【感想・ネタバレ】現代語訳 論語と算盤のレビュー

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Posted by ブクログ

2010年初版。60万部超のベストセラー。
2021年の大河ドラマ「青天を衝け」は渋沢栄一の生涯だったことは記憶に新しい。また、今年(2024年)7月から1万円紙幣の顔が福沢諭吉から渋沢栄一になる。

「論語と算盤」は、幕末から昭和初期まで生き、約480社もの企業の創立・発展に貢献した、日本近代資本主義の父とも、日本実業界の父とも言われる渋沢栄一の講演の口述をまとめたもの。
渋沢栄一は31歳頃実業で行こうと志を立てる。最初は15歳頃武士になろうとした。遅れたことを教訓にしてほしいという。しかしそれは渋沢以上の渋沢になれたのだといい、遅くはなかったと振り返っている。

西郷隆盛に会っている。岩崎弥太郎とも会い協力することを請われるが、岩崎は富を独占しようとしたが、渋沢は大勢の人が利益を得られるようにして、国を富ませようと考えたため決裂。

この「論語と算盤」の内容は派手ではないが、堅実な考えで、少し前の時代だが決して色褪せることなく現代にも十分通用し勉強になる。こういう内容のことが現実に大切なことなのだと実感した。渋沢を作った『論語』を重要視し、熟読することを勧めているが、私は『論語』を25年位前に1回読んだだけで理解も浅く本当に役立つのか懐疑的だったが、渋沢栄一がこれほど推すとなると、また読みたいと思うようになり手元にとってみた。ただ、この本で論語に比べて算盤の扱い方は弱い。

下記引用少し長いですが、実績のある渋沢の考えであるということから説得力があるので、載せます。

特に自分を磨くという考えに惹かれた。自分を磨いてさらに努力を重ねて行こうと思った。

渋沢は1つ女性関係にだらしなく、子供が30人以上いて80歳過ぎてからの子供もいたようで、精力漲るというかエネルギッシュな感じだが、この女性への原動力が近現代日本を作る原動力になっていたのではないか。

【以下引用】
はじめに
p8もともと「資本主義」や「実業」とは、自分が金持ちになりたいとか、利益を増やしたいという欲望をエンジンとして前に進んでいく面がある。しかし、そのエンジンはしばしば暴走し、大きな惨事を引き起こしていく。
(略)
栄一は、この『論語』の教えを、実業の世界に植え込むことによって、そのエンジンである欲望の暴走を事前に防ごうと試みたのだ。

第1章 処世と信条
p14わたしは常々、モノの豊かさとは、大きな欲望を抱いて経済活動を行ってやろうというくらいの気概がなければ、進展していかないものだと考えている。

p15国の富をなす根源は、社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富。
和魂漢才
士魂商才

p16士魂を、書物で養うにはいろいろな本があるが、やはり『論語』が根底になる。
商才も『論語』

p19家康公が世間とのつきあい方に秀でていたこと、二百年余りの徳川幕府を開かれたことは、そのほとんどが『論語』の教えから来ているのである。

p20「社会で生き抜いていこうとするならば、まず『論語』を熟読しなさい」という
欧米各国の新しい学説は古い。すでに東洋で数千年前に言っていることと同一のもので、言い替え。

p21わたしは、『論語』の教訓に従って商売し、経済活動をしていくことができると思い至った。

p26人が世の中を渡っていくためには、成り行きを広く眺めつつ、気長にチャンスが来るのを待つということも、決して忘れてはならない心がけである。

p35「人にはどうしようもない逆境」とは、立派な人間が真価を試される機会。
その場合「自己の本文(自分に与えられた社会の中での役割分担)」だと覚悟を決めるのが唯一の策。
p36天命に身をゆだね、腰をすえて来るべき運命を待ちながら、コツコツと挫けず勉強するのがよい。

「人の作った逆境」とにかく自分を反省して悪い点を改めるしかない。自分から「こうしたい、ああしたい」と本気で頑張れば、だいたいはその思いの通りになるものである。

p38「己を知る」身の丈を守ること

p41だいたいにおいて人のわざわいの多くは、得意なときに萌してくる。

p42「名声とは、常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれてくる。失敗とは、得意になっている時期にその原因が生まれる」

世の中で成功者と呼ばれる人々は、必ず、「あの困難をよくやり遂げた」「あの苦痛をよくやり抜いた」というような経験がある。これがつまり、心を引き締めて取り組んだという証拠である。

第2章 立志と学問
p50水戸光圀「小さなことは分別せよ。大きなことには驚くな」

昔の言葉に「千里の道も一歩から」とある。たとえ自分は、「今よりもっと大きなことをする人間だ」と思っていても、その大きなことは微々たるものを集積したもの。どんな場合も、些細なことを軽蔑することなく、勤勉に、忠実に、誠意をこめて完全にやり遂げようとすべきなのだ。

p51一度立てた志を途中で変えるようなことがあっては、大変な不利益を被ることになる。だから、最初に志を立てるときに、もっとも慎重に考えをめぐらす必要がある。その工夫としては、まず自分の頭を冷やし、その後に、自分の長所とするところ、短所とするところを細かく比較考察し、そのもっとも得意とするところに向かって志をやり遂げられる境遇にいるのかを深く考慮することも必要だ。たとえば、身体も強壮、頭脳も明晰なので、学問で一生を送りたいとの志を立てても、そこに経済力が伴わないと、思うようにやり遂げられないような場合もある。だから、
「これなら、どこから見ても一生を貫いてやることができる」
という確かな見込みが立ったところで、初めてその方針を確定するのがよい。それなのに、きちんとした考えを組み立てておかないまま、ちょっとした世間の景気に乗じて、うかうかと志を立てて、駆け出すような者も少なくない。これでは到底、最後までやり遂げられるものではないと思う。
すでに根幹にすえる志が立ったならば、今度はその枝葉となるべき小さな志について、日々工夫することが必要である。どんな人でも、その時々に色々な物事に接して、何かの希望を抱くことがあるだろう。その希望をどうにかして実現したいという観念を抱くのも一種の志を立てることで、わたしのいう「小さな志を立てること」とは、つまりこのことなのだ。

p55志を立てる要は、よくおのれを知り、身のほどを考え、それに応じてふさわしい方針を決定する以外にないのである。誰もがその塩梅を計って進むように心がけるならば、人生の行路において、問題の起こるはずは万に一つもないと信じている。

第3章 常識と習慣
p65,66常識とは、ごく一般的な人情に通じて、世間の考え方を理解し、物事をうまく処理できる能力が、常識に外ならない。

知恵がいかに人生に大切か

p75「志」の方がいかに真面目で、良心的かつ思いやりにあふれていても、その「振舞い」が鈍くさかったり、わがまま勝手であれば、手の施しようがない。

p76「志」が多少曲がっていたとしても、その振舞いが機敏で忠実、人から信用されるものであれば、その人は成功する。

第4章 仁義と富貴
第5章 理想と迷信
第6章 人格と修養
p136「人の一生は、重い荷物を背負って、遠い道のりを歩んでいくようなもの、急いではならない。」

p138決して極端に走らず、中庸を失わず、常に穏やかな志を持って進んでいくことを、心より希望する。言葉を換えれば、現代において自分を磨くこととは、現実のなかでの努力と勤勉によって、知恵と道徳を完璧にしていくことなのだ。つまり、精神面の鍛錬に力を入れつつ、知識や見識を磨きあげていくわけだ。

p140『大学』という古典にある、
「格物致知―モノの本質を掴んで理解する」
という教えや、王陽明という思想家の説いた、
「致良知―心の素の正しさを発揮する」
といった考え方は、すべて自分を磨くことを意味している。

p141自分を磨けば磨くほど、その人は何かを判断するさいに善悪がはっきりわかるようになる、だから、選択肢に迷うことなく、ごく自然に決断できるようになるのである。

p143昨今では、国を豊かにしようとするよりも自分を豊かにする方に重きを置こうとするくらいだ。もちろん、自分が豊かになることが大切なのはいうまでもない。

p144社会に生きる人々の気持ちが利益重視の方向に流れるようになったのは、およそ世間一般から人格を磨くことが失われてしまったからではないだろうか。
もしかりに国民の頼りとするべき道徳の規範が確立し、人々がこれを信じながら社会のなかで自立したとしよう。そうすれば、人格はおのずから磨かれるようになる。その結果、社会のことを考えるのが大きな流れとなり、自分の利益だけを追求すればよしといった風潮はなくなるであろう。
だからわたしは、青年に対してひたすら人格を磨くことを勧めるのだ。

第7章 算盤と権利
p155個人の豊かさとは、すなわち国家の豊かさだ。個人が豊かになりたいと思わないで、どうして国が豊かになっていくだろう。国家を豊かにし、自分も地位や名誉を手に入れたいと思うから、人々は日夜努力するのだ。その結果として貧富の格差が生まれるのなら、それは自然の成り行きであって、人間社会の逃れられない宿命と考え、あきらめるより外にない。

p157そもそも何かを一所懸命やるためには、競うことが必要になってくる。競うからこそ励みも生まれてくる。いわゆる「競争」とは、勉強や進歩の母。

p164わたしは、『論語』を商売するうえでの「バイブル」として、孔子の教えた道以外には一歩も外に出ないように努力してきた。

第8章 実業と士道
p169もし社会で身を立てようと志すなら、どんな職業においても、身分など気にせずに、最後まで自力を貫いて、人としての道から少しも背かないように気持ちを集中させることだ。

第9章 教育と情誼
p192要するに、青年はよい師匠に接して、自分を磨いていかなければならない。昔の学問と今の学問とを比較してみると、昔は心の学問ばかりだった。一方、今は知識を身につけることばかりに力を注いでいる。また、昔は読む書籍がどれも「自分の心を磨くこと」を説いていた。だから、自然とこれを実践するようになったのである。さらに自分を磨いたら、家族をまとめ、国をまとめ、天下を安定させる役割を担うという、人の踏むべき道の意味を教えたものだった。

p193昔の青年は自然と自分を磨いていったし、常に天下国家のことを心配していた。また、かざりけがなく真面目で恥を知り、信用や正義を重んじるという気風が盛んだった。
これに対して、今の教育は知識を身につけることを重視した結果、すでに小学校の時代から多くの学科を学び、さらに中学や大学に進んでますますたくさんの知識を積むようになった。ところが精神を磨くことをなおざりにして、心の学問に力を尽くさないから、品性の面で青年たちに問題が出るようになってしまった。
そもそも現代の青年は、学問を修める目的を間違っている。『論語』にも
「昔の人間は、自分を向上させるために学問をした。今の人間は、名前を売るために学問をする」
という嘆きが収録されている。これはそのまま今の時代に当てはまるものだ。今の青年は、ただ学問のための学問をしている。初めから「これだ」という目的がなく、何となく学問をした結果、実際に社会に出てから、
「自分は何のために学問してきたのだろう」
というような疑問に襲われる青年が少なくない。
「学問をすれば誰でもみな偉い人物になれる」
という一種の迷信のために、自分の境遇や生活の状態も顧みず、分不相応の学問をしてしまう。その結果、後悔するようなことになるのだ。
だからこそ、ごく一般の青年であれば、小学校を卒業したら自分の経済力に応じて、それぞれの専門教育に飛び込み、実際に役立つ技術を習得すべきなのだ。また、高等教育を受ける者でも、中学時代に、
「将来は、どのような専門学科を修めるべきなのか」
という確かな目的を決めておくことが必要になってくる。
底の浅い虚栄心のために、学問を修める方法を間違ってしまうと、その青年自身の身の振り方を誤ってしまうだけでなく、国家の活力衰退を招くもとになってしまうのである。

p202同時に、教育の方針もやや意義を取り違えてしまったところがある。むやみに詰め込む知識教育でよしとしているから、似たりよったりの人材ばかり生まれるようになったのだ。しかし精神を磨くことをなおざりにした結果、人に頭を下げることを学ぶ機会がない、という大きな問題が生じてしまった。つまり、いたずらに気位ばかり高くなってしまったのだ。このようであれば、人材が余ってしまう現象もむしろ当然のことではないだろうか。 いまさら寺子屋時代の教育を例にひいて論ずるわけではないが、人材育成の点は不完全ながらも昔の方がうまくいっていた。今に比較すれば教育の方法などはきわめて簡単なもので、教科書もレベルが高いもので四書五経や八大家文くらいがせいぜいだった。ところがそれによって育成された人材は、けっして似たりよったりではなかったのだ。それはもちろん、教育の方針がまったく異なっていたのだ。学生はおのおの得意とする所に向かって進むので、十人十色の人材に育っていった。

p203、204対して今日、同じ教育を受けた以上、自分にもできると考えるようになる。下積みを避ける。並み以上の人材があり余る。今日のような結果を生む教育はあまり完全ではない。

第10章 成敗と運命
p206みなさんそれぞれが、自分の仕事のなかに大いなる楽しみと喜びを持つようにするべきなのだ。

p219誠実にひたすら努力し、自分の運命を開いていくのがよい。もしそれで失敗したら、「自分の智力が及ばなかったため」とあきらめることだ。逆に成功したなら「知恵がうまく活かせた」と思えばよい。

たとえ失敗してもあくまで勉強を続けていけば、いつかまた、幸運に恵まれるときがくる。

p220成功や失敗といった価値観から抜け出し超然と自立し、正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルの違う、価値ある生涯を送ることができる。成功など、人として為すべきことを果たした結果生まれるカスにすぎない以上、気にする必要などまったくないのである。

p223十の格言
8言葉で、多くのことをいわない。しかし、いったことは徹底的に努力すべきだ。『大載礼記』
9声は、どんなに小さくても聞こえてしまう。行いは、隠していてもやがて明らかになってしまう。『説苑』
10志や意志がかたければ、相手が金持ちや権力者でも屈することはない。道義心が重ければ、相手が王様や貴族でも動ずることはない。『荀子』

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

渋沢栄一が語っているのはかなり昔の事なのに、今の日本人にも響くことばかりで、「今"渋沢栄一"という原点に帰ることに大きな意味がある」この言葉の意味がよくわかった。

論語を軸にした渋沢栄一の人生観は、自分にも刺さる事がいくつもあった。仕事でも人間関係でも、道徳心無しでは正しい道は進めないといった内容が印象的だった。

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

渋沢栄一いかに偉大な人物だったかがこの本を通じてよくわかった。
私利私欲に走るのではなく、国のために尽くすという意識を持っている人間は現代においてかなり少ないのではないか?

商業=道徳に反するものという考え方は、お金の貪欲さを出すことは卑しいと感じてしまうような文化に繋がっていると感じた、

親孝行については、子供が自由に育ち自らの意思で親孝行をすることが本来のあるべき姿であり、親の期待に応えることが親孝行ではないという考え方には共感した。

若者批判は明治時代にもあったようで、人間性質は変わらないものだと思った。
人間の性質が変わらないからこそ、論語や渋沢栄一についての書籍が今でも読まれているのだろうと思ったし、人は歴史を学ぶのだと思った。

また、知識だけ詰め込むのではなく、知識をどう活かしていくかというマインドを持てと渋沢栄一は主か張していたが、まさにその通り。
詰め込み型の教育ではなく、何に活かすかを能動的に考えるような教育が大切だと私も感じている。

格差は是正できないという話も共感。成果を出した人が報われ、その成果によって社会が進歩するような社会になってほしい。

日本以外の宗教のある国では、宗教が道徳的な役割果たしているという点は学びになった。

また、運命をモノにできる人生を歩みたい。

渋沢栄一の女性関連のエピソードや、豪農から成り上がることが記載されていた小伝は興味深かった。
女にだらしなさすぎw

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

どのように振舞うのが人として格好よいのか?それを説いた「論語」を用いて、仕事のあり方を考える本。
ただただ仕事をして生活を送る毎日や、何が大事か分からなくなる日々に、考え方のヒントとなる指針が書かれている。
・大きな成功よりも大事なことは、道を踏み外さないこと。
・仕事を趣味として取り組む


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2023年09月27日

Posted by ブクログ

栗山監督が愛読されていると知り、手に取りました。

大正5年に渋沢栄一さんが書かれたものをより、読みやすく翻訳してくれているので、多少難しい言葉などはありましたが、理解して読めることができました。

なんといっても大正5年に書かれているのに、今も尚通用するのが素晴らしいです
平成生まれの私としては西郷隆盛さんなどと同じ時代を生きている、西郷隆盛さんは本当に居たんだなぁと不思議な気持ちにもなりました

現代でこんな人はいるのでしょうか
日本をより良くしてくれる人
そう思うと日本が平和ボケしていると言われてる理由もなんとなく納得です
統率力がある人が育つといいな、
子供ができたらぜひ読んで欲しいなぁと思いました


読んだ時から心に刻んでいるのは、「自分が立ちたいと思ったら、人をまず立たせる」「1日1日を新しい気持ちで」「智識がないと道は開かない」です

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2023年09月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本は渋沢栄一がそれからの時代を生きる青年たちに向けて書いた本だと思われる。

大いに勉強し、自己研鑽をし、知情意(知恵、情愛、意志)をバランスよく成長させて常識を獲得する。そして、自分の得意とするところを見極め、時間をかけて志を立てて、その道を外れないように行動する。その結果として社会貢献や成功を得られるようになってくと良い。

特に印象に残ったことは、「高い道徳を持った人間は、自分が立ちたいと思ったら、まず他人を立たせてやり、自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる」という文章だ。このことは他の場面でも聞いたことがあるが、まさに的を得ていると思う。

知情意のバランスをよく取って、大いに自己研鑽に励んでいきたいと思う。

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2023年08月21日

Posted by ブクログ

大河ドラマから
渋沢栄一公に興味を持ち、
本書にたどり着きました。

今、SDGsなどが脚光を浴びていますが、
財閥も作らずに、100年以上も前から
企業の社会的責任について実践されていることに、
視野の広さと志しの高さを感じました。

そのような人物を生み出した
幕末における教育環境も偶然ではないのだと
思います。

人として何が大切なのかを本書から、
学ばせて頂きました。

歴史とは、
単に年号や出来事を
暗記するものではなく、
その歴史から何を感じ、
その歴史から何を学ぶのかだと思います。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

お札になるっていう、渋沢栄一って誰〜?すごい人なの〜?レベルで読み始めた一冊。数ページ読んだだけで、あぁなるほど、さすが、、、と。
もっと難しい理論の本かと思いきや、渋沢さんの生き方考え方が詰まっていて面白かった。

一番沁みた部分は、ここ。
「成功や失敗といった価値観から、抜け出して超然と自立し、正しい行為の道筋に沿って行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルの違う価値ある生涯を送ることができる。」

今までの自分、自分に対しても他人に対しても、正しい道理よりも、表面的な成功失敗しか見ていなかったなぁと。
たとえば今後、悔しい思いをしても、道理に沿って行動していれば、それが自分の支えになると思う。
自分に正直に生きてこうって思ったし、子どもたちにも伝えていきたい。

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2023年04月16日

Posted by ブクログ

読むの二回目。響く言葉たくさんあった。

一時の成功や失敗は長い人生や価値の多い生涯における泡のようなもの。

ほんとにそうだな。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

新紙幣にもなる人物。だからこそ今の現実にも実業家としての根本に触れる事で、時代を跨ぐ今に焦点を見つめる良いきっかけになりした

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

渋沢栄一の考え方は今の時代にも通用する考えが多いにある。その伝えていることは、誠実にひたすら努力することや、人としての処世術がやはりベースにあるということだった。研鑽を積む上でこのベースを忘れてはいけないと改めて振り返ることができた。
渋沢栄一のことを深く知りたいと思った。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

言わずとも知れた名著。
今更ながらではあるが、読んでみた。

日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は、明治維新後に500社もの会社設立に携わり、その多くは現在も大企業として存続している。さらに慈善事業や日米摩擦の解消にも注力した。まさしく偉人である。

本書は、そんな渋沢栄一が記した人生論・仕事論を現代語訳したものである。
彼が最も大切にしたのは、「ソロバンと『論語』というかけ離れた二つのものをかけ合わせる」ことだった。これが本書のタイトルにも由来する。
ソロバンとは経済活動、『論語』とは古来より日本人が受け継いできた道徳の精神を指す。
つまり、渋沢栄一は日本の近代化のために資本主義を加速させることに力を注いだが、その時点で資本主義が本質的に持つ危険性に気付き、故にその暴走のブレーキを組み込むべきと考えていたのだ。

渋沢のこの考えは現実のものとなった。
現在の資本主義は着地点を見失い、経済格差を加速させて、人権問題・環境問題を引き起こしている。それでもなお、膨張を続けている。だれの目にも限界を迎えていることは明らかなのに、止められない。
この現況に代替案を突きつける議論も少しずつ増えてきている。日本では斎藤幸平などの「脱成長コミュニズム論」がこれに該当する。
それでもまだ資本主義の暴走を食い止めるにはパワーが足りない。だからこそ、渋沢栄一の出した解決策にいちど立ち返ってみることが重要だと思った。

他の領域・問題への考え方も非常に先進的かつ合理的で面白かった。
特に「貧しい人々を救うことは、人道と経済と政治という側面から処理しなければならない。
とはいえ、貧しくなってから直接保護していくよりも、むしろ貧しさを防ぐ方策を講じるべきだ。」という考え方は、今の日本の行き過ぎた弱者救済・社会保障を是正するためのコアとなるものだと考える。

偉人だからといって、全ての人に再現性があり合理的だとは思わない。しかし、本書は内容が濃く、合理的で参考になる。
『論語』も読んでみたいと思う。

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2024年04月12日

Posted by ブクログ

渋沢栄一、めちゃくちゃ面白い。
そして人柄が素晴らしい。

論語と算盤、もう少し詳しく勉強したいと思った

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2023年11月17日

Posted by ブクログ

人は飽くなき好奇心と学びの連続により人格を磨き、その力を自らが信ずる道に注ぐことで、その道の先を唯ひたすらに切り開く。
渋沢栄一といえば新一万円札の肖像になる方で、日本の近代経済の礎を築かれた人物だ。銀行、製紙、製糖、ガス、保険、酒造、ホテル業、そして聖路加病院に代表されるような慈善的活動と、日本の商業的な発展の全ての基礎を作ったといっても過言ではない。その考え方の基本は中国孔子の思想を纏めた「論語」にある。それまでは一部の高位階級だけに必要とされたそうした教育や学問を広く商人層まで広げ、西欧諸国に比べて明らかに後進国の位置にあった日本の商業・産業を先進国レベルに引き上げようと尽力された。
本書の最初に書かれた、サッポロビールやみずほ銀行、明治神宮までも設立または設立に関わっている。その数500近くに上り、2022年今に至っても167社が現存している。
前述の論語について当時、学問不要と言われた商人層まで必要性を説いた事から「論語と算盤」というタイトルになる。これは栄一の講演や口述を後に纏めたものである(本人が書いた物ではない)。論語と言えば少し難しい感じがするが、一言で言えば「仁・義・礼・智・信」の五常を守ること、つまりは親や年長者を敬い、礼儀正しく、学びにより見識を身につけ自らが進んで実行せよ、と言った意味合いだ。
何やら商売に当てはまるのか疑問に感じる崇高さを帯びているが、世のために必要モノを、必要な分だけ、バランスよく流通させる事や取引が双方にとって納得のいくものであること、そこには互いに常識的な判断力が欠かせないこと、と言うように当たり前の事ばかりなのだ。
そしてそれを可能にするのが、個々人の揺るぎない信念・方向感や勤勉・真面目さにあると理解できる。そこには現代社会でも問題にされる総中流的な画一された学問に対して批判的な面もある。また女性の社会進出の必要性も説いている点で、本書冒頭に書かれている「近代日本の設計者」が表現として最も相応しい日本人だろう。
論語にしても歴史にしても、記述そのものを表面的に浅く受け止めて仕舞えば、本来伝えたかった真意が伝わらない。その語句・文脈に込められたら伝えたい本意を自ら頭で考えて理解する事で初めて理解し地に足付けた行動に繋がる。本を読む際にも、文字を眺めて脳に記録してるだけでは、数日後には忘れてしまうが、考えながら読んだ内容はそうそう忘れない。実践すれば尚の事だ。
本書はその様な考えて身に付ける行為の大切さを栄一に学んでいくことになる。
私は乱読癖で特にジャンルも方向感もなく読み漁る状態だが、人生も長いので今からでも15年先、30年先のなりたい自分を考え始めよう、そんなきっかけになる本。本嫌いな若い人達にも動画をちょっと休憩して是非読んで欲しい。

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2023年04月16日

Posted by ブクログ

勉強になった。特に、「自分が立ちたいと思ったらまず人を立たせる」という部分など、これから心に留めておきたいなと思った。

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2023年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉では上手く言いにくい、仕事で大切なことが分かりやすく書かれていた。それを100年以上前の方が書いていることに感動した。

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

志をもつ事の大切さ、それをどう実践するべきか現代にも通じるものがあると感じた。理念や信念など日本では、あまり学ばない事であるが、持つ事の大切さを学べた事が一番の収穫。

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

渋沢栄一氏の論語への考えや、実業界で皆さんにどうなっていって欲しいというのが描かれていて、もっととっつきにくい人かと思ったら親しみやすく読ませていただけた

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2022年11月30日

Posted by ブクログ

何度も何度も繰り返し
書かれて心に残っていること

•生涯学び続けなさいということ
•常に正しい道を選びなさい
(不正で得たものは何の意味もない)
•正しい道がどちらかは学ばないと分からない
•自分を磨くこと
そして家族を助け、仲間を助け
組織を助け、国を助けなさい

そして渋沢栄一さんが
当に博学な人なんだなと感じた1冊でした

まずは自分を磨くそんな時期の私ですが
自分を高めたら周りの人を会社を国を
どうしたら豊かにできるか考えられる人に
ならないとなと感じました

ありがとうございました。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

どうせ古いお話なのかなとちょっと思っていたけれど、そんなこと思ってごめんなさいと言いたいほど、渋沢栄一の生き方や考え方は現代にも通じ、多くの学びを得ることができました。

私心がなく、国のために、当時の常識や価値観に縛られず、自分のやりたいことや思いを実践し、本当に素晴らしい

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

日本を創ってきたおじちゃんはこんな事を考えていたんだなあと、しっかり思考が覗ける一冊。
昔ながらではあるが、ビジネスマンとして、人として大事にすべき事を再確認できた。

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

タイトルをみたら、難しいイメージがあったが、読んだら難しい内容は全くなく、「人として、ビジネスマンとしての基礎」が書いてあると感じた。

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2024年01月03日

Posted by ブクログ

言わずと知れた名著
読むタイミングによって響く文章が違うかもしれないが、自信なくひたすら努力する、論語をベースとしたあるべきビジネスマンとしてのあり方を学べる。


印象に残った文章

人の作った逆境に陥った時、これはほぼ自分がやったことの結果なので、とにかく自分を反省して悪い点を改めるしかない。
世の中自分次第な面も多く、自分からこうしたいと本気で頑張れば、大体はその思い通りになる。
ところが多くの人は自分で幸運を招こうとせず、かえってじぶんでねじけたひととあなってしまい逆境を招く。

忠恕: 良心的で思いやりある姿勢を一貫する
修身: 自分を磨く

大きな仕事を成すためには細事にらこだわるべきでない
男子たるもの、一度決意したら伸るか反るかの快挙を試みるべきだ
といった格言を良しとしつつ、身の丈を忘れないようにバランスを

名声とは常に困難で行き詰まった日々の苦闘の中から生まれてくる。失敗とは特異になっている時期に原因が生まれる。

立志

常識とは、極端に走らず、頑固でもなく、善悪を見分け、プラスマイナスに敏感で、言動行動が中庸にかなうもの
智、情、意のバランス

人の行為の良し悪しは志と振舞いの二つの面から考える必要があるが、心の善悪よりも振る舞いの方がそばから判断しやすくこちらで判断されやすい。
耳の痛い忠告をしたり良心的で思いやりのある人が足を引っ張られ嘆き漏らすことになる。

富や地位は道理を伴った真っ当なものであれば問題ない

高い道徳を持った人間は、自分が立ちたいと思ったら、まず他人を立たせてやり、自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる

お金に対して、無駄に使うことは戒めなければならない。ケチになることも注意し、よく集めることを知り、よく使うことをしらないと最後は守銭奴になってしまう。

ただ決まりきった役割で仕事をこなすだけでなく、こうしたい、と理想や思いを加えて実行することが趣味を持ったということ。

人を評価することは難しい。富や地位、名誉のもととなった成功が失敗か、という結果を二の次にし、その人が社会のために尽くそうとした精神と効果によって行われるべきだ。

自分を磨くとは学問と現実の調和
不自由が当たり前だと思っていれば、足りないことなどない。耐え忍ぶことこそ無事に長らえるための基本、怒りは自分にとって敵

親を大切にして目上を敬う人間が、上の者に逆らうことは滅多に無い。上の者に逆らわない人間が組織の秩序を乱すことはあり得ない。
仁: ものごとを健やかに育む
義: みんなのためを考える
礼: 礼儀を身につける
智: ものごとの内実を見通す
信: 信頼される
昔の人間は自分を向上させるために学問をした。今の人間は名前を売るために学問をする

天と社会の間に起こる因果応報の原則を偶然と考えず、全てを天から下される運命と考えて
恭: 礼儀正しくする
敬: うやまう
信:信頼する
の気持ちを持って臨んでいく

溌剌たしたチャレンジ精神を養い発揮するためには、本当の意味で自立する必要がある。人に頼ってばかりでは自信がつかず躊躇う。あまり堅苦しく物事にこだわると溌剌たした気持ちがすり減る。とはいえ細心で周到な準備は必要。細心さと大胆さの両面を兼ね備える必要がある。

人を見るときに単に成功した失敗したことを基準にすることは間違っている。成功や失敗は心を込めて努力した人の残りカス
人としてなすべきことを基準に人生の道筋を決めることが大切で、もっと大切な天地の道理をみていない

とにかく人は誠実にひたすら努力し、自分の運命を開いていくのが良い。もしそれで失敗したら、自分の智力が及ばなかったと諦めること。

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2023年11月26日

Posted by ブクログ

数年前に話題になった書である。『論語』を勉強していたら、その思想を実業家はどう体現していたのか気になった。
「常識とは中庸である」という言葉はなるほどと思ったし、「修養」という自分磨きは学問だけでなく、専門や技術の習得が必要というのも納得した。教育に関しては現代でも通用することで驚いた。更に、「物事が滞るのは決め事が多すぎるから」というのも現代の問題として頷ける。
日本の実業を作った人を支えた思想は、ただの知識ではなく実践学問として活かせるのではないかと思った。

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

渋沢栄一について知りたくて読んだ。とても読みやすかったがそのぶんスルスルと頭の中を通り過ぎてしまうので、心に留めるために何度も読み返したい1冊。

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

普段小説ばかり読む私にとってハードルが高い一冊でしたが、読み始めるとスラスラ読むことが出来ました。自分を見つめ直す良い機会をくれた一冊でした。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

時代が明治時代くらいの話だと思うのだけど、現代の話かと思うほど、現代でも通ずるものがある。きっとそこには普遍的な価値というか恒久的な人としての背景があるのだろう。渋沢の理想とそれを実現する行動力と、人としての温かさを感じた。そもそも論語が古代中国の思想なのに、現代に通じている部分がある。中国のその頃の思想に興味が湧いた

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2023年05月23日

Posted by ブクログ

渋沢の理念が読み易く纏められていた。
現代にも十分通じる内容、人間の本質は変わっていない。
最後の小伝部分で渋沢の人間らしいところも見え、面白かった

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2023年05月21日

Posted by ブクログ

論語的観点より、渋沢さんの商売道徳感が強い。何と言っても最後の渋沢栄一小伝が一番面白かった。子供30人以上って…どんだけ好きやねん☺️

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2023年04月11日

Posted by ブクログ

言わずと知れた近代日本の設計者の一人、渋沢栄一。
設立に関わった会社は日本興業銀行、王子製紙、清水建設、東京海上火災、新日鉄など実に481社。早稲田大学や日本女子大学などの教育機関の設立や養育院など500以上の慈善事業の運営にも関与した。

渋沢栄一は、日本の資本主義や実業の制度を設計した人物だったが、一方でその内包する問題点を見抜き、暴走に歯止めをかける仕組みが必要だとも考えていた。
その手段を「論語」に求めた。

論語(道徳)とそろばん(利益を追求する経済活動)は必ず一致するものであり、なるべくくっつくように努める必要がある、と考えていた。

そんな渋沢栄一の講演の口述をまとめた本書。わかりやすい現代語訳。日本のビジネスマンは読んどいた方がいい。

ところで、渋沢栄一さん、信じられないくらい働きぶりが猛烈だけど、女性関係もすごかったらしいですね…ほんと尊敬します。

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2023年02月27日

購入済み

「論語と算盤」の感想文

忙しくて、まだ読んでいません、読み終わりましたら、感想文を投稿します。再度案内してください
以上

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2021年02月23日

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