【感想・ネタバレ】仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解のレビュー

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仏教はインド、中国、日本と伝えられてきてどのように変容して受け入れられたのか。現在の日本の仏教とインドで発生した仏教との違いがよく分かる。またそれは、それぞれの国の人々の性質にもよったようである。

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2018年10月20日

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おススメ本。古代インドで成立した仏典が、漢訳され、さらに日本の僧侶がそれを解釈するという過程で、いかに誤読や誤解がなされたかを、各テキストを丁寧に比較して検証。形骸化した「葬式仏教」への痛切な批判。

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2011年12月08日

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ジュンク堂池袋本店で購入しました。
2011年12月1日。

読み終えました。2011年12月9日。

お薦めです。

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2011年12月09日

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ネタバレ

 P58で、子どもを生き返らせる薬を捜している母親に対し、釈迦が『芥子の実をもってきなさい。ただしその家からは一人も死者を出したことのない家でなければならない。』と諭すと、母親はいくつもの家を訪ね、どの家でも死者がいたことに気が付き、死という事実を受け止め、自身でその悲しみを乗り越えるしか道はないと。体験するシーンがある。このシーンで身内の死に悲嘆にくれ号泣する人や、叫ぶ人がいる外国の事を思い出した。その点日本ではそのような過激な指向性は薄いなと感じた。やはり根底に仏教が流れているのだろうか
?薄知の私では計り知れないと感じた。
 第二章では中国語に関する内容が書かれている。漢文では書きえない言葉に対し、どう対応してきたかが書かれていた。引用したい個所もあったが、音読表記の入力ができず諦めた。
 第三章には漢約仏典をとおしての、日本の仏教受容の仕方が書かれている。中国で使用されていた漢字をそのまま日本語にあてることは危険だと著者は指摘する。また別に、「AはBなり」という表現は、「A→C→B」とたどる文脈で、Cが省かれていることが挙げられている。また「AはBなり」を素直に聞いてしまうと、A=Bという思考しか働かないが。”は”が使用される場面によって、A=B以外の意味もあるとされていた(P124引用参照)。サンスクリット語の格の多さに驚いた。ドイツ語の4格で引くのに、7格、であるとは・・・習得する気がなえるわ。曖昧の意味を持たせるには、複合語なる単語を何個も何個も重ねたもので表現するらしい。書き手も、読み手も辛そうだ。著者はその曖昧さの幅を利用して表現の豊かさをh炉下用としていたともしている。
 第四章 歴史に強い関心を持つのはギリシャと中国らしい。ほうほう。釈尊の葬儀では、お経、戒名はなかった。火葬され荼毘にふされたそうだが、なんて簡潔なんだろう。
 著者は面白い人みたいだ。文章に柔らかく味があって、読んでいて肩がこらなかった。この著者の他の本を読んでも楽しめそうだと感じた。

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2016年12月27日

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ネタバレ

この本きてますね~。
日本の新興宗教ではなく、インドの原始仏典からいろいろ引出しています。中村元先生に師事されていたようです。
サンスクリット語、パーリ語満載です。
仏教=宗教を学ぶと言うよりは、東洋思想の一部を読む感覚です。
面白いです。

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2012年05月16日

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ネタバレ

「法華経」-2004-、「維摩経」-2011-をサンスクリット語の原典から完訳した在野の仏教学徒である著者が、インドと中国そして漢訳による仏教受容をした日本における三様の仏教理解を、その誤解も含め、一般向けに解き明かしてくれる。
第三章「漢訳仏典を通しての日本の仏教受容」における先達者たちの意図的・恣意的ともみえる読替えに関する記述は興味深い。
道元の「有時」に関する-
親鸞の「備施等衆生行也」に関する-
日蓮の「自我偈」や「我実成仏已来無量無辺」に関する-

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2011年12月05日

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著者は仏教研究家の植木さん。サンスクリット語の仏典を読み解き中国、日本へ伝わった仏教の誤解といったことが主テーマかと思い興味深く読んだが、そんなに興味を惹かれる所は多くなかった。

印象に残ったのは、釈尊が弟子から「世尊の教えはサンスクリット語に翻訳して伝えた方がよいのではないでしょうか」と尋ねられ、「その必要はない、その地域の言葉で伝えなさい」と答えたこと。そしてその通り、アジア各地ではその地域の言葉で伝えられたが例外は日本で、漢訳のまま受け入れて、大和言葉に翻訳されることはなかったとのこと。したがって多くの人はお経を聞いてもいみがわからない。お経というとわけのわからないものの代表格になっているが、もったないというか不幸なことだ。ただそのために浄土宗や日蓮宗などシンプルでわかりやすい宗派が普及したのだろうか。

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2024年02月24日

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サンスクリット原典の厳密な解釈にもとづいて『維摩経』や『法華経』の現代語訳を手がけてきた著者が、サンスクリット語・パーリ語原典と漢訳経典、さらに日本における漢訳経典の受容の諸相について検討をおこない、仏教の思想がどのように変容していったのかということを、さまざまな事例を紹介して解説している本です。

著者の翻訳のしごとを通してあらたに明らかになった事実の紹介が中心となっており、さらにそこから展開されたインド・中国・日本の比較文化論的な内容の議論が示されています。「仏教、本当の教え」というタイトルから、初期仏教の思想的核心を掘り下げていくような内容を期待した読者は、肩すかしにあったような気分になるかもしれませんが、個人的にはおおむね興味深く読むことができました。

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2023年01月22日

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著者の意図は立派なものだが、細かな例示がダラダラ続くのでうんざりしてしまう。読む意味はあると思うが、再読はしないだろう。あと、少なくともこの本に中村元の話はいらない。

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2020年11月06日

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NHK 100分de名著 より。植木雅俊 「仏教本当の教え」

変容した日本の仏教をインド仏典から見直した本。タゴール、諸法実相、常不軽菩薩 の話は 面白い

タゴールの思想「アジアは 文化によって 一つでなければならない〜仏教によって実現されていた時代があった」

タゴールが見出した 仏教の現代的意義
*徹底した平等
*迷信、占いを徹底して排除
*西洋的な倫理観を説かない〜神対人間ではなく、人間対人間の中で倫理観を説く

諸法実相
*諸法=あらゆる物事、現象、実体
*実相=ありのままの姿、実在、普遍的実在
*インドは実相が重視→日本は諸法が重視
*諸法から実相を見、実相から諸法を見る

法華経の理想とする菩薩像=常不軽菩薩
常に軽んじないと主張して、常に軽んじていると思われ、結果 常に軽んじられることになるが、最後は 常に 軽んじられないものとなる菩薩

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2018年04月29日

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看板倒れな感じです。これをきっかけに仏教とは何かと考えるのがいいかも。本文に出てくる中村先生の本が読みたくなる。

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2013年03月20日

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インド・中国・日本では仏教の受入れられ方、理解の仕方が違うから、もはや別の宗教と言うべき、という印象をうけた。外部からきた宗教が土着のものと融合して、新たな面白い物になる。変化を続けながら、受入れられ続けてきた仏教を、読み解くのは面白い。

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2012年12月21日

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仏教の本当の教えを書くと言うよりは、サンスクリット語・パーリ語〜
中国語〜日本語と翻訳されていくうちに言葉の違いや環境、文化の違い
により生じていった誤訳や誤読について書かれている本、という印象。
扱っている問題が小間切れでどうしても枝葉末節という感が否めない。

もちろん原典に当たるのは基本中の基本だが、我々は学者ではないので
そこが肝心なのではない。知りたいことはもっと違うことだ。

読み物としてはとても面白いのだが、タイトルに負けている感じで残念。

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2012年08月07日

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全体としては興味深く読み進めることが出来ましたが、推論の域を出ていない内容も多々見受けられた印象。言語の壁による誤訳はもちろん、仏教を受容する側の文化的・政治的背景などによって、異なる解釈がされることも必然です。
ブッダが何を教えたかったのかも重要ですが、その言わんとしたところが、人々の人生にどのように活かされてきたのかが重要なんだと思います。その辺りは筆者も認識されていて、すべてを否定している訳ではありません。
ひと口で仏教と言っても、日本人が考えているよりもはるかに複雑なんですね。初期仏教をはじめいろいろと学んでみたいと思いました。

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2012年08月05日

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仏教が伝わるうちに変化したんだろうなあということは想像がついていたけど、1つずつ検証されるとがっくりくるくらい変化してる。場合によっては漢字を通ったことで違う意味が一人歩きした言葉もあって、くせ者漢字の本領発揮。なんだかトホホという読後感でした。

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2012年02月20日

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やっぱりそうなんだ、と思いました。
お釈迦様の教えが、長い年月と、膨大な距離、多くの人々を経て、様々に変化して来たのが、今の仏教なんですね。イスラム教やキリスト教、荘子などの影響を受けた部分もある、ということで、一言仏教といってもいろいろなものになっていて、初期の教えから逸脱したり時には、真逆のものになってたりしてるのですね。
それでも、仏教とひとくくりにできてしまうところが、すごいところかも。
基本の教えとは何かが、はっきりし、
原点を気づかせてくれます

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2011年12月06日

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