【感想・ネタバレ】迷犬ルパンと「坊っちゃん」 『四国殺人Vルート』改題のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年12月24日

辻真先の長篇ミステリ作品『迷犬ルパンと「坊っちゃん」(原題:四国殺人Vルート)』を読みました。
ここのところ、国内の作品が続いています。

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四国松山の名門中学出身の少女が東京で殺された。
朝日正義刑事は四国へ向かったが、偶然道後温泉を訪れていたルパンた...続きを読むちと合流、捜査を開始した…。
松山は、ご存じ夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台だが、なんと朝日の会う先生たちは、そろって「坊っちゃん」の登場人物そっくり。
巧妙なトリックにルパンの推理が冴える。
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1987年(昭和62年)に刊行された迷犬ルパン・シリーズの第7作… 本シリーズは初めて読みましたが、軽く読めるユーモアミステリでしたね、、、

赤川次郎の三毛猫ホームズ・シリーズを意識して、そのパロディ的に描かれたシリーズの、さらに夏目漱石の『坊っちゃん』、『吾輩は猫である』をパロディ的に扱った作品です。

 ■プロローグ 吾輩は犬である
 ■第一章 行楽
 ■第二章 道中
 ■第三章 草餅
 ■第四章 ところ
 ■第五章 間
 ■第六章 通夜過迄
 ■第七章 姿三四郎
 ■エピローグ それなら
 ■解説 馬里邑れい

警視庁捜査一課刑事・朝日正義の下宿先・川澄家の健が、商店街の福引で道後温泉招待旅行を射止めた… 健はGF・美々子とブルートレインで、お目付役の姉のランとルパンは仕事もかねて車で四国へ出発! 同じ日、東京で松山の名門中学出身の少女の他殺死体が発見され、朝日刑事も四国へ、、、

松山は、ご存じ夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台だが、なんと朝日の会う先生たちは、そろって「坊っちゃん」の登場人物そっくり!? ここでまたしても殺人事件が… からみ合った複雑な人間模様と巧妙なトリックに、迷犬ルパンの推理が冴える!

少し軽めの作品を読みたかったので、その気分にはピッタリの作品でした… 誰でも親しみのある夏目漱石作品のパロディという面でも愉しめたし、巧妙なトリックはミステリとしても愉しめたし、何よりも読みやすい平易な文章と親しみやすい絶妙な会話が愉しめましたね、、、

迷犬ルパンの活躍や関係者が偶然同じ土地へ向かう等の現実離れした都合の良い展開には苦笑してしまいましたが、気楽に読むには許せる範囲ですねー 次も辻真先の作品を読んでみようと思います。

以下、主な登場人物です。

ルパン
 主人公。雄の雑種犬(柴犬とチャウチャウのハーフ)で、色はダークセーブル。
 元は野良犬だったが、屋台で朝日刑事の食べていたおでんの具を盗み食いした際、一緒にいたランに気に入られて「ルパン」と名付けられ、ランの家に住んでいる。
 サファイヤと仲良し。

朝日正義(あさひ まさよし)
 警視庁捜査一課勤務の刑事。生真面目な性格で、趣味は写経。ランの家に下宿している。

川澄ラン(かわすみ ラン)
 芸能プロダクションに所属するアイドルタレント。朝日刑事を慕っている。

サファイヤ
 ランの飼い犬。雌のマルチーズ。「サファイア」ではないとこだわっている。

川澄健
 ランの弟。

木暮美々子
 健のガールフレンド。

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