感情タグBEST3
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友情から恋愛へと発展していく過程で生じる苦しみについて描かれている本。
風景描写に力点を置き過ぎているきらいがある。もう少し、詳細な心理描写が欲しかった。
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最初は正直フィリップの青さにすごくイライラした。けれど最初薄っぺらいと思っていたヴァンカがストーリーを追うごとにすごく面白くなった。最後の方はとくによかった。あとはちょいちょい訳の言葉遣いが気になったのでフランス語をもっと勉強して自分で原書を読んでみたい。
p.134「だって、わたしにいじわる言ってるあいだは、そこにいるでしょう、あなた……」
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光文社古典新訳文庫シリーズの特徴は、奔放な翻訳と優れた解説、この二点だと個人的に思っている。
その意味で、コレットの『青い麦』を河野訳で読むことの面白さは、彼女の明快な解説と共に評価するのがよいと思う。彼女の解説は、若い男女の恋愛を描いた『青い麦』のテーマは、いかにもありふれて見えるのに、なぜ仏文史上「新しい」ものだったかを、コレットの伝記的事実も交えながら、分かりやすく、興味深く説明している。
本作を読んでまず目にとまるのが、夏の海辺の家を背景にした爽やさな情景。そして、十代の男女恋愛がもつ苦々しさを繊細に描いた巧みな心理描写である。謎の三十女が登場する展開は、フランス文学のおなじみのものだが、二人の主人公の関係が変化するための契機として効果的に使われている。直接的な性描写を排しているのは、何も彼女が性的なことがらに嫌悪感をもっていたからではなく(そうでなければストリップ同然のパントマイムを仕事になどできないはずだ)、十代の男女のぎこちなさを表現するのに適当だったからであるようにも思う。
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少年少女の初めての性の前後における心身の繊細な描写と避暑地の風景。
大人は影。少年に初めての性を教える年上の女性も影。
少年と少女にもだんだんと影が差していく。
そしてまだ残る童心の輝きや色彩豊かな風景と、迫り来る影とのコントラストの中に切なさ、甘酸っぱさがあるんだろうな。
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あまり期待していなかったが、意外と面白かった。幼なじみの15歳の少女と16歳の少年がお互いを意識し始めた。そこに年上の若い女性が現れた。よくありそうなテーマです。各々の心の動きがうまく描かれていました。
また、解説の第一次世界大戦前のフランスにおける恋のパターンがフランス文学を読むのに参考になりました。6パターン分けされていました。ぜひご一読を。
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急に古典小説が読みたくなって、いつもお世話になってる光文社古典新訳文庫から青臭い青春小説の『青い麦』と『肉体の悪魔』の2冊を借りた。どちらも16歳の少年が人妻と初体験をしてしまう話で、その対照的な内容を楽しむのが目的だった。
果たして結果は上々。2冊読まないとその違いがわからないので速攻で読んでの感想だけど、まず、フランス文学は難しい(そこかい!)。
抒情的な表現や情景描写がいたるところに挟み込まれ物事は2行で済むのにそういった表現のおかげですごくスローペースなので、ジェットコースターなドラマ慣れしてるときつく感じる。逆にそれを楽しむのがフランス文学なんだろうけど、嵐が丘のヒースクリフとキャサリンのような激しい愛憎はなく、未成熟な15歳と16歳の淡い幼馴染の兄妹のような恋人のような恋中に突如合わられた成熟した人妻が現れ、少年は体験を迎えていつもそばにいた女の子を女として意識し、また、いつもそばにいた男の子が体験を迎えて心情に変化した事に気づいた女の子も女として感情を露わにしていく、しかしどちらもがまだ幼く若い、そんな切ない恋物語をこの齢になって読むとまた感慨深く懐かしくもさえ思えてきた。
若いっていいなぁと切実に思うw
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おフランス…!という感じでした。
ヴァンカ、本当に15歳?家庭的通り越してる気がしますがこの頃の外国の娘さんはこんな感じなのかな…
カミーユのせいで…みたいになってたけど、小さい頃からお互いを知りすぎてるというのも問題アリなのかもしれないと思いました。苦い。
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性的欲求のためかなり苦しんでいる主人公。
人間模様の変化、官能の芽生えが瑞々しく描かれている。
嫉妬や焦燥感、不安、悲哀と思春期ならではの陰影に富んだ心の機微が細やかに描かれていた。
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フランス、ブルゴーニュ地方の断崖が続く美しい海岸に建つ別荘でのひとつ屋根の下での未成年者二人の激しい恋。
純情多感な二人の激しい心の葛藤、目まぐるしく変わる感情の起伏、自分の気持ちを押し止める事ができずストレートに相手にぶつけてしまうが故に起こるすれ違い。不器用だが切なく、もどかしい。
年上の女性に翻弄される青年という設定はフランス映画でよく見た記憶があったが、本書の解説で語られる興味深いフランスの恋愛事情で納得。
夏の終わりの美しい情景が二人の接触を嬉しくも悲しくも演出する。その素敵な風景に浸れました。映画化されているようなので機会があったら観てみたいです。
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年上の女性とそういうことをして、世界が変わるほどの衝撃を受けて鬱々とする少年。
幼馴染の少女としてみると、彼女は恋にひたってうっとりとしている。男と女の違い…?
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鹿島茂さんの解説によると、恋愛の本質はイニシエーションらしいです。
はて?
その辺りは自分にはよくわからないけれど、フランス文学や作者についての解説がわかりやすくて良かったです。
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幼馴染と、夏に出会ったマダム。ああ、僕は。
フィリップは別荘で夏休みを過ごしながら、幼馴染のヴァンカとすれ違う自分、マダム・ダルレイに惹かれていく自分をもてあます。大人になりゆく少年の戸惑いをみずみずしく描いた作品。
この作品は、「若い男女の恋」を描いたことで画期的だったそうである。なぜかというと、それまでフランスには「若い男女の恋」がなかったから。恋愛マスターのフランス人をイメージすると「!?」となってしまう。それまでのフランスの恋愛は、若い男と人妻だったり、男と高級娼婦や階級が下の若い娘との金銭的恋愛だったりと、ベテランが若者を導くような恋しかなかったらしい。
本文は「あーはいはいわかるわかる、夏休みの別荘、年上の女性、ひと夏の体験、思春期、ヴァンカの気持ちをわかってあげろ、しかしこういう年代ってあるある」など、通常運転のオシャレなフランス文学と思って読んでいたが、解説でその話を知ってびっくり。あらためて、新しい恋愛を描いたコレットの才能に感服。現代でもこういう話あるよな、と思うのは、いつの時代も普遍的な人間の姿を描いているということ。
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15,6歳の頃って根拠のない自信と、将来への不安が交互にやってくるよなあ、と共感。
フィリップもヴァンカもお互いのことを好きで、支配欲すら併せ持つくらいなのに、随所で不安が現れてくる。そんな心の動揺を、あえて悪く言えば執拗なまでに描いてた。おかげで、自分まで彼らの考えの中でぐるぐると堂々巡りしそうになるくらい。心情表現そんなにするのかと。
海外作品にしては平易で読みやすかったけど、登場人物に共感できないと読めないと思う。