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Posted by ブクログ
世界初の文明のシュメール文化の神話は、
ギルガメッシュ叙事詩に繋がる神話。
多神教なので、沢山の神様や神様の役割が覚えにくくて初めは読みにくいですが、慣れてくるととても楽しい。
神話は事実も含まれるので、それも面白い。
「永遠に続く文明はない」神話の最後は、滅亡哀歌で少し寂しい。
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[ 内容 ]
いまから五千年前にティグリス、ユーフラテス河畔に栄えた人類最古の都市文明シュメル。
粘土板には多くの神話が残され、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など、後世に伝えられたものも多い。
これらの神話の世界では、酔っ払う大神、死後の国を覗こうとする女神、蛮族を征服する王、怪獣など、様々なキャラクターがいきいきと活躍している。
代表的な神話のストーリーを紹介し、神神の役割や性格、舞台背景などを詳説する。
[ 目次 ]
序章 粘土板に書かれた物語―シュメル神話の基礎知識
第1章 「創世神話」―人間はなぜ創造されたか
第2章 神々が送る大洪水の物語―伝説はシュメルにはじまる
第3章 「楽園神話」と農耕牧畜比較論
第4章 シュメル世界の規範「メ」と神々の聖船
第5章 エンリル神とニンリル女神の性的ゲーム―成人向け神話
第6章 大地母神と死んで復活する神―イナンナ女神冥界降下顛末記
第7章 大王エンメルカルと「小さな王」ルガルバンダ
第8章 『ギルガメシュ叙事詩』成立縁起―ビルガメシュ神の英雄譚
第9章 王による王のための神話―英雄神の怪物退治
終章 大河のほとりで―シュメル人国家の終焉とその後の伝承
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
-20090430
ティグリス.ユーフラテス流域に栄えた最古の都市文明シュメル。粘土板に刻まれた楔形文字群が伝える神話の数々、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など‥。旧約聖書やギリシア神話に連なる祖型としての神々が詳述される。
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今もなお有名なものとして「ギルガメッシュ叙事詩」や「大洪水伝説」があるが,シュメル神話は他にもたくさんあり,この時代から既にここまでの物語の豊穣を成していたとなると驚きである。
本書はシュメル神話の研究と解説の本であり,ギルガメッシュ叙事詩のみならず幅広くシュメルを知りたい人にちょうどいい。
主な神話:
「エンキ神とニンマフ女神」ー創造神話
「大洪水伝説」
「エンキ神とニンフルサグ女神」ー楽園神話
「イナンナ女神とエンキ神」ーメの争奪
「エンリル神とニンリル女神」ー豊穣儀礼
「イナンナ女神の冥界下り」
「エンメルカルとアラッタの君主」
「ルガルバンダ叙事詩」
「ギルガメッシュ叙事詩」ー古代オリエント最古の文学作品
「ルガル神話」
「シュメルとウルの滅亡哀歌」
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旧約聖書の源流にもなっているシュメル神話についての本。
例えば「ノアの方舟」では大洪水が起こるが、エルサレム周辺で大洪水があったとは考えにくい。
これは、チグリス川・ユーフラテス川周辺のメソポタミア文明の地域で頻繁に起こった洪水がシュメル神話に含まれ、それが西のエルサレム方面に伝わり旧約聖書に影響を与えたという。
「ある人間が神からメッセージを受け取って船を作り、それにより洪水から生き残った」という部分まで一致しているらしい。
シュメル神話はこの大洪水の物語を境に、それ以前が伝説的、以降が史実的なものと捉えられるそうだ。
また、人類初の文字である楔型文字は粘土板に書かれ、土は非常に重要なものであった。
それもあってかシュメル神話では人間は土から作られるが、旧約聖書のアダムとイブも土から作られている。
では、なぜシュメルの神々は人間を作ったかというと「神の代わりに働かせるため」だという。
一神教のキユダヤ教やキリスト教と異なり、多神教のシュメルの神々は、ギリシアの神々と同様の怠惰さを持っている。
なお、旧約聖書ではエデンが楽園とされるが、メソポタミア文明地域にエディンという地名が実在するらしい。
ただしエディンの意味は「原っぱ、平原」といったところだという。
旧約聖書との関係だけでもこれだけの内容があるが、これはごく一部で、大量の出土品や解読された物語が翻訳され、解説されている。
Posted by ブクログ
シュメール神話の原文(日本語訳)を交えつつ解説している。
絵や写真が多く、目からも情報が入る。また解説も細かくわかりやすい。
いわゆる「神話」の部分のみ取り上げられている。シュメール神話を詳しく知りたい方にオススメする。
Posted by ブクログ
ようやく文字による記録が可能となった文明の黎明期における神々と人間との関わりがよくわかる。
ギリシヤ神話や旧約聖書にも類似の話が出てくるシュメール文明の神話、神話や宗教の源流を見る思いがする。
Posted by ブクログ
シュメル神話についての予備知識はまったくないが
おとぎ話の詰め合わせとしてまずは読ませてもらえる。
ギルガメシュと言えばビッグブリッジの死闘か
怪しげな深夜番組かと思っていましたが、ここで出てくる
英雄の名前だったのですね。
半神半人の英雄は神話の世界ではありふれていて
王権の正統性の源泉をこうしたところに
持たせることができるので、ギルガメシュもそうした英雄の一人のようです。
ギルガメシュの冒険の話も面白いのですが、
個人的にはイナンナが戦いと愛と豊作の女神とされつつも、都市に着く神である
というのが一番のふむふむポイントですね。
というのも神は理念や現象に結びつくことが多いのですが、
それは不変であり普遍であるからです。
神が滅びてしまうかもしれない都市につく、その帰結としての物語も
ちゃんと用意されています。
都市が破壊されて異民族に占領されて嘆くイナンナに
「神々が合意して決めたのだから、その国を捨てなさい」と諭すのです。
そして、また別の王権の都市として復興するだろうと。
ここには政治とは別にそこに暮らす営み自体は
なくならないという諸行無常な都市住民の信仰心が見えるようです。
他にも黄泉の世界への冒険などお約束な物語も含めて
色々詰め合わせで、お得感のある本に仕上がってます。
(しかし、これもまたバチっとした理論はないのよね。
ケレーニイあたりとか読まなかんかね)
Posted by ブクログ
最古の文明を築いたシュメル人の神話に、大洪水伝説や楽園神話、冥界冒険譚など、「旧約聖書」や「日本書紀」などで馴染み深い話の源流が見られるのはとても興味深い。
Posted by ブクログ
前半3分の1くらいまで、シュメールの社会や神話の概略がわかるまでは、興味深く読んだ。が、その後は淡々と続く神話の紹介に集中力が途切れた。とはいえ、文章からも挿図からも誠実な仕事であることはよくわかる。