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イシスとセラピス信仰、バール神、キュベレとアッティス、ミトラス教、ユダヤ教、キリスト教、グノーシス主義、占星術等々の実態と盛衰に光を当てた良書。
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ローマ帝国において信仰された神々の起源と概説。ローマ帝国は、その広い国土から様々な技術や文化を取り入れた。宗教においても例外ではなく、支配下のエジプト、シリア等から様々な宗教を取り入れている。ローマ帝国の特徴として、侵略した部族や土地を隷属させるのではなく、むしろ公衆浴場や劇場等の娯楽施設やインフラを整えることで上手く統治していた。そのような一環として、もともとの宗教の儀礼を禁じることなどをせず、むしろ土着の神々とローマの神々を合体させることで、ローマと被支配地の絆をいっそう強くしたのである。本書においては、上述の立場とは逆の視点からこれを見ており、ローマ帝国がオリエントの神々を取り込み、自らがそれを信仰し、広めていった経緯が細かに描かれている。
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ローマの神々がギリシアの神々に同化し、エジプト、シリア、イラン、小アジアから渡来した。ユダヤ教からキリスト教が生まれ、グノーシス主義が生まれた。そしてキリスト教だけが残った。オリエント由来の神々たちは秘儀があり人気があったというのは興味深い。グノーシス主義もキリスト教由来のもの以外にもあったとは。参考文献も載っているので入門書として最適。