【感想・ネタバレ】ロックンロールのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大崎善生さんの書くものが好きだ。
読むのは12冊目になる。

熱帯魚、出版業、環状線をぐるぐると回る、ヨーロッパ、音楽…
そういう繰り返されるモチーフの中に、はっとする言葉がある。
キャラクターとか関係性とか心情とかそういう物語の在り様ではなくて、
言葉拾いをしながら読むような感じ。

安定して流れる物語の中で、安心して自分のための言葉を探せる。
小説の中で扱われたような意味合いでは見たことの無い言葉。

今回は「くもの巣の修繕」、「窓」、「掘削機」がわたしに差し出された。
「鍋」や「ノシイカ」、「ロバ」、「小石」、「中指」、それだって良かった。

読みながら、沢山の知人を想起したこともおもしろかった。
それから、イッセー尾形さんの解説もぴたり。

これでまた、大丈夫になった。
きっと、次読むときに見つかるのは別の言葉だろうっていう予感。

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2013年01月08日

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パリの街や音楽の美しさや、主人公のシンプルな考え方が、カッコよくおもえた。しっかりしたイメージのある哲学を持っているのに、謙虚だとおもった。シリアスじゃない登場人物たちが良い。

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2009年10月11日

Posted by ブクログ

私も趣味で小説を書きます。

でも磨く鍋が……全然…足りない^^;
まだまだ未熟であります故…精進精進。

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2009年10月30日

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陽気で激しい、明るい大崎作品。珍しく陰気な話題は無い。George Harrisionの「All Things Must Pass」、Jeff Beckの「哀しみの恋人達」が物語の鍵となる。

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2009年10月04日

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大崎善生を読むと小説の醍醐味は中身の内容だけではないことに気づかされる。

このロックンロールというなんの中身の無い小説が面白く感じるのは、1行1行の文章がとても緻密で、計算されていて、繊細で、優しくて、突き刺さるような言葉の集合体だから。

この小説の中でも語られていたが、
「なんでもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだ。」「犬の交尾を正確に描いていても泣くね。」

とある。1つのことを洗練させる必要性。小説家でないがしろにしてはいけない要素。人にとっても何かを1つ正確に出来る人の方が、心を揺さぶるのだろう。

小説の書き方や出版者とのやり取りや執筆活動など、著者と重なり合うような自伝的な要素もいれたかったのだろう。でも嫌味がない。

中身はないけど、面白い。文節すべてを人生と照らし合わせる小説。でも中身があれば☆5つだろう。

作中名言
「僕に出来たことは無関心を装うことだった。社会通念から遠ざかる。尻尾をまく。耳をたたむ。夢や希望や反骨心といったものは全て危険だった。もちろん捨てた。
そうすると少しだけ心が軽くなった。」

「とにかく女性はヒステリーを起こす。
それはまるでバスの停留所のようだ。
世の中の女性は全て、そうゆう名前の停留所を勝手に作り上げていて、必ずそこに停車しなければいけないと考えている。
それは分かっているつもりだが、もしかしたらこの人に限って、そうゆう停留所を持っていないのではないかと幻想を抱くことがある。その大きな勘違いが、結局は新しい恋が始まるきっかけとなる。」

「きっとお互いを深く傷つけ合ったりすることのないように、ガラス玉を真ん中において付き合っていたのかも知れない。でもそれは何か違うのだという感覚ー。人間と人間が繋がるということは、ときとして物凄く動物的なことだという、理屈ではないとても皮膚的な感触。」

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2012年04月27日

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なぜだろうか?この著者は私と同じ様な恋愛経験をしてきたのではないかな?と感じる。文章を読んでいると、言葉に共感でき、過去の甘酸っぱい思い出が甦ってくる。著者が言葉を磨いているからだろうか、文章を読んでいると癒される。文章を読むことが楽しいと思う数少ない著者一人。でもこの本を読み終えた後、ストーリーは何だかなぁ、と思った。

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2011年10月28日

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いつもの大崎さんの空気。大好きな雰囲気。
中盤の物語の展開がとても好き。

また読み返します。

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2010年05月06日

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うーん、やっぱり私はこの人の小説が好きだ。
世界観とか、そんな大袈裟なものじゃないかもしれないけど
ちょっとしたところでとっても近いものを感じ、嬉しくなる。

ロックンロールの教え。
諦めないこと、悔やまないこと、振り向かないこと。

転がり落ちる石ころのように、運ぶままに身を任せる。
ずっとそうなわけじゃない。
けど、石が転がり始める瞬間って誰にもある。
そんな瞬間を意識してしっかり心に刻み、
思いっきり楽しんで前を向いて転ぶような生き方がしたいと思う。

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2015年11月12日

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他の作品でもちょくちょく目にしますが、フランス(特にパリ)・ドイツなどのヨーロッパ、ツェッペリン、ジョン・レノン、ポリス、クラプトンなどのロックが著者はお好きなようです。
関係していく女性がおまじないみたいに繋がるっていうのが今までにない感じでスキです。他の大崎さんの作品と比べて、暗くないのが新鮮。

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2009年10月04日

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最近の作家さんで唯一読み続けているのが大崎善生です。
作品のトーンは毎回似ているんですが、でも、読み出すとしみこむように文章が頭の中に入ってきて、さくさくと読み続けることができます。

この作品の主人公が語った言葉にそのヒントが。

「僕にとっての小説の感動は、ストーリーや感情の起伏というよりも、もっと単純で文章そのものということが多いんだ」

「何でもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだと僕は考えている」

これは主人公の小説家の小説感として描かれていますが、筆者自身の小説感ではないかと思うのです。

文章そのものの質。

それがこの人の特徴なんだと。

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2009年10月04日

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思春期に読み、今も心に残っている。

あんまり文体は好きではないですし、さして深みも感じられなかったです(何様なんだ俺w)。

ですが
「凡人だけどなんとか抗いたい、小さなロック魂をいつまでも持ち続けたい」
というわかりやすいメッセージが、なぜか頭に残ってます。何か自分の心にひっかかるものがあるのでしょう。

まさに、ポケットの奥の隅の隅の方に、糸にひっかかって取れずに、いつまでも入ってる小石のように。。。

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2021年01月31日

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パリのホテルに缶詰めになって、ノートパソコンの画面をにらみながら執筆活動をする、という主人公の小説家のスタイルは、まさに著者の大崎氏のエッセイで見た情景そのもの。

まったく言葉の通じない異文化のなかで、言葉をあたかも「ごしごしと鍋を磨くように」磨いて日本語を紡いでいく。

その情景を描写するのに「正しい」言葉を探しだし、選び出す地道で根気強い作業。
そういう雰囲気は割と好きだなぁ。

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2020年10月04日

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主人公が熱帯魚関係の本を書いているところが大崎氏とかぶり、半分自伝的作品のような印象を受ける。
でも人物や舞台の設定に必然性が感じられず、可もなく不可もなくという中途半端な感想しか浮かびませんでした。

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2013年08月04日

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ベックの「哀しみの恋人達」がず~~と流れている。

《本文より》
小説を書いてみませんか、と高井の言葉は小さくて性能のいいマグネットのように僕の心にピッタリと吸いついた。
何をしていても、何を考えていても気がつくとふくらはぎや肩甲骨あたりに、離れずに張り付いているそのマグネットの存在を感じる。

はこれは恋に似ているなと思った。そう、この感情の揺れは確かに恋に似ている。
それからこう考えた。
恋に似ている感情なんてあるのだろうか。恋に似た感情をも含めて、それを恋と呼ぶのではないか。
そうだとすれば、薔薇窓からの光の輪の中に立ち、それに手をかざしている久美子に、僕は恋をしているのだ。そう思うと、焦燥感に似た痛みのような感覚が胸の中を駆け抜けていった。

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2013年06月12日

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現実逃避でパリ住まいなんて贅沢だな。
それほどにも生みの苦しみというのは
つらいものなんでしょう。

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2013年02月26日

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ネタバレ

作者の自伝とまではいかないまでも、私小説的な作品だと思います。
パリで執筆中の駆け出しの作家が主人公。
上質な日記を読んでいる感覚に近いです。

この作家が後半、酔って「小説とは」を語りだすのですが、これが個人的にあまり共感できませんでした。
「適切な言葉を使って表現する、その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説」……「一つ一つの場面を書き連ね、その先に結果的にストーリーや感情がある」……
この書き方では、主人公の望むような大作は書けないと思わずにはいられません。

この小説は、まさにこの主人公が語った手法そのまんまの書き方をしたんでしょう。その場その場でカッコいいフレーズは出てきて読み心地もいいのですが、全体として完成された作品であるのかといわれると、そこには疑問符を付けずにはいられません。

また、狙ってやっているのか「ウンコたれ野郎」「ジャパネットたかた」「この陰毛が~」は、正直自分的にはキツイです。
あとは、村上春樹先生の影響が強い作家さんだと感じました。

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2012年09月19日

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小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂らせる。透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。作家は突き動かされるように作品に没頭していくー。欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。

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2012年01月15日

Posted by ブクログ

ロックンロールという題名だけで購入したので、音楽関係の話かと思ったら、ロックを愛する小説家の話だった。
けっこうゆったりした印象だったかな〜。嫌いじゃないけどそこまでひきこまれませんでした。

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2011年06月29日

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お得意の、舞台はパリ。おなじみの、過去の切なさみたいな空気はあるのだけど、繊細なものを触れるような脆さ、みたいなものよりも、濃厚な大人の空気というか、重厚な雰囲気が強くて、あまり好みではなかったかも。

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2011年05月22日

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久々の大崎善生さん。
『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』が好きだったため
期待しすぎてしまった。。。

主人公が作家というだけあって

大崎さん自身のものを書く事への考えだとか書く事への姿勢が随所に感じられたところがよかったです。

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2010年09月06日

Posted by ブクログ

恋愛小説のように見えて、実はそうでもない、
大崎さんの人生観のようなものが垣間見られる本。

小説を書くということはどういうことか、
駆け出しの小説家・植村の口を通して語られるのが興味深かった。

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2012年10月01日

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小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂ぶらせる。透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。作家は突き動かされるように作品に没頭していく―。欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。


2年前にこの小説を読んだとき、「大人の恋愛だなぁ。」ぐらいの感想しか持てませんでした。描写もかなり”大人”な感じで、思わず顔を赤らめてしまう場面も。 2年経った今、不思議とこの小説を素直に読むことができました。”大人”な内容を素直に読める自分が少し嬉しかったり、反対に残念に思ったりもします。

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2009年11月24日

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ふと、村上春樹を読んでる気分になる。
だからあんまり好きではない。
でもなぜか読んでしまう。

作家と編集者の三角関係?
奈美 みく 久美子
to be rock and not to roll

09'04'17

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2009年10月04日

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なぜ人はこんなにも苦しみ、悶えるような思いで、石ころとなり坂を転がり続けなくてはならないのだろう。
転がっていった先にはいったい何が待っているというのだろう。

僕にはわからない。
正直にいって、僕にはわからない。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

コレ読んで、私が大崎さんの小説が好きな理由が分かりました。ロックンロールという話自体にも思い入れはありますが、それ以上に後半に書かれていた主人公の語る小説の評価の方法に凄く共感しました。共感というか、自分が小説に求めること・言葉への姿勢がそのまま形になってました。

「パリのカフェに夕陽があたっているというシーンがあったとする。文章を書くということはその場面を描写するための言葉を選ぶということでもあるわけだ。たったそれだけの場面を描写するにしても、言葉とその組み合わせは、きっと信じられないほどの数になるだろう。そのときにその組み合わせの中から、ピッタリと嵌った言葉を抽出して、過不足なく書ければ、僕にとってはそれでいいわけで、小説を書くという作業はきっとそれに近いことの果てることのない繰り返しに思えることがある。」

ほんと、その通りだと思います。

言葉の選び方に人一倍慎重で、これ以上ないっていう表現を使ってくる気障な大崎さんの小説大好きです!!

ポケットに小石を持っている人間と持っていない人間がいるとしたら、私もきっと小石を持っているんだろうと思いました。石になれ、しかし、けして転がるな。とはよく言ったもの。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

大崎善生らしい、リリシズムに満ちた私小説っぽい小説。
ただ、どことなく、抑制が効いていず、『パイロットフィッシュ』などに比べると凡庸な出来だと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「僕達は、ただ欲望の坂道を転がっていけばいい。」

ロックンロールをBGMに。

大崎善生いいな。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

読み始めてから、物語が動き出すまで、もたもたとしてだらけてしまうが、主人公の目の前に女性が現れて以来、話し自体が弾み、キラキラとしたものに変わる。この本は中年のみずみずしい恋の話しなのだが、この、恋をする前のだらだらとした文章も、今思うと大事な叙情の一環を担っているのだなと思った。いくつになっても、恋は人を、世界を輝かせる物なのだなと思った。自分が40代になったとき、こういう恋をしてみたい。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

大崎善生の恋愛小説は主人公の設定など、どことなく似通っていると思うのは、自分だけだろうか・・・?小説単体として見た場合は、良質な恋愛作品に仕上がっています。ロックンロールを口ずさみながら、恋は転がってゆきます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

大崎さんは読者にとって結構好き嫌いが激しい作家さんだと思います。
シチュエーションや雰囲気の綺麗さ切なさは素晴らしいのですが、そこに行き着くまでの必然性や登場人物の心理の変遷には納得できない所が多い。前者を強く評価する人は好きで、後者が気になる人は嫌いなのではないかと思っています。そして私は前者だったのですが、本作は。。。
劇的なシチュエーションは減少し、一方でなんだかんだと説明が多いのです。不確かな比喩というべきか。なんだかウダウダしていて乗り切れない。そんな感じがします。一方で妙にユーモリスティックで思わずニヤリとしてしまう所が随所に有るのも今までの作品に無かった傾向です。
全体としては「ビミョウ」かな。

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2016年08月16日

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