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「田辺聖子の小倉百人一首」(田辺聖子)を読んだ。 印象深い文章に出会った。 『民族の心の暗渠を流れつづける愛着』(本文より) 蓋し名言である。 いろいろな意味で気になる歌を一首だけ引く。 ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ いまは恋しき(藤原清輔朝臣) <生きながらえていたら またこの頃がなつかしくなるんだろうか 辛いこと いやなことの多い この頃なのにさ ──辛いこと多かった 昔の あの時代が いまは なつかしいんだものな> 今のこの先行き不透明で息が詰まるきな臭い世の中ですら、後になって振り返ればあの頃はまだましだったんだよな、なんてことにだけはなってほしくないのだが。
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百人一首とはこんなに面白かったのか!と思わせてくれた衝撃的な一冊。
和歌の現代語訳はもちろん、詠まれた背景と詠み手の人生、関連するこぼれ話、著者の解釈などが盛り込まれている。
情報量は多いがわかりやすく丁寧に書かれており、初心者でも読みやすい。
非常におすすめ。
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いきなり和歌を詠みたくなって、でも和歌のことなんて全然知らないな…?と思いまずは百人一首勉強しよ!と軽い気持ちで本書を購入。
よくありがちな歌の現代語訳だけではなく、時代背景や作者の人生など、多角的な方面から綴られていて、分かりやすく面白い。
学校で学ぶ日本史と国語の古典は別個として捉えがちだけどそうではないということが身に染みました。
万葉集や新古今和歌集などからもちょこちょこ引用されてるので、次は他の歌集も読もう!と早速購入しました(古語辞典も買いました)。
聖子さんの語り口もらしさが出てて素敵だし、与太郎青年と熊八中年も味があって良いです笑
後鳥羽院と順徳院で終わるという点、定家が百人一首を作成した意味、なにも考えたことなかったので新しい発見でした。古典楽しい……何回も読み返したいです!
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私の百人一首の教科書です。この本で百首すべて覚えました。
作者の人物像、時代背景などがわかりやすく解説してあります。
子ども向けの「歌がるた小倉百人一首」もおすすめです。
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田辺聖子さんによる百人一首の解釈、そして何よりも現代語訳が大変美しく鳥肌ものです。
この本を通して、より好きになる和歌がたくさん生まれてくるのではないかと思います。
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文車日記で田辺さんの古典の世界にハマったあと、すぐに読んだ作品。
百人の読み手が生き生きと描かれる。
歌を追うというより、読み手の人生を追っている気分になる。
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百人一首を覚えねばならぬ! だけど百人一首なんて……私国文学専攻だけどごめん……全然知らないの! というわけでちょうど積読してた中にこれがあったので嬉々として崩しました。百の歌に百のエピソードあれば、百人の歌人に百のエピソード、いやそれ以上あり!とにかく面白かったです。いい教養になったなあ、と。歌を覚えれたかはまた別ですけどね。田辺聖子は気付いたらよく読んでる作家だわ……
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百人一首がしてみたい、という単純な動機から買ったものの、田辺聖子の関西調の語り口や、百人一首に関する諸所の学説を、サラリと載せているので読み物としても楽しい本。
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この本をきっかけに、一時、万葉集や百人一首にハマった。1000年以上の前の人たちの歌に共感できるってすごい。特にこの本の中で紹介されている和泉式部の歌は、現代に生きる私が読んでも共感度が高くて驚くばかり。人の営みって意外と変わらないものだなあと思った。
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これは高校のときに古典を勉強するのに買ったのだけれど社会人の今でも時々読みふけってしまうことがある。
田辺聖子さんは、私にとって堅苦しくて遠かった『古典』の中の登場人物を人間臭く身近な存在にしてくれた。この人のおかげで授業が楽しめた。他の著作もおすすめ。
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中学生の頃暗記したのが懐かしくなった。作品の裏側の小話が読めたのがよかった。熊八中年と与太郎青年の掛け合いがゆるく楽しく、とっつきにくさを軽減していてよい。
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昔、岡田嘉夫さんの絵に惹かれてつい買ってしまった本です。
読んでみたら高校時代に国語便覧に基づいて習った百人一首の何倍!もおもしろく感じました。
私の通っていた高校では、やたら百人一首の暗誦に力を入れていたので一応、百首ひととおり、歌の意味もあわせて授業でやりました。でも「やらされている」って感じで正直あんまりおもしろいと思わず、書取りのテストがかなり苦痛でした。ちゃんと覚えてなかったら覚えていなかった歌を10回ずつかいて提出しなければならなかったというのがたまらなくイヤでイヤで・・・はっきりいって地獄でした。当然腕は疲れるし。
今も思うけど、何のためにあんなことをしたんだろう。それよりも観賞のポイントや時代背景を解説してもらったほうが何倍も親しみを感じられたはずなのに。
(これだけのことをさせるんだったら、学年でクラス対抗百人一首大会でも開催してくれたらもっと燃えるのに、そういう企画もなく。。。)
とはいえ何も得るものがなかったというわけではなく、おかげで、今回この本を読んだとき、どの歌もな〜んとなく覚えのあるなつかしい響きがあったのでまぁいいか、って今は思ってますけど。
この本は、それぞれ一首ずつ筆者・田辺聖子さん独自の現代語訳を交えながら、作者はどんな人だったのか、から歌が詠まれた背景などが書かれています。
また、文中に与太郎さんという青年と熊八さんというおじさんが登場し、彼らは現代感覚で私たちが感想として持ちそうなことを代弁してくれているのがおもしろい。
私のお気に入りの歌は
「長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れてけさは ものをこそ思へ」です。
訳を本文から引用すると
「あなたのお気持ちは末永く続くのかしら どうかしら 私には確信がもてない わからないわ ゆうべの 恋のさなかは信じられるように思ったけれど 今朝は千々に乱れるこの黒髪のように わたしのこころも思い乱れずにはいられないの」
百人一首に限らず、学校で和歌の現代語訳をやると、本当ならば色っぽい歌のはずなのに極力その色っぽさが薄められて授業でたたき込まれているような気がして、それがまたおもしろくなさを助長しているような気がします。恋愛に興味のある中・高生だったら当時の恋愛のスタイルとかも併せて授業で聞けたらもっと古典が好きになるのになぁ。月がキレイだの、山がキレイだのとぐだぐだ聞かされても、当時の自分たちの興味の対象を思い返してみても「はぁ、そうですか」ぐらいにしか思えないし。
年をとった今なら多少楽しめるんだけどね。。。