【感想・ネタバレ】月曜日の水玉模様のレビュー

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Posted by ブクログ

あれっこれも探偵小説なのか、しかも2001年の思わぬ本棚での出会い、月曜日から始めてそれぞれ違う事件簿の、なかなか感じのいい書き方をする。なんだかシリーズ化出来そうな感じだけれど、キレキレだったよ陶子さん。出来る人間はやっぱりいるんだね。もしも目の前に陶子さん居ると思うと見透かされていると思って落ち着かないかも、益子にはなれないて。萩野の生い立ちがちょっと出てるし陶子さんの生い立ちも悲しみあるし、でも深くは掘り下げないのだね。あの小さい会社のOLじゃあ勿体無いなあ、職場と才能とギャップがね。

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

 加納さんの本はこれが初読みでした。
 日常ミステリーですね。人が死んだり、政府の野望に巻き込まれたりはしません。何気なく過ごしていく日々の中で、普段は気にも留めないようなこと。そんなことが気になる。そこからお話が始まります。
 自分は普段、人間観察をしたりしないのですが、周囲の人たちは人間観察がとても楽しいと言っていました。
 この人は今なにを考えて、何をしようとしているのか、そんあことを推理したり想像したりするのが楽しいのでしょうか。

 <以下引用>
 「陶子さんは電車に乗っていて、何か変わったことに気づいたりして、見知らぬ乗客についていってみたくなったりしたことはないですか?」

 この気持ちはわかる気がしました。気づいたこととは少し違うかもしれませんが私はなぜかよく酔っ払った女性に声をかけられつことが多いのですが、その方々は今の気持ちを率直に話します。
 おそらく彼氏と喧嘩したのであろう謎に炊き立てのお米を持った女性。
 今日定年退職を向かえ送別会の帰りだという女性。
 ふらふらになりながら今日の飲み会が楽しかったと語るNHKの女性社員(笑)。
 時間があったら終電じゃなかったから皆さんの話もっと聞きたかったな・・・ということを思い出しました。

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2017年09月19日

Posted by ブクログ

長い間のお気に入り。どうしてかな!?と考えると殺人がなく、クスリと笑えらるコミカルな内容に安心できるみたい。
いつも、クールな主人公と可愛くて?にくめない荻窪くんのコンビも、なんとなくホッとします。

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2015年09月12日

Posted by ブクログ

「日常の謎派」ミステリ…なるほど。毎日の“相変わらず”の生活が、もしかしたら誰かにとって(自分にとっても)“ミステリ”な生活なのかもしれないのですね。通勤時間がおもしろくなるかも…。

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2014年11月13日

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陶子さん、かっこいい!
美人で聡明だなんて憧れる( ´ ▽ ` )
そして、おかれてる状況が似ていて、勝手に親近感がわいた 笑
続きとか、関連作品てないのかな。
お母さんや萩くんとのその後が気になる。

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2013年11月25日

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偶然新聞にこの本のことが書いてあるのを見て、無性に読みたくなり本棚をあさり再読。
加納朋子の伏線は本当に透明だと思う。すばらしい。
キャラクターもいいし、加納朋子の中で1,2を争うくらい好き。

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2013年08月04日

Posted by ブクログ

再読。面白かった。悲しいことに、この作品もだいぶ前に読んで内容は覚えてなかった。

片桐陶子と萩広海のコンビが最高。陶子の鋭い観察力と、どこか抜けてるけど仕事は出来る調査員の萩が、身近に起こる事件を解決していく。伏線がいっぱいあって気が抜けない。最後にあーそういう事か、となる。加納朋子さんの作品は"最後でやられた"となるのが多い。

この作品は20年以上前に書かれたもの。20年前の男女不平等問題、女性の社会進出の事が書かれてて、う〜んとなってしまった。男性と同じぐらい働いてても女性の給料は男性より少ない、女性が社会進出するのはあまり好まれない事など。20年経って少しは改善されてると思うけど、あまり変わってない気もする…。

陶子と萩がいい感じになって終わった。ほっこりする。萩くん、もうひと押しだ。がんばれ。
陶子が登場する他の作品『レインレイン・ボウ』もまた再読したい。

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2023年06月20日

Posted by ブクログ

陶子さんと萩くんの関係性が心地よかった。
表題作が一番好きだった。
読みやすくてまた読みたくなる作品でした。

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2023年01月26日

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『毎日、毎日、乗り降りを繰り返す通勤電車の中で出会う、数百、数千の人達。彼らの一人一人はいったいどういう暮らしをし、何を考え、どこへ向かっているのだろう?』

このレビューを読んでくださっている方の多くは毎日の通勤・通学に電車を利用されているのではないかと思います。もちろん、お住まいの地域によってもその事情は異なるとは思いますが、その時間を”痛勤”と捉えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか?そんな”痛勤”で、あなたの”あるある”を当ててみましょうか?

『毎朝乗る電車も車両もおおよそは決まってくる。すると当然、乗客にもなんとなくお馴染みの顔ぶれが出てきたりする』。

どうでしょう?人の習慣というのは恐ろしいものです。しかし、そんな風に”お馴染みの顔ぶれ”になってもお互いが挨拶をすることはありません。それはある意味当然です。たまたま同じ時間、同じ電車の同じ位置に乗り合わせている他人同士だからです。でも、そんな他人も毎日見ていると思った以上に意識するものです。『何を考え、どこへ向かっているのだろう?』ということは分からずとも、どんな傾向の服を着ているというようなことが自然と印象付いてきて、普段と異なる身なりだと、あれ、今日はどうしたんだろう?と気になってもしまいます。

さて、ここにそんな他人のことがとても気になる一人のOLがいます。『観察が細かい』という、そのOL。この作品は、そんなOLが、通勤電車で毎朝見かける〈彼〉について『見たところ、彼が所有する背広は現在三着』、『ネクタイの推定保有数は全部で五本』と意識していく物語。そんな〈彼〉の『鮮やかなイエローの地に黒の水玉』模様というお決まりの『月曜日』のコーディネートを意識するその先に、身近なミステリーを解決していく一人のOLの姿を見る物語です。

『窓の外にはぼんやりとはっきりしない曇り空が見える。朝っぱらからうっとうしいことこの上ない』と不機嫌なのは主人公の片桐陶子。その原因は『目の前で、一人の若い男が気持ち良さそうにすうすう寝入っている』ことにありました。『ほんの何日か前までは…彼のことがこの上なく愛しく思えていた』という陶子は、『ただただ小憎らしいばかりの存在と化し』たその男を見ます。『陶子が〈彼〉の存在に気づいたのは、半年ばかり前のこと』でした。『毎朝乗る電車も車両もおおよそは決まってくる』中で『いつも同じ車両の同じ席で、この上なく幸せそうに眠りこけている』その男を意識する陶子。『彼が所有する背広は現在三着』、『ネクタイの推定保有数は全部で五本』と、男の身なりを頭で整理する陶子は特にネクタイについて『多くは無難な色と柄なのだが、中に鮮やかなイエローの地に黒の水玉などという、かなり目立つ代物もある』と思います。そんな陶子は『毎週月曜日のぼんやりした頭で…ふと視線を落とすと目の前に派手な黄色の地』を目にし、『そこに散る、規則正しい黒の点々』を見て『何だか以前にもそういうことがあったような』と思い『それが〈月曜日専用〉であることに気づ』きました。しかしそれよりももっと大切なことにも気づく陶子。『彼は決まって登戸駅で下車する』、『つまりは彼の真正面に立ちさえすれば、登戸から代々木上原までの約十五分間、柔らかなシートにゆったりと腰を落ち着けることができる』という『大変な発見』に喜ぶ陶子。『二日に一度、あるいは三日に一度くらいの割合で、陶子は〈彼〉の恩恵に浴するように』なり、男のことを『愛しの君』と思うようになりました。しかし、『ある日を境に、状況が一変し』ます。登戸に到着するも『まるで目覚める気配がない』ある日の男は結局、『代々木上原に着いてしま』いました。『知ぃらないっと』と思い電車を降りた陶子は千代田線の行列に並びます。すると『あのう…』といきなり声をかけられた陶子。それがあの男であったことに驚きます。『少々お聞きしたいんですが、こっちの列は何なんでしょう?』と訊く男に『この時間は始発が二本続けて来る…』と行列が分かれることを説明する陶子。『なるほど、なるほど』と頭を下げた男を見て『今日だけなんでしょうね、千代田線に乗るのは』と心の中で思う陶子。しかし『結論から言えば、陶子は翌日も翌々日も、少しばかり不機嫌な朝を迎える羽目にな』ったという結果論。すっかり『〈愛しの君〉から〈卑劣な裏切り者〉へと転落を遂げた』男。そして、陶子は職場で起こった『ビル荒らし』事件をきっかけに、そんな男とまさかの再会を果たします。そして…と展開するこの短編〈月曜日の水玉模様〉。シリーズ化もされていくこの作品の主人公・片桐陶子、そして憎めない相棒のように彼女の周囲に出没する萩広海(はぎ ひろみ)の出会いを通勤電車の”あるある”にも絡めてサクッと描いた好編でした。

「小説すばる」に、1995年4月から1998年7月に渡って連載された7つの短編をまとめたこの作品。“陶子シリーズ”として、加納さんの代表作の一つともなっています。そんな7つの短編の主人公の片桐陶子は丸の内に勤めるOLという設定であり、そんな彼女の身の回りに起こる身近なミステリーをサクッと解決していくというのが基本的なストーリー展開です。OLが主人公ということで当然に舞台は会社のオフィスということになりますが、今から25年前のオフィスの状況がどんな様子であったかを垣間見れるのが、この作品の隠れた魅力だと思います。まずは、仕事道具です。『昨日筒井さんに頼んだワープロのフロッピィ、どこにあるか知ってる?変換ミスがあってね、ちょっと直してもらいたいんだけど』という自然な会話。恐らく今の時代に過去をそれっぽく振り返って書いた場合には、”フロッピー”は登場させても”変換ミスを直してもらいたい”という表現は出てこないのではないかと思います。細かいですがその時代にリアルに書かれた物語だからこその生きた表現だと思いました。また、そんな次元を超えて驚いたのが『ちょっと咳き込みすぎて、胸が苦しいけど…』、『それはいかんなあ…さすってやろうか?』という男女の先輩・後輩の会話のシーンです。オフィスの中での”えっ!”と思うようなその発言に対して『セクハラ発言に対してはどんな仕返しをしてもいい…』と続くそのシーン。『どんな仕返しをしても』という以前に、このような発言がオフィスで出ること自体、違和感しかありません。他にもこういったセクハラ発言がサラッと登場するこの作品。加納さんもわざと特異なシーンを描いているはずがなく、25年前のオフィスの日常は、まだこんな会話が普通に存在する時代だったんだとある種の驚きを感じさせるシーンでした。

そんな風にオフィスの日常の中に時代を感じさせる描写が絶妙に登場するこの作品ですが、一方で時代を経ても変わらないものがありました。それが、〈月曜日の水玉模様〉の陶子と広海の出会いの場ともなった通勤電車です。陶子が通うのは町田から代々木上原を経て丸の内という経路。首都圏にお住まいでないとピンとは来ないと思いますがこれは小田急線という90年代には遅延と混雑率で悪名高かった鉄道です。『赤の他人と密着すること数十分』という時間を『背中や後頭部に遠慮なく当たるスポーツ新聞』、『きつすぎる香水や整髪料の匂いや何やら得体の知れない悪臭』、そして『その他のあらゆる不愉快な事態に耐え忍び』という”痛勤”風景は時代が変わっても未だ基本的には改善されていないように思います。『ストレス、イライラ、疲労困憊などといった言葉は、今この状態の自分たちの為にある』という毎日の”痛勤”。そんな『不自然な体勢で延々とおしくらまんじゅうする苦痛』から逃れるには着席は必須です。『まさに天国と地獄』とはこちらもよく言ったもの。そんな”痛勤”場面の描写で、これは上手いと思ったのが、陶子が登戸で降りる男の後に座れるようになった喜びを表した次の表現です。
『早朝の十五分の睡眠は、ダイヤモンドよりも貴重だ』
これをうんうん、と頷かれる方の顔が目に浮かびます。そして、そんな風に上手いなあ、と思える表現がこの作品にはそこかしこに登場します。例えば、『薬』の取り違えがあり、陶子の手には自身のものが戻ったものの、広海の手には他人の袋があるという状況で戸惑う広海を描く〈火曜日の頭痛発熱〉の中のワンシーン。ここで登場するのが、
『辞書の〈途方に暮れる〉という項に、見本として切り取って貼っておきたいような姿であった』
という絶妙な表現です。これも上手いと思いました。そして、もう一つ。『この上なく幸福な夢を見ていた』広海が『自動車の急ブレーキの音』に端を発し、二人の人物の話し声、そしてパトカー到着ですっかり眠りを妨げられた〈水曜日の探偵志願〉の中のワンシーン。
『快適な眠りを妨げられるのは、読みかけの本を真っ二つに裂かれるに等しい暴力的な出来事だ』
本が好きな人ならこの感覚分かりますよね?という、これが小説だからこそ、その感覚がすっと入ってくるこの表現。それに続いて『枕元の時計を見ると、蛍光塗料を塗った針は午前三時半を指し示している』というリアルな本人の動作の描写も相まって、印象的な言葉とともに、身近な日常がとても上手く描写されていると思いました。

そんなこの作品、上記に少し触れたように7つの短編に、それぞれ月曜日から日曜日までの曜日が必ず付いてきます。しかもそれらは”○曜日の□□□□”と文字数も揃っていて、作品全体として小気味良いリズムを感じさせてくれます(※豆知識としては、この最初の□の七文字を繋げるとある言葉が浮かび上がります)。私的には”○曜日”に何かが起こって、週末に向かって何かが解決されていくというと柚木麻子さんのアッコちゃんシリーズが思い浮かびますが、この作品はそういった曜日間の繋がりはありません。あくまでその曜日に何かしら”事件”が起こる、その様が描かれていく一種のミステリー小説です。しかし、一般的にミステリーというと”人が殺されました。犯人は誰でしょう?”という図柄が思い浮かびます。それに対して加納さんのこの作品が描くのは、もっと微笑ましい世界の上で展開していくミステリーです。『迷子に捕まっちゃったんですう。あたしのスカート、しっかり握っちゃって、離れてくれないんですよ』という〈木曜日の迷子案内〉。『犯行の舞台となったのは、丸の内にあるA社だった。そこで部内会費が盗まれた。集金袋から中身だけがそっくり消えていた』という〈金曜日の目撃証人〉。そして『大型トラックが一台、忽然と消えちゃったんですよ。なんと十トントラックが、積み荷ごとドロンですから』という〈日曜日の雨天決行〉など、『犯行』という言葉が登場しても、その内容、そして種明かしの過程は決して重々しいミステリーではありません。片桐陶子と”助手”の萩広海が、まるでしっかり者のお姉さんと、それに振り回される弟といった風情の中で、サクッと事件を解決していく物語は読んでいてとても心地よいものがありました。

90年代のオフィスの風景をリアルに描きながら、主人公・陶子と、広海が7つのミステリーを小気味良く解き明かしていくこの作品。陶子が目にする身近な事ごとの背景に、会社や社会の様々な問題をチクッと浮かび上がらせるこの作品。とても読みやすく、あたたかい雰囲気の中に展開する物語は、私たちの身近な日常にこそ、実はミステリーが溢れているという事実を感じさせてくれました。決して怖くないミステリー、身近な日常にある謎解きをサクッと楽しめるその物語は、読後感スッキリな作品でした。

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2021年08月16日

Posted by ブクログ

日常派ミステリの旗手、加納朋子の本領が存分に発揮された1作。筆致はかなり軽く、肩肘張らずに楽しむことが出来ます。陶子と萩の、どちらが探偵役がハッキリしていない点が面白いですね。2人の掛け合いがなんとも絶妙です。

ちなみに陶子は町田、萩は愛甲石田から小田急線で丸の内に通勤しているという設定になっています。「魔法飛行」その他の記述から、加納さんが町田か相模大野辺りに縁があることは間違いないのですが、あの界隈の住人が相模川以西をどう見ているか、良ーく分かる作品でもあるんですよね(苦笑)。

朝ラッシュ時に座れるほど、愛甲石田は甘くないぞー!
…と、愛甲石田よりさらに奥に実家がある僕としては叫びたい気分です。

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2016年11月27日

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この人の本が好きなんだと確信。
連作で日常ミステリー。
普通のOLだが洞察力のある主人公と、ちょっと間抜けな助手役の彼。
二人のこの後が気になるところではあるが・・・進展はしないかなぁ(笑)??

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2016年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「普通」の毎日の中で起きるちょっとした不思議な事件。
謎が謎のままで残っているとモヤモヤする。
平凡なOLと自分では思っているかもしれないけれど、陶子の頭の回転の速さと観察力・行動力は結構たいしたもんだ。
そして萩くんの記憶力。
ふたりに共通する優しさ。
読後感がとてもいいのは、彼らの人柄のおかげだ

だけどちょっと待って。
よ~く読んでみたら、結構刑事事件に該当する謎が「いい話」っぽく解決されてますよ。
右京さんなら許さないところだね。

陶子が少しずつ人間的に成長し、自分を捨てた母親と向き合えるまでになったこと。
大人の弱さを受け入れながら、人をまっすぐに見つめることが出来るところ。
成長小説としても読むことができる。
加納さんの小説って、好きだなあ。

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2015年12月29日

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すいすいと、澄み渡るような聡明さを感じる主人公がすがすがしい。初め読みづらいと感じたが、気づけば引き込まれていた。

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2014年10月30日

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表紙がかわいいのと、題名に惹かれて、古本で購入。軽い日常ミステリー。殺人事件とかは起こらないので、軽く読める(読めてしまう)。たまにはこういうのもよい。

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2014年08月17日

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短編月~日まで分の詰め合わせ。
結構長い時間読み続けてた。最近時間がなくて……。

加納朋子さんの御本は、これまでに二冊? 読んでいるけれども、その二冊とちょい毛色が違って、最初は戸惑った。
が、途中から「ああ、やっぱりそうだ」と思える程に特徴がある。
そうだな……前の二冊よりは、こちらの方がしっくりくる。スピード感があって面白かった。ってか、好きなんだろうな、こういうのが。

まぁ、何かちょっと物足りないな、と思うところがあるのも事実。
謎が提起されてから、それが解決するまで、その中間が、殆ど存在しないから、なのかもしれない。
謎解きの時点でその中間部が語られることもあるけれども、それじゃ遅いんだ、と思う部分がなきにしも。

でも好きだな。この本。
もう一度読もうと思う。

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2014年02月22日

Posted by ブクログ

日常ミステリー。短編なのでちょっと時間があいた時に読める。どんでん返し系のミステリーが好きな私には、最初物足りなさを感じていたけど、読むごとにホッコリ。物語に引き込まれた。結構好きかも。

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2014年01月18日

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最初に読んだ十代の頃は、ひたすら地味なミステリとしか感じられなかったのですが、今改めて読み返すと、ブラウン神父のような「さりげなくえぐる」感じがあります。面白かった。

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2013年10月25日

Posted by ブクログ

再読だけど、これぞ日常系ミステリ といった作品
最初に読んだ時にはなんだか物足りない感があったけど、こういったものであると知っていて期待して読んだら、改めて面白さを再発見

多分、自分の身の回りにも色んな謎があったりするんだろうけど
その謎に気付くかどうか、解答が得られるかどうかは自分次第なんだと実感させられる

それぞれの曜日の特徴も合致しているし
連作短編としてちょっとずつ繋がりがあったり
そして最後には綺麗にまとまっている

レインレインボウもまた読んでみようと思う

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2013年07月26日

Posted by ブクログ

日常の謎としては割と重めの事件が多い印象。実際に犯罪が起きているケースもあって、うやむやで済ますのは無理がありそうな気もする。ミステリとしては日常系のデフォルトで、細かい伏線を張り巡らせるタイプ。多少の強引さは仕方がないかなという感じ。個人的に、すっきりしないエピソードが多かったなあ。

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

去年から読み始めた加納朋子、5冊目。

東京に住んでいた時、小田急線から代々木上原で千代田線に乗り換えて通勤していた。丁度この本が書かれた頃で、描かれているホームの光景が懐かしい。
私は日比谷で三田線にまた乗り換えていたけど、この本の主人公・陶子さんは二重橋前で降りて丸の内で働くOLさん。
そんな彼女が日常に起こる謎を、通勤電車の中で知り合ったリサーチ会社調査員の萩とともに解き明かしていくというお話。
会社の周りをうろつく不審人物、薬局での薬の取り違え、迷子の女の子、事務所での窃盗、そしてトラックごとの積み荷泥棒…。
メインの謎解きと関連してもうひとつのプチ謎解きも入れ子になったお話は結構凝った作り。
月水はほのぼの、火木は会社生活のダークなところを突いて、金土はしんみり、最後の日曜は仕掛けたほうも暴いた方もブラックという感じで、なかなかに変幻自在。

しかし、それよりも私が気になったのは、頁の端々に現れる女性が働くことに対する様々なコメント。
『女の敵は女』だとか『職場で要求されるのは、一にも二にも<若さ>なのだ』とか『仕事量では男性の多くに引けをとらなかったにもかかわらず、給料は男性社員の半分程度でしかない』とか『会社内部で<女の子>と言えば、もちろん子供ではなく若い女子社員のことを指す』とかあって、当時の一般職の立ち位置がよく知れる。
『世間からはオフィスレディなどと持ち上げられ、男性社員皆から可愛がられてはいても、何かが違うという思いを常に味わってきた』というのもある。
一方、『女子社員の多くは、会社にとって便利であり、時に必要不可欠な存在でさえあるかもしれなかったが、それでも表層的で一過性の関わりしか持つことはない。と言って、それが特に不満だというつもりもない。少なくとも陶子自身は、時折男性社員が気の毒になるほどに自由だったから。出世や昇給や競争という名の枷で縛られていないぶん、物事がよく見えることだってあるだろう』ともあって、陶子さんの心情が微妙なことも垣間見える。
それ故か、陶子さんは仕事も出来て推理も冴えている割に"デキる女"感が少なく、お話にもスカッと感よりも何となくほろ苦さやもの悲しさを感じさせられるものが多かったが、この本に独特の味付けになっていたように思う。

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2021年03月20日

Posted by ブクログ

加納さんの日常系ミステリーは久しぶりに読みました。
どの作品も、必ずすっきりとした解決となる訳でもないし、中にはビターなものもありましたが、目線が優しいので後味の悪さは感じませんでした。
能天気で太平楽な萩くんと、クールな陶子の組み合わせも良かった。
どうせなら、表紙は黄色と黒の水色にして欲しかったかな?
爽やかさがなくなることは確実だろうけど。

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2015年11月09日

Posted by ブクログ

軽妙でテンポのよい連作短編集。
出てくる人物がみんな善人ばかりでほのぼのとします。
すごく爽やかで清々しい読後感。
楽しく明るい気持ちで読めました。
私は特に、ほんのちらりと姿を見せては飄々とした笑顔の影を残して消えてしまう相馬さんの過去とこれからがとても気になります。

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2015年07月16日

Posted by ブクログ

気軽に読める日常ミステリー。
陶子の勤める会社の男性の女性への対し方とか満員電車のこととか謎とは関係なく共感してしまった。
萩くんの好意に陶子があっさりで、予想外だったけど、これはこれでよし。

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2015年04月23日

Posted by ブクログ

ライトな連作ミステリ。主人公は賢く、子どもっぽいこだわりを見せることもあるが、最終的にはものすごく大人である。もう少し知りたい、気になる、という際をさらり流してゆくことで、あっさりと読みやすいものになっている。
面白かったが、解説ほど深遠ものは読み取れなかったなぁ。解説がごてごてしすぎると逆に冷める

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2015年04月17日

Posted by ブクログ

i got a keyword, polka dots, on lengthwise and crosswise of the index. Gone With the Wind? noop! it's Gone With the Bell! hum, SUSHI? i'll treat you to the special sushi dinner. you will get dizzy when you take it. oh, my fault. the dishes get dizzy ww.日本フィクション

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2015年01月05日

Posted by ブクログ

日常的で
かわいらしくって
「ふふふ」と笑ってしまうプチ・ミステリーたちを
平凡だけれど勘は冴えているOLの陶子と
リサーチ会社に勤めるのんきで気の好い萩くんが解決していく物語です。

普通に生活をしているあたしたちでも
なにかの拍子に巡り会えそうな謎の彩りの豊かさが
なんとも加納朋子さんらしいなあって。
安心しながら読めました。

ビル荒らしの謎。
同僚の名を騙って診察を受ける会社員の謎。
出来心から尾行してしまった男の謎。
迷子が掴んで離さないOLの謎。
などなど。

ミステリーとして読むには刺激が少ないわりに
謎解きのきっかけがやや強引ですが
通勤電車で開くにはピッタリの内容なので
読書好きのOLの皆さんには気軽にオススメできそうです。

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2014年02月08日

Posted by ブクログ

加納さんならではのほのぼの系のお話。
萩くんは好きなのだけど、陶子がいまいち魅力的に思えず残念。
五十嵐社長も好き(笑)
各章タイトルの遊び心がいい。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

OLが主人公にしては、文章が硬い。
初出1995年の作品なので、当時の女性は陶子みたいに頭の切れる人も仕事といえば事務職になるものだったのかもしれないなぁ…と思いながら読んだ。
今の時代なら、OLにしておくにはもったいないし、OLにしては頭が良すぎる。「若い」割に生意気!(笑)
(おじさん達は大人しく笑顔で小自慢を聞いてくれるような子を求めているのだ。後輩の真理ちゃんが、仕事のミスが少なかったら完璧!)
文体が苦手だな、と思ったけれど読み進めるうちに慣れてきたし、OLとして共感できる部分もあった。

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2013年10月03日

Posted by ブクログ

主人公はただのOL。電車で出会ったのもただの会社員。二人とも頭良いなと思いながら読みました。火曜日・水曜日・金曜日・土曜日、この4つ面白かったなあ。ババロアケーキの話は単純っちゃあ単純ですぐ理解できた。ちゃんと理解できると読んでいて楽しいもんです。日常生活でありがちな出来事かというと違う気もするけど、すっごい特別な事件とかそういうものでもないんだよなあ。イヤホンして下を向いて電車乗ってたら、なんも気になんないだろうし、少し周りに目を向けると色んな疑問が生まれるんだろうな。時計台の話は切なくなった。また読み直そっと。

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2013年07月30日

Posted by ブクログ

電車の中でいつも前の席に座る男が
最近会社の周りをうろうろしている「月曜日の水玉模様」
病院で薬を取り違えて交換を申し出たら
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新規取引先の企業の接待のために
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事務OL陶子と信用調査員の萩が日常の謎を解く。
カバー:藤井康生

日常の謎と銘打っているけれど
使い込み、内部告発、窃盗、捨て子などなど
結構非日常的なことばかりです。内内で解決してしまえば日常なのか。
陶子が深刻な過去を持っているようですがどうも薄い。
謎を先行させていて人物描写が不十分な印象を受けます。
章題の四字熟語がみずたまもよう!

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2019年01月16日

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