【感想・ネタバレ】ゴーマニズム宣言SPECIAL 昭和天皇論のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

チェック項目14箇所。ダライ・ラマは共産主義に警戒が薄くて「宗教は毒だ」という毛沢東の言葉でやっと気づいたが、結局、中国にチベットは侵略され、ダライ・ラマは国外に追われてしまった。日本という国は、古代から常に「あ、そう」と言いながら、異国の文化を一旦は懐深く受容し、自家薬籠中のものとして変容し、あるいは跳ね返してきたのである、「からごころ」を「やまとごころ」に変容させる術は、日本の伝統そのものなのだ、漢字しかり、仏教しかり、儒教しかり、西洋化しかり、人間宣言しかり、グローバリズムしかり……。日本国内では絶対権力者のように振る舞ったマッカーサーだが、実際にはアメリカ本国の方針に逆らえるような身分ではなく、現に最後はトルーマン大統領にも逆らい、いともあっさりと解任されている。アメリカは日本の歴史や文化など、深く知らずとも完全に理解できる程度の未開のものだと見くびりきっていたのである、そして、自分が知っているアングロサクソン文化こそが高級で進化したものであり、日本文化を否定してアングロサクソン文化を植え付けることこそが、自分に課せられた使命であると、信仰心に近い確信を抱いていたのだ、その後もアメリカは現地の文化や習慣を知ろうともせず、アメリカ型の民主主義がすぐに植え付けられるものと思い込んでイラクやアフガニスタンに出兵し、未だに解決できずにいる。マッカーサーが日本を支配した5年8ヶ月の間に、50万通もの手紙が届けられた、その多くは賛美や感謝、陳情や要請で、批判や講義はごく少数だったという。江戸時代、徳川幕府が絶大な権力を握り、皇室はみじめなほど無力な存在になっていた、しかし天皇は幕府の権力を利用して生き残り続け、そして幕府が権力を失うと、たちまち新たな時代に即応し、存在を大きくしていった、天皇と将軍の間に友情など存在するわけがなかったのと同様に、昭和天皇もマッカーサーに対して「友情」など、必要も感じていなかったであろう。昭和天皇の英断がもっと早ければ……原爆投下の命令は、すでにポツダム宣言の前日、米軍に下っていたのだ、「原爆を落とす前に、日本に降伏はさせない!」というのが、アメリカの思惑だったのだから、天皇に原爆投下を阻止できる力などあるわけがない! 戦勝国が敗戦国の憲法を作り替えるなどということは、ハーグ条約違反の無法行為であり、ポツダム宣言にもそのような条件は提示されていなかった、しかし占領軍はそれを平然と行い、「それでは約束が違う」と抗議しても、もうどうにもならなかった。天皇陛下の場合、医療費は宮廷費が充てられましたが、皇后陛下の場合は内廷費、紀子妃殿下の場合は皇族費が充てられました、保険がきかないため、もちろん医療費は実費ですから、高額になります。GHQが天皇の巡幸を許可したのは、「マッカーサー会見写真」「神道指令」「人間宣言」に続いて、生身の天皇の姿を国民の前にさらすことで、天皇の神格化を完全に打ち壊せると考えたためで、GHQ高官の間では「眼鏡をかけ、近眼で猫背の小男を見れば、国民の天皇に対する信仰も薄れるだろう」と言われていた。何より重要なのは、「開戦責任」と「戦争犯罪」は、敗戦国だけでなく、戦勝国にもあるということである。「開戦責任」については、日本よりもアメリカの方が開戦の意思が強かった、アメリカが石油輸出を完全停止したために、日本は死活問題に陥ったのであり、東条内閣は戦争回避を目指してギリギリの譲歩を提案した、アメリカはここで一部でも石油禁輸を解除していれば戦争は回避できたのに、それに応じるどころか、より強硬な「ハル・ノート」を突きつけてきたのだ、経済制裁は、すでに戦争行為である、「パール判決書」には、アメリカは真珠湾攻撃のはるか前から交戦国になっていたと記されている、開戦責任は、アメリカの方がより重い。「戦争犯罪」を問うのなら、アメリカによる都市空襲と原爆投下、ソ連による侵攻こそが、完全に国際法の違反、れっきとした「戦争犯罪」である。「南京大虐殺」……現在の中国政府はこの事件で30万人が殺されたと主張しているが、そもそも当時の南京には20万人しかいなかった、しかも「大虐殺」が行われているはずの期間に、人口が5万人以上増えていることが、当時、南京に滞在した欧米人の書簡などで証明されている、そもそも30万人なんて、原爆を2発落とさなければ殺せない数であり、弾薬にすら事欠いていた日本軍に殺せるわけがない。

3
2013年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小林よしのり先生の「戦争論」「天皇論」「靖國論」「パール真論」と読んできて本作に辿り着き、著者が本書は、戦争論→天皇論の続編的な位置付けで有ると語っているのを見てなぜか嬉しかった(笑)
終戦のご聖断の件では感極まって仕事先で泣いてしまいました…半藤一利先生の「日本の一番長い日」はこの時の話なんですね。一昨年に原田眞人監督によってリメイクされた作品を観ていたく感動したのですが、当時はまだ知識が薄くて「終戦のご聖断」でこんなドラマと言うか経緯があったのを知らなかったので、作品を深く理解しながら観ることは出来ませんでした。それでも感動と言うか胸中を揺さぶるモノがあったのですが…本書のお陰で改めて見直して観ようと思います。岡本喜八監督の方も観なきゃですね。やはりどんな事でも体験する前に知識を持っているかどうかで受け取る物がまるで違います。今回は終戦当時の日本に対する理解度が少し深まった気がします。
戦後の日本全国行幸の件では陛下の想いと国民の想いが伝わって来て涙が出て困りました。敗戦から復興へ心の切り替え作業だったんですね。
世に言う戦争責任ってどんなものなのかもよく分かりました。

とにもかくにも昭和天皇陛下のお人柄や言動と行動…何よりも御製に歌われる想いの素晴らしさ、何時如何なる時でもその全てが国民のためで有ることがよく分かりました。本当に読んで良かったです。

1
2019年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史というものは一方から見ただけでは全体像をつかめないと思う。視点をその当時の人々の立場によって変えると全然違って見えることが多い。毎度ながら読み応えがあるが、やはり目から鱗のことが多い。また同じ著者の「戦争論」を戦争を知っている父親に読ませた時、自虐史感による戦争や歴史の本ばかりしか知らなかった父が、こういう見方もあるのかと一種感動していたことを思い出す

1
2012年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

GHQ、マッカーサーと天皇の関係とかは知っていることが多かった気がするが、終戦の条件を決める最高戦争指導会議など、しらないことが多かった。鈴木貫太郎と阿南惟幾はえらかったな。

0
2012年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和天皇のしたたかさが日本を救ったのではないだろうか。
受け入れたふりして、時期が来たらあっさりと手のひらを返す。
これこそ日本人の強さだと感じた。
昭和天皇が崩御された日、なんだか歴史の一幕の中で生きている自分を感じたことを思い出した。

0
2011年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かなり右的なタイトルですが。。。
会社で「右翼みたいですね」って言われましたが、私は別に右でも左でもないですw

小林よしのり氏のゴーマニズム宣言のSpecialである。

私はあまりこのシリーズが好きでは無い。
タイトルの通り、小林氏の「ゴーマン」がかまされている本なので、内容について行けないことが多いので読まないことにしていた。

でも、私は、「天皇陛下」が結構好きである。
何度も言うが右では無いw
ただ、その何とも言えない魅力と言うか私心なき謙虚さと言うか、不思議と胸うつ優しい雰囲気が好きなのである。

その天皇の中でも印象が強いのは、なぜか「昭和天皇」。
「平成」が人生の3分の2以上を占めているのだが、昭和生まれのせいか、「昭和」と言う時代に思い入れが強い。
激動の昭和の日本の象徴、昭和天皇に関して知りたいと思ってこの本を手に取った。

この本では、終戦期の昭和天皇に関して書かれている。

昭和天皇が終戦のためにどの様に尽力したのか、保身せず、私心無く、日本の国体を守り、国民を守るため努力した姿が書かれている。
そして、人間宣言や沖縄を見捨てた等、現在、一面だけを見てとらえられている内容に関して、勅旨の全文を載せることや沖縄を取り囲む世情等を詳らかにし、昭和天皇の真意を読み解いている。

この本を読み、「反戦」の思いが強かった昭和天皇がいて、なぜ日本が第二次世界大戦に突入して行ったのか、そして、なぜ日本は敗戦国でありながら皇室を残し、国体と独立を維持出来たのかを知ることが出来た。
そう言った意味で非常に面白い内容であった。

もちろん、この本に書かれている全ての史資が真実であるかは分からないが、真実である部分は多いと思う。
そして、昭和天皇の真意もこの本の内容に近しいものだったのでは無いだろうか?

教科書には載らない歴史、激動の昭和史の一面を知ることの出来る1冊。
昭和や終戦期に興味のある方はご一読頂きたい

0
2011年09月23日

「社会・政治」ランキング