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Posted by ブクログ
『アルス・アマトリア』ではなんのことか分からない人も多いだろうし、「愛する術」と言われて恋愛小説かと思えば著者が紀元前43年生まれと知って困惑するだろうし、やはり『恋の技法』しかないかもしれませんね、邦題。
表紙にあるように「千変万化の恋の手管」と言われれば、古代ローマの恋愛指南書あるいは愛し合うときのHow toものか、と分かってもらえるでしょうから。
訳注も懇切で『カーマ・スートラ』よりはよっぽど読み易く、なるほど、と思われる方も多いでしょう。
沓掛良彦氏の解説どおり(こちらを先に読んだほうがいいかな)、「ローマ恋物語絵巻」です。
私はこれを「詩」として読みたい。堕淫からは程遠い、「恋する者たちの技」を謳う詩として。
もちろん如何様に読まれても大歓迎、とオウィディウスも言うと思うけれど、さてどうでしょう。
愉しんで読むためには、ローマ史の概要とギリシア・ローマ神話の基本的お約束に親しいほうがいいのは確かですが、それはまあ、後世のあらゆる作品についても同じことだし。
たまに読むと、とっても愉快な気分になります、私は。