感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ラジオドラマがきっかけで購入。
高校生活のありふれた日常かと思いきや、友人・孝子が未来からやってきたという設定で、面白かったです。
もし、孝子が主人公となると、北村薫さんの「スキップ」の逆バージョンな展開?などと想像を掻き立ててしまいました。
未来がわからない主人公・沙織と未来がわかる貴子とのアンバランスな関係ながらも他のクラスメイトを交えながら、高校生活を送る様が、甘酸っぱく爽やかでした。SFな設定なのに青春小説の雰囲気を醸し出していて、あまり違和感なかったです。
一応、タイムスリップものですが、孝子は本当に未来から来たのか?タイムスリップの真相は?というものはなく、ひたむきに生きる高校生達の進路、悩みなどを重視して描かれています。ちょっと多めの量ですが、あっという間に読めました。
未来を知ってからのやり直し人生とこの先知らないままの人生、どっちを選ぶかといったら、後者かなと思いました。
何度もやり直したいなとは思う時もありましたが、今までのことを修正するのではなく、新たに描くことが面白そうかなと思いました。
でも一瞬だけ高校生に戻りたいな…。
Posted by ブクログ
16歳のころ、
訳もなく哲学してたり、
友人を作ろうとしていたり、
表に出せないちゃちな反抗心を抱いていたり、
そういう少し恥ずかしくなるような
あどけなさを思い出す事ができます。
こういう年齢を描いたら一品の作家さんですね。
Posted by ブクログ
繊細な感情や、なにげない風景から青春の空気を言葉にして形にできる才能っていうのが凄く素敵だ。夢中でページをめくった。
ひとつ挙げると主人公の子が完全すぎる気はしなくはない。ルックス良しスタイル抜群勉強ができて友達が少ないって、少しマンガチックな設定かなと。
Posted by ブクログ
豊島ミホの描く高校生は素敵だ。
そう思うのは、同級生だからかもしれない。
『リテイク・シックスティーン』でなければ手に取らなかっただろう。そして、手に取って損はなかった。
高校生活の様子が手に取るようにわかる。まるで、昨日、そこに一緒にいたかのように。
『檸檬のころ』と違うのは、主人公の友人が2009年の未来からやって来たことだろう。時折入る、未来の視点。けれど、みんな16歳の高校1年生。ときは、1997年だ。
私は豊島ミホのように、“リテイクしたい”という思いはない。
しかし、この真実であり虚構の世界に引き込まれる。あの頃に戻りたい、という思いがないわけではない。
リテイクしたいわけではないが……、私は孝子に近いかもしれない。
おそらくこれは、豊島ミホにしか書けない作品だろう。
16歳という普遍性。けれど、より深く読めるのは、97年に高校生だった同級生たち、という気はする。ここに書かれている世界を“知っている”のだ。自分たちと重ねるというのではない。本当に“知っている”。
リテイクというのは、もう一度、16歳を描くために、豊島ミホが持ち出した秘密道具なんだろう。
Posted by ブクログ
文庫化にあたり再読。
あぁ、そうだ、こういう話だった、とぶわっと思い出す。
経験とか、リアルさだけじゃない青春の物語とはまさにこれだ……と次々ページをめくった。
あの頃の痛みがいまの自分にもどこか通じて、それはきっと孝子が27歳まで生きて、高校生に、16歳に舞い戻ってきているからだ。
ふがいなさや、逃げ出したくなる気持ちや、諦め。目を反らしたい負の感情と、きちんと向き合えと読者に訴えかけてくる。
豊島ミホさんすきだー。
Posted by ブクログ
子どもに勧められて。
塾の国語のテキストに使用されていたらしい。こんな楽しい話しを題材に勉強できるなんてうらやましい限り。
タイムスリップしてきたという同級生の告白から始まりますが、内容はごくごく普通の高校生の日常がメイン。エッセンスとして人生を16歳からやり直したかった話題が出てくる感じで、それがとても良かったです。
Posted by ブクログ
「高校時代をやり直しに未来から戻ってきた」と主張する友人を中心に描かれる青春小説
ぶっ飛んだ設定とは裏腹に、内容はあまり特異な事は起きず、
かえってそれが主人公の内面の描写を引き立てていてよい
一度きりの人生をどう生きるかに帰結するエンディングもベタではあるが良かったと思う
一方で、同級生・父等の男性陣の描写が少々薄いような気も
Posted by ブクログ
久しぶりの豊島さん。
少々SF的設定ですが、それはあくまで背景で、本筋は豊島さん得意の青春物語。主人公が勉強ができる上にグラビアアイドル並の容姿での女子高校生と言うのは、今までとちょっと違うかもしれないけれど、生き生きとして、悩み多き青春は如何にも豊島さんという作品です。
ちょっと中盤がダレている感じがしたけれど、終盤は爽やかに盛り上がり、終わってみれば心地良く。。。
まあ、私のようなおじさんが読む本ではないかもしれませんが、すごく楽しめました。
Posted by ブクログ
地方在住高校生の青春を描かせたら右に出るものはいない豊島ミホさん。輝きと切なさと愛しさが滲み出る、そして大切な何かを思い起こさせる青春小説。
未来の自分が何者かが判っていれば、高校生活は変わるのかというテーマ。ただし、未来から来たのは友人の孝子で、主人公は自分に自信を持てない沙織である。この配役が、設定に嘘っぽさがなくなって、ストーリーにリアル感を持たせている。あの日あの時こうしていれば…って、後悔する青春を送った全ての人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
私は、豊島ミホさんが好きだ。
彼女は、自分のことを作品に表現しすぎる。
私はそういうところが好きだし、共感もした。
卑屈で、頭でっかちで、自意識過剰で、小心者。
そんな彼女の人間性と、彼女の作品がたまらなく好きだ。
いつか、彼女が完全復帰してくれることを願う。
Posted by ブクログ
たまたま耳にしたNHK FMのラジオドラマをきっかけに手に取った一冊。自分の16歳は男子校かつ部活一辺倒の生活だったけど、あれから22年経った今読んでも切なさが残る。
Posted by ブクログ
出だしを少し読んでから読んでみようと買ったのだけど、その出だしの明るい調子のまま物語は終わらなかった。
日々の生活でも明るい時と暗い時があるのが普通で、そういう意味では現実的な話運び。
突飛な設定のある孝子がそこに馴染んでいていい。
引き込まれて、先が気になってどんどん読み進めた。
大きな事はほとんど起こらないけど、十分ドラマチックな気がするのは、心の動きや情景が丁寧に描かれているからかな。
Posted by ブクログ
「あたし、今度は絶対、青春って言える青春を送るんだあ」
未来から来たというクラスメイトの孝子と主人公の沙織達のストーリー。
タイムトラベルのお話と思われるかもしれないけど…
キラキラ、切なくほろ苦い、16歳の高校生活を『檸檬のころ』の豊島ミホさんが描いています。
Posted by ブクログ
ほんと、職人芸だよ。
こんなにも強烈に「豊島ミホにしか書けないもの」なのに。
なのになのになのに。
これだけの才がありながら離れていくなんて。
なんてばかなんだ。なんて豊島ミホらしいんだ。
私、豊島ミホの目の前であなたが好きだよって叫びたいよ。
どうせ残るものなんて少ししかないのに。
せっかく残ったものなのに。それがあなたなのに。
Posted by ブクログ
孝子がどこから来たかはじめはすごく気になったけど、読んでいくうちにそんなのはどうでもよくなってきた。
タイムスリップが売りの話ではないっていう気がして。
いつも幸せな気分になれて、豊島ミホさん好きです。
Posted by ブクログ
胸の中にある宝物のような大切な思い出が蘇ってきた。
キラキラ輝いていて、眩しいな。
「27歳から16歳に戻って、青春をやり直す」を軸に繰り広げられていく、瑞々しい高校生活の描写。
SFなのかファンタジーなのか、妄想ってオチなのか、それが気になって入り込めず読み終わるまで時間がかかってしまったけれど、
想像以上の読後感の良さにびっくり。
やり直してる設定だから、ぐっとくるものがあるんだろうな。
青春時代のまぶしさとか
切なさとか
儚さとか。
私は、書き換えたくないくらい楽しい青春時代を送ったから、16歳に戻らなくていいや。
毎日早起きして学校まで歩くとかも無理(笑)
でも、何か迷ったときに、
今。青春時代じゃなくて、今。何か迷ったときに。
私は10年後の未来からもう一回後悔のない日々を送る為に戻ってきたんだ…とか想像(妄想)してみると、
後悔しない選択がてきるかもしれないな、と思った。
それが、長く少しずつ読んでいて今読み終わった意味な気がする。
Posted by ブクログ
主人公は普通の高校1年生の沙織。
友人になったばかりの孝子からは、「未来から来た」と告げられて…
もっとSF的な話かと思ったら意外と現実的でした。
その点は個人的には良かったんですが。
全体を通してみると、高校生という青春を上手く描いてて
読んでて面白かったし、どんどんページをめくらせてくれた。
ただ、残念なことに主要人物(沙織の母と孝子)のことが
どうしても好きになれず共感できず、ずっとイライライライラ。
まだまだわたくしも人として浅いのかな。
沙織&孝子と仲良くなっていつも一緒に行動することになる同級生の
男子については、それぞれ居そうなキャラなので男性も共感しながら
読むことができるんじゃないかな。
似たようなこと考えてたなー。悩んでたなー。
逆に、そんなこと思いもしてなかったなー。
そんな風に自分の青春と見比べながら読むのもいいかと思います。