【感想・ネタバレ】腕貫探偵のレビュー

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Posted by ブクログ

中学生の頃好きだったシリーズの1弾を再読。
全く覚えていなかったのが幸いし、2度楽しめた。
この重すぎないミステリーの短編と、絶妙に交差する人間関係の描き方が良いな〜。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

何とも不思議な読み心地(^ ^;

まず、探偵は主役ではない。
櫃洗市という地方都市を舞台とした、連作短編集。
舞台設定や時間軸は連続していて、
各章の出演者同士も微妙に絡みがあったりする。

その「狭い世界」の中で起きる様々な不思議を、
市役所の「よろず相談窓口の臨時出張所」みたいな
神出鬼没な場所に陣取る男が解決していく。
その男の風貌が、特に特徴もとらえどころもない
「公務員顔」で、今どき腕貫(腕カバー)をはめている。

...ということで「腕貫探偵」となる(^ ^;

探偵は(全作品通して男の名前すら出てこない)、
相談者から話を聞いただけで、本質をズバズバ言い当てていく。
正に快刀乱麻の活躍...ではあるのだが、
当人は無表情&無感情(^ ^;
徹底して「我関せず」(^ ^;

相談者から持ち込まれる内容は、
殺人事件から「ちょっと不思議」まで、様々。
また登場人物も事件もバラエティに富んでいて、
アハハと笑い飛ばせるものからホラーテイストまで、
一冊で何作品も読んだような充実した読後感(^ ^

基本的には明るく楽しい文体で、
微笑ましい恋愛事情なども絡んでたりして、
ほっこり幸せな気分で読める(^ ^
エンタメとしては、とても上質かと(^ ^

文庫版の巻末解説が秀逸(^o^
本文より後書きで吹いた(^ ^;

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2020年10月01日

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探偵といっても現場に現れて謎を解き明かす訳ではなく、相談という形で解決に導いてくれるという、珍しいタイプのお話。
一言で言えば面白かった。
架空の市内のお話なので、相談者(=語り部)がすれ違っていたりするのも楽しい。
そして腕貫さんの存在が薄い事で、それぞれの相談者のキャラクターがたっているのかな?と思った。
短編集ながらも繋がりがあるのも、架空の市の存在が本当にありそうな感じがして、お話の世界に入りやすいです。
続編も楽しみ。

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2020年03月03日

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思わぬ伏兵。よみやすくて、読後スッキリで、謎解きも鮮やか。定型文通りの切り口で描かれる腕貫探偵の描写がテンポよく物語の導入を果たしてくれる。

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2019年12月21日

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1つ1つが短くて読みやすい。
腕貫探偵が神出鬼没過ぎて最後辺りまで人に害がないタイプの怪異だと思って読んでたそんなことは無かった

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2024年01月16日

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連作短編ミステリ

姿かたちは公務員だけど、神様型の名探偵

腕貫さんに推理のヒントをもらって登場人物が謎を解いたり、腕貫さんが真相を推理して物語が終わったり、色々
読後感も色々
モヤッとしたり、ゾクッとしたり、ニヤッとしたり

腕貫さんは基本的に人間味のないキャラクターなんだけど、最終話で登場人物と会話をするシーンがあって、そこが意外ポイントで好きです
本当に他愛のない世間話のような会話なんだけど、なんか良かったなぁ

収録作では『恋よりほかに死するものなし』が一番好き

西澤作品といえば珍名さん……は慣れたんだけど、地名まで難読地名にするのはやめてー!(笑
またはフリガナをずっとつけておいて……お願い……

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2022年06月05日

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街のいろいろな所に、今まで見なかった簡易机と折りたたみいすに無愛想そうな腕抜男が出現する。「市民サーヴィス課臨時出張所うんぬん」とあるので、興味を惹かれた人がいろいろ悩みや不思議なことを相談してみると、最後に何かひとことくれて、はいお終いとなって仕舞う。ところが、その言葉をもとに相談者が思いを巡らせてみると、するすると問題が解けてしまうのだ。この腕抜男よりも、相談する人々の物語がなかなか面白いのだ。どうしようもないやつも出てくるが、最初2編の大学生の男女のお互いへの思いが成就してよかったね。最後の画伯の話はなかなかいい。

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2020年07月01日

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市民サーヴィス課臨時出張所、そこに座る腕貫をした男に相談をもちかけると、なぜかさらりと解明する。短編7編、あっという間によんでしまいました。

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2020年05月06日

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どんなに眼と鼻の先に置かれていても、
心身ともに健やかな者の視界には
絶対に入ってこないというものがこの世にはある。

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2019年12月04日

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ネタバレ

腕貫を嵌めた謎の公務員が探偵役となり、お悩み相談を解決する連作ミステリ。特異なキャラクターが探偵役となって解決するという当初抱いたイメージとは違い、腕貫探偵という記号は強烈ではあるものの、キャラクター性には非常に乏しい。その人間性の無さや記号的な探偵を行き詰めた結果、逆に特異な存在となっているのは面白く、腕貫探偵の登場シーンは異世界に迷い込んだような趣がある。解決に乗り出すというアクティブさもなく、常時受け身の安楽椅子探偵ではあるのだが、本作はそれをさらに行き詰めた、謂わば「装置」としての探偵である。完全に答えを出すわけではなく、あえて謎に対する解法、道筋をつけるだけで、推理や真相にたどり着くのは相談者というのが斬新で面白かった。他の探偵小説と比べると特異に映るが、あくまでお客様の私生活に必要以上には立ち入らないという、公務員という領分を越えない振る舞いが徹底しているため、違和感はまったくなかった。

7つの短篇から成る本作ではあるが、事件として一番面白かったのは最初の「腕貫探偵登場」であろう。あとがきにも書いてある通り、死体発見、死体消失、死体移動という3つのアイデアがねじ込まれた異様な作品ながら、解決は鮮やかで示された手がかりを一つも残らず回収する様は脱帽である。導入としては完璧で惚れ惚れしてしまった。

一番インパクトがあったのは「喪失の扉」で、プライドの高い面倒なおじさんの家から発掘された履修届という忘れ物、それを持ってきた理由の喪失という、一見するとつまらない悩み事が、殺人事件へと飛躍する様は予想外でゾッとしてしまった。ささやかな日常の話が、一気に殺人者の隠蔽という暗い記憶を封印した話になる手腕は素晴らしい。冒頭の面倒なウザいおじさんの振る舞いも真相に直結しており、平凡な人間が殺人者になるという話に説得力を持たせている。

「スクランブル・カンパニィ」は部屋の入れ替えという古典的なトリックが最初からあけっぴろげになっており、それが事件を変容させたというのがミソ。余談だが、美人上司に風邪の介抱をされるというのはくっそ羨ましくて、別の意味で美人上司が犯人じゃないことを願ってしまった。オチとしては、美人上司も一枚噛んではいたのだが、倫理的には問題を起こす直前で踏みとどまったのでホッとしている。風邪を引いて無理やり駆り出された主人公という例外がいたおかげで、犯罪を犯さずに済んだというのがいい。美人上司の、惚れた男に尽くす、弱っている男を見ると放っておけない、というのは方便ではなく真実であったというのもスパイスが効いており、あえて小説内でくどくど説明してないのが良かった。なるようにしてなる、というのがこの作者の作品の持ち味なのだろう。「喪失の扉」を読んだ時に思ったことだが、作者は善人に対しては優しく、報われる話を描くので、そこは読んでて安心する部分である。

ただ、難点もちょっとあって『七回死んだ男』を途中で挫折した身であるのだが、その理由が本作を読んではっきりとした。どうにも、この三人称の中に浮ついた一人称が入り交じる文体が読みにくく感じる。他にも似たような文体の作品はたくさんあるのだが、この作者の文体はとりわけそこが鼻についてしまい、描写が頭に入らず何度もページを繰る羽目になってしまった。これはもう好みの問題で、合わないものは仕方がない。ただ、腕貫探偵の正体は気になるため、気が向けば続刊も手に取ってみようと思う。非常に論理的なミステリ短編集で、出来としては文句のつけようがないぐらい面白かったです。

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2019年05月29日

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手抜きでなく腕抜き
話には聞くけれど実物を見たことのない腕利き探偵
ミステリ舞台展開装置探偵で
キャラクタの面白みは周囲がつくるが
名探偵登場時に説明優秀すぎるのが構成の難
キャラクタ魅力が肌合い合うかが面白みという点で
好み分かれる

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2018年11月13日

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ネタバレ

西澤さんの作品は、こういう自然体でライトに書いてる感じのタイプがとても好き。
読後感がいい。なんだろう、西澤さんのセンスなのかな。
本作品も、かなりライトだけど好き。
腕貫さんにまた会いたい気持ちが募るので続編も読みたいな。

腕貫さんのアドバイス?は、さわりだけ鋭い指摘をしておいて、時間切れで「では次の方~」ってなるパターンの方が好き。

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2017年03月21日

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どこにでも現れる市民サーヴィス課臨時出張所。
大学の構内、病院の待合室、警察署の中。
トレードマークは黒い腕貫。どんな小さな悩み事も聞きます。ささやかに解決に導く、腕貫探偵。

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2016年02月22日

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ネタバレ

『腕貫探偵登場』

『恋よりほかに死しるものなし』

『化かし合い、愛し合い』

『喪失の扉』

『すべてひとりで死ぬ女』

『スクランブル・カンパニィ』

『明日を覗く窓』

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2016年02月14日

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表紙の絵柄に惹かれて購入。
「喪失の扉」自分に耐性が無さ過ぎるだけかもしれませんが、怖いです。
「スクランブル・カンパニィ」こちらは一転、安心する終わり方。
色々な意味で毎回毎回ドキドキします。

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2015年04月04日

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短編の集まりなのだけれど、同じ市内の話だからかちょっぴりつながっていたりいなかったり。それが面白くもある。
本題に関しては何故それでわかるんだととても不思議。私に推理力は皆無ゆえか、手のひらの上で転がされる。
ただハッピーエンドで終わるのかなと思ったら、そうじゃない話もあったりして、うわあああとなったりした。恐ろしかった。けど大学生二人の話はちょっとほっこりしたよ。

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2015年02月23日

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市民サーヴィス課臨時出張所櫃洗市一般苦情係、腕貫をしたその男に寄せられるのは些細な悩みから殺人事件まで様々。 パイプ椅子に座った探偵が概要だけで事件解決!?

 役所勤めの腕貫男が冷静井に事件を解決してゆく短編集、シリーズ第一作。 短編集としてはかなり良かったです。

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2023年05月13日

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市民サーヴィス課臨時出張所
櫃洗市のみなさまへ
日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください
個人的なお悩みもご気軽にどうぞ
櫃洗市一般苦情係
との不思議な貼り紙と共に、
ひょろりと鉛筆みたいに細身で、ひと昔前の肺病病みの文学青年みたいに尖った風貌に、丸いフレームの銀縁メガネ。若いのか年寄りなのかよくわからない。無造作に切り揃えたとおぼしき髪には白いものもちらほら混じっているようだが、基本的には年齢不詳。むっつりとした表情や黒っぽいネクタイが如何にもお役所的に堅い感じだが、両腕の肘まで黒い腕貫を嵌めた男が
大学に、病院に、警察署に・・・
突如現れ、悩める市民たちの相談に乗り、見事解決のヒントを与える。

箸休めにちょうど良い。

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2023年04月21日

Posted by ブクログ

話自体は面白いのだけど、とにかく名前が読みにくくて困った。
一つの話に一人ならまだしも、主要人物全員がややこしい名前の時など何度も最初のページに戻って読みを確認しなければならず閉口した。
こういうのって、編集の人は口を出したりしないのだろうか。
次巻も読みたいが、また読みにくい難読の名前の人物ばかり出てくるんだろうなあ。

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

それぞれの話が軽くて読みやすかった

腕貫さんの解釈力が異様に高く本当に与えられた情報だけで結論を導き出せるのか疑いながら読んだ

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2021年07月01日

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困った人たちの前に現れる、櫃洗市市民サーヴィス課臨時出張所。ライトなミステリで面白い。殺人起こらなくても、ちょっとした疑問が実は…っていう驚きが面白い。あと登場人物のおかしな名前も好き。

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2021年04月01日

Posted by ブクログ

短編集。
探偵の謎解きが面白かった。
難しいところもあったので読み返したい。
謎を解いたその後の話がなかったのが残念。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

読書録「腕貫探偵」3

著者 西澤保彦
出版 実業之日本社文庫

p129より引用
“寿憲が〈かや〉へ通いつめてきたのは、そ
こが他者の心情を慮ることなくお互い思う存
分馴れ合って生きてもいいんだという刹那的
な錯覚を提供してくれる場所だからである。


目次より抜粋引用
“腕貫探偵登場
 恋よりほかに死するものなし
 化かし合い、愛し合い
 喪失の扉
 すべてひとりで死ぬ女”

 神出鬼没の役所の相談窓口とそこにいる事
務員の記号のような男に持ち掛けらえる出来
事を描く、短編連作ミステリ小説。
同社刊行作文庫版。
 昨夜の出来事の対応で、疲れ切っていた大
学生・蘇甲純也。事務手続きのため大学の事
務室を訪れた彼の目に、一枚の張り紙が映り
込んだ…。

 上記の引用は、なじみの飲み屋で失敗した
男についての一文。
外にありながら、少しでも気を許せる場所と
いうのは、あるとありがたいものなのでしょ
うね。こういう場所が、歩いて行ける距離に
ある生活に、少し憧れを持ちます。
 名前もない、役所の相談窓口の男が、一応
の主人公なのでしょう。すべての話を通して
出てくるのは、舞台となる架空の都市とこの
男だけです。しかし、本文中でこの男が出る
場面の方が少なく、事件の相談を持ち込んだ
人たちがそれぞれの話の中で、男のアドバイ
スに従って対応していきます。解説では狂言
回しと表現されています。
 登場人物の苗字など、名前の付け方が特徴
的。解説によると、この著者の持ち味のよう
ですが、希少な苗字の人ばかりで、最初に振
られた読み仮名を忘れると読めなくて、途中
から頭の中でアイツ・コイツと変換している
自分がいました。

ーーーーー

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2020年02月16日

Posted by ブクログ

所謂「安楽椅子探偵」か。
しかし、正直なところオチが強引な印象。
「真相の1つとして、そういう可能性もある」というべきではないかと思う。

7本の短編の中で「スクランブル・カンパニィ」は白眉。
著者のファンなら、登場人物に既視感を抱くのではなかろうか。
この登場人物の後日談も見てみたいなと思う一方で
それだと他のシリーズ作品と似たようなカンジになっちゃうな、と。

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2019年10月14日

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事務員を彷彿とさせる腕貫をした相談係の男が、
相談に来る人々のちょっとした疑問や悩みを解決していく。

それぞれのエピソードごとに、
彼の現れる場所は異なるものの、
相談を受けてそれにアンサーを出すというスタイルは同じ。

軽く読めてしまう本。
ただ、みんな名字が読みづらくてしんどい…

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2019年08月19日

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連作ミステリ。
突如現れる市役所の職員と思わしき苦情係に、人々は不思議と引き寄せられ悩みを話し始める。
その悩みの真相を話だけで突き止めてしまう謎の腕貫男。

役所の職員らしい融通の聞かないやりとりに思わずむっとしてしまいますが、謎を解いてしまう頭脳?分析力?がすごくて憎めない。
探偵とタイトルにありますが華やかに謎解きを披露することはなく、それどころか丁寧な説明すらせず、ヒントだけ与えて突き放す。
連作なのでテンポよく読めましたが、登場人物の名字が難読なものだらけで、そこでひっかかって入り込みにくい。

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2019年07月21日

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ベタな安楽椅子探偵ものと思いきや、市の職員が市民の声を聞きながら問題を解決していくという設定が斬新だった。

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2016年11月03日

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構成は手を変え品を変え、飽きがこないように工夫されている。「サービス」でなく「サーヴィス」ってのもそれっぽくてよい。
しかし、ミステリとしては…うーん。安楽椅子系なのだろうか、ほぼわかるはずのない謎を腕貫さんが解いてしまい、おいてけぼり感がある。腕貫さんでなくてもいいような…

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2016年10月18日

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ネタバレ

市内のあちこちに出現する「櫃洗市市民サーヴィス課臨時出張所」。相談員が殺人事件の謎から市民個人のお悩みまで的確にアドバイス。でもその先の解決は本人次第。各話の登場人物や地名が少しずつリンクしているのも楽しい。軽く楽しめる作品。ただ苗字が難読ばかりで覚えられない。

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2016年02月21日

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【腕貫探偵シリーズ】」市民サーヴィス課臨時出張所、櫃洗市一般苦情係。

「どんなに眼と鼻の先に置かれていても、心身ともに健やかな者の視界には絶対に入ってこないというものが世の中にはある。」

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2015年01月17日

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