【感想・ネタバレ】3年で辞めた若者はどこへ行ったのか ――アウトサイダーの時代のレビュー

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 平成不況の中で、若者の経済的自立が阻まれる理由。

 それは、誰でも最初は世の中における弱者的立場から出発せねばならない事情が絡んでいる。若者は、失敗が許されない人生のレールを安全に渡ろうと必死なのだ。しかし苦境の中で社会の厳しさを充分認識した若者は、何者にも頼らず実力のみを鍛え上げ、自身のキャリア獲得に邁進するよう鬼に徹する覚悟に目覚めようと変化していく。

 若者自身が、最初に打ち立てた理想の甘さを反省して、現在も増加しつつある数多くの不遇な被雇用者にとって、何が一番必要な救済行動なのかを見抜き、その閉塞的な社会状況を変革し改善させる為の抜本的な対策は何かを、必死に導き出そうとする事。これが、労働環境全体の改善に向かう上で大切なプロセスとなるだろう。

 会社は入社するまで何一つ詳細が明かされない一定の闇を纏っている。甘い誘惑の言葉で使い捨て労働者を囲い込もうとする。中間管理職のリストラが断行できない理由は何か。それは、今まで苦労して昇級し、賃金の上昇によってやっとこの年で自分で掴んだ会社からの見返りを、そう簡単に手放せるもんか、と云った、既得権益者たちの頑ななまでの自己防衛的な主張を、経営者側が歩み寄って汲み取ってやるからに過ぎない。

 リストラに代わる経費削減の一手として残る対策法は、非正規雇用者を増やして労働力を安価に賄うか、新たな雇用契約上に昇進が困難なハードルを複数設ける事によって、賃金をできるだけ低く抑えたまま安い労働力を使い回そうとするか、などと云った若い世代に負担を強いる方法を採らざるを得ないのが現状だ。

 まず、そのような年功序列制度の行き詰まった軋みを取り除く作業が、今後の日本社会の発展には絶対欠かせないと云うこと。著者の城氏は、こう提言する。日本にもアメリカのように厳格ではないにせよ緩やかで日本らしい実力主義を導入する時機に来ているのだ。あくまで、日本らしさ、を添えてだが。

 実力に見合った報酬体制を労働者全体に行き渡らせること。若かろうが年取っていようが、どんな仕事にも常に透明性を持った適性対価を支払うように決めること。それでしか、平等な社会は構築できない。賢い若者ならば、外資系の企業に乗り込んで、既に対等ビジネスの形態や環境が整った中で働こうとするだろう。日本企業も、その趨勢から例外的に逃れる事は出来ないのだ。

 成熟社会にとって、年功序列社会を維持する余力は持てない。現在の時代と噛み合っていないから。だから、新人であろうがベテランと対等に渡り合って議論し、自身の権利を主張できるような労働環境の整備、アメリカの実力主義方式の報酬体制、が日本にとっても望ましいと云えるだろう。若者が活躍できる社会の実現こそが、あらゆる問題を解消させる一番の特効薬となる。

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2015年02月21日

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日本の年功序列社会に警鐘をならしてる本。
ていうか優秀な若手の日本人からはもう日本は見放されてるってのが書いてあった。
いろんな人のエピソードが書かれててすごい勉強になった。

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2013年08月15日

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法律改正によって定年延長や再雇用で安穏と会社に居続ける団塊世代、「俺たちの世代はまだ何とか逃げ通せるが、君たち以降の世代は大変な時代だねえ~」などとほざくが、全く仕事は出来ず無能な50歳代、60歳代のオヤジ連中は意外に多い。一方、昔を懐かしみながら、すっかり精気を奪われ、それでも会社にしがみつき働き続けるバブル世代。「気合い・根性」を連発するのみで何も見えていない分かっていない上司達。そんな世代を横目に見ながら日々会社生活を続けているサラリーマンは、相当な数いるはず。日々そんなことを感じている人たちは、是非一読する価値のある1冊。本書は、何も若者たちだけに向けられた著書ではない。

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2013年07月07日

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新書には知が詰まっていると思うのは、
この本のように、
現代の問題を取り上げ、
しっかり構造を分析しつつ、
最終的には、生き方を示唆してくれる点です。

若者の立場に立って、書かれています。
レールに乗って生きるような、
「昭和的価値観」を、捨てる必要性が
説いてあります。

自分がどれほど深く
昭和的価値観を持っているかが
分かったと同時に、
「自分にも平成的価値観を持つことができるかもしれない」と
思わせてくれた本書は、非常に有意義でした。

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2013年02月02日

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一大センセーションを巻き起こした名著

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」

の続編。

こうした続編ものは前作に比して
期待を裏切ることが多いのだけど(cf:ウェブ時代をゆく)
これは想像以上の出来。

「実際に3年でやめた若者は、どこで何をしているのか」

様々なモデルケースを列挙し、インタビュー形式で
多様な価値観を指し示していく。

インタビューはあくまで補佐的な役割で、
本書も筆者の切れ味鋭い意見が満載である。


「○○業界は給料がいい」
「××社は30歳で一千万」

新入社員間で当たり前に交わされる会話であり、
事実俺もつい最近まで拘泥していたわけだけど
それがまさに筆者の言うところの

『昭和的価値観』

に囚われているのでありますな。

この考えを脱却できない限り、格差社会なんて
一生他人事で終わります。

終盤の大マスコミ、革新政党批判は
あまりにも的を得すぎていてウケた。

常々自分が思っていたことだったので、
著名な方が代弁してくれるととても嬉しい。


インパクトでは前著には劣るけど、
最近よい新書にもめぐり合っていないので
星5つ、つけてしまおう!奨。

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2012年10月10日

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筆者の挙げる22の「昭和的価値観」を題材に、いまの若者たちのでき方や考え方について探る。

読んでみて気づいたのは、自分の価値観と、ここで語られる価値観とがそうは変わらないこと。やはり私も平成の子なのである。

昭和的価値観を理解しつつも、どうやったら日本人みなが幸せに働けるのか。誰もが現代の矛盾に気づいていながらも、指摘できたのは筆者が初めててあろう。その点では非常に痛烈だった。

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2012年05月03日

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自身のキャリアを考えるために読むことにしました。
少々前にでた本でしたが、日本の終身雇用・年功序列に対して的確な問題提起をしており、あ~なるほどたしかにと思う部分がかなりあった。
今の日本の企業もたいして変わらないし、自分が就職活動しているときにこの本に出会っていたら外資にも興味を持っていたかなと。

若いビジネスマンで今の会社人生に疑問を持っている方でどうしていいかわからない方は一度読んでみることをお勧めします。

極端な例も多いですが、勇気づけられます。

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2012年02月07日

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将来が約束されているとは限らないのに会社にしがみつく生き方なんてしたくない。既得権益にどっぷり浸ってる連中にも騙されたくない。日本の抱える雇用問題を分かりやすく提示され自分のキャリアについて深く考えないことでの損失は莫大なものだと思わされた。自ら切り開いて行く姿勢がなければ良くて飼い犬、悪けりゃ野良犬になっちゃうよ..

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2012年02月01日

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新卒で入社した会社を比較的早い段階で退職した人のその後について取材して書かれている本。転職者だけでなく独立した人についても書かれている。

2008年の本だが城繁幸の問題意識はブレないなと感じる。具体的には以下の2点だ。
年齢給と解雇規制
伝統的な日本の大企業では、職能給ではなく年齢給(年功序列ともまた異なる)の給与体系である。これに解雇規制が合わさると、新卒一括採用が中心、中途採用にあたっても「ポジションに見合った能力」だけでなく「ポジションに見合った年次」であることを求めるようになる。既卒者を新卒と同じ待遇で採用することは無いく、氷河期世代のように景況に恵まれなかった世代はその後のリカバリーが難しい人の割合が高くなる。
リベラル左派の既得権益化
労働組合やマスメディアのようなリベラル左派が既得権益化し、自分と同類の者たちを守る形骸化した保守層になる。下の世代は既得権益層にに入るために努力し、若年貧困層が取り残される。

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2019年08月03日

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レールを自ら外れた人たちへのインタビューを通して、昭和的価値観とは何かを分析する本。

私は昭和的価値観は必ずしも悪いとは思わない。しかし、この本には、自らのキャリアを考える上で考えさせられることが多くあった。

誰かが言ったからではなく、自分で考えて実行する人たちに会える一冊。

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2014年05月01日

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前作「若者はなぜ3年で辞めるのか?」が面白かったので読んでみた。色んな人のケースを読んで制度の問題点や改善点について参考になった。雇用や働き方について考えさせられた本。

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2013年12月30日

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評価が難しい本です。

職能資格から職務資格へ、おそらくグローバルな競争環境に企業が置かれている今日、国策(日本版SOX法)で内部統制だ会計基準だと国際標準の基準を会社の中に入れると職能資格は、なくなっていく運命といいってもいいでしょう。

もはや、「いい大学」「いい会社」「職能資格による賃金体系」という昭和的な価値観はなくなっていかざるをえない状況にあると考えるべきです。

一方職能資格待望論の危険なところは、職能という意味でのキャリアと会社の中のポストではボリュームの間尺があわなくなった場合が想定されますが、肝心の会社間の人材流動化が不透明で少なくとも過渡期は混乱せざるをえないという現実を過小に評価しているところにあります。

逃げ切り世代は、会社の責任ポジションにいます。
この構造で改革が進まないのは、国会議員数が減らない現実の構造とよく似ています。

本書にかかれていることは近未来において正論ですが、現実を直視する目も同時に忘れてはいけないと思います。

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2013年08月14日

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「既存左派とは、いまや単なる保守派に過ぎない」
本書終盤や書かれているこの一文を含む節を読むだけでも十分に価値があった。入社以来会社の労組に対して感じていた違和感はここにあったのだ。社員の地位と給料にのみ焦点をあてて、グローバル視点でみた日本経済の弱まり、外からみた会社の立ち位置を無視して、単調かつ一方的にリストラ反対のシュプレヒコールをあげる。
世代間格差が広がって、将来に対する安定感など夢の中でも期待できない(していない、というのが正しいかも)若手世代には既存権益を死守する老害として見えてしまうのだ。
筆者が書いているとおり、「今や対立軸は労使間ではなく、世代間にこそ存在する」のだ。

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2013年08月14日

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ネタバレ

-若者はワガママになるべきなのだ。それもとんでもなく自己中心的で反抗的態度をとるといい-(P235 あとがきより)

私自身が「3年で辞めた若者」だったため、思わず購入。

この本自体は3年で辞めた若者を非難するものではなく、
3年で会社を辞める決断をした「平成的価値観」を推奨し、
むしろ、辞めざる負えない状況を作り出した、
学歴主義・年功序列などの「昭和的価値観」を是正し、
「労働者が適正な報酬を得られるシステム」を確立し、次世代をにらんだ利益配分システムを作らなければならないと述べている。

今の世代の若者はユトリで会社を辞めるわけではない。
むしろ、より自分の生き方を考えて「昭和的価値観」の会社を
見限って辞めていっているのではないだろうか。

この本は実際に会社を辞めた人ではなく、
新卒が会社にいつかなく悩んでいる経営者や、
30代~40代の中間管理職に読んでほしい。

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2013年02月20日

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 「女性は家庭に入ること」「フリーターは負け組だということ」といった“昭和的価値観”からすれば間違った生き方を送っているアウトサイダーにフォーカスし、新しい価値観である“平成的価値観”を提唱する。
 平成的価値観の大きな特徴のひとつは多様性。本書に登場する人たちも本当に多種多様で、国内小売業から外資系生保に転職した若者、NPOを運営する元ニートなどが自分たちの生き様を語ってくれる。
 僕のまわりにも平成的価値に基づいて生きている人たちがいる。完璧に共感は出来ないけど、この本を読んで、そんな人たちの気持ちがちょっと分かるようになったかも。

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2012年12月28日

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前著の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」がその理由の分析主体であったのに対し、本書は実際に辞めた人間のケースレポートを軸に論を展開している.
いずれの登場人物も年功序列制度などの「昭和的価値観」に対してノーを実行に移した人達である.
著者は構造改革や自由競争に対して肯定的意見を述べる.
搾取された若者を実力に応じた条件で働かせるためには、既得権益者である年功序列制度で高給を取っている年長者の給与を分配しないといけないのだと言う.
上記の論に対して左翼が反対するが、対案を出すことができないという著者の意見には同意できた.
構造改革でパイの奪い合いになって、市場が衰退してしまい、正直者が駆逐されてしまうというのを藤井 聡の「なぜ正直者は得をするのか―「損」と「得」のジレンマ」が述べていたが、著者の論からは実力主義、職務給が正当であるとのことなので、能力のないものの薄給はやむを得ないのであろう.
(不当に高給をもらっている年長者に対しての批判は本書の中でも見られた)
現在、フリーター、非正規雇用層のどの程度の人間がどの程度の実力が発揮できるかどうかは社会全体がうまく舞台を用意していくべきなのだろうと思った.

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2012年11月19日

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これからの時代のありかたを考えさせられる。もはやアウトサイダーはアウトサイダーでは無くなるのかもしれない。

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2012年11月08日

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ネタバレ

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の続編的な新書。
『昭和的価値観』から外れ『アウトサイダー』として生きる若者のインタビュー記事をベースに、今の社会が抱える閉塞化や問題点に切り込んでいる。
私自身が20代半ばのサラリーマンなので、比較的著者の主張に同意できる部分が多い。
年功序列制度や終身雇用、ワークライフバランス・正規非正規など多様なトピックに触れており、このような問題を考えるきっかけとしての本としては良いと思う。

今の若者の事を理解できない、または理解することを避けているような方々に是非一度読んで頂きたい。

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2012年08月16日

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働くことに対する昭和的価値観を提示し、勤労のあり方を問う一冊。
労働者が適正な報酬を得られるシステムの確立を提唱している。

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2012年06月13日

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≪目次≫
第1章  キャリア編 ~昭和的価値観
     ①「若者は、ただ上に従うこと」
     ②「実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ」
     ③「仕事の目的は、出世であること」
     ④「IT業界は3Kであるということ」
     ⑤「就職先は会社の名前で決めること」
     ⑥「女性は家庭に入ること」
     ⑦「言われたことは、何でもやること」
     ⑧「学歴に頼ること」
     ⑨「留学なんて意味がないということ」
第2章  独立編
     ⑩「失敗を恐れること」
     ⑪「公私混同はしないこと」
     ⑫「盆暮れ正月以外、お墓参りに行かないこと」
     ⑬「酒を飲んでも飲まれないこと」
     ⑭「フリーターは負け組だということ」
     ⑮「官僚は現状維持にしか興味がないということ」
     ⑯「新卒以外は採らないこと」
    コラム①企業に求められる多様化とは
     ⑰「人生の大半を会社で過ごすこと」
     ⑱「大学生は遊んでいてもいいということ」
    コラム②二十一世紀の大学システム
     ⑲「最近の若者は元気がないということ」
     ⑳「ニートは負け組だということ」
第3章  新世代編
     21「新聞を読まない人間はバカであるとうこと」
     22「左翼は労働者の見方であるということ」
    コラム③格差のなくし方

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2012年06月12日

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[ 内容 ]
すでに平成二〇年。
いまだに、多くの会社で、昭和の時代から続く風習や決まりごと、働き方が支配している。
『若者はなぜ3年で辞めるのか?』でその状況を描いた著者が、辞めた後の、いわば「平成的な生き方」とは何なのかを指南する。
“完全実力主義の企業で数千万円稼ぐ若者”“建築現場から人事部長に転身した若者”など、アウトサイダーたちの挑戦と本音が語られる。
自分がいかに昭和的価値観にとらわれているか、そして、時代が本当に変わりつつあることを実感できる。

[ 目次 ]
第1章 キャリア編(「若者は、ただ上に従うこと」―大手流通企業から外資系生保に転職、年収が二〇倍になった彼 「実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ」―新卒で、外資系投資銀行を選んだ理由 「仕事の目的とは、出世であること」―大新聞社の文化部記者という生き方 ほか)
第2章 独立編(「失敗を恐れること」―大企業からNFLへ 「公私混同はしないこと」―サラリーマンからベストセラー作家になった山田真哉氏 「盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと」―赤門から仏門へ、東大卒業後、出家した彼の人生 ほか)
第3章 新世代編(「新聞を読まない人間はバカであるということ」―情報のイニシアチブは、大衆に移りつつある 「左翼は労働者の味方であるということ」―二一世紀の労働運動の目指すべき道とは)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月27日

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就職観の変化は、意欲の低下ではなく、昭和的仕事観の希薄化。昭和的価値観に反発して辞めた若者たちのその後、平成的価値観による様々な生き方をルポ、若者が平成的価値観を育む手助けとしたい。

昭和的価値観が「今の」常識、的にリストアップされていますが、10年近く経った今から見ると、だいぶなくなってきつつある感じです。

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2018年10月13日

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自分が富士通に入り、東大法学部を卒業していながら、いうなれば、レールから外れたのであるが、この本の大部分はレールから外れた優秀な若者がどうなったかと書かれているが、もっと普通の若者がどうなったかも、その後を書いてほしかった。大多数である2流、3流私立大学など、底辺ではなく、普通の人が3年で、止めてどうなるか、これが書かれた時代は、ちょうど、新卒の大学が有利な事態であったが、2017年、また、状況が変わってきているので、その後も、
書いてほしかった
ちと、優秀で、レールから外れても成功している例が選ばられている感じがしないでもないので、3つとしました。

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2017年01月24日

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ベストプラクティスという訳ではないが,多様な進路が紹介されている.
これを自分にあてはめて考えられるか,自分とは無関係の話と考えるかによって受け取り方が違うのだろうと思う.
しかし,自分自身はどっぷり「昭和的価値観」にとらわれてしまっていると感じる.
悪いことばかりだとは思わないが.

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2014年10月05日

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卒業して就職したものの、すぐに働くのをやめてしまった人達は、今、何をしているのか。またそうすることによってどんな世界が広がったかを様々な人々との出会いによってまとめた新書。
こういう生き方もできるんだと参考にはなりましたけど、多くが大体高学歴の人達ばかりなので(苦笑)もっとまんべんなく取りあげて欲しかったなぁと個人的に思いました。学力が関係あるのなら大学以前の問題ということになりますし。
あくまで「就職して働き続ける」という選択肢しかないという「価値観」だけではないんですよ、ということだと思います。

ただ、人と違うものを選び、努力しても手に入るとは限りませんし、環境がそうさせてくれない方もいるはずなので、あくまで参考程度に読むのがベストかと。

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2013年06月17日

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「なぜ若者は3年で辞めるのか」の著者による、キャリア指南書。

本書の軸となっているのは昭和的価値観と平成的価値観の対比であり、
昭和的価値観とはいわゆるこれまでの日本の就労意識であった、終身雇用、
大企業に入れば安泰、年功序列、新卒一括採用などの意識や制度にもとづく
ものである。

著者によればこのような時代錯誤な制度はとうの昔に終わりを迎えており、
今はそういう価値観に縛られない若い世代が続々増えているとし、10数名の
事例を紹介しながら解説している。

色々なケーススタディがあって参考になるし、最後のあとがきを読むだけでもいいと思う。

この本で訴えたかったのは、あとがきにもあるように、「労働者が適正な報酬を得られるシステム」を確立し、「次世代をにらんだ利益配分システム」を作り上げることが必要ということなのだろう。

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2013年05月01日

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標題のごとく、転職したり起業したりして最初の会社を辞めた人たちのインタビュー22件。そこには22通りの若手の人生が描かれる。ただ取り上げてるのは上昇志向のいわば転職でステップアップした人たちだ。ただ、「転職は1億円損をする」という本によれば、転職するとおおむね収入はダウンすることの方が多いと言っている。今時の若者にとって生き方が多様になり、卒業時点でその先が思いもよらぬ展開になる。就職できずに何年も過ごすはめになる人からみたら、転職できるだけいいじゃない?といえる。

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2012年06月22日

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若者に限定しているが、総論的にはこれからの仕事の意識論である。雇用はこうあるべし、社会はこうあるべしというのはある程度の啓蒙性持つ反面、ほとんど影響ということに関しては期待できない。日本の雇用慣行「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」「サービス残業」は確かに崩れつつあるし、これからもその傾向は続くだろう。一方で終身雇用、年功序列は労使双方が望む場合も多く、一律的でない。

 日本の職業問題は、ひとつにやりたいことが確信できないまま就職先を選ばなければならず、しかも間違ったと気付いてもやり直しがかなり難しい点になる。要は転職市場が質・量共に未だ未成熟ということである。そのため、思い切って合わない会社から抜け出そうとすると、その行き着く先は独立か経済的にランクを下げた会社になる。

 会社に合わないというのは単に、休日・給料・人間関係などのことをいうのでなく、もっと根本的な部分でのやりたい仕事そのものの選択のことである。チームワークか個人プレイ型か、創造的仕事かルーティーン型かなどやってみないと分からないことは多い。合わない仕事を続けるのは個人にとっても会社にとっても不幸なだけだが、合わないから数年で辞めるとどうしても今の社会では根性が足りないという精神論だけに論を収束しがちである。

 今はインターン制などでそのギャップを埋めることもできつつあるが、大学時代にインターンをやることがはたしていいことなのか疑問もある。それよりは新卒市場と並行して、卒業後3年市場の転職市場が活発になるといい。自分の適性を最初の就職で十分に認識した上で本当の就職を行う。もちろん理想は年齢に関係なく転職市場が充実することなのだが、それはまだ時間がかかるだろう。

 だが、経済が一部大企業を覗いて大部分がドメスティックな領域で完結していたのに対し、いまはグローバルな競争と知識経済への移行を通して、世界の経済情勢が結構直接的に影響し始めている。そうなると、雇用慣行もこれから加速度的に変化し、また情報の量的質的流通の拡大により職業意識もかなり変化することになるだろう。

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2012年04月29日

Posted by ブクログ

転職者の事例集のような感じ。今読むのにとても適していた。自身の市場価値を高めることの重要性を改めて実感する。
会社に頼るのではなく、自分の力に頼る。そんな生き方をしたいと思う。

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2012年04月10日

Posted by ブクログ

前著の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読んでいたので、自然とこれも購入。 自分の中に漠然とあった「会社に勤めるってのはこういうもの」というイメージが、まさに昭和的価値観だったんだなー、というのを意識させられました。 でも、ここで紹介されるような「平成的仕事観」にも共感を覚えるので、自分が「狭間の世代」なんだな、というのも実感しました。 今の日本が抱える閉塞感の原因の一部は、この「昭和的価値観に基づく社会システムの破綻」、およびそのことに気づかない、あるいは目をそらし続けている点にあるようです。 我が身を振り返って、いろいろと考えさせられます。 ちょうど同時期に岡田斗司夫著「オタクはすでに死んでいる」も読んだけど、こっちも「昭和的価値観の衰退と平成的価値観の台頭」という似たような主題に、まったく別の「オタク文化」という切り口から到達しており、とても興味深い。

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2013年03月16日

「社会・政治」ランキング