【感想・ネタバレ】月をめざした二人の科学者 アポロとスプートニクの軌跡のレビュー

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Posted by ブクログ

2022年4月から放映が開始されたNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」の第5回は「宇宙への挑戦 夢と悪夢 天才たちの頭脳戦」と題して,アメリカのフォン・ブラウンとソ連のコロリョフの宇宙開発競争を描いた.
思い起こしてみると,自分が小学校に入学した昭和50年には,スターウォーズはまだ公開されておらず(宇宙戦艦ヤマトは放映されていたが,それはご承知のようにアニメであった),当時の少年は,子供向け百科事典や学研の書籍を通じて宇宙と出会った.
冷戦を理解していない少年は,月に最初に到達したのはアメリカのアポロ11号とサターンV型ロケットであったことは知っていたが,人工衛星の打ち上げ,動物の宇宙到達(ライカ犬),有人飛行,宇宙遊泳がいずれもソ連によって初めて達せられたことを知り「ソ連って,アメリカよりすごいんじゃないの?」と考えていた.
アメリカチームを率いていたのがフォン・ブラウンであることは知っていたが,ソ連側を率いていたのが誰かは知らなかった.それがコロリョフであったことを知ったのが,映像の世紀であった.
フォン・ブラウンもコロリョフも政治に翻弄される.しかし彼らの「天才」と不屈の努力によって,次々と目覚ましい成果を達成してゆく.特にコロリョフは機密保持の観点から生前は表舞台に登ること,公に賞賛を受けることは一切許されず,60歳で突然死去したのちに,初めて「プラウダ」紙で報じられ,その存在が世に知らせることとなった.赤の広場で荘重な葬儀が営まれ(ブレジネフがコロリョフの棺を担ぐ写真が残されている),彼の栄誉はようやく賞賛されることとなった.
ソ連がすごい,と思っていた自分は,まんまとソ連共産党指導部の思惑に乗ってしまったのだが,政治利用はアメリカ側も同じで,ケネディが月に人類を送り込むことを発表し,再選を狙うジョンソンがアポロ計画を推し進めたのだ.

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2022年08月29日

Posted by ブクログ

ナチスのスポンサードでV2ロケットを開発したウェルナー・フォン・ブラウンと、流刑にあいながらも不屈の精神でソ連の宇宙開発をリードしたコロリョフ。ふたりのオッサンの夢競争。

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2014年12月02日

Posted by ブクログ

50年代から60年代にかけて行われたアメリカとロシアのロケット開発競争.その競争を引っ張ったのは,アメリカのフォン・ブラウンと,ロシアのコロリョフの2人の技術者.熱い.僕はコロリョフ派です.

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2012年04月08日

Posted by ブクログ

宇宙に魅せられ、紆余曲折を経ながらもロケット開発への情熱を貫徹した2人の科学者の物語。
1人は、ウクライナで生まれ、「スプートニク」を打上げ、「ヴォストーク」でガガーリンを宇宙に送り出したソ連の科学者コロリョフ。もう1人はドイツで生まれ、大戦終結の中でアメリカに渡り、「アポロ計画」に携わり「サターンV」ロケットを生み出したフォン・ブラウン。
この2人の生涯を、米ソの宇宙開発競争へという時代の流れの中で描いた一冊。
2人の科学者の物語としても十分に読み応えがあったし、宇宙開発の歴史に詳しくない人が、歴史を知るのにも良い本だったと思う。
宇宙に興味を持っている方は読む価値あり!

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2011年03月28日

Posted by ブクログ

フォン・ブラウンとコロリョフ。恵まれた家庭と、かたや苦労人というドラマチックな対比に当てはめやすい二人を軸に、宇宙開発が回ってゆく。
二人は交わる事なく、しかしまっすぐに宇宙へ向かう意識を持っていたようだ。
時に政治に翻弄されつつも技術屋として生きた二人の生涯をかけた情熱の物語に感動。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦後に宇宙開発でしのぎを削ったアメリカとソ連で、それぞれ開発を主導したフォン.ブラウンと、コロリョフの生涯をたどるノンフィクション。
米ソ両国のロケット技術のルーツがどちらもドイツが主導していたロケット技術にあり、米ソ両国がドイツの技術を取り込もうと必死であったことが描かれています。
イツで研究を続けていたフォン・ブラウンはアメリカに投降することを決心しますが、ほんの数日違いのタイミングで研究拠点がソ連の手に落ちていたことが本書で紹介されています。もしもフォン・ブラウンがソ連に身柄を拘束されていたら、月に人類を送り込んだのはソ連になっていたかもしれません。
冷戦の期間中は米ソともに国を挙げて研究に邁進していたかのような印象を持っていました。しかしアメリカでは陸海空の三軍が開発の主導権争いを繰り広げ、ソ連では共産党幹部が宇宙開発の軍事的意義を理解せず、研究を継続するために常に政治的な活動を強いられるなど、必ずしも効率的な研究環境とは言い難いなかで開発が進められたことが描かれています。
アポロ計画を取り上げた本は数多く出版されています。一方、戦後まもなくからの宇宙開発の歴史を特にソ連とアメリカの状況を対比しながら紹介する本書はまた違った視点を提供してくれる1冊でした。
技術的な記述よりも開発の背景など政治的、社会的な描写に力点がおかれていて、技術的な知識がなくても読み通せます。

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2018年11月10日

Posted by ブクログ

冷戦下のソ連とアメリカによる壮絶な宇宙開発競争。コロリョフとフォン・ブランのふたりは生涯顔を合わせることはなかったが、ふたりが同じプロジェクトにいたら人類はもっと早く宇宙に行っていたかも知れぬ。

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2011年10月13日

Posted by ブクログ

洋の東西に分かれはしたが、同じ時期に同じ夢を追い求め、
同じ高みへ駆け上ろうとした二人の科学者 
- 戦後アメリカに渡ったドイツ人、フォン・ブラウンと、
ソ連のセルゲイ・パヴロヴィッチ・コリョロフの物語。
文章は平易で読みやすいが、丁寧に書き上げられた前半に比べ、
きっと締め切りに追われて慌てたのだろう、
やや書き飛ばしたような感のある後半が残念。

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2010年06月02日

Posted by ブクログ

米ソの宇宙開発、コロリョフとブラウンの2人の生い立ち、時代背景などがよくわった。たまに専門的で難しく感じた。

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2011年01月17日

Posted by ブクログ

単に同じ時代に同じ事をしたってだけのような…
この時代だからこそ出てきた人たちだろうし、対比させるのはわかるけれど、わざわざ「ライバル」にする意味がわからない。

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2012年08月21日

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