感情タグBEST3
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・ハンカチは持ったかい
・本の模様替え
・散歩ばかりしている
・がんばれ、がんばれ
・オクナイサマが手伝ってくれる
・機嫌よく黙る
・自らの気配を消す
・夕食におよばれしてみたい人
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小川洋子さんは、それほどたくさん読んでいるわけじゃないが、文章が詩的で美しいと思う。
これは小説ではなくエッセイなのだが、毎日の暮らしを描写するだけでも、例え方とかが、まるで音楽のよう。
私は綺麗なものには綺麗とか美しいとかしか言えないんだが、
小川さんにかかると、そこにひとつの物語が現れるような気がする。
ラジオで本の紹介の番組をもってらして、そこでの語り口もゆったりとしていて好きだ。
小説家ってのは深く深く、いろんなものを視る、んだろうなあ。
語りかける相手がいることの、救いを想う。
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上手い、の一言。
元々新聞の連載だったと言うこともあり、一つ一つがほど良い長さで、シンプルな表現が多く、それでいて濃度が高い。
日常の些細な出来事や作家活動の一環としてのあれこれ、愛犬の話。ふとした出来事を深く、でも、深過ぎて読み手が迷子になることがない程度に掘り下げて書いてくれているので、心にすんなり入り込み、心地いい。
こうやって本を書くのだな。こうやってアイディアを紡いで行くのだなと、一作家の裏側を垣間見れた作品。作家を志す人が読むのにもいいと思う。
本としてまとめられているので、立て続けに読んだけれど、新聞掲載と言う形は正解で、一つ一つエッセイをゆっくり味わうのに適している。
小川さんの作品を読むのはこれが初めてだが、これを機に小説も読んでみたい。
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最初は、なんとなぁく好みじゃないなぁと生意気な感想を抱いて読んでいたのに、
気がつけば夢中になっていた。
静かでなエッセイで突拍子もないエピソードで読者を驚かせるということは一度もなかった。
それなのに中毒になったように読み続けたくなるのは、
ひとえに文章そのものの魅力なんだろうと思った。
文体や選びとられた言葉、それと知性。
小説という自分の仕事に向き合う真摯な姿勢。
これがすべて。
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なんで小川洋子はこんなに自分に自信がないんだろーとそこが面白い。
でもすごく共感してしまうからきっとわたしも自分に自信がないんだろうな。
面白かった^^
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とても親しみやすいエッセイで、小川洋子さんを身近に感じられました。
ご自身がパーソナリティをされているラジオ番組で紹介された本や、ちょっと不思議な生物や、小川さんの大好きなものが沢山詰まった作品です。
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小川洋子さんのエッセイ。
ここに取り上げられているさまざまな本を読みたくなった。
作家さんが読む本。
とくに好きな作家さんが読む本を読みたくなる。
魅力的に紹介する。
もちろん、書評集ではなくて、ほとんどは、日常の出来事。
どれもこれも、小川さんの味が出ていて、ほっこりした気分になる。
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あっという間に読んでしまいました。
小川さんの書くエッセイは頷いてしまうところが多々あり、楽しく読ませていただけます。同じ阪神ファンですし・・・。
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小川さんの日常と、小川さんが読んだ本の一節が重なり合うようにリンクしていて、丁寧な日々が感じとれる一冊。色々な本が登場してきて、小川さんの読書量はきっとすごいんだろうなぁと敬服…そして飼い犬とのエピソードは本当にほっこりする。
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2008.6~2012.3『毎日新聞』掲載のエッセイ。
文中より
「こんなことをやって、何になるんだろう」と、ふと無力感に襲われるようなことでも、実は本人が想像する以上の実りをもたらしている。
この言葉に励まされた。そうであってほしい。
そして著者のエッセイに何度も顔を覗かせていた無邪気なラブ。ラブが出てくるたびに、そっと顎から頭を撫でている気持ちになっていた。ときに抱きつき、ラブに何かを許される気持ちになっていた。
ラブのご冥福をお祈りします。
2016.11再読
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カラーひよことコーヒー豆の感想で信頼する読友のはこちゃんさんが小川さんを腐したことを実は根にもっていたのだが(笑)… ひょんなことから続けてエッセイを読むことになってその腐す理由がわかるような気がしてきた。
居丈高な態度は大嫌いなのだが謙遜、それもひとつの分野で地位を確立している人においての過度の謙遜はやはり鼻に付くものなのだ。
例えばお土産で「つまらない物ですが…」と言うよりも「美味しかったんで是非とも食べていただきたくて…」と言われたほうが自分のことを思ってくれてる度は格段に高く嬉しさも倍増する、そういう事でないか?
でもね、巨大化する心配事などを読むとやっぱり小川さんはいい人なのよ…あ、もちろんはこちゃんさんもね(^^;;
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毎日新聞で連載されていた「楽あれば苦あり」(2008年〜2012年)をまとめたもの。
ひらがなの「る」と友達になれる言語感覚を持つ姪っ子。
かぎ編みの説明書の前衛小説のような一文にさ迷う。
本棚で隣り合わせになった本たち。
一人の散歩、ラブとの散歩。
「私が目指すのは、機嫌よく黙っていることである。」
これは、わたしにとっても理想の生き方かも。
くまのプーさん、若草物語、ごんぎつね…など読み返したくなる。
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静かで、淡々としているのに、読んでいて口角が上がっているのがわかる。ちょっとおどおどした感じ、腰の低い感じ、視線が身近なところを眺めているのかと思いきや、ふっと遥か遠くに移ったりする感じ。小説につながっていて、物語の生まれる下地を見せてもらうような、温かい気持ちになる。
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小川洋子さん
「自分なんかがこんなことしてしまって申し訳ございません
もうしません、もう二度としませんから
今回ばかりはどうかご容赦くださいませ」
と、いつも誰かに謝っていそうで、
そういうことにならないように細心の努力をしていて、
そのぶん自分のテリトリー(自宅やら甲子園球場やら?)では
思い切り心のままに振舞いたい!
という人となりを勝手に想像してしまう。
土深く埋もれた琥珀を丁寧に丁寧に掘り出して
あるべき場所に、しん、と置く。
それが小川さんにとって小説を書くということなのかと思った。
私は好きな本を小川さんのエッセイに見つけるたびに嬉しくなり、
まだ読んでない本を知るたびお礼を言いたくなる。
そしてそれを小川さんの小説に出てくるちょっと妙な人みたいに
例えば厚さ5センチくらいの手紙を書いてしまいそうで毎回怖い。
受け取った時の顔も想像できて、絶対そんな事はすまいと
毎回自重する。
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小川洋子好きで散歩好き。
この本を手に取らない理由がないです。
40有余のエッセーを綴ったこの本には、
一編にかならず1冊以上の本が紹介されている。
何冊かは、すでの読んでしまった本だもあるが、
手にしたこともない本にお目にかかれる。
エッセーは、改めて語る必要がないほど、
仕上がりもよいし、とてもよいブックガイドにもなっていて、
一石二鳥の楽しみ。
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あぁ、書かなくちゃ。精進しなきゃ。
といつも思っているんだなぁ。
そしてあの素晴らしい小説が産まれているんだなぁ。
表紙にも登場するわんこさんは後書きの頃のは虹の橋を渡っているらしいけれど、そこに残るぬくもりが感じられるエッセイ。
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小川洋子さんのエッセイ集。
どの話にも過去の読書体験が紐づいていて、小川さんの引き出しの多さにびっくりします。
表題作の「とにかく散歩いたしましょう」の愛犬ラブとのエピソードがラブとの散歩が小川さんにとってかけがえのない時間だったことを実感します。
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小川洋子さんのエッセー集は初めて。
本のことや、当時飼っていたラブラドールのラブのこと、岡ノ谷先生の研究のことや、ご自身の作品のことなどがふれられていて、楽しく読めた。
特に、執筆するときに小説の世界に浸るというか、その世界の様子を見て聴いて感じたことを<描いて>いるだけなので、私自身のものではないと言うところが小川洋子さんの作品の世界観(自分が勝手に思ってるだけ)だなと。ツバキ文具店だったり、リトルアリョーヒンだったり、標本士だったり、ミーナだったり、どの小説の主人公も彼・彼女らだけのオリジナルの世界を持っているからこうも惹かれるのかなとか思った。
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気になる作家さんを知るにはエッセーを読むに限る、とは私の考えです。
ということで今回小川洋子さんのを読んでみました。
一言でいうと、真面目。
作品群からもわかるように、想像していた通り、見た目通り、とにかく真面目。
時には羽目を外すとかとんでもないことはやらかす、とかそういうことはなさらない。
真面目に題材に取り組み、真面目に取材をして、真面目に執筆をして、その合間に真面目に散歩する、という生活でしょうか。
まさに想像通りの方のようです。
今後の活躍をますます期待します。
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普通の日常がきれいな日本語で書かれている。
特段凄いことはなにもないのだが、何故か読み進めてしまう辺り小川さんはやはり凄い方なのだと思いました。
大御所とは思えないへりくだった文章も、個人的には好印象でした。
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洗練された文体。校閲者に関する章はうっとりと読みました。
紹介されているたくさんの書籍の中には新刊も多く、読まなきゃいけない本もたくさんあるんだろうな~などと楽しく邪推しつつ。
ラブラドールのラブくんとの暮らしと、散歩について、たくさんシェアさせていただいた。生や死やあれこれに付き合う勇気がなくて、動物を飼ったことはないけれど、いつか、と思わせてくれる。
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さらっと読めるエッセイ集.殆どのエッセイで著者の印象に残っている本の引用や紹介がされる.「フィレンツェの赤い手袋」で,フィレンツェの手袋屋での出来事を新美南吉のごんきつねと関連させて話をすすめるところなんかは,かわいい.題名は失念したが刺繍の教則本がいかに難文かというのを書き手の見方で書いたエッセイも好き.ハッとするようなものの見方は無いかも.
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とにかくとことん、どこまでも沈んでみようか、と私は思う。絶望から、というのではなしに、溺れて窒息しないための唯一の方向として、自分の足元のずっと更に下の方を見定める。
するとある瞬間、ふっと小さな手掛かりが目の前に浮かび上がってくる。それは誰にも看取られずひっそりと死んだ魚の死骸かもしれない。腐った木の実かもしれない。それを手に取り、またしばらく目を凝らしているうち、うっすら何かの風景が見えてくる。
(P.17)