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Posted by ブクログ
解説に西村京太郎の理想の女性像の話があった。
会津の中野竹子の話があった。
凛とした女性だそうだ。
本編は、中野竹子を崇拝する男の、中野竹子のような女性を思う気持ちを持った男性の殺人事件の動機をめぐる事件になっている。
著者の思いが重なり合っているだけあって、終盤まで興味深い展開になっている。
最後に、盗聴があったのは十津川警部らしい。
佐々木綾と池田多江子の結末への関与がないのが残念。
Posted by ブクログ
○出所した男は本当に悪かったのか。会津旅情も感じる義理・義憤ミステリー
12年前に衆議院議員の水谷を殺害した高木が出所した。しかし郷里の会津へ向かい泊まった宿では脅迫状のようなものが置かれる。すると刑期中に手紙をくれた女の佐々木が現れ、一緒に福島市内や喜多方を回ることになるが、共に乗車したSLで尾行していた男と思われる人物が殺されたと聞き…!?
出所や、当時殺害した動機を吐かなかったことを気にしていた十津川はじめ捜査一課は高木が関係していることに色めき立ち、高木の出自や行動から会津出身の中野竹子が関係していることに気づく。同様の雰囲気を持つ女性を探していると、今度は高木が失踪してしまうが、いったいどこへ。
この本を読むと、とにかく会津若松の地へ赴いて名所を回りたくなる。とりわけ、この本には広範囲図の他に会津若松駅の周辺にある、本誌に登場する名所の地図まで載せてある。この本を手に観光せよ、言わんばかりだ(笑)
ともあれ、会津は歴史的にも転換時期の象徴的な場所であり、それにまつわるエピソードもこのミステリーを解く鍵の一つである。
「ならぬものはならぬ」と明快に主張するところからもわかるように、会津人は義理や正義に厚い、そんな性格なのかもしれない。高木や中野竹子たちもその象徴として書かれ、そんな彼らを応援したくなると同時に、欲にまみれて汚ならしい犯人たちへは大人にもなっていったい何をやっているんだ、と主張したいのである。