【感想・ネタバレ】日本語力と英語力のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ああはいはい齋藤孝齋藤孝と思いながら読み始めていたけれど、自分がこうではないかと思っていたことが言語化されていて面白かった。やっぱり基礎ですよね!

0
2015年01月14日

Posted by ブクログ

 「日本語力と英語力」 

 とてもよかった。ぼくが言いたいことを的確に述べています。多くの人に読んでもらいたい。ぜひ。

 この本は 本書は、齋藤 孝氏と斎藤 兆史氏の対談本です。
 重要なところ,おもしろいところを抜粋したみたらかなりの量になりました。何回かに分けて紹介します。

 まず,英会話と英文法について。



(兆史)
ごく簡単に要約すれば、国語教育を充実させよ,英会話ごっこにも似た低劣な早期英語教育を止めさせよ、型の訓練を中心とした骨太教育を実現させよ、ということになろうか。(p5)

( そういうことです。まったく同感。 )


(兆史)
たとえば、For here or to go?という表現を見てみよう。これは主にアメリカのハンバーガー屋の店員が、客が品物を店内で食するか持ち帰るかを確認するために用いるものである。逆に言えば、その状況以外で用いられることはなく、例文としてきわめて発展性に乏しい。第一、前置詞+名詞と to不定詞をorでつなぐ変則的な構文を初学者に理解させるのはほとんど不可能だから、勢いそのまま覚えなさいと指導することになるが、生徒は、「英語圏のハンバーガー屋では、品物を持ち帰るかどうかをFor here or to go?という表現で尋ねてくる」ということ以外、何を学んだことになるのだろうか。こんな表現は、海外旅行者用の会話本にでも載せておけばいいのである。

店員の最後の台詞に現れる Here you are. についても同様のことが言える。これまた、たしかに四十年前の Here is a pen. に比べて実際の会話でよく耳にするが、対面状況で物を差し出す動作を補うだけの表現だから、これを知らなければ対応に困るような状況は皆無だと言っていい。少なくとも、中学1年次に学ぶべき英語ではない。このように系統的に説明のしづらい「実用的」な表現を教えたがるのが、いまの英語教育の悪いところだ。日本語話者の英語習得の順序を読み違えていると言わざるを得ない。( p8〜9 )



 ( うれしくてたまらない。ぼくがこれまで言ってきたことです。まったく同感。「発展性がない」というのがキーワードでしょう。会話中心ではそれをそのまま覚えるだけ。ほかの表現に発展することがない。文法をきちんと学ぶと,単語を換えることで無数の表現に発展できます )


(兆史)
 まして英語シャワーといっても、せいぜいー日にー、二時間、多くて数時間程度でしょう。生まれたときから、英語で話し、英語で考えるという具合に、母語である英語に四六時中触れながら成長する英語話者の人たちとは、まるで状況が違います。ただ英語漬けになればいいというものではなく、日本語話者が英語を学ぶ場合には、日本語話者にふこわしいそれなりの戦略、枠組みがあるはずです。

(孝)
それが、たとえば徹底した型の訓練や、基礎の反復練習ですね。
(p43)



( これもぼくがこれまで言ってきたこと。新聞投稿もしたことがあると思います。さがして掲載したいです。とにかく同感。 )



(孝)
 それはたとえて言えば、長嶋茂雄が送球したあとに掌をヒラヒラさせるのを素人が見て、その”掌ヒラヒラ”を真似して野球をするみたいなものですね。長嶋はそれで野球がうまいわけじゃない。たまたま投げたあとにそうなるだけであって。

(兆史)
 ところが、”掌ヒラヒラ”ごと教えるのがいまの英語教育なんですよ。

(孝)
 基本の形というものは応用範囲が広い。ですから、特殊なケースではなくて、「この文型を覚えておくと、こういう場合にほとんど使えます」というやり方を優先すべきでしょう。(p45)



( 長嶋の掌ヒラヒラに例えるのはおもしろい。)


 けれど日本語と英語とはまったく違った語族に属しますし、日本人が英語を自在に使いこなすまでには相当の修練が求められます。その過程で学習する文法や読解がー見機械的な印象を与えることや、多くの人がその段階で英語学習をやめてしまうために、従来の英語教育が意思伝達機能を軽視してきたかのように思われがちなのでしょう。(p46〜47)

 ( これも同感。日本人にとって英語をマスターするのが難しいということです。車の運転ができるために1ヶ月ほど教習所に行くようなわけにはいかないのです。そこのところを誤解しているから,今の英語教育が悪いということで,文法軽視になってしまう )



(兆史)
 コミュニケーション中心主義の英語教育のもと、文法は軽視される傾向にありますが、英語と日本語はまったく異質の言語です。日本人にいちばんあう英語習得法として、まず言葉の骨組みを知る文法の学習は、日本人の英語の学び方に合ったものです。

(孝)
 ネイティブではない人間が外国語を学ぶとき、文法は大きな武器になります。その文法が軽視されるのは問題ですね。文法というのは型でしょう。相撲の四股みたいなもので、型を知っていると応用が利くし、効率よく学習できます。それに型や骨組みがわからないで、雰囲気だけで英語を訳すことはできないですよ。話すにしても、文法がめちゃくちゃでは、論理的な会話はできません。(p85)



( 日本人にとって,英語の文法を学ぶことは大きな武器になる,同感です。 )


0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

宇佐美・野口対談『教育と授業』で紹介されていたため読んだ。
本書の発刊は2004年である。この頃の斎藤孝は良い。「意味の含有率」が高い。最近の斎藤孝の本は読む気がしない。
本書は国語のプロ・斎藤孝と英語のプロ・斎藤兆史(よしふみ)の対談である。両者に共通しているのは、「英語は基本から入れ」である。文法と単語、音読の基本から入るべき、また、英語学習を駆動するのは論理力であり国語力であると主張する。
そして、小学校教育に関して、
・「英会話ごっこ」の英語教育はやめるべき
・国語教育の内容を見直すべき(厚くせよ)
と主張する。
ここまで全く同意であり、予想通りの内容であった。
ここからは、本書を通じて知ったこと、気づいたことである。
・文科省は民意(素人の意見)に踊らされている
・しかし、商売は民意を形にした商品がヒットする
・35〜55歳の働き盛りが時代を作る
・その意味で、「団塊の世代」が作ったのが、バブル時代からバブル崩壊までの時代。
・バブル崩壊後の時代を作ったのがいわゆる「団塊ジュニア」の世代。
・人は自由を求めるゆえに、社会は人々の自由度を高めることを、個人は自分の自由度を高めることをするべき。
・それは、社会は人々に選択肢を提供するべきであり、個人は技を修得することである。
・個人の幸福とは成長率であり、個人の自由とは技の数である。
・日本語と英語は語族が全く異なる。
・ゆえに、欧米で確立された英語教育学は、日本人には合わないかもしれない。

学校は「上達の法則」を教える場である、という主張だけ賛同できない。そうであれば、9科目もの科目を教える必要はないし、「上達の法則」を教えるためのメソッドを開発すべきだからである。
以上、学ぶべきところの多い本書であった。

0
2020年09月19日

Posted by ブクログ

斎藤兆史の英語論を初めて読んだが、とくにエリート教育と大衆教育のけじめに関しては蒙を啓かれた。「自由とは使える技が多いこと」「質が高く、抵抗感があるものを用意せよ」というのも参考になる。

0
2013年08月14日

Posted by ブクログ

うん、やっぱり齋藤孝さんの考え方って、私は好きだな。同じ斎藤姓の東大の英語の先生でもある斎藤兆史氏との対談。
小学校英語導入への反対の方の著作って、結構あるのだが、考えてみれば賛成派の人の本ってあまり目にしない。こちらが気づいていないだけなのだろうか? 人に勧めたい本のひとつであった。

0
2011年01月21日

Posted by ブクログ

英語教育への抽象的な批判だけでなく、具体的な改善策とその根拠も示されていてわかりやすい。じっくりもう一度読むつもり。

0
2009年12月04日

Posted by ブクログ

教員を目指していたら、読んでおくべきだな、と思いました。
やっぱり日本人は日本語喋れてナンボです。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

学校では基礎を身につける。安易なコミュニケーション重視ではなく、応用のきく型を系統的に学ぶ。「上達の法則」を身につける。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
コミュニケーション力が身に付く普遍的論理とは?
曰く「国語教育を充実させよ」「英会話ごっこのような早期教育を止めよ」「『型』の訓練を中心に据えて、素読、暗誦、反復練習を」。

[ 目次 ]
序 「英語が使える日本人」幻想から醒めよ
1章 英語力の基礎は日本語力
2章 英語教育のここを改めよ
3章 上達の法則
4章 右手に素読、左手に文法
5章 日本の教育を変える斎藤メソッド
6章 教材選びのポイント
7章 「本物」だけを見続けよ
8章 21世紀の「英語達人」のすがた

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

0
2011年03月27日

Posted by ブクログ

最後のほうに書いてあった「自分にとって英語の必要性がどのくらいか認識することも大事」ということには同意。また、授業実践の様子(先生増殖方式 pp.116-117、小ネタの披露、メモ取り)は活用してみたい。

0
2010年11月21日

Posted by ブクログ

今の文部科学省の英語教育に対する方針や、一般大衆の英語習熟に対する考え方に疑問を呈し、「普遍的な上達の法則」を提言する。現代の言語教育の問題点に関して著されている本。
「英語力は日本語力」「コミュニケーション重視の英語教育を疑う」「名分を素読・暗証せよ」などの主張がある。国語の齊藤孝と英語の斎藤兆史による対談形式の本。

0
2009年10月04日

「学術・語学」ランキング