感情タグBEST3
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乙一さんの本、ゆっくり読むつもりで買ったけど面白すぎてページを進めてすぐに読み終わった。
死にぞこないの青、胸に残る憂いと薄暗い感情。でも嫌じゃない。
目をそらせない
学校という狭い世界、必ず存在するカースト最下位の弱者。人気者の担任。
子どもを掌の上でじょうずに転がしているような教師も、また人間なのだと思わされる1冊だった。
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お礼を言えるようになったり、初対面の人と話せるようになったり。悪い部分に対しても真っ正面から向き合う姿勢を持っていたからかもしれない。
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前半100ページが鬱々と暗く辛かったです。
ストーリーは実にわかりやすいしありがちだとは思うけどその為に100ページ費やすのが乙一なんだよ。そうなんだよ。
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なぜか「できそこないの青」と覚えてしまっていた作品
先生のいじめが陰湿で生徒たちをうまく操っているなと思った
マサオの視点で語られていて、読んでいて凄く苦しくなった
終盤にアオと一緒に先生に復讐している時は頑張れ、頑張れ!と思いながら読んだ
なんというか、復讐はだめ、と言うのは簡単だけど、被害者のマサオの気持ちを考えたらつい応援してしまった
復讐されないように真っ当に生きようと思う
マサオが強くなって良かった
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個人的に乙一先生の好きなところは、その場の雰囲気を簡潔にかっこよくあらわす、文の色彩の多いところです。
今作でも、小学校時代や、昼間エアコンに頼らず生活していた小さい頃、家庭訪問時の先生が家に来る不思議な空気感など、懐かしい情景が思い返されました。
ストーリーとしては、綺麗にまとまっており、読み終わった後も、その後のストーリーを聞きたくなるような、見ていて面白いものでした。
もし、小学校のの時に読んでいたら、視野がとても広く賢い子供で入れたと思います。
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小学5年生クラスを担任する新任教師が、自身への不満解消のために生徒1人をイジメの対象にしてしまう胸糞悪い話。大人の目線だと先生の行為が懲戒免職に値すると簡単に判断できるが、子どもの立場から先生に逆らうことはとても難しかったことを思い出した。私も小学生の頃は、マサオのように周囲の人間の目を気にして言いたいことを言えなかったので、マサオの気持ちがよくわかる。
アオが先生への復讐をけしかけ思いを遂げたことで、マサオはクラスメイトや当事者である先生すら許せる心を持てたように思う。アオがマサオを浄化したのだろう。
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私は反骨精神で生きているので、序盤されるがままの主人公をもどかしく思う気持ちが強くありました。『アルジャーノンに花束を』を読んでいるときと同じ感覚です。
フィクションに現実を持ちこむのは好まないのですが、先生のやりくちは現実的によくあるし、うまかったと思います。理科室や家庭科室の件で見られるような、先生の愚かな若さも妙に現実的でした。もう少しばかな子供を標的にしておけば、先生は一年間うまくやっただろうし、そんなものは小説にならないのだと思います。
スッキリする結末ではありませんでしたが、あれでよかったと私は安堵しております。
ところで本のあらすじでは「飼育係」とありますが、これは本文に即して「生き物係」ではダメだったのでしょうか? やや気になります。
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どうして人はいじめをしてしまうのか、という問いと、自身が加害者にならないための心の持ち方の様なものを描いてくれている。
暗いお話かと思いましたが、最終的にはスッキリとするお話でした。
共通の敵や差別する対象を生み出すことで安心感を得る、というのは今の世の中でも起きてしまっていることだと思う。
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さらっと読めて、背筋が凍る。そんな一冊。毎回思うのだけれど、乙一さんは多彩です。特に、サイコスリラー的なストーリーがピカイチと個人的には思ってます。
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こっっっわ…
第4章まで、たぶん読んでる私の顔は不安と恐怖の顔だったろうな〜という感じ
アオの顔を想像できてしまって本当マジ夢に出てきそうなレベル 無理 でも思ったような後味最悪なラストじゃなくてちょっとスッとした( ˘ω˘ )
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夏だからなんとなく乙一
中盤までの胸くそ展開を我慢すれば、後半は清々しい気持ちになれる。
ホラーなのかな?でもああいう先生は程度は違えどやっぱりいそうなので、そう考えるとそれが一番ホラーなのかも。
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最近暑いな、夏は乙一だ。
さて乙一らしい、綺麗にまとまった作品。
1つ違うのがこの作品には作者の主張が込められているということ。
'きっとみんな、自分が他人にどう思われているのかを考えて、怖がったり不安になったりするんだ'
この物語はそういった恐怖に囚われた大人が、反撃をしてこなそうな子供を攻撃することから始まる。
背筋の凍るホラーであり、なのに読後感も清々しい。一度で二度美味しい一冊だ。
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なかなか人前では、自分の思っていることを表現できないことは多い。「なんでこんな理不尽なんだ?」とは思いながらも、「なんとか我慢すれば」で済ませることもある。そんな時に、気持ちの代弁者というのか、自分の心の奥底に眠っている負の思いを表現してくれる存在。それが本作で描かれている「アオ」である。
自分の心に存在する負のオーラの大きさに驚くこともしばしば。本作では主人公にだけ見える形で存在していたが、人の心にはこうした感情が小さくない形で存在していることを改めて気づかせてくれる作品でもあるように感じた。
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またしても土瓶さんが覚えていない作品を発掘してしまった。
あとがきによると 本当に好きなものを自由に書いてしまった小説らしい。
おとなしめのどのクラスにも数人は居そうな心優しい少年。
教室でそっと生きていたかったのに なぜか担任教師の標的となってしまう。
担任は、大人の弱さだね。
自分のクラス運命の潤滑油として彼を使う。
彼を底辺として扱うことで、他の生徒の反抗を抑え、団結に導く。
現実的にこういう大人が存在するのがホラー。
教室内の蟻地獄にずるずるはまっていく感じがうまいなあと思う。
“死にぞこない”の男の子青は、少年の幻想であり、彼自身の意思だよね。
優しさだけでは社会は生きていけないのです。
復讐という意思表示。
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恥をかきたくないし、よく見られたい。誉められると嬉しいけど、失敗すると笑われそうで心配になる。きっとみんな、自分が他人にどう思われているのかを考えて、恐がったり不安になったりするんだ。
ぐろい。そういや乙一さんの描く小説ってグロい描写あるんだった。(語彙力欲しい…)描写がリアルすぎて、本なのに目細めて眉間にしわ寄せて読んでた。
自分に素直に他人を気にしすぎずに生きていきたいな。
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作者があとがきに書いていた通り、好きなものを書いた作品。
読んでいて、自分は主人公の気持ちが痛いほどわかった。
自分は主人公ほど運動ができなくもないし、人見知りで話しかけれないわけでもないが、人からどう思われているのかが怖いと思う。
誰しもそういう恐怖は少なからず持っているんだなと読み進めて強く印象に残った。
1人を犠牲にして周る安定にはいつか終わりが来る…そんなこと少し考えればわかるのにね。
目先の解決だけを考えると、あぁいうことができてしまうのだろうな。
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小学生の少年がクラス担任から"いじめ"を受け、自分の分身とともに復讐を企てる話
小学校という狭くて閉鎖的な環境で、しかも10歳か11歳の子どもの経験値からして
「先生はいつも正しい、間違っているのは生徒」と思い込んでしまうのは誰にとってもあることなのだろうなと思った
先生の仕打ちはとにかく胸糞悪いが
社会科の授業で「えた、ひにん」の学習をして、自分がこのクラスにおけるそれだと気づけたこと
先生のしていることとはいえ、このやり方はおかしいと思える賢さを少年が持ち合わせていたことが救いだった
子どもに対して「学校で何かあったら相談してね」と言うことは簡単だが
その"何か"を本人が自覚することが難しく、子どもの声を聞く上での鬼門になるのだと改めて感じた
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親が羽田より気持ち悪い、トラウマを思い出させる。羽田の方がまだ良い。
家でゴミ扱いされて自信もなくなったし陽気から極度の内気になった。学校やら色んなところで褒められて天才扱いされて少し直ったけど、一生親を許すことはない。向こうは悪いことした気はないし本気で全てこっちのせいだと思い込んでるし親孝行しろとか言うのも気持ち悪い。それでも真っ直ぐ生きてきた自分に感謝。復讐とか考えたことなかったけどした方が自覚させられるかもしれない、しないけど
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自分を守る為に弱い奴を生贄にする。
どこの世界でもあり得る事だろう。
人間は弱い生き物だから。
アオの傷はマサオの心傷を表していたんじゃないかと思う。体の傷は目に見るけど心の傷は見えないからね。だからどれ程傷付いているかって本人すら気付かない事もある。
マサオが先生を殺さなかったのはちょっと以外だったな。てか先生への復讐劇になるとは思ってなかったし。
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スラスラと読みやすい文体で、読み進めやすいんだけど辛い。購入した当初は、この表紙の装丁はなんか読みたくなる雰囲気があった。タイトルが階段になってるとこが好き。時を超えて読み返してみると違った目線でも見れるようになっていた。あの頃理解できなかった主人公の感情が、こういう捉え方もあるのだと納得できた。
リアルな描写から、著者もいじめをなんらかの形で実際に見たり感じたりした経験があるのかもしれないと思った。
"いつだって加害者は、被害者ほど事件を重大に受け止めないものなのだから"
まさにその通りだ。
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主人公マサオのような子どもは世の中にたくさんいるのでは、と考えさせられた。
この小説の中では加害者は教師だったが、保護者や先輩など、自分より力が強く服従しなくてはならない相手に屈しながらも、腹の奥底で復讐心が芽生えている子どもがいるのではないかと。そして、ある一定のラインを超え限界に達した時には、マサオのようにアオが見えるのではないだろうか。
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「小5になったマサオは新しい担任になった羽田先生にあるきっかけから苛められてしまう。先生だけでなく、やがてクラスメート達も苛めてくるように。そんな時、彼の前に突然現れた謎の人物「アオ」。アオが現れてからマサオの学校生活は思わぬ方向へ進んでいく。 」
この本は「自分より醜い人を見ると安心する」という人間の嫌な心理をストレートに描いた作品だと思います。マサオを虐めている羽田先生を見ていると「こんな酷いことをして最低」などと思っていましたが、自分も同じ様なことをした経験がどこかであると思うと複雑な気持ちになります。
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「死にぞこないの青」
マサオの戦いが始まる。
マサオは、ちょっと太り気味で運動は苦手。走るのはクラスで一番遅い。性格は引っ込み思案でクラスのみんなを笑わせることはない。しかし、それは欠点ではない。マサオはとても良い子なのだ。にも関わらず、マサオはいじめの渦に巻き込まれていく。それも、大人の指導者によって。
作者は、基本的に語り手(マサオ)の年齢は関係なく地の文で様々な用語を使用するそうです。その理由は言葉そのものは幼い為に知らなくても、言葉が意味するものは名付けられないまま頭の中に収まっていて思考しているに違いないと考えているから。
例えば、マサオは、先生が自分ばかりを虐める理由をこう結論付ける。自分は“一番下の階層だからだ”と。クラスメイトは、マサオが一番下の階層の人間だから先生に叱られることはない。先生は、クラスメイトの不満はマサオに行くのだから、自分の評判を下げることはない。ここまで考える。そして、最終的に自分はクラスのバランス係だと認識する。飼育係のようにただのクラスの係であり、クラス特有のルールであり、特段悲しむべきことではない。先生に怒られることもクラスメイトが話かけてこないことも当然なんだと理解する。
「一番下の階層」「虐められるのはバランス係のようなものだ」。小学五年生が口にすることはないだろう言葉が、マサオの頭の中で思考されている。マサオは、次第に虐めを当然と思い込むことで、悲しい・悔しいといった感情が薄れていく。このマサオの“いじめられて悔しい。哀しい。何故だ”という気持ちから“自分はバランス係なんだ。仕方がない”という諦めの気持ちに変わっていくところが非常に悲しい。
虐めとは、非常に理不尽だと痛感させられる。しかも理不尽の主犯は、羽田という大人であり、マサオがターゲットにふさわしいと考え、意図的に生贄にすることで、自らの評価を守ろうとする。クラスメイトは、先生の意図に同意することなく、自然といじめに染まっていく。逃げようにも逃げれない。
しかし、マサオは負けないのだ。負けない理由にアオの存在があった。しかし、アオは劇薬であった。「おまえは抜け出さなきゃいけない」というアオと「羽田を殺せ」というアオがいるのだ。
アオの不気味さから最後までホラー一本と思いきや、マサオの強さを見せつける結末がGOODな一冊。