はしているかもしれない』

少なくとも、現状に甘んじているようでは第一線で勝ち続けられないということだと感じた。

0
2021年01月23日

Posted by ブクログ

今井むつみさんの『学びとは何か』からの流れで読みました。
今井さんが触れておられた「認知」テーマの内容は分量的には少なかったように思え、「認知」の独学のつもりで読むと、ちょっと違うかなと思いました。

とはいえ、この本は羽生さんが40歳の時の著作のようで、今の自分には響くところが多々ありました。
う若くはない、けれどまだ先には長い道のりがある中で、どのように仕事や人生と向き合っていくか。
参考になるエピソードや将棋に関する格言、色々な方の著書の引用等が盛りだくさんで、とても勉強になりました。

0
2023年09月30日

Posted by ブクログ

羽生さんの言葉はいつも平易でありながらも、安易には単純化をしない真摯さを感じる。「無計画」に生きることについて、今後も考えていきたい。

0
2023年05月28日

Posted by ブクログ

2011年に出版された本

当時は二冠だったか三冠だったかくらいで、まだまだ頂点の頃
今も無冠ではあるけれども、タイトル戦の挑戦者にもなってるしまだまだトップクラスなのに違いはないんですけどね


若い頃との違いなどにも言及されている
読みの力は若いときの方が優れているけれども
年齢を重ねると細部まで読まなくても判断ができるようになってくるとのこと

プロは瞬時に何手も候補も浮かぶが、その中で検討して読むのは2、3手
選択肢が多いほど悩むし、後に後悔しがち


時にはリスクを取る必要がある
リスクを取らない事が最大のリスク

勝負手の意味でも使われるけど、もっと大きな流れの意味も含む

現状の最適解ではなく、今後のための一手を試している場合がある
停滞はジリ貧になる

この辺は正に今苦しんでいるところでしょうね
後にかかれてあるけど、コンピュータ将棋を学んだ世代との事に言及されている


リスクの取り方は年を経るとバランスが取れるようになる


ネットで将棋ができるようになった影響
地域格差がなくなった
地方の人でも強くなれるようになった

コンピュータの発展
初期の頃は棋譜管理をしやすくなった
過去の棋譜の研究
新手の研究による勝利


過去の一手の掘り出しについても語られている
坂田三吉の端歩
マンガでもちょいちょい取り扱われてたけど、実際に意味のある戦法として通用していた時期もあったというのはロマンを感じる

あと、一手損角換わり
3月のライオンでよく登場する戦法ですけど、今は研究されていて余り見かけなくなったという

将棋の戦法の速度が早くなっているのでしょうねぇ



験は担ぎすぎない


コンピュータの台頭
コンピュータと人の違い
流れを意識するかどうか
コンピュータ将棋で育った世代はどうなるか?

粘る事について
若い頃は粘っていたが、今思えば無理筋だったものもある




藤井六冠との王将戦のドキュメンタリーを見た
この本を読んでいたが故に、なるほどと思えるところが多数

藤井六冠はAIの指すような手を全て読もうとしているのでは?という言及
もし今の強さがそれに由来するものだったら、読みの力が衰えてきたらどうなるんですかね?
羽生九段のように大局観や流れといった感覚の方が研ぎ澄まされてくるのだろうか?


AIの評価値を参考に勉強している世代との戦い方
評価値が低い戦法は最初から切り捨てている
だが、あくまで評価値のため、そこに勝機があるのではないか?
今ではあまり指されない、雁木、一手損角換わりなど


藤井六冠はストライクゾーンのどこに投げても売ってくるバッターのよう
ここに投げたら打たれた、ここに投げても打たれた
という感覚

戦績だけを見ると負けではあるんだけど
今後の布石にもなっているように感じた

新たな研究に貪欲なようなので、まだまだトップクラスで居続けるように思えた

0
2023年04月20日

Posted by ブクログ

羽生善治九段vs藤井聡太王将という世紀の大勝負が行われている今、12年前に発売された本書は、将棋という競技における重要な考え方だけでなく、自己啓発本としても読める素晴らしいものだった。一つのことを突き詰めることは大変だ。しかし、逃げずにやり続けると見えてくるものはあるはずだ。

0
2023年01月27日

Posted by ブクログ

羽生さんの生き様、些細なことから学ぶ姿勢や頭の回転の速さは流石だなと思った。
大局観とは?の本筋よりも御本人の聡明さにただただ圧倒されてしまって自分にうまく応用できるかなーというところはあるが、何かを極めた人でも謙虚に、また、深い洞察から考え抜いているということがわかる。ますます羽生さんを尊敬した

0
2021年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どんなにひどいミスをしても、すぐ忘れるようにしてきた。
おかげで最近は、努力しなくてもすぐ忘れられる。
どうであれ、次の一日は、始まるのだ。
一つの選択によって極端にプラスになるわけでもないし、取り返しのつかない
マイナスになるわけでもない。地道にプラスになるような小さな選択を重ねることで、いつか大きな成果に至るのではないかと思っている。
⇒目の前のことだけを考えないで、物事を大きく見るようにしたい。
今の悩みは一年後にはたいしたことないと思えるようになっているはず。

0
2021年03月17日

Posted by ブクログ

【所感】
将棋の世界に限らず、ビジネスの現場で決断や勝負が必要な場面に活用できるノウハウが詰まった一冊

【覚えておきたいポイント】
いつも自分に有利な局面ばかりということなどないし、いつも悪い局面ばかりということもないから、必要以上に楽観も悲観もしないし、瞬間的な出来事に一喜一憂もしない

教える側は教わる側に全てを教えるのではなく、考えさせることが必要である。一方的に入ってきた知識は一方的に出ていきやすい。自分で考えて習得したものは忘れることができない

0
2021年01月02日

Posted by ブクログ

羽生善治さんの自叙伝的な本。今の将棋会を差しているような文言もあり、羽生さんの先見の明が垣間見れる。いや、これが羽生さんの大局観なのかも。少し将棋を知っていると尚読みやすいと思います。

0
2020年11月02日

Posted by ブクログ

棋士、羽生善治さんの本。
自己啓発とは少し違うが、概ねそのジャンルに当たる。

情報が多く、これからは選択肢は多くなった分、失敗したときの後悔が増す。(あの時、あっちを選んでいれば......等)
将棋の世界では「何を捨て、何を残すか」を迫られる。そんな時に大局観が育っていれば大きな流れを見て、考えられる限り最善の手に絞り込むことができる。
世界は否応なく変化し続けている。自分が勝っている時、うまくいっている時に方向転換は難しいが、負けている時は方向転換し易い。確かに......長い目を見れば、勝っている時こそリスクが最も高まるのは頷ける。
話はツキ(運)、ゲン、AI、格言、チェスと幅広くなってゆく。

最後には、「目標を立ててやってきていない。人生は突き詰めてはいけないと思う。何のために闘うのかは、七十歳になってからじっくり考えたいと思う」だって!?そうなんだ(笑)脱帽です......読んでいて何故か、私はニヤっとしてしまった。

この人は底知れない。

0
2020年07月13日

Posted by ブクログ

・将棋は「読み」と「大局観」のゲーム。複雑な状況下で決断を下すとき、「大局観」で無駄な「読み」を省略でき、正確性が高まり思考が早くなる。
・将棋には「勝負手」と言われる手があるが、そのほとんどがマイナスの手である。
・将棋の棋士にとって、リスクを取らないことが最大のリスクである。今日勝つ確率の最も高い戦法は、三年経てば完全に時代遅れになっているから。
・将棋では、「着手する前に、四つの香車を確認しなさい」と言われる。それを見ると盤全体を観ることになり、見落としがなくなる。
・将棋の場合、1つの局面で平均80通りの可能性があると言われているが、その大部分はマイナスの手、パスした方がよい手である。

0
2020年05月03日

Posted by ブクログ

戦えば負けることがあるのも当然で、戦わないと強くなれない。
試合に出て勝負している人はどれだけいるのだろうか?

直近の1時間を悔やむことは誰にでもある。
1年前の1時間を悔やむことはどれぐらいの人にあるだろうか?

1年前の1時間を悔やむ人は、
同じ悔やみをしないためにどれだけの改善をしてきたのだろうか?
それとも1年間、1時間を忘れるための努力をしてきたのだろうか?

どんなに頑張ってもいても、それ以上に頑張っている人もいる。
持って生まれたものや、時風もある。
俯瞰して見てみれば、現状は点でしかなく、
山を登ろうと思ったら、雨風強い日も、快晴の日も、
ゆっくりとでも一歩ずつ進むしかないということかなと感じました。

(以下抜粋)
○たくさんの対局を経験していくと、「手堅く安全に行こう」という気持ちが、どうしても自分の中で習慣化してしまいがちなので、それを戒める意味でも、あえて意欲的で挑戦的なことを言って、前向きな姿勢を示しているのである。(P.41)
○ミスはしない方が良いに決まっているが、よっぽど習熟した腕前でない限りは難しい。(P.44)
○もしもそこでミスをしてしまったら、どうすればいいのかーー。答えは二つある。
一つは、悔やんでも仕方がないので、それまでのことはすべて無にして、「自分の将棋は次の一手から新たに始まる」と思うことだ。
もう一つは、忘れることである。これが一番の策と言えるだろう。
○私は、どんなにひどいミスをしても、すぐに忘れるようにしてきた。おかげで最近は、努力しなくてもすぐ忘れられる。どうであれ、次の一日は、始まるのだ。
将棋に限らず日々の生活のなかでも、一つの選択によって極端にプラスになるわけでもないし、取り返しのつかないマイナスになるわけでもない。(P.51)
○地道にプラスになるような小さな選択を重ねることで、いつか大きなせいにいたるのではないかと思っている。(P.51)
○私は、挑戦する気持ちを妨げる大きな要因に、恐怖があるのではないかと思っている。(P.58)
○いちばん手ごわいのは、「漠然とした不安」だ。恐怖の対象が明確ならせりについて研究したり考えたりすればいいが、漠然としていると、どうすればいいのかわからない。(P.58)
○私は、「続けること・継続すること」は立派な才能だと思っている。
将棋の場合、対局中にパッと良い手が閃くとか、たくさん手が読めるとかいうことも一つの才能だと思うが、もっと根源的なものとして、「地道に、確実に、一歩一歩進み続けることができる」ということこそが、最も素晴らしい才能だと思うのだ。(P.77)
○「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(P.106)
○私はプロになってから公式戦だけで四百局以上負けてきた。
将棋は勝ち負けの偶発性が非常に少ないので、四百局負けたということは、私には少なくとも四百以上の改善点があることになる。(P.106)
○情報化社会を上手に生き抜いてゆく方法は、供給サイドに軸足を置くことだと思う。
自分自身は常に消費サイドにいて消費を続けているわけだから、自主的に、いや、半ば強制的にでも出力を上げていかないと、個人としても組織としても需給バランスを崩してしまうのではないかと考えている。(P.127)
○しかし、そうはいっても、得ることよりも捨てることの方が何倍も難しい。(P.177)

0
2020年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 同感した事に、大局的に見る、がある。迷路の出口がわからない時は、俯瞰的に、鳥瞰的に、上から見れば道筋のわかる場合が多い。
 もう1つ学んだ事は、リスクを取れ、という言葉である。博打を打つな、ともある。
 僕は若い頃、ある事に巻き込まれて痛い目に遭い、長く尾を引いた。それで慎重になり、博打嫌い(宝籤より、食事か本がよい)となった。
 堅実に行って、ジリ貧ならば仕方がない、と思っていた。しかしリスクを取りながら、活路を開いて行く姿勢もありと知る。

0
2019年08月21日

Posted by ブクログ

40歳を迎えた羽生さんがこれまでを振り返った書。コンピュータ将棋が活発化するなか、羽生さんがどう考えているのかを垣間見ることができて興味深かった。年齢を重ねることで得られる大局観で対抗していけると理解した。自分も何気に仕事を進めていけるのもこの大局観的なもののおかげであることを強く感じた。

0
2018年11月12日

Posted by ブクログ

永世七冠、1400勝で注目されている羽生善治の自伝。

2011年初版発行なので、まだ永世七冠を直前で逃した1000勝の頃だけど、当時から第一人者で、自身のことはもちろん、将棋界や他の棋士を客観視してることがよくわかった。
また、他の業界人との交流も盛んで、そのせいかたとえ話が非常にうまく感じた。

0
2018年04月24日

Posted by ブクログ

色々書かれているのだけど、自分が気になった点。
・ブレイクスルーを起こす → 昨日より今日、今日より明日の自分がより成長できるように、ということ考えながら物事に取り組む。
・継続は力なり → どんなことでも続けることが能力の向上につながる。
著者が羽生さんなので、主に将棋について書かれているのだけど、全体として将棋以外のものにも応用できそうなことが書いてある。

0
2018年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自己の客観視のその先の究極に大局観があると思うのだが、なんとなく近い感覚は瞑想をしていると得られる気がしている。ある種の幽体離脱のような感覚。

誰かが言っていたが、これができるようになると一見ハイリスクなものもテイクできるようになるらしい。客観的に自分を後ろから見れるようになるから。

そんな事を思いながら読んでいたが、羽生さんはもはや勝ち負けはあまり重要でない、と書くと言い過ぎかもしれないが、歴史や型を作っているのだろう。
そして、勝っても満足、負けても満足、だから続くし楽しいし極めていく。大局観に立つ事で、目先の勝敗にとらわれない真理に到達するのかもしれない。

P.58
漠然とした不安。羽生さんでも抱えるし、不安は明らかにすることでまず減る。明らかにした上で対応する。

P.90
教え方。教える方は飛ばす。教わる方も飛んでることを明示すべき。

P.112
マジカルナンバー7
心理学者ジョージ・ミラー
短期記憶にて覚えられるのは7±2くらい

P.124
日本を代表する詩人、吉増剛造先生の言葉
「日本語のような巨大な構造物の全体をとらえることは難しいが、それをすり抜けるのは可能ではないか」
何だか美しい。

P.140
「合成の誤謬」誰もが正しいことを行っているのに社会全体で見た場合に芳しくない状態。原因が特定できない。

0
2017年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前のメモを整理するついでに、内容を反映

偉大な人たちの言葉を並べてみているだけで、何かを学んだような気持ちになりますが、きっと、アウトプットしていかないとダメなんでしょうね。
久々に言葉を見返すのも面白いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・大局観とは具体的に、全体を見渡す、上空から眺めて全体像がどうなっているかを見ることである。
・選択肢が多いことは迷いにつながる。
・多くの可能性から一つを選択するのと、少ない可能性から一つを選択するのでは、後者の方が後悔は少ない。

■どんな状態で最も良いパフォーマンスを発揮できるか
1.リラックスして落ち着いて楽しんでいる状態
2.プレッシャーを感じている状態
※よくないのは、無気力な状態

・目標設定のキーワードはブレイクスルーである。個人であれ、団体であれ、まだ届いていない領域をめざすこと。もう少し頑張れば、今までと異なる景色が見える「次なるステージ」を目標とすること。
・目標設定による問題もある。
・目標を作ることによって、逆に義務感や強制されているという気持ちが強くなってしまい、やる気が落ちてしまうケース。
・本来ならば、もっと多くのこと、難しいこともできるのに、目標が設定されたことによって、限定されたところに安住してしまうケース。

■惜福
・幸運が来たならばそれをすべて使い切らず、次に残していくような行動をとること

0
2024年05月08日

Posted by ブクログ

将棋の天才の人は、どんなことを考えているのかなあと思って、読みました。意外と普通で、良い意味で、そんなに変わらないのだなと感じました。

0
2023年05月31日

Posted by ブクログ

古い本だったが、それなりに面白かった。
中でもコンピュータ世代が現れると12年前に予言していたが、その通りの世代が今活躍している。
それ以前の世代は、そうした世代とどう戦うのか、益々混沌と将棋界はしていきそうだ。
それぞれの章が興味深いテーマで面白かった。

0
2023年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「何もしないで、ただボーっとしていることが、物事に集中する上で、非常に大事」

いつも気を張り詰めてばかりでは、身が持てないとは思っていましたが、集中するために、ボーっとしている時間が大事だとは考えたことがありませんでした。

何事も緩急をつけることが大切なんだと気づきました。

0
2023年02月16日

Posted by ブクログ

言わずと知れた将棋棋士、羽生さんの著書。
新書だけれども、エッセイ的な感じでさらりと読める。棋士としての考え方がいろいろとつづられているが、将棋に限らず仕事やプライベートでも同じような状況や思考になることはあるなと思いながら読んだ。
たとえば、複数の選択肢をシミュレートして、どちらもうまくいきそうにない場合、最後に思いついた別の選択肢がやけにうまくいきそうに見えることがあるが、これは「なかなか決断できず苦しんでいる状況から、一刻も早く抜け出したい」という心境が生み出している錯覚であることが多いという台詞。身に沁みます。。。
情報過多の時代に、消費ばかりの「情報メタボ」にならずに、供給サイドにも軸足を置いて需給バランスを保つ、ということもそのとおり。ただ、供給にはエネルギーがいるので、言うは易しの行動なのだが。
そしてこの本にはまだ藤井聡太は出てこない。

0
2021年11月23日

Posted by ブクログ

▼目的
・上司のお勧めの本。物事を対極的に捉えることで動作に余裕が生まれるのではと考えたから。
・「テンパるのは自己位置を把握していないから」という格言に近しい考え。

▼エッセンス
⭐️物事に取り組む前に、一呼吸付き、戦局の全体像を俯瞰すること。
・そして何通りもの手を考えること。
・プロ棋士は数千ものパターンの手を考えるが、どれが適切かは、直感で大体分かってしまう。瞬間で3手に絞れる。その直感は経験によってのみ磨かれるのだとか。
・リスクにきちんと向き合い、リスクに伴う恐怖や不安に打ち勝つことが永久的にリスクを取り続ける王道。
・1番手強い敵は漠然とした不安。
・最も良いパフォーマンスを発揮できる状態は、リラックスして落ち着いて楽しんでいる状態。
・「地道に、確実に、一歩っぽ歩み続けることができる」問うことが最も素晴らしい才能。
・「習うより慣れよ」。慣れてくれば疲れないもので、次にやることの負担も減る。
・コーチングのコツは、「教わる側は何が分かっていないのかを、教える側が素早く察知すること」
・記憶の仕方は、切り捨てられた枝に関して、全体から見た位置づけや意義、価値などを知っておくことが記憶を蘇られせるヒント。関連づけて記憶すること。一つ一つ紐を辿れば、思い出せるようになる。
・最終的に「こうなるのでは」という仮定を作り、そこに「理論を合わせていく」ということ。
・直感とは、数多くの選択肢から適当に選んでいるのではなく、自分自身が今までに積み上げてきた蓄積の中から経験則によって適当に選んでいる。
・将棋にハマる理由は、いくらやっても勝つためのコツがわからないこと。好奇心や探究心がさらに掻き立てられ、ますます将棋にのめり込んでいく。

0
2020年05月24日

Posted by ブクログ

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」

「簡単に検索ができる今日において、知識を覚えることは必要だろうか」

「続けることは偉大な才能である」

0
2020年05月17日

Posted by ブクログ

どのような気持ちで過ごしているのかが垣間見れた。将棋について知識があれば、もっと感じるものがあるように思うので、あと数年後にもう一度読んでみたい。

0
2020年01月22日

Posted by ブクログ

決断力、も読みましたが、タイトルは違うものの、どちらも新しいことにチャレンジすることの大切さについて書かれています。
決断力もそうでしたが例えが豊富だなと思いました。
内容については2書で違いはあまりありませんでした。どちらかを読めばよいかと思います。

0
2020年01月17日

Posted by ブクログ

羽生氏の著作「決断力」から約6年が経ち、その続編的位置付けの本。羽生氏の将棋に対する考え方や人生観がよく理解できる一冊。内容が多岐にわたり、「決断力」よりも深みはないように感じた。印象的な箇所を記す。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
「基本的に、ものごとは、なかなか自分が望んでいる通りにはならないものである。特に将棋の対局の場合、相手に意表をつかれることは日常茶飯事だ」
「私は、新しい手を見つけたら、実際の対局で試すようにしている。新しい作戦をいきなり実戦で試すのはリスクが高く、負けて一時的に勝率が落ちることもあるのだが、本番で試すリスクをおかさない限り、プロ棋士としての成長はない」
「私は、挑戦する気持ちを妨げる大きな要因に、恐怖があるのではないかと思っている。恐怖や不安が挑戦者をためらわせ、挑戦をやめさせたり、延期させたりする。最近の私は、漠然とした不安は暗闇と同じで、ただ暗くて何も見えないから不安に思うだけで、実体は何もないのではないかと考えるようにしている」
「将棋の場合、対局中にパッと良い手が閃くとか、たくさん手が読めるとかいうことも一つの才能だとは思うが、もっと根源的なものとして、「地道に、確実に、一歩一歩進み続けることができる」ということこそが、最も素晴らしい才能だと思う」
「プロになる前だと、「いつか名人をめざしたい」と考えている人が多いと思うが、実際にプロの世界に入ってしまうと、なかなかそういうところまで目がいかなくなる。遠くから富士山を眺めている時には山頂がよく見えるのに、実際に登りはじめると山頂が見えなくなることと似ている」

0
2018年11月14日

Posted by ブクログ

「三手の読み」
一手目は、たくさんある自分の選択肢のなかからベストな手を選ぶ。
二手目は、たくさんある相手の選択肢のなかから、指されたら自分がいちばん困る手を選ぶ。
そして三手目で自分にとってベストの手を選ぶ。

これには、まず自分に選択できるたくさんの手があることが前提。
次は、相手を読みきる。
そして、最良の手を打つ。

0
2018年10月12日

「学術・語学」ランキング