【感想・ネタバレ】敵は海賊・海賊版 DEHUMANIZEのレビュー

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Posted by ブクログ

物語は、著述支援AIを利用して執筆していたつもりが、気づかぬ間にAIによって書かれたものになり変わっていた、という語り手の宣言から始まる。

この、AIを利用しているつもりが、いつの間にかAIに取り込まれてしまっていた、みたいな神林長平の小説でしばしば見るこの設定を最初に開陳されて、どういう話になるのかいきなり身構えることになったのだが、話の内容としては、一言でいえばドタバタ劇っぽい感じだ。

王女を探す侍女シャルと、シャルに王女探しを依頼された大海賊・匋 (ヨウ) 冥、海賊を追うラテルとアプロの海賊課刑事コンビを中心に物語が展開されていく。
ユーモラスな展開に毒気を抜かれながらも、章立てがopen level ~ break in level と表現されていたり、登場人物が数値データとして定義されていたりと、AI仕立てになっていて、どのように話に絡んでいくのかドキドキさせられながらも、後半の展開でその期待を裏切らない。タイトルの『海賊版』ってそういうことかァ~~ってなった。

話も面白かったけれど、キャラクターも好きだな。特に黒猫”型”刑事のアプロ。読んでいる間、頭のなかで、アプロがそれはもう動く動く。ねこの造形がはっきりイメージしやすいからだろうか。首につけたインタセプターで敵を攻撃するときとか、ジャンプしつつ、前脚を首元に縮めながら、からだをくの字に曲げてレーザービームを発射しているアプロの姿がありありと思い浮かんだ。ていうか口の悪い喋る黒猫ってかわいいな。それだけで好きかも。

面白い小説でした。

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2023年12月01日

Posted by ブクログ

久しぶりに読み直しました。
SFの世界観、物語の展開、戦闘シーン、どこをとっても面白く引き込まれる作品。
戦闘・友情・恋愛、さまざまな要素を含みながらテンポ良く展開する物語は圧巻です。
ラストの終わり方も綺麗、匋冥らしい締め方も面白かったです。

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2022年10月02日

Posted by ブクログ

大好きなシリーズ。
久々に読み返し。
一番好きなキャラはアプロだけど、母艦も含めて皆好き。他の神林作品はあまり入りやすい感じでは無いけれど、この作品集はいつ読んでも世界観とキャラが好きだ。最初に読んでから20年以上経っているのに。
色褪せない。
命令系統のシステムの若干機械的な感じと、高速言語とかカーリーの人間的な未来感がミックスしてる所が好きだ。
技術ら進歩しているが、未だに未来と感じられる所が楽しい。
きっと時が経ってもまた読み返したくなる。

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2016年02月05日

Posted by ブクログ

物語に没頭できるものが読みたくて読み返し。
やっぱ面白いわー。そして歩く黒猫、たまににゃん喋りは可愛いから、ひどくてもしょうがない。

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2015年02月04日

Posted by ブクログ

雪風シリーズに続いての「敵は海賊」シリーズ。
どうも、ドタバタ劇的な感覚が強い。まぁシリアスな部分ももちろんあるが、登場人物たちがそれを強く感じさせないくらいコミカルに描かれている。特にアプロ。
もう何冊かこのシリーズを読んでみたくなった。

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2013年07月19日

Posted by ブクログ

神林長平が好きだと言いつつ、雪風と火星3部作くらいしか読んでませんすみません。最近出た神林作品トリビュートを読むためにはまずもとの作品を読んでおかないと…とも思って読みました。思ってた以上にハードボイルドな、硬質な印象のSFでした。読んでてたまに混乱。それにしてもアプロかわいい…喰われてもいい。SFと猫って合いますにゃー。

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2012年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦闘妖精雪風とはまったく異なった世界観がある小説。

同じといえば、物語が地球ではなく地球外惑星で進められる点と
高度に発達した人工知能を有するコンピュータが存在する点

それ以外はまったく異なった世界でいったいこの作者の頭の中はどうなっているのか
除いてみたくなる・・・。

主な舞台は火星で、しかも警察(のうよう名組織)と海賊との戦いが描かれていて、
しかも、太陽系を中心に暗躍する海賊の首領は太陽系では経済界をも支配している存在。

どうにも破天荒なストーリーでしかもこれを書いたとされるのは、人工知能搭載型のワープロソフト・・・
このワープロソフトが作中の登場人物に”書かせた”となっている・・・。

ワープロソフト=神林長平と見るべきなのだろうか・・・。

ただ確かに”神林ワールド”と言えるのは、非常に精神世界的な描写が多く、
ストーリーや背景を整理しようとしても、整理しきれない不思議な感覚(描写)があったり、
どんなに想像力を働かせてもイメージ化できない描写があったりと、
雪風同様に脳みそが悲鳴をあげる世界でした。

この作家の頭の中はどうなっているんだろう・・・。

とはいえ、違う作品を読みたくなるから不思議です。

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2012年06月21日

Posted by ブクログ

探してたSF作家神林長平、初読み
入門編ぽいこちらから読み始めてみた

海賊課に所属してる人間のラテルと猫型異星人によるドタバタ系SFシリーズ

海賊課といっても宇宙海賊を捕まえる(殺す?)やつら、かなり権力があるらしく結構横暴で「俺たちは海賊課だぞ」と関係ないやつにまで強気で暴れます

話は面白かったけど難点がカタカナがマジで多く混乱する
人の名前、地名、乗り物、かなり似てる名前が多い上、今回はワープ?した先が全く同じ世界で全く同じドッペルゲンガーがいる世界に入り込む事で同じ名前の奴が2人ずついる(笑)
その中でドタバタやるもんだからマジに混乱、メダパニすわ

俺の読解力次第じゃねーかと言われたらそれまでなんだけど、でもめげずに続編も読むわ
だってセットで買ってしまったからね

話しは面白いのよ

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2023年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時に入る渋くかっちょいい記述はありつつも、全体を通すとドタバタコメディなんだなあ。あっけらかんとした笑いの感じに80年代な印象を受けて、初版を見たらやはり1983年。なるほどな。余り、そこを楽しむことはできなかった。

とはいえ物語に仕組まれたからくりは流石神林先生、面白い。

この本は、登場人物の中の一人がCAWという著述支援システムの支援を受けて書いているという仕組み。随所に入るCAWの「restart...」などのコマンド文がこの小説へメタな構造を付け加えている。伊藤計劃『ハーモニー』のetmlを思い浮かべた。
自分が支配されることを何より嫌悪する匋冥を、一つの「物語」という枠に押し込もうとしたときに発動するラストの破壊は圧巻。

もう1、2冊読んでみようかな、どうしようかなというところ。

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2013年01月23日

Posted by ブクログ

神林作品というと重厚なイメージがあったのですが、この作品はとても軽やかなSF活劇という感じで気楽に楽しめます。
2人の海賊課刑事は両方とも猫だと思ってたんですが、猫はアプロだけだというのを途中で気づきました(笑)。
タイトルの「海賊版」の意味が解説を読んでも結局分からなかったんですが、意味があるんでしょうねえきっと。

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2012年04月21日

購入済み

ごめん、挫折

フィクションで挫折することはめったにないのですが、、この人の「短文、現在形、体言止め」多用の文体に耐えられなくて、1/10で挫折しました。
刑事2人の掛け合いのシーンの途中まで、その掛け合いもちっとも面白くなく、和えなく終了。
※掛け合いは、昭和のオジサンの駄洒落で笑えるなら、或いは。

の人独特のリズム感に乗れるか乗れないかの違いなんでしょうね。
風景も人物像も名前も、全く頭に入ってきませんでした。
雪風は何とか我慢しながらも、読み切れたのですが。

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2016年01月30日

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