【感想・ネタバレ】ユダヤの「生き延びる智慧」に学べのレビュー

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Posted by ブクログ

あらゆる迫害を生き延びてきたユダヤ教の教え、内なる多様性と外なる統一性、自分で考える、適切に稼ぎ他人のためにお金を使う。

島国の2000年と流浪・迫害に耐えたの2000年。数え上げると勝負になりません。

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2013年11月04日

Posted by ブクログ

JR東京駅前の丸善で手にした本。混迷の時代だからこそ、ユダヤ人の智慧に学ぶことって多いかなと思い買ってみた。それにしても、著者の方は「石角莞爾」。一瞬、「石原莞爾」だと思ってしまった。

この方の経歴は華々しい。京大を卒業後(主席で卒業と書いてある)、通産省に入省。その後、弁護士として独立。米国留学を経て、現在は千代田国際経営法律事務所の所長さんらしい。だけど、現在住んでいるのはスウェーデン。欧州から日本を見ていて心配だからこの本を上程したというスタンスのようだ。うーん、そこに若干の矛盾を感じるのだが。。。つまり、石角さん自身は、日本に見切りをつけたからこそスウェーデンに住んでいる。だけど、日本を傍から見ていて心配だという。具体的には「アベノミクスは失敗するだろう」というスタンスなのだが、外国に住んでいて、失敗するから心配だなんていうのは、簡単だよなと思ってしまう。そこがこの本に入っていけるかどうかの第一関門かもしれない。まあ、そこは引っかかりながらも読み進めるのだけど、示唆に富んでいる箇所も多い。

さて、驚くのは石角さんがユダヤ教徒だということだ。日本生まれなので、最初はユダヤ教徒ではなかったのだが、50歳を過ぎてから改宗する決意をして、2007年に奥さんともどもユダヤ教徒になったらしい。ユダヤ教徒になるといっても、簡単になれるわけではない。筆記試験、口述試験、数々の儀式を行い、割礼手術も受けたらしい。そこまでして、なぜ、ユダヤ教徒になりたかったのか。

それは、脈々と続くユダヤ教徒が生き延びるための智慧を有していて、そこに共感したからなのだろう。ユダヤ人の歴史は迫害と耐久の歴史だ。それは、旧約聖書の時代から、いまのイスラエルにまで繋がっている。だからこそ、危機に際しての智慧が塗り重ねられている。だが、いまの日本は重大な危機に直面していると石角さんは見る。ユダヤ人となり、危機に対して敏感な石角さんが、平和ボケした日本人へのメッセージということだろう。

この本で目に留まった箇所。

「組織は、インナー・ダイバーシティ、アウター・インテグリティであるべし」
(Inner Diversity Outer Integrity)

日本語で言えば、「内なる多様性、外なる統一性」。

ユダヤ人は、個々人が相互に非常に異なった人々の集団だ。石角さんは、ユダヤ人ほど一人ひとりが個性的な人種はいないという。だが、その外部にいる人たちには、非常にまとまっていて統一性のある調和のとれた集団となる。

会社も同じ。多様な人がいて、それを束ねて目的を共有する。それがなければ、潰れたコダックと同じだ。

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2013年06月08日

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