感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
一応「SF」小説だと言うから読んだのだが、かなり期待の斜め下を行く作品だった。
SF的ガジェットは無くもないが、ほとんど冗談のような医療技術に負う所が大きいからだ。
東北の一寒村が日本政府に対して独立を唱えるという発想は面白い。
そしてその手法が軍事独立ではなく文化的戦略による独立である事も。
色々言うとネタバレになってしまうのだが「吉里吉里国」の戦略は用意周到かつ大胆、しかしどこか肝心な所が抜けている。
本作は上中下の三巻にも及ぶ長編だが、作中の時間はたった二日にも満たないという「ロミオとジュリエット」にも負けない強行軍だ。
それだけ出来事が濃縮されているかと言うとむしろ逆で、暇な時には主人公古橋の過去話やどうでもいい回想が挿入される形式になっている。
一応日本国の自衛隊が鎮圧に乗り出したり卓球ワールドカップを開催したり最終的には吉里吉里国の最終防衛ラインである大病院でドンパチやらかしたりといった山場はあるが、余分な所をカットすれば一冊に収まったのではなかろうか。
もっとも、その「余分な所」も含めてこの作品のユーモアであるから判断が難しいところではあるのだが。
Posted by ブクログ
東北の一地方が突如、独立を宣言し、「吉里吉里国」となる。旅客列車が止められて旅券を拝見とは⁉︎
なかなかの発想ですね。時々、クスリと笑わしてくれる。
主人公の古橋健二は自伝小説を書いた小説家。
この騒動に巻き込まれて、国賓扱いを受けていたが、となることから裁判に掛けられ犯罪者扱いとなる。次の巻が気になりますね。