【感想・ネタバレ】かなたの子のレビュー

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Posted by ブクログ

伝承された土俗的な話はホラーに近いゾワゾワ感があって面白い。

昔の地区ごとの閉塞的な生活を彼等なりに、時には訳の分からない理屈を付けて平穏な生活を守ってきたのかもしれない。
1人の命より集落の存続。怖っ。

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2021年06月04日

角田さんてホラーまで書けちゃうのか、すごい才能だなと思わずにいられない本でした。おみちゆきが印象深いです。高僧が生きたまま埋葬され木乃伊となり、生き神様となるが、四年後掘り起こしてみると...。頭の中で映像化してしまうほど、臨場感と表現力が強烈でした。

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2021年04月11日

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全部怖かった!…(T_T)
目次のところが 二つづつにわかれていて 内容が少しにている話どうしだった。
最後の「巡る」が一番角田光代さんらしくて好きでした。「道理」はめちゃくちゃ怖かった!

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2018年10月01日

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表題作を含む8編からなる短編集です。現実世界から地続きで不思議な世界に迷い込んでしまったような錯覚に襲われます。どれも深い話で珠玉の短編集だと思いますが、熱に浮かされて悪い夢を見ているような気分になります。

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2023年01月24日

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角田光代の短編集。ホラーかと思ったらそんなことはなく、世界観は違うのだけどすべて「繋がっている」というほかない作品集だった。
「前世」で語られるフレーズ、「私は母で、子で、だれかによって生かされただれかでもあったのか」がとても好きで、これまでふわっと考えてきたことがギュッとまとまっていて、ずっと反芻している。
私の父や母、祖父母、その前の前の前のずっと前に生きていて私が血を受け継いだ人たちの誰か1人欠けても私はここにいなかったし、子供も生まれなかった。とんでもなく果てしなく、世界は全て繋がって巡っているのだという気持ちになる。
赤ちゃんの頃の子供に会いたくなる作品だった。

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2022年12月12日

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交通網が発達して、日本各地を移動する物理的な距離感が随分と縮まった現代。しかし、都会にはないその土地ならではの言い伝えや伝承というものは地方にはまだまだ存在するように思います。私が泊まった北関東のある旅館では、夕食後に女将が、その土地に伝わる言い伝えを昔話風に語ってくれるという催しが好評を博していました。そして、そんな言い伝えや伝承というものには、何故か”ねばならない”、”してはいけない”という不思議な決まり事が多いように思います。昔々には何かしらの理由があってそんな風に禁忌とされた事ごと。その先には何か得体の知れない闇の世界が広がっているようにも感じられます。『日本の闇は、なにかじっとり身体にまとわりつくようなじめじめした湿度の高いもののように思います』と語る角田光代さん。この作品は、この国の各地に残る『都会ではなかなか見えにくくなった日本の闇』に光を当てる物語、あなたを異界へと誘う、あなたの背筋をゾクゾクとさせる物語です。

八つの短編から構成されたこの作品。いずれも『闇』の世界に足を踏み入れていく作品ばかり。そう書くと”ホラー?”という印象が先立ちますが、読めば読むほどに、そのような分類の次元を超えた、奥深い本物の『闇』の世界を垣間見ることになる作品が並んでいるように思います。ただし、人によってはトラウマになってしまいそうなそんな物語も存在するこの作品。もしかすると人によっては手にすること自体、注意が必要な作品なのかもしれません。

そんな注意を要する代表格の一つが最初の短編〈おみちゆき〉。その冒頭から読者の全神経を鷲掴みにして『闇』の世界へと一気に連れ去っていきます。

『おみちゆきは毎晩、村が寝静まったころに行わなければならない。集落の家々が、もちまわりで行う。昔は男にしか許されていなかったらしい』という村に伝わるその伝承。『一度いけば千日命を延ばしてもらえる』という言い伝えがあるものの『いきたいわけではない、そんなものは気味が悪くておそろしいだけ』と考えるのは主人公の征夫。しかし、『暗闇のなか、「今日はあんたがぐるごどはないけれど、いっしょにいぐかい」』と問う母に『うんいぐよと返事をし、自分のはんてんに急いで腕を通した』征夫は『息を殺して母親のあとを』ついていきます。『ひいいいいい、ひいいいいい、と風が遠くでうなり続けている』闇の夜。『お寺のちょうど裏手』にあるという『和尚さまのお墓』へと辿り着いた二人。『土から地上へと竹の筒が飛び出している』というその場所。『いつものとおり筒の前にひざまずいて祈り、腰をかがめて筒に顔を近づける』母親。『女の泣く声のような風の音が、征夫の耳のすぐ近くで聞こえる。聞こえるはずもないのに、鈴の音がそのなかに混じっているような気がする』という緊迫の場面。しかし母親はそのまま戻ってきます。『筒に白い布を結ばなかったということは、和尚さまはまだ生きている』というその意味合い。『月光和尚さまがお墓に入られたのは夏の終わりだったから、もうふた月も前のことになる』というその起点。『生きたままお墓に入ることも、お墓から体を取り出すことも、もう何十年も前に法律で禁止されている』ため、夜半に行われたその作業。『和尚さまはお棺にお入りになり、男たちが石と土で埋めた』という夏の終わり。以降『和尚さまが生きながらお墓に入ったことは他言無用』という日々を送る村人。そんな和尚さまの話をする子どもたち。『和尚さまはいづまで生ぎられるんだべ』と呟く友人の きみ子。『和尚さまはひょっとしたら、出してけろって言っているがもしれないね』と続ける きみ子に『んなごどあるわけねえべ』と返す征夫。そして再び征夫の家に当番の日が訪れます。『月の障り』となり『すまないが征夫、ひとりでいってけねが』と言う母親。やむなくひとり家を出て墓へと向かう征夫。『卒塔婆や頭のない地蔵を通りすぎ、そろそろと和尚さまのお墓に近づ』いて『地中からのびる筒の前に立つ』征夫。『和尚さま。呼びかけようとするが声が出ない』征夫。『口だけぱくぱくと動かして』、筒へと顔を近づけた征夫、そして…というこの短編。村人から慕われていた月光和尚が即身仏になるために生きながらにして墓に埋められたという衝撃的な内容と、その墓を幼くして訪れた主人公の姿が描かれていきます。ただし、結末にある意味でさらなる衝撃が待ち受けている、読者の想像の遥か上をいくこの作品。読後、即身仏について思わず調べずにはいられなくなった私。そんな私の脳裏に、恐らく一生消えないであろう強烈な印象を残した作品でした。

そんな最初の短編の興奮冷めやらぬ中、二編目の〈同窓会〉は、一気に時代が現代へと飛びます。小学校の同窓会に参加し続けるという主人公が『だれも一言も触れないが、このなかの数人は、こうして集まることで確認し合っているのだ。あのことを忘れてはいないよな、と。あのことを口外してはいないよな、と』という彼らが併せ持つ過去。そんな過去にあったある衝撃的な出来事を『事故か、あれは事故だったのかよ』と同窓会を続ける理由へと重ね合わせていく、こちらもトラウマになりそうな衝撃度の高い短編でした。

そんな衝撃的な作品が二つ続いた後、この作品は後半に向かって本来の色を出していきます。それは人の『いのち』に焦点を当てていく物語です。上記二編が主に物理的なインパクトで読者をトラウマにする物語でしたが、後半は精神世界の物語が中心となって、読者に違う角度からのインパクトを与えていきます。そんな中でも書名ともなっている〈かなたの子〉はそんな精神世界を強く感じさせる物語です。

『生まれるより先に死んでしまった子に名前などつけてはぜったいにいけない』という『その付近での了解ごと』。『生まれなかった子は次に生まれてくる』というその考え方。しかし『死んだ子と、次に生まれてくる子は別な子なのに違いない』と思う主人公の文江。『だからこっそり、如月、と名づけた』というその秘密。『男か女か教えてもらえなかったが、その月に生まれるはずだったから』というその理由。『真一の先祖が眠る墓に埋められた』子ども。『彼方の世界にいけないから』、『菓子も、玩具もそなえてはいけない』と言う真一の母。しかし『こっそり墓に寄』り、『しゃがんで手を合わせ、如月、如月、と呼びかける』文江。『それから一年しても次の子はできなかった』という現実。それが『墓に供え物をしていることがばれて、文江は義母にこっぴどく叱られた』という展開。そして、『寺の裏に足を運ばなくなって三月目』という運命の時、『文江は身ごもった』と、その先の未来が訪れるも、違和感が消えない文江。そんな文江の『夢に如月があらわれた』という運命の機会が訪れます。そして如月が夢の中で残した言葉のその先に不思議世界が語られるこの作品は、極度の不安感を読者に与え、物語の不安定さを残したまま静かに幕を降ろします。〈前世〉〈巡る〉という他の短編もそうですが、『いのち』というものはその人がひとり生まれ、ひとり死んでいくという単純なものではなく、前世や来世といったものとの繋がりの中に存在するもの、そういった精神世界が角田さんらしい独特な雰囲気感の中で描かれていく、まさに異界を感じる物語でした。

『押し入れのなかの薄暗い感じは日本人の原風景のひとつ』と語る角田さんが描く八つの短編には、まさしく日本ならではの『闇』が絶妙な温度感で描かれていました。インパクトの大きなその内容が心を鷲掴みにして離さない八つの作品。そんな八つの作品が共鳴し合い、溶け合い、そして時空を超えた異界へと読者を誘う、そんな独特な雰囲気満載の個性あふれる作品でした。

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2021年02月13日

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ひたひたと恐ろしい。
素晴らしい本だが、怖い話は好きではないので☆4

最後の安藤礼二氏の解説が秀逸。

土俗的な即身成仏伝説や輪廻転生、子どもの霊などが出てきたり、現代人の悩み?のような、人の弱さを描いたような話
2話ずつまとめた形式で面白い。

静かな怖さはさすがの角田光代氏!

『同窓会』が想像できるシチュエーションすぎて、リアルに怖かった。

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2020年10月20日

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最近、長編の読残しを片付けようと思って探していたので、予約したこの本が短編集だったので少し気落ちした。
短編はすぐに読めるし、よく似た長編を読むと印象が紛れてしまって忘れそうになる。
でもこの本は、テーマも、スタイルも工夫があって、とても面白かった。

* * *

・おみちゆき

 おみちゆき という土俗的な風習のある村での話。和尚さんが即身成仏するために穴に入った。持ち回りであるが、母の代わりに様子を見に行くことになった。
夜のあやしげな音の中を穴まで行き、地下に伸びた竹を伝わってくる気配に耳を澄ます。
和尚がなくなって久しく、子どもたちと帰省したお祭り小屋で、遺骸と再会する。宗教的な話ではなく仏門に入った人の最後が、子どものころの妖しい思い出になっている。


・同窓会

小学校の同窓会だけは、毎年行われて、世話役は律儀に連絡をよこす。そのころ仲がよかったメンバーは、どうしても集まらなくてはならない秘密があった、みんな小学生だったころのあのことが胸の中にしこりになっていた。

・闇の梯子

静かで近所付き合いの煩わしさもない、うっそうと茂った木に囲まれた家に移った。妻と二人の暮らし。仕事を終え家の近くまで来たとき何かの黒い群れが家にぞろぞろと入っていくのを見た。

・道理

付き合った女は、話を全て「道理」という言葉ではかっていた。生きる柱は道理にかなったものでなくては、という。
結婚した妻もいつの間にか「道理」を説くようになった。ある日散歩の途中でガーデンパーティーのような集会に入ると、そこは道理で話し、それで仕切られたひとびとが集まっていた。自分は・・・。


・前世

前世を見るという女に会う。何度も夢見る母との夢。
私はとついで子を生んだ、飢饉の年だった、子が泣くと外に出される、吐く息は白く冷たい。手を引いて川のほうに歩いて丸い石をさがす、夢のように。

・わたしとわたしではない女

いつもその女は私の傍にいた。私だけに見える女は、私が子を産むときも傍にいた。

・かなたの子

死んだ子に名前をつけてはいけない。死んだ子は鬼に食べられる。そういわれていた。だが文江は死んだ子に如月という名前をつけた。如月はかわいらしく育っていった。次に身ごもった文江に、如月は「海べりのくけどにいる」といった。文江は電車を乗り継ぎ、淋しい海べにある「くけど」まで如月を探しに行く。

・巡る

私はパーワースポット巡りに参加して山の頂めざして上っている。倒れて頭を打ったが、みんなで介抱をしてくれて、上り続けている。
私は結婚をして浮気をされて離婚をして、シングルマザーで子育てをしてきた。今子どもはいない、どうしたのか、頭を打ったせいかはっきりしないことばかり。
頂上に着いた、白い朝の光に包まれていく。

* * *

SFでもないホラーというのでもない。日常の中にある、現実と非現実の境、もやのような、こころの中の不明瞭な部分が人を覆い隠してくる。覆われた人、蝕まれてしまった人はそれを日常だと錯覚するのだろうか。
不思議な生と死の境目やそれらが重なる部分を味のある表現で書いた面白い作品で、どれもこころのうちにある異常さがうっすらと滲んで少しずつ生き方が逸れて来る。角田さんはこういうのをうまく書く人だと思う。

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2019年12月30日

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ネタバレ

ホラー短編集のようでいて、独特の情緒が溢れている作品集。
表題『かなたの子』は失った子を追い求める女の柔らかな狂気が描かれていますが、どの物語にも生死の微妙な境目のようなものが根底にあるようです。
少しずつ狂っていく人々が淡々と描かれているから怖い。
どのタイミングで世界がズレたのかが分からないのが怖いのです。
静かに消されていく真実、心の中から自ら消していく真実。それらは全く消えたのではなく、背後から少しずつ忍び寄ってくる。
その確かな罪の意識に、人々は耐えることができない、そんな物語。

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2019年06月07日

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川上弘美、田口ランディ、坂東眞砂子あたりの得意なジャンルだと思うが、なかなか良かったです!
日常描写が角田光代らしくて良かった。
ホラーは苦手だけど、そんなに後味悪いものは無かった。

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2017年04月04日

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角田光代さんの作品は大好きでよく読んでいる方だと思うのですが、その中でもこの短編集は異色というか、とにかく怖かった…これはほぼホラーだ、と思いながら読み進めるのを止められない上質な怖さ。

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2016年04月21日

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ネタバレ

因習という言葉が、物語の底から響いてくる。
生まれなかった子供に会えるという「くけど」に、向かう女の話し。時代設定が現代だったり、明治~昭和初期のような感じがしたりします。

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2014年04月30日

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心の闇をちょっとホラーテイストで描いた8つの短編。何れもゾクッとする内容は短編ながら濃い。解説を読んで著者の意図が鮮明になり流石と唸ってしまう。この作品をWOWOWはどのように映像化しているのか楽しみ。

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2013年12月23日

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 日本の古くからある民話や伝承の延長のような、ねっとりとした闇を感じる短編集です。

 ホラーやオカルトといった雰囲気のお話が集まった一冊でした。
 即身仏の話、田舎から上京した旧友との同窓会の話、押し入れの中の梯子の話、『道理』の話、前世の話、生まれる前に一人になった双子の話、生まれる前に死んでしまった子の話、パワースポット巡りのツアーの話。
 どれも、読んでいる間に何とも言えない、暗い何かを覗くような感触がありました。虫の声がうるさい蒸し暑い真夏の夜に、突然ふっと虫の声が止んでねっとりとした重苦しい闇が迫ってくるような、明るいところにいてもそこここにわだかまる暗がりに何かが潜んでいる息遣いを感じるような、なんとも重たい短編が続きます。
 この人たちは結局どうなってしまったのだろう、と話の最後に思うことが多かったですが、綺麗なオチでまとまらないからこそ、闇が深いように感じました。昔の日本には、もしくは今でもどこかの田舎では、こんな風習や伝承が残っていたのかもしれないと思わせるものがあります。

 ファンタジーにも見えるような題材であるのに、妙にリアルな描写がファンタジーとして読ませない、リアルな『死』を感じました。

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2024年04月26日

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ホラー要素のある短編集
人生の道理について語るヨガ講師に恋してせいで振った元カノが数年ぶりに再会すると人生の道理について語ったりし出した「道理」が一番好きだった
けどどの話も私的に消化不良起こす終わり方
角田光代の短編集はこのパターン多い、それでも作中にでてくる言葉選びとストーリーの最初から続きをどんどん読みたくなる文章で楽しく読めるからすごい

あとは即身仏の話、飢餓のせいで子供を殺す女、生まれた時に死んだ双子の片割れにずっと見られながら生きてる女、死産した女、過去に同級生をスーツケースに誤って閉じ込めてしまって殺したことがずっとトラウマになってる男とかの話

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2023年05月27日

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ホラー?というのか?
内容としては 読見やすいかもしれないけど
見事に全ての話が好きにはなれなかった。

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2023年05月11日

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ネタバレ

出会うべき大事なものを探し求めて彷徨うこと、そしてそれをせずにはいられない本能のようなものを感じた。
生きている自分と、今までに生きて死んでいった数々の命が繋がる。ひとりきりで生きて死ぬのではないのかもしれないと思えてくる。幾度となく繰り返され繋がれてきた命のサイクルの中に、私たちは永遠に生きている。‬
最後は、あなたを誰も責めはしないと言われているようで、大きく包まれるような安堵を覚えた。‬

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2019年07月14日

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 おみちゆき
 和尚様が人身御供となっている。その確認を目の良くない母と共におこなう征夫。
 和尚様は、征夫が学校に上がらないころに米や野菜を食べることをやめ、木の皮や水の代わりに漆を飲んでいると言う噂があった。痩せ衰えたのち、知るはずがないことを知っているように話すようになった。どこぞの嫁様に亭主が怪我をして帰ってくるからお医者様を呼んでおきなさいだとか、じきに稲妻が落ちるから家から出ない方が良いだとか。そうしたら本当にその事柄が起き、みなが和尚様に一心に祈るようになった。

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2017年01月10日

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日本の土俗的な因習をテーマにした表題作をはじめ、ちょっと奇妙で後味の悪い短編集。泉鏡花文学賞受章。
闇夜、前世、道理に因果。宗教ではないが、日本独特の祖先からひきずっている風習や思考のいやーな部分を角田さんの解釈で現代の物語にしている。近代文明がどんなに発達しても、良かれ悪かれ日本の土着的な考え方は消えることはないだろう。それは日本人の謙虚さにつながっている部分もあるのだから。

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2015年05月03日

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読みはじめたら、あれっ。この本思っていた感じと違う。と感じ読むのをやめようかと。
でも、止められなかった。
読みたい内容じゃない本を一気に読んだのは初めて。
「前世」と「かなたの子」が印象的で古くから伝わる闇の話だが、伝えていかなければならないことなのでは、と感じた。
この本も八日目の蝉に続き重かった。

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2014年09月29日

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ネタバレ

不思議というか不気味というか。。ふわふわして掴みどころのないような話。角田さんの得意分野なのかな。そして終わり方も。
どなたかが「作者は感受性が強い」とレビューしていたのを読んで、やけに納得!!そうでないと、こう言った風情の作品は書けないだろうな。ある意味すごい。

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2014年06月27日

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コワイコワイ。
角田光代の得意とするところの、女性の繊細な心の揺れ動きを感じるより先に、怖さというか、苦しさというか、何か冷んやりとした感覚は角川ホラー並。
コワイコワイ。

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2014年06月27日

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昔話?と思いながら読み始めたら、それだけではなかったのだけれど、現代の話も全ての話が、なんだか不気味。

人が消えたり、存在しないはずの人が存在したり。
特に「道理」という男女の話が印象に残った。

私も神とか霊とか占いとか信じるタイプなので。
単純に面白かった。
解説を読むまで、島根にある「くけど」も、小泉八雲の原作も知らなかったけれど、興味あり。

角田光代って、こんな小説も書くんだなぁ、と新たな才能を発見。
奥が深い。

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2014年01月05日

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解説に書かれていた「夢十夜」と「遠野物語」につながるという表現がまさにぴったり。隣に寄り添った闇的な存在が怖くもあり、また不思議でもあり。はっきりと書かれていないだけに、ざわざわっと肌が粟立つ瞬間があった。

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2013年12月13日

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死の持つにおいが漂う本だった。
特に幼い命が亡くなる時のなんとも言えないにおいがそこここから溢れているような。
20代ならもっとさっぱり読めたかもしれないけど歳追うごとに死はリアルさを増す。とても気が重かった。

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2013年12月03日

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幼いころの暗闇の恐怖を思い起こす。
子供の頃の朧な罪の意識が蘇る。
生と死の境界を混沌とした意識の中で彷徨う。

心の中にもある混沌とした闇の記憶を思い起こさせる民話のような怪奇小説

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2013年11月29日

Posted by ブクログ

店頭で見かけて購入。
泉鏡花賞受賞の短編集だが、耽美的な色は薄くむしろ地味。が、どの作品も現実と夢との境目が曖昧で、一作品を読むごとにその世界に引きずり込まれ、暗闇からじっとりわき出てくるような怖さを感じる。
子殺しの「前世」が特に印象的だった。

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2013年11月27日

Posted by ブクログ

いのちの話たち。

今読むんじゃなかったと思いつつも
読むのをやめられなかった。
生まれなかった子はどこにいくんだろう。

人生の選択は何が正しいのかがわからなくて
迷ったり悩んだり苦しんだりだけど
いつか自分の選択を認められる日がくるんだろうか。

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2013年11月24日

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