【感想・ネタバレ】非戦論のレビュー

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Posted by ブクログ

先づ、この本を読むにあたつて、或る程度聖書を読むでゐなければ、若しくはキリスト教に触れてゐなければ難解でせうし、そもそも非戦を唱へた内村鑑三さんとは誰ぞやを知らずして、スラスラとは読み難いでせう。

其れを前提に、旧約聖書から次の預言(オカルト的「予言」に非ず)の引用を以て、この本の基底と為してゐます。


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 イザヤ書/二章 四節

 主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。
 彼らは剣を打ち直して鋤とし
 槍を打ち直して鎌とする。
 国は国に向かって剣を上げず
 もはや戦うことを学ばない。

 (日本聖書協会「聖書 新共同訳」)

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ゆゑに、一般論としての「平和」であるとか「反戦」であるとかが書かれてはをりませぬ。キリスト者として非戦を探究されてゐます。神の平和を求めてゐます。観念的且凡庸な思想上での「平和」は最初の章で一蹴されてをり、この本の中でいふ平和の範疇にありませぬ。

また、単に内村鑑三さんだけでなく、カール・バルトさんの著述からも其の論考を用ひて、日本に於る所謂(いはゆる)「戦後民主主義」以降、現在へも至る世俗に倣ふことなく、唯真理にあつて非戦を平和を追ひ求めてゐます。

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2014年10月03日

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