【感想・ネタバレ】御書の世界1のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月05日

目次
・御書は「末法の経典」
・誓願に貫かれた大聖人の御生涯
・立宗宣言
・立正安国(上)
・立正安国(下)
・一生成仏
・異体同心
・師子王の心

シリーズ3巻のうちの第一巻。サブタイトルは「人間主義の宗教を語る」であり、本稿は2002年に、仏法の専門誌「大白蓮華」に掲載された創価学会・池田名誉会...続きを読む長、同・斎藤教学部長(当時)、同・森中副教学部長(当時)の対談である。

「御書」とは、宗祖日蓮大聖人の論文・御手紙等が編纂された書。

「立宗」とは、日蓮大聖人が初めて宗教を起こしたこと。

その日蓮大聖人が時の執権・北条時頼に上程した書に、「立正安国論」がある。

「立正安国」という言葉も含め、「一生成仏」「異体同心」「師子王の心」は、その御書の中で説かれている最重要な思想・哲学であり、そのことについての師弟対談集である。

第一章では、「御書」の読み方として、「ある時は大空から俯瞰するように、ある時は顕微鏡で精査するように、御書の仰せを根本に、学び、考察していきたい」と述べられている。

「御書」の内容は一言で語れるものではないが、池田名誉会長は、「御書では仏道修行における「心」の大切さが大いに強調されています。「信」「勇気」などの仏界を開く心の力の働きを教えられるとともに、反対に「不信」「臆病」などの仏界を閉ざす心の働きを戒める。心についての教えが御書であるといっても過言ではありません。」と述べられている。

第2章では、「誓願」に貫かれた大聖人の御生涯について語られている。大聖人はその御生涯において、少なくとも二度大きな誓願を立てられたと。第一は、「日本第一の智者となし給へ」(12歳のとき)、第二は32歳の立宗直前の誓願。万般の宗教を研究されつくした上で法華経第一という帰結のもと、法華経の行者として末法の民衆救済に生き抜く決意として立宗宣言をなされた。

第3章では、「四箇の格言(「念仏無間」「禅天魔」「真言亡国「律国賊」)について、その現代的意義について語られている。

この「四箇の格言」が諸宗攻撃、独善的、排他的と言われることがあるが、その真意はそのような狭量なものではなく、「円満なる人間の生命の力の開花」を示すものであることが記されている。

第4章では、「立正安国」の「立正」とは何か、「安国」とは何か、について語られている。「立正」とは「正法を立てる」→心の変革→人間尊厳・生命尊厳。そこから「安国(=社会の平和)を実現していくという流れが示されていた。当時の権力中心の社会から、民衆中心の社会への変革(人間主義への変革)を示されたのが、その本質だったことを再認識した。

第5章以下、信仰を実践していく上での重要な思想「一生成仏」「異体同心」「師子王の心」について、学びを深め、自身の「誓願」へと繋げていきたいと実感した。

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