【感想・ネタバレ】廃用身のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

作者が医師なので
最初は手記かと思ったほど
リアルであった。

本の出版が2003年なので
10年以上前。
現在この本が予想している以上の
スピードで老老介護は現実化している。

國の施策でも
患者は在宅へ戻し、
家族に看取られることを
理想として掲げているが・・・
実際に働かなければ
親や自分も生活が成り立たない、
しかし、社会補償制度は
ほぼ壊滅している。
どうするの?

介護者の負担を減らしていくしか
無いのではないか?
この本は究極な話かも知れないが
事実、男親が倒れたときに
母親と私で支えられるんだろうか?
と考えたとき
こういう方法も有りなのかも知れない。
と実は思ったりもした。

0
2016年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

老人介護について憂いを持つ主人公の医師の前に現れたのは麻痺を患った90キロオーバーの男であった。男は麻痺の影響で皮膚に床ずれができており、治療も一向に進まない上にその体重からサービスを受けるのも一苦労で床ずれと家族の関係は悪化の一途を辿る。そんな中主人公はふと「四肢を切断する」という治療法を思いつくのであった。

そして恐ろしいことにこのストーリーはノンフィクションなのである。

言葉にできない拒絶感を抱きながらも医師目線でサクサク進むストーリーは軽快である。切断する必要のない四肢を切断するという行為をしながらである。患者の反応にも一切の嫌悪感を匂わせないのが逆に恐ろしいところである。

次第にエスカレートしていき、徘徊するから足を切断する。説得できないから誘導する。そうしていくうち唐突に話は記者視点に切り替わり、先ほどまでの文章が主人公の遺稿であることを知らされ、世間からの目へと切り替わっていく。そこで暴かれるのは暴力性や潔癖症的部分であり、人間の底知れない感情に打ちひしがれる。

0
2023年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価に迷う。読んでよかったかと言われたら、絶対NOで、読まなきゃよかったとさえ思った。でも「Aケア」と呼ばれる奇妙な治療(なのか?)から目が離せなくなり、一気読み。「廃用身」という言葉にずっと嫌悪感を抱きながら。

フィクションですよね?リアルすぎてノンフィクションのルポを読んでいる気になる。
前半の漆原医師の遺稿を読んでいると、確かに洗脳と言うか、これだけメリットを並べられると「あれ?Aケアって正しいのかな」と思わせられた。でもやっぱり心がザワザワする!なんかすっきりしない。自分の両親の体のどこかが廃用身になって、「Aケアしてください」って言えない。。。それは自分がまだ介護の大変さを身に染みて実感していないからなのか。。衝撃的すぎる内容ではあったけど、高齢化社会に向けて介護について考えさせられる本ではあった。

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2016年05月18日

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