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イスラムの中のイラン
「イランといえば、イスラームの国だから、イラン人のことをアラブ人と同じ人々と理解している日本人は多いだろう。」
恥ずかしながら、自分もそうでした。
ペルシャとアラビアの違いを認識していませんでした。
イランの歴史の流れや他のイスラム諸国の文化的な違いを簡潔に分かりやすく教えてくれる本です。
筆者のイランへの愛情が感じられます。
Posted by ブクログ
[両面の相克]アケメネス朝やサファヴィー朝に見られる大国としての歴史を持つと同時に、近代以降は王政からイスラーム革命への大転換を見せたイラン。民族や宗教が行き交う地で育まれた壮大な歴史をコンパクトにまとめあげた作品です。著者は、イランへのペルシャ語留学もされた経験を持つ宮田律。
そもそもこの変化の多い地域において、「イラン」という形で数千年前から歴史が書ける、ないしは紡げるところにこの国のまとまりの強さが感じられました。中東地域というとややこしく感じられるかもしれませんが、まずは本書でペルシャ・イランの系譜の独特さに足を踏み入れてみるのもオススメです。
イスラーム革命後のイランについてはその影響力の大きさもあって議論が尽きないのですが、その端緒が那辺にあったのかを簡潔に知ることができるのも本書の魅力。アメリカとのこじれにこじれた関係がイランからの視点ではどう見えるのかといった点も非常に勉強になりました。
~ホメイニーによる反米の提唱は、イランとアメリカの外交関係の歴史に関係があるとともに、歴史的に外部勢力によって侵入を受けてきたというイラン人の「被害者意識」にも関連するものだ。~
コンパクトにして明瞭☆5つ
Posted by ブクログ
主に現代イスラームを専門とする著者によるイラン通史,20世紀以降の特に対アメリカについてが本書のメイン。
p38「日本人は,欧米の一部にある「イランは危険」という誤解や偏見にとらわれずに,イランという国を正確に認識,理解していくべきだろう。」
p258「日本は自由を希求し,また強い民族的ブライドをもつイラン人の心情に留意しながら,イランを国際社会にとり込み,急進的な保守派の主張を弱めることを,ヨーロッパやイスラーム諸国と強調しながら図っていかなければならない。」
Posted by ブクログ
旅行前に一冊読んでおこうと本棚の中から。
世界史の知識が無いもんだから分からないところもありましたが
読みやすく手っ取り早く一冊読むには適した本かと。
Posted by ブクログ
正直、イランのことも全然知らなければ、イスラム世界の知識も皆無。ただ中公の物語シリーズだから、ってことで読むことにした作品。案の定というか、全然覚えられなかったし、下手したら歴史の流れさえほとんどつかめなかったってのが事実。でも、他にも中東世界に関する書籍を読んでみようってきっかけにはなったと思えるし、ふとしたときにまた読み直すのも良いかも。食わず嫌いはダメすよね。