【感想・ネタバレ】ソクラテスの弁明のレビュー

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自分の死(死刑判決)をもって自らの哲学を体現するという哲学者としての生き方がまさに「徳」と感じた。この作品から感じること、考えることを発信することは野暮な気はするが、言葉一つでここまで心を動かせることに感銘を受けた。 同世代の友達はこれを読んで何を思うだろうか。

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2024年02月09日

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ネタバレ

最初の方はソクラテスの捻くれ者っぷり頑固者っぷりに少しイライラしていましたが、死刑になるかもしれない場面でも捻くれ者を貫き通せるのは凄いと最後には感じていました。
有名な不知の自覚についての考え方もなんとなく分かる(分かるという言葉をこの本の感想で使いたくはないですが)し、もはやソクラテスの頑固っぷりがほとんどコメディのようになっていて、お話としてもとても楽しめました。

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2023年06月16日

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『世にも優れた人よ。あなたは、知恵においても力においてももっとも偉大でもっとも評判の高いこのポリス・アテナイの人でありながら、恥ずかしくないのですか。金銭ができるだけ多くなるようにと配慮し、評判や名誉に配慮しながら、思慮や真理や、魂というものができるだけ善くなるようにと配慮せず、考慮もしないとは』

本編は対話形式で読みやすく、続く本編についての詳細な解説、プラトンについての解説も興味深かった。だけど、この本に書いてある文字を一通り読めたからと言って哲学的概念を理解できたとはとても言えない。

それでも、この社会の大多数に受け入れられている、年収や評判を重視する価値観にどうしても疑問を持ってしまう自分には、救われる部分があった。たとえそれによって社会にうまく馴染めなくても、とりあえず疑問を持ち続けて、考え続けていいのだと思っている。

「徳について、また私が対話しながら私自身と他の人々を吟味しているのを皆さんが聞いているような他の事柄について、毎日議論をすること、これはまさに人間にとって最大の善きことなのです。そして、吟味のない生は人間にとって生きるに値しないものです」

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2022年12月24日

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まず、告発に対する弁明を「古くからの告発への弁明」と「新しい告発への弁明」に分けた点に素晴らしく驚いた。純粋にすごい。ソクラテスは、裁判における告発者の他に、目に見えない告発者(偏見と思い込みによるもの)を「古くからの告発者」と定義付けて弁明をはじめる。そのうえで「新しい告発への弁明」へと移行していくが、その導入部分で一気にソクラテスの弁明に引き込まれていった。

そして、ラストの裁判後のコメントにおける予言も素晴らしく感動した。ソクラテスに有罪投票をした人々は、ソクラテスの予言どおり、現代の人々にもその「生き方」を吟味され続けている。ソクラテス自身ですらこんなにも永い時代を超えて彼らに仕返しが下るとは思っても見なかったのでは…?何にせよ、ソクラテスかっこいい。

ソクラテスの問答法、そして無知の知。
自分の現状に満足して知識ある者と勘違いをせずに、常に謙虚に生きて、学ぶ意欲を持ち続けたい。
そう思える裁判傍聴体験となった。

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2021年05月18日

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神を信じない罪と若者を堕落させた罪で告発を受けた哲学者ソクラテスの、裁判での弁明(告発者との問答を含む)、判決、そして判決に対する「遺言」をまとめたものです。
訳者解説によればこれはプラトンが著したソクラテスに関する真実であり、裁判記録ではありません。実際、おもにソクラテス側の言い分が書かれており、告発者との問答も、ソクラテスがいかに反駁したかに重きが置かれているようでした。
最低限必要な知識はまえがきに書いてあり、註もあるので読み進めるのに支障はありませんでした。

読み終えて思ったのは、ひとつには神を信じていないのはソクラテスではなく告発者と民衆(裁判員)だということ。ふたつには、これを過去のこととして素通りしてはいけないということです。

都市国家では守り神を信仰するのが当たり前だったそうですが、裁判当時は形骸化していたのではないでしょうか。本当に皆が守り神を信仰していたなら、神を信じていないと告発されることもなかったでしょう。自分と同じようにソクラテスも神を信じていると実感できただろうからです。
ソクラテスがおこなった弁明や問答も、至極真っ当な内容だと私には思えましたが、裁判員には当時跋扈していたソフィストの言うことと区別がつかなかったのかもしれません。ソフィストの語は現代でも、詭弁を弄する人という意味合いで使われます。しかしその場にいる全員が神を信仰していたなら、ソクラテスの真に言おうとしていることが理解できたのではないかと思うのです。

罪をでっち上げられて告発され、有罪になってしまうことは、現代でも十分あり得ます。当時の裁判では有罪か否かを判断したあとに量刑が判断されていたそうで、告発者が死刑を求刑したのに対し、ソクラテスは当時のVIPにのみ許されていたことを刑罰として提案するなどしたため、裁判員の反発を招いてしまいます。
弟子たちの助言もあってソクラテスの主張は最終的に罰金に落ち着きましたが、それまでの悪印象を拭い去ることはできず、告発者の求刑どおり死刑が決定します。
現代でも、「心証が良くなる/悪くなる」と言います。神ならぬ身の人が人を裁く難しさは古代ギリシャの時代から少しも変わっていないのだなと、ため息が出ました。

この著作はプラトン哲学への入門書ということで、あらためてプラトンが何を言いたかったのかを考えると、ソクラテスがいかに真理の探究に熱心だったか、ではないでしょうか。それが神の意志に叶う生き方だと信じていたのです。
とはいえ自分の生き方を貫くのはとても勇気の要ることで、ともすれば日和ってしまいがちになります。プラトンは師の生き様を記すことで、自分が哲学の道を歩む際にぶれることのないよう、自身への戒めとしたかったのではないかと思いました。

解説も充実していて、本編を読み、解説を読んで、再度本編を読むといっそう理解が深まるように感じました。
プラトンのほかの著作についての案内も巻末に載っています。続編は「クリトン」と「パイドン」だそうなので、探して読んでみようと思います。

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2019年09月25日

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ネタバレ

哲学入門者ですが、非常に読みやすかったです。
解説があるため、より理解が深められました。
また、プラトンの作品一覧もあるため、今後何を読めば良いが分かりやすかったです。

無知の知という言葉が間違いだと初めて知りました。

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2018年05月14日

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目次→訳者まえがき→本文の順で読み始めたところ、訳の言い回しがまわりくどいのか、原典がくどいのか、ソクラテスが何を言いたいのか良くわからない印象でした。
でも、解説→本文の順で読み直したところ読めるようになりました。

「徳について対話・吟味のない生は人間にとって生きるに値しないもの」と言い切るソクラテスはかっこいい。でも、吟味のために全てを切り捨てる必要があるのか?
プラトンの他の著作も含めて哲学の歴史を辿ってみようと思います。

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2017年01月15日

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昔学生のころ絶対に読んだのだが。(読んだことだけは
覚えているのだが)全く覚えていないもので。
大まかな内容は当然しっているのだが、詳細は全く
思い出せなかってです。でもまた読めてよかったと思います。
光文社のこの文庫シリーズは非常にいいと思うので、
もっと多くの古典を新訳で発売してほしいと思います

ソクラテスの無知の(知)恥の本来の意味合いが、
少しわかったような気がします。

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2017年01月09日

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知を愛し求めるかぎり、人はより良く生きている。

無知の知。
人は「死」を知らないのに、なぜ恐れるのか。

恐れはダークサイドの入り口。。。

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2016年01月12日

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岩波文庫版に親しんで、よく知っていると思っていたけど、それ自体がとんでもない間違い、まさに無知であったことがわかりました、この新訳と充実した解説を読んで。無限に続く真理の探究、知を愛し求める哲学の実践、飽くなき自己吟味と魂への配慮にまさに命を賭した一人の人間が、自己の生死のかかった裁判で、人々に人間として生きることの意味を問い続けます。
本書はまさに人類の宝というべき古典だったのです。

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2015年11月20日

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ネタバレ

活字が大きく、文体も読みやすいです。他の訳の多くが「だ・である」調になっているのに対し、本書は「です・ます」調で書かれており、この違いだけでもソクラテスに対する印象がだいぶ違ってきます。また、本文の前にある「訳者まえがき」と本文のあとの「解説」も素晴らしく、読み方や考え方のヒントを提示してくれています。
一番印象に残ったシーンは一七の29A後半です。引用します。
「と言いますのは、死を恐れるということは、皆さん、知恵がないのにあると思い込むことに他ならないからです。それは、知らないことについて知っていると思うことなのですから。死というものを誰一人知らないわけですし、死が人間にとってあらゆる善いことのうちで最大のものかもしれないのに、そうかどうかも知らないのですから。人々はかえって、最大の悪だとよく知っているつもりで恐れているのです。実際、これが、あの恥ずべき無知、つまり、知らないものを知っていると思っている状態でなくて、何でしょう。」
これが世間一般に言われている"無知の知"の具体例なのか、こういうことなのかと。
(解説122ページでは"無知の知"という呼称は誤りだと説明されています。が、"無知の知"は一般的に浸透している言葉だと思ったのでそう書きました)
この部分ですが、「だ・である調」の訳で読むと、なんだか上から目線な印象を受けます。他の訳と読み比べてみても新たな気づきがあり、買って本当によかったと思っています。

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2014年12月27日

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2000年前に生きた哲学者の言葉に時代を超えて感銘を受ける。自分の死をもって裁判員の愚かさを指摘するソクラテスはまさに偉人。そして健気に彼の言葉を書き残したプラトンのお陰で私たちが彼の考えを知ることができる。感謝。
無知の知はよく知られているが、人を裁こうとすると、より一層人から裁かれることになるというのはまずもって現代でもその通り。人を呪わば穴二つということだろう。
また彼の死に対する考え方も新鮮だった。死をまだ経験したことがないのに恐れるということは知らないことを知っていると考えている証拠だと。死はあらゆる善のなかで最上のものかもしれないのに。
確かにそうだ。だけど自分が殺される直前になってもそのように信念を貫き通せる人がどれくらいいるかということだ。

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2024年05月08日

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 ソクラテスは、「徳」について、様々な人と対話する生活を送っていた。しかし、70歳頃、「不敬神」で告発され、裁判にかけられる。神への不信で訴えられたが、実際は、対話によって生まれた中傷や妬みが原因だとソクラテスは主張する。私たちは物事を知っていると思う市営に強い批判をぶつけている。

 「不知」と「非知」の区別を主著氏、多くの人が分かったつもりになっているという発言は、個人的に耳が痛くなる忠告だった。アテナイの人も現代の私たちも何事も分かったつもりで日々を過ごしていることが多いのではないだろうか。現代でいえば、ソクラテスは曖昧に日々を過ごしている人からは嫌われる人物だったのであろう。しかし、本書が語り継がれている事実がある限り、「知ること」の重要性は変わらない。

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2023年10月21日

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ギリシアで誕生した人類初の哲学者と言われるソクラテスに関する本。知を愛し求めるという哲学について学び始めるきっかけとして良い本だと思う。
無知の知という言葉だけは知っていたが、その日本語表現自体が適切ではないということが驚きであった。
自分は知らないことを知らないと思っている、自覚している、ということが、少なくとも知ったかぶりをしている人よりは知恵がある、という解釈から、知らないことを認知する、メタ認知は大事だと感じる。そういう認知があるからこそ、知ろうとする行動につながる。知っているということはそれを明確に証明できてこそである。知っている、と、思っている、では違う。無知の知、ではなく、不知の自覚、という表現が相応しい。

死を知らないからこそ、死を恐れない、また正しいことをして死を恐れない、むしろ間違ったことをして生き続けるよりは死を貫くというところにソクラテスがデルフォイで受けた神託を契機とした哲学の探求があるのだと思った。

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2023年09月10日

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「人間たちよ、ソクラテスのように、知恵という点では本当はなににも値しないと認識している者が、お前たちのうちでもっとも知恵ある者なのだ。」

というわけで『ソクラテスの弁明』です
ソクラテスですよ!「哲学」ですよ!
なんか思えば遠くに来たもんだなどと思っておりましたが、あれ?これたぶん読んだことあるかも?w

そりゃあそう!
そりゃあそうですよ
私なんかあれです
もう気付いてると思いますけどまんま哲学者ですもん
むしろソクラテスの生まれ変わ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!


大変失礼しました

ソクラテスは言っています「知らないこと」を自覚していない状態こそが、最悪の恥ずべき状態だと(うん、お前だな)
ソクラテスのように自分がはっきりと「知らない」という自覚をもつ場合にだけ、その知らない対象を「知ろう」とする動きが始まるからである

すごいのはこれ2400年前ですからね
2400年前にこんなことを言ってた人がいるすごいなって意味じゃありませんよ
2400年たっても人間は同じところをぐるぐる回ってるってことがすごいなってことです
2400年前の人の言葉になるほどそうだよな〜って思ってる場合じゃないだろってことです
もうとっくにそんなことは当たり前になってて然るべきでしょ2400年も経ってるんだから
2400年もの間なにしてたんだよ!っていうね

だめじゃん人類

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2023年05月21日

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知を求めるものの姿勢について考えさせられる。

多くの哲学の源泉を見た気がする。
他のものも読んでいきたい。
読まないと哲学史も入りづらいですし。

神の御使いという立場で民衆の善を思いながら処刑判決を受けるあたり、新約聖書との繋がりが気になる。
何も知らないから、「絶対聖書は影響受けてるでしょ」とちょっと盛り上がりました。

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2023年01月03日

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子どもの頃から言われてきた偏見や思い込みを、一つ一つ吟味して、正しく知る事が重要と、認識しました。また知ったか振りではなく、きちんと理解することも必要、と。


…とはいうものの、実際一つ一つ物事を吟味してくのは時間的にも厳しいので、なんとなーく分かった体で進めてくのが多いのが現実かと(え、私だけ?)。


本の内容自体は、ソクラテスが裁判中に民衆に語りかける口調なので、非常に読みやすかった(理解したかは置いといて)。

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2022年10月30日

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ソクラテスが知に真剣に向き合ってたことがわかった。この作品のすべて自分理解することはできなかったけれど、ソクラテスが言っていたように自分が知らないと自覚することが大事だと思った。

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2022年01月24日

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初めて読むプラトン
現代語訳のため大変に読みやすい

はじめプラトンは、弁論家や実業家達と対話することで彼らに恥をかかせる意図はなく、ただひたすらに真理の追求をしていたのだと主張し、その証明のためにさまざまな例を出している。
しかし途中から真実の追求は神によって下された使命だと論旨を切り替える場面がある。

個人的意見だが、論理的説明では会場の理解が得られず、神という絶対的権威で説得力を持たせようと切り替えたのでは無いかと思った。

人は論理では動かない、ということを改めて感じる構成だった。

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2021年08月05日

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クセノフォンの方も読んでみたい。
この文庫は解説でプラトンの作品が紹介されている。カルデミスとかリュシスとか読む手段ないものか。

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2021年07月18日

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有名な「無知の知」(訳者曰く、この標語は誤りらしいが)として解釈されるソクラテスの弁明部分が読めて、単純にテンションが上がった。

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2021年04月22日

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ソクラテスが法廷で自分の無罪を主張した話、というイメージがあったけれど全く違った。

アテナイの法廷では、有罪か無罪かを決める時と、刑を決める時、2度の投票を行っていた。
ソクラテスは、1度目の投票では有罪になったものの、「無罪の票がこんなに僅差になるとは思わなかった」というところまで持っていけたのに、なぜ2度目では大差をつけて死刑判決になる、というようなことになったのだろうか。

「悪に堕ちるくらいなら死を選ぶ」というソクラテスの言葉からは、生きながらえるために「弁明」したのではないということがわかる。

アテナイの人々に問いを残すことが彼が生きながらえることよりも「善」だと考えていたのだとすれば、大成功だ。2000年以上も後の時代を生きている人間にも問いを残すことができているのだから。

ソクラテスの弁明は、真実にも屁理屈にもどちらにも取れる。「話し方にとらわれないで欲しい」と願っていたが、彼の話し方はもしかしたら、多くの人に不快感を植え付けた可能性もあったのではないかと思う。

彼の言うことは全て真実だと素直に信じてもいいのだろうか。そんな波紋をも残している。

ソクラテスの弁明はとても短いので、これだけの薄さの本であっても後半半分は解説になっている。
その辺りは斜め読みで何となく流れを追った程度ではあるが、本文を読んだ時に湧いた疑問を解消させてくれたことは読後感をある程度スッキリとさせてくれる気がする。

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2021年01月12日

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哲学に触れられる本。
ソクラテス哲学の入門書としてオススメ。
読み始めると一気に紀元前までタイムスリップができる。
こんな奇跡的な体験は初めてである。

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2020年06月13日

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読みやすい。饗宴や国家は長いので、まずは初期のものから。プラトンによって書かれたと言っても、2500年も前のソクラテスの人間性、温かみ、真実を探求し述べる声が伝わってくる。
「無知の知」「ソクラテスの産婆術」などよく耳にする用語が、こういうことだったのかと、短い対話ながら理解できた気がする。善きことをする、金や名声ではなく、魂や徳を多くするよう生きる、知らないと思っている。
一方で、有識者を問い詰めたり刑罰に会食を望んだり、場所を弁えていないかのような応対に、市民の反感を買うのも納得した。この本に「クリトン」も収録されていれば良かったのに、それだけが残念。

「死というものを誰一人知らないわけですし、死が人間にとってあらゆる善いことのうちで最大のものかもしれないのに、そうかどうかも知らないのですから。」

「そして、私にとっても皆さんにとっても最善になるように、私について判決を下されるよう、あなた方と神にお任せします。」

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2019年08月18日

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ネタバレ

フィロソフィア:「智を愛する」とはどういうことか。ソクラテスはその命を懸けて証明した。わかりやすい。





 ソクラテスも知識人らしく、他人の気持ちを読めない空気を読めないアスペルガーっぽい所があったっポイな。でも、他社に迎合しないその姿勢は、高潔で、勇気があるようで、強い意志を感じる。
 しかし、それだけでもなかったんだろうな。やっぱり対人関係が不自由だったんだろうな。でもそれゆえに死ぬことになった。


 ソクラテスが最も愚かと言ったのは、「無知の恥」
 知ったかぶりの人間ほど醜い物はない。「智識は無限」である。どんな知者でも、何でもは知らない。知っていることだけを知っているのである。羽川翼もそう言っている。持てる知識の多少をひけらかすのは愚か。謙虚に自分の知識を増やし続けること、学びを愛することが正しい態度。
 「無知の智」を自覚しよう。学び続けよう。


 

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2015年12月20日

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ネタバレ

ソクラテスの裁判とは何だったのか?ソクラテス の生と死は何だったのか?その真実を、プラトン は「哲学」として後世に伝える。シリーズ第3 弾。プラトン対話篇の最高傑作。

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2015年01月16日

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ずいぶん前に岩波文庫版を読んだが、その時は、ソクラテスの偉そうな物言いばかりにひっかかり、むしろ聴衆側に感情移入してしまった。それに比べてこの新訳は、現代の普通の語り言葉で訳されていて、ソクラテスのセリフを必要以上に尊大に感じさせたりしない。で、今回感じたのは、ソクラテスが市民の多くから反感を買われているのをひしひしと感じながら、飽くまで、ポリスの法の枠を守りつつ、自分の立場を人びとに必死に伝えようとしている姿である。今回はソクラテスに感情移入した。

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2014年04月20日

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ネタバレ

哲学とはなんぞや?読めば少しは理解出来るのかと思ったが、いやはやなんともわからなかった。ただ、まったく分からない時に比べれば、わからないのが分かったと言うか、作中の不知を知るというのだろうか。わからない事がわかったのである。
対話という形を取り、議論してやり合うとか、議論が好きなのと、暇だったのだろうかと思ってしまう。そういう自分も、自分について、深々と考えて堂々巡りしている。これこそ哲学なのかしらん

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2023年03月13日

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哲学に触れようということで、プラトンのソクラテス対話編の中からソクラテスの弁明をチョイス。予備知識(世界史、哲学)のない状態では本文のみでの理解は難しく、解説を読むことが必須であった。哲学というと一種の自己啓発のようなもので、一定の結論や指針があるものと考えていた。この本では明確なアクションを示すよりは、自己の無知を認識し、知を探求する(哲学する?)ことを説いているのみであった。

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2022年01月02日

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プラトンの初期作。ソクラテスの没年が前399年で、この執筆時期が前390年だという。プラトンの師であるソクラテスが、アテナイの市民から不敬罪により訴えられて裁判にかけらた。その裁判において、原告や判事とのやり取りが描かれる。

ソクラテスは死を恐れない。人間にとっての不幸とは肉体の死のことではなく、魂の死であると。自らの思想は神託であるとの信念から、毒杯をあえて仰ぐに至るまでの雄々しい彼の姿が描かれる。一般にきかされるソクラテスの生涯のポイントが、この作品で本人の口を通して語られている。

このような場においても、ソクラテスはソクラテスであり、この「魂への配慮」があって、弟子のプラトンが生まれたのだとじっと考える。ソクラテスは思想家というよりは宗教家に近いかもしれないが、そのソクラテスの思想と信念をプラトンが体系化し、学園を築き教え説いたということが重要。いろいろと思い巡らす一冊。とっても読みやすかった。


17.9.23

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2017年09月23日

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