【感想・ネタバレ】天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)のレビュー

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どんな結末なるかは、歴史的な事実もあるので、いささか気が重い感じもしていたが、想像していた結末と違って、最後まで主人公である九戸政実「らしい」結末であったという印象である。
何より、作者の主人公への思い入れが、最後まで九戸政実という人物を際立たせ、物語を推し進める大きな力となっていたのであろう。

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2021年07月09日

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二巻目までは、なんやかんや言いながらもフィクサーの如く他人を動かすだけで自身は殆ど行動を起こさなかった政実がついに立ち上がった。
最終的には勝てる見込みのない戦いだと分かっていながら、決して臆することなく一戦一戦は完勝を続ける九戸党が見せる戦の強さ。最後に「負けたことがないからこの先が分からない」と笑い飛ばす潔さ。政実だけでなく、みんな格好良かった。
この本を読んで戦国期の東北を初めて知りましたが、圧倒的少数ながら豊臣軍に引けを取らず、兵を救うために降伏しながらも、その約束を反故にされたという大筋は史実のようですね。

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2018年09月29日

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どこまでも熱い漢達の話、第三弾。
九戸政実なんて、日本史で習った記憶無い程知名度は低いと思うのですが、天下人秀吉にここまで抗った武将が他に居るのでしょうか。

素晴らしく魅力的な人物が次々と登場しますが、やはり九戸政実が断トツ。
男が惚れる漢です。
阿弖流為と言い貞任と言い、本当にこの作者は描き方が旨い。

現代の野党も、このぐらい与党に筋の通った抵抗をすれば良いのに、なんて事も思ったりします。

日本男児は是非一読を。
東北3部作は全て、傑作です。

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2018年01月24日

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 目前に迫る十万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵にわずか5千の兵で九戸政実は誇りを賭けて喧嘩を売った。

 最終巻にふさわしく九戸軍と豊臣軍との戦いの連続が描かれ、めくるページが止まりませんでした。

 数では圧倒的に不利な九戸軍が数だけが頼りの豊臣軍を優れた作戦で次々と打ち破っていく様は読んでいて、その場の戦場の雰囲気を感じられるほど、とても爽快でした。

 秀吉の時代にこんな優れた熱い武将がいたことにとても驚くと同時に、その存在をこの作品を通して出会えたことにとても幸せを感じました。

 「火怨」「炎立つ」に続いてこの作品を読むことができてほんとによかったです。

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2017年05月20日

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南部家の棟梁になるに十分な器量を備えながら、秀吉の方針で勝手に東北の区割りをされることに怒る九戸政実。その方針に反発し、九戸と同志のみで秀吉に喧嘩をふっかける。秀吉がほぼ全国を統一した後だけに勝てる見込みは無いにも関わらず・・・。秀吉の政権が早々に倒れることも見通しつつ、東北武者最後の意地を見せてくれる。

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2014年08月09日

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最終巻はいよいよ秀吉軍との対峙。
手に汗を握る展開が続き、九戸政実の最期には心を強く揺さぶられる。

なぜに秀吉と対峙するのか?
その理由を最期の最後に知ることで九戸政実の行動の全てが理解される。
高橋克彦の陸奥三部作に共通していることでもあるし、幕末時の会津藩もそうかもしれないが、負けることでの美学に日本人は心を打たれるのかもしれない。
負けることに潔さを見い出すこと。

その場で負けることが、必ずしも歴史上の敗北には繋がらない。
そこまで判断して行動を取れる器。
戦略に通じ、大局的な視野を持つ懐深いリーダー、義を重んじ無私を貫き、郷土を愛す。
九戸政実はそんな人物として描かれている。

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2014年05月08日

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いよいよ豊臣秀吉の支援を取り付けた信直軍に対して、敢然と立ち向かう九戸党の最後の戦い。圧倒的多数の軍勢に知恵と勇気と武力を駆使して立ち向かう勇者たちに思わず力はが入り、最後は一気読み。著者の陸奥三部作の中では最高のドラマ。エンディングで多くを語らないストーリーがしみじみとさせてくれる。

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2013年03月28日

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2012-121
陸奥シリーズ最終章。
九戸党の最後は潔くて格好いい。
政実と実親。
どちらかが南部の棟梁になっていたら今の東北はどうなっていただろう。

でも、今の東北を見ていたら陸奥の炎は今も生きているんだなぁと思う。

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2012年11月14日

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もう東北の正史はこれでお願いします!な、熱い東北時代物。
 
高橋克彦さんの東北三部作の〆に当たる本作は、
戦国時代末期の「武士の終焉」を
ロマンと熱量あふれる文章でがっつり描いています。
  
とにかく熱く、血がたぎるお話なのですが 、
文章の歯ごたえも抜群で、かなり消耗します。
ようし、読むぞ!と、気合を入れて一気読みするのがオススメ。
 
なお、本作の前には、東北三部作の「火怨」「炎立つ」を読んでおくと何倍も楽しめるかと思います。
作中で出てくる過去の戦いに言及された時、
「貞任がやったアレか!」といった具合に、
ぐっとくることうけあいです。

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2012年09月23日

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秀吉軍10万人にわずか5000人で南部の義を守るために戦った九戸政実。知徳体が全て備わった希有な存在。魅力は人知を越えた戦略戦術が満載。更に合戦時の飛び交う無数の数の音が躍動感に彩りを与えている。その気になれば伊達政宗と手を組んで秀吉に対抗できるだけの勢力を持てたはずなのに・・。疑問が解消するのはクライマックス時の和尚の言葉。 「人が人であることを問う事の無意味さ 」 流石筆者が7年間かけて書き綴った大作。 水滸伝を彷彿させます。いや~一気読み。圧巻の☆×5。

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2012年05月27日

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自分自身の実家が九戸城跡地で(住所も「城の内」です!)(^^; 地元もいいところの話、九戸政実は秀吉に最後まで抵抗した最後の武士、としての知識程度でしたが。実家を立てる際にヤジリの残ったままの頭蓋骨が出てきてけっこう騒いだことも覚えております。なので一度読みたかったのでした。Ⅰ〜Ⅲ一気!でした。小学生の時、「竜馬がゆく」を読み、一生の宝物、と思い、龍馬の生き方にあこがれて、今の自分があります。が、この「天を衝く」をその頃に読んでいたら、生き方自体変わっていたかもしれません。それくらいインパクトがあります。まあ、今の年になってから読んだから、、なのかもしれませんが、、。この生き方 今からでもあこがれとしていきたいと思います。作者高橋克彦さんと同様、「心は九戸党」をこれからの座右としていこうと思いました。

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2011年08月02日

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著者の郷土に対する強い思いを感じさせる陸奥三部作最終章『天を衝く』最終巻。このシリーズの主人公は変らず熱くて惚れる。

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2009年10月07日

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この世かな素晴らしい武将の存在をこの作品を読むまで知らなかった
高橋克彦作品も初めてだ
最後は少し涙ぐんでしまった

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2024年01月17日

購入済み

最期があっぱれ

火怨、炎立つ、そして天を衝くと読みました。
この3作品共通の感想ですが、中間の中だるみ感というか、主人公の魅力の薄れや表現の乏しさ(あんぐりと口を開けた、ぼたぼたと涙を流した等、同じような大袈裟な表現が何度も繰り返される)はあるものの、クライマックスの鮮やかさは見事だなと思います。
秀吉に対する印象が変わりました。政実の遺志を継ぐ人が現れていることを願う。余談ですが、逃げの天才である信直が祀られている神社があることを知って驚きました。

#アツい #感動する #カッコいい

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2023年07月24日

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九戸政実の乱が始まる。十万の豊臣秀吉軍に対し、わずか5千の兵で喧嘩を売った九戸政実。
十万の軍勢でも落城することは出来なかった豊臣秀吉軍。南部武士の意地を見せつけた事で、九戸政実は、将の首と引き換えに和議に応じる。それなのに、約束を破り、城引き渡しの際、和議となった城に総攻撃をかける豊臣秀吉軍。
だ、ただ近くで圧する秀吉の政にはひとの道がない。九戸政実が意地を貫く工業で、奥州に、南部、津軽、秋田、最上、伊達らが、無事に生き延びることになる。
圧倒的な、間違いなく死を覚悟する闘いに身を投じる九戸政実。凄まじい漢の生き様に、身震いする想いです。

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2020年07月31日

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3巻に入ってからの展開が怒涛
2巻まで分量も多くなかなか進まないので、読みすすめるのに苦労した
三部作の一貫したテーマが気迫とともに迫ってくる

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2021年02月08日

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ネタバレ

3ヶ月以上も間をおいての最終巻。
一気に読み切りたかったけれど、しょうがない。

織田信長と一戦交わしたいと願っていた九戸政実は、南部本家の跡目争いに端を発した内戦のため、結局西国へ打って出ることができず、気がついたら時代は豊臣秀吉の一人勝ちとなっていた。
秀吉の勝ち方は決して武将のそれではなく、最後のまつろわぬ武将として秀吉に喧嘩を売る。
それは勝つための戦いではなく、武士としての生き様を知らしめるための戦い。
最初から死ぬ気だからできる、5000対10万の戦いなのだ。

それまでの戦いで、一度も負けたことのない九戸政実。
日ごろの鍛錬はもとより、知略にも優れている。
それこそ、南部本家の信直の器の小ささ、その側近である北信愛の姑息さと比べて、一回りも二回りも役者が上だ。
政実が、自分を措いてでも南部の棟梁にしたかった弟の正親すら、凡庸に見えてしょうがない。
ちょっと政実、出来過ぎです。

勝っているうちに投降して、残された者たちの命を守り、最後まで武将としての生き様を貫いた政実。
試合に負けて勝負に勝ったというところか。

あんまり出来過ぎなので感情移入は出来なかったけれど、歴史として見たときに、こんな人物がいて、こんな出来事があったと知ることができたのは上々。
伊達政宗以外にも人はいた、ということだね。

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2020年06月25日

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奥州惣無事令の中、1人秀吉に反旗を翻す九戸政実を描く。
彼を扱った作品は少なく彼の歴史を紐解く上での必読書。実に面白い。

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2018年05月04日

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読んで良かった。泣いた。薩天和尚が気持ちを代弁してくれて、すっきりするのだけど、やっぱり、とても悲しい気持ちになってしまう。

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2014年12月06日

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読んだきっかけ:妻から借りた。

かかった時間:12/25-12/30(6日くらい)

あらすじ:目前に迫る十万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか五千の兵で九戸政実は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最後の戦いを待ち受けていたのは・・・・・・。「炎立つ」「火怨」から続く、陸奥の男たちの熱き魂を描いた歴史巨編「三部作」が、万感の最終幕を迎える(裏表紙より)

感想とあらすじ:東北の意地を見せる九戸の戦いも終焉。必ず勝てない戦いの意味を考えることのできるよい作品でした。

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2013年03月31日

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中央に屈せぬ奥州。
九戸政実は、しかし、この本以外では、こんなふうに“大物”としては描かれていないだろう。
これも、勝った側の作った歴史の結果なのだろうか。

まあ、それにしても痛快な物語だった。

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2011年09月25日

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信長が天下統一へ動き出した頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。九戸党棟梁であり新たな時代を予見し、戦の天才である『九戸政実(まさざね)』は、ついに宗家を見限る。北の鬼が一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡り、日本中がひれ伏した10万の豊臣秀吉軍にわずか5000の兵で喧嘩を売った。策を尽くし、敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは・・・。「火炎」「炎立つ」に続く陸奥(みちのく)の男たちの熱き魂を描いた歴史巨編3部作の最終章。歴史の本流にはでてこない反骨の男の生き様。滅びの美学として小説としては面白いが、先見性・大局観という意味では主人公としては少し無理があるかも。

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2012年11月17日

Posted by ブクログ

東北の地に生きる人々、そして武士の壮絶な歴史ロマン。
時代背景は『火怨』→『炎立つ』→『天を衝く』と続く。
格好良い生き方の男達に惚れますよ!涙しますよ!引き込まれますよ!

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2009年10月04日

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