【感想・ネタバレ】親和力のレビュー

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愛情と情熱

一部ご紹介します。
・男の本来の資質は、行為し、働きかけることにある。女は、もっと生活全体の中にあるつながりに目を向ける。
・親しく結びつけられた二人の間に少しでも均衡の狂いがあれば、そもそも第三者なるものはほとんど役に立たない。
・シャルロッテ「私たちの行く手に待っていることは、もうかなりはっきりしていますわ。あなたはオッティリーエを愛していらっしゃる。あなたはオッティリーエなしでは居られなくなっていらっしゃる。愛情と情熱は、あの子の側からも芽生え育ってきています。刻一刻、目の前ではっきりと起きている事実を言葉にして言ってしまって何故悪いのでしょう。この先どうなるのか、自分たちの心に聞いてみるだけの用意があっては、いけないのでしょうか。私たちを二つに裂き、私からはその夫を、子供たちからはその父親を奪っておいて、それでオッティリーエは幸せになれるのでしょうか」
・他者を記念しておきたいという考えは、大抵ただ自己本位のたわむれに過ぎない。それに対し、生きている人たちとの関係をいつもいきいきとした積極的なものにしておこうとすることこそが、神聖で真剣な仕事ではないだろうか。
・ある種の欠点なしには、個々人は存在できない。もし古い友人が、ある種の癖を改めたとしたら、私たちは寂しく思うだろう。
・愛なしの生活、愛する人を身近に持たぬ生活は、バラバラの挿話を並べただけのつまらぬ引き出しに過ぎない。この引き出し、あの引き出しを、引っ張り出したり押し込んだり、そしてまた急いで次の把手に手をかける。たとえよいこと、意味のあることが見つかっても、皆お互いにほとんどつながりがない。至る所で最初から始め直さねばならず、至る所で中断したくなる。
・動かぬ大地の上でも難波することはある。それからいち早く回復して、自己を立て直すことが、立派な賞賛すべきことなのだ。人生においては、最終的な得失が問題なのだから。
・現実に満たされることのない欲求は、全て私たちを信仰へと強いるものだ。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ゲーテによる本格小説。未だかつてない衝撃を受けた。この小説の主題は法、倫理、自然の関係であろう。内なる自然を抑えきれずに破滅していくエードゥアルトとオッティーリエの姿は、単純に道徳を遵守すべきとの考えから非難するにはあまりに美しい。

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2011年02月12日

Posted by ブクログ

自分の情欲に素直な方が幸せになるのかも知れない。しかし、欲は留まるところを知らぬゆえ、身を滅ぼすまで止まらない。足るを知る者が平穏を享受する事ができるが、足るを知るためには不幸を知る必要があった。4人の中で、大尉が特異なのは過去の水辺の不幸を経験したからなのかもしれない。

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2021年02月11日

Posted by ブクログ

初めてのゲーテ。僕が重視する世界観や描写というよりは会話-人物像中心の小説。だが会話そのものから見えてくる人物像のズレがいい軋轢を産んでると思う。読みやすいと言う点で、お薦め。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「恋愛小説とやらを読んでみたい」という動機で手にして、読んで、「これ以上恋愛小説は読まなくていいや」と思った。古いお話だなぁ、という印象。そいでゲーテがそんなに得意じゃないことを思い出した。

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2011年08月02日

Posted by ブクログ

なかなか手に入らないゲーテの一冊。お取り寄せすべき。
親和力とは化学用語。二種類の化合物を1つのフラスコに入れたとき、より結びつきやすいもの同士が結びつき、別の物質に変わってしまう。
人間もまた然り。

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2009年10月04日

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