【感想・ネタバレ】クリエイティブ・クラスの世紀のレビュー

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Posted by ブクログ

クリエイティビティと都市の魅力機能を分析している。都市には創造的人々をひきつける力があり、3T(技術、才能、寛容性)が重要であり、都市の存在そのものがクリエイティビティの源泉になっている。 
この面いおいては、都市は繁栄し、多くの多様な人々を集めるべきなのだ。
すこし難しめの内容だけれども、なぜか飽きずに読み進められる本。

20世紀のアメリカ沿岸都市にはその3つがそろっていて世界経済けん引の先頭に立ってきた。 産業構造が変わりつつあり、9.11のテロをきっかけにアメリカはその寛容性を低下させていて、他国のクリエイティブな都市が台頭してきているのだという。

東京もこの中ではまだその優位性を保っているともいえているが、寛容性/多様性の面ではかなり劣っているらしい。

確かにそうと思う。 日本人の国民感情が手伝っている。寛容性/多様性は、島国日本にとって国民感情的に閉鎖的思考があると思うので、ここを改善すればまだ伸びる部分がおおいと思う。 しかしどうだろうか、移民がふえて東京やその周辺に上から下までの生活レベルをもつ移民の人々が増えてきたら、、自分は違和感を感じるだろう。
すでにそこの間隔が日本の頭打ち思考なんだろうなと思う。

時間がかかったけれど、飽きずに読めた。 経済的な発展をもたらすための都市構築論と感じた。 もはや1980年代の工業的な都市構築ではなく、クリエイティビティを集めて都市を構築してゆく時代。 1980代的な余韻や考え方の延長ではこれからの発展は望めない。 そのためには開放性をたかめ、多様性のある人々を呼び込んでゆく必要がある。 排除ではなく受け入れること。 日本の再生について政府の考え方が昭和の夢を引きずらないことを切に願う。 すでに1980からは30年以上が経過している。

今、自分の故郷の街は駅前が閑散としてまるで廃墟のようだ。 1970, 80はたしかに栄えていた。 そこに戻そうと思ってもそれはノスタルジーに浸るだけで発展性はない。 過去を捨て去るような後ろめたさは感じるけれども、 過去を追い求めても自分に、地域に、都市に、経済に、国に未来はやってこないと思う。

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2013年06月02日

Posted by ブクログ

2008/3/21
半年以上前に購入した「積読」を、一晩で速読。やっぱすごい。クリエイティブであることが求められている。これからの時代は、寛容、多様性が必須。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

クリエイティブクラスはアメリカから軸を写してきている。アイルランド、ベルギー、オーストラリア、オランダ、では全労働者の三分の一。ニュージーランド、エストニア、イギリス、カナダ、フィンランド。アイスランドでも四分の一。

クリエイティブクラスは科学、エンジニア、建築、デザイン、芸術、音楽、エンターテインメント、法律、ビジネス、金融、ヘルスケアとその周辺領域にいる。クリエイティブ指数ではアメリカはスウェーデン、日本、フィンランドに次いで4位。k
しかしクリエイティブな人たちが選んでいるのは国ではなく、都市。ケンブリッジか、シリコンバレーか、ストックホルムかバンクーバーか、シドニーかコペンハーゲンかを競っている。

グローバルな才能の磁石:ロンドン、アムステルダム、トロント、バンクーバー、シドニー、メルボルン、世界最高の技術、起業、文化におけるクリエイティブな才能の獲得を積極的に競っている。
グローバル・オースティン:バンガロール、テルアビブ、シンガポール、台北、北京、上海。外資の技術系企業を呼び寄せ、高等教育システムを強化し、研究開発に積極的に投資して、自身の文化、ライフスタイルの幅を広げている。

すでにアメリカから優秀人材が流出し始めている。留学生を締め出し、ビザの取得を難しくしようとしている。すでに国際純粋物理学会はアメリカで学会開催することをやめた。アメリカは文化、科学、経済のクリエイティブな外国人の締め出しを始めた。そのような人々はヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに移ろうとしている。安全面の懸念と科学技術の政治化という動向に注目すれば容易に理解できる。

クリエイティブ経済を自家醸成出来ていない理由はアメリカの二極化。経済格差。

人々は給与で転職するのではなく、「クリエイティビティ」を生かせる仕事をしたがる。給与がいいとか仕事が楽だからではなく、自分のアイデアが貢献できる場所を見つけたのだ。仕事をするのが楽しくなるような仕事。

ハーバート・サイモン、流れ作業の工場とデスクワークは自動化され、その一方でマネジメント、イノベーション、デザインといった分野で新しい仕事が作り出されるだろう。

クリエイティブワークー専門的思考、複雑なコミュニケーション。
クリエイティブ資本:新しいアイデア、新しい技術、新しいビジネスモデル、新しい文化様式。学歴ではなく技能の測定。

学校教育年数よりも識字率の方がよりクリエイティビティを正確に観測できる。つまり自立的なクリエイティビティを思考力が重要。(より本質的な価値基準、学校は何のためにあるのか、学ぶため、思考力を鍛えるため。自習の強みというものか。)

教育システムの確立が国の繁栄に重要なのはもちろんのこと、子供たちや若者を机に向かわせた日数では将来その子がどのようになるかがわからないように、その集合体である社会の将来もわからない。本来は教室の内外での学習において、クリエイティブな問題解決の基礎と応用の両方を教えることが必要なのである。

「人的資本の蓄積は先進国の長期的な経済繁栄に関わっている」
すべての人がクリエイティブ。それは受け継いだり、社会カテゴリーに影響されるものではない。


クリエイティブ経済は精神的につまらない仕事からの解放。経済発展のT。テクノロジー、タレント、トレランス。クリエイティブな時代にはとくにトレランス。集積の進んだ都市において生産性が高い。都市が人的資本を増加させる機能「ジェインジェイコブズ的な外部効果」(都市の役割を人的資本の集積と増大への貢献にあると考え、人的資本が多ければ多いほど都市の成長は速まり、その都市化がイノベーションと生産性を増加するカギになる、

寛容性とは単に異質な人を受け入れることではない。開放的で包容力があり、最もクリエイティブな人が集まってくる場所は差異を受け入れて生産的に吸収していく。標準から外れたアイデアや情報に寛容であることは経済的に不可欠。移民、芸術家、ゲイ、人種間融和への寛容性と経済成長の相関。

移民は概してアメリカ生まれの市民を補完するスキルを持っており、たとえ同じレベルでも問題解決の方法や発想、適応の仕方が異なるので互恵的な学習が起こりやすい。ハイテク産業とクリエイティブ産業によく起こっている。もう一つはアメリカ人には提供できない貴重なサービス。イタリア人スタイリスト、ロシア人バレエダンサー。それぞれが固有のスキルを持ち寄る。その結果時代が繁栄する。

古典的なゼロサムゲームは協力に時間がかかり社会進歩が遅く、経済成長も進まない。原材料や所有は価値を失い相対的にアイデアが経済価値を生むようになる。知識には競争相手がなく、他人の使用を部分的にしか排除しない。(古典世界では知識にもまるで所有権があるかのように扱われてないか?)ポスト物質主義の社会資本に基づく経済では人々限界まで挑戦し、権威に従うのをよしとせず、自己表現や新しいアイデアに興味をもち、知識の公共財としての性質を利用する。

ジェイコブズ:反映する都市と淀んで衰退する都市を分けるは「鎮静者」の存在。政治、企業、市民社会のリーダー、あえて邪魔したりする

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2017年05月04日

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7年前の本だけれど、自信がクリエイティブクラスであると感じている人には少なくとも多いに刺激になるはず

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2014年06月22日

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若干、日本のみが彼の理論にスッポリ当てはまらず、例外として研究を進めたら面白い結果が見えてくるのでは思った。
個人的には少子高齢化社会の切り札として「クリエイティブクラス」への移民受入もありかと考えさせられた一冊であった。

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2012年04月26日

Posted by ブクログ

当行常務が推奨していた本。
これからの社会についてマクロ的な視点を持つことを目的に読書。

内容についてざっくり書くと、
これからの世界はCreativityを持った人材を
挽きつけられるような都市づくりをすることが重要であり、
その上でキーワードになるのは、
「Talent」「Tolerance」「Technology」の三つ。

でこれらを指標に興して分析してみると、
意外や意外わが国は世界で二番目になるらしい。
「Technology」の部分ではなんとなく理解できるが、
「Tolerance」の部分では本当に意外。
個人的な推測によると、
これはひとえに日本の「無宗教」である部分が大きく左右していると思う。
日本では宗教的なぶつかりというものが相対的に少ないし、
そういった部分ではかなり自由である。
このように日本の「無宗教」な部分をポジティブに捉えることがなかったので、
新鮮な視点だと感じた。

筆者の主張などは、
「富の未来」などと非常に似てる気がした。
これから我々が考えていかなければならないことは、
魅力ある人材を惹きつけるような都市づくりをした上で、
それによって得た富が一極化しないようなシステムを構築することではないかと思う。

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2010年09月12日

Posted by ブクログ

賛否分かれている本らしいですが、個人的にこの著者の考え方は好きです。
著者曰く、クリエイティブ・クラスとは、データや物質を加工処理して、新しく有用なものを生み出す人たちで、米国では全労働人口の三分の一を占めるといわれています。
そういう人たちを集まるような都市作りが必要だぞというような内容の本になっています。
ところどころ、読み飛ばしながら読んだのですが、ざっとこんな内容です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

いま都市は全世界的な人材獲得競争に巻き込まれていて、有能な人材は、(移民やゲイなどの)マイノリティに寛容性の高い国・都市に集中するといいます。つまりクリエイティブな人間が経済発展を主導し都市が発展するという論理です。
日本国内の話では、トヨタなどのカイゼン活動をクリエイティブな活動と捉えています。これらに従事する人をクリエイティブクラスと呼ぶのであれば、技能工を含めて日本における製造業のクリエイティブクラスは非常に多いことになりそうです。
入管法で高度な能力を有した人材に在留資格を与えるというのは、寛容性という点で問題があるのかもしれません
。しかしながら、その移民増加コストも当然ながら考えられるべきでしょうが…。

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2009年10月04日

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都市経済学の、物議を醸しだした魅力的な一つの説として。
ただし、実証はされていないのかな。
また戻ってくるかも。

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2020年04月03日

Posted by ブクログ

クリエイティブ経済の台頭と、それをもたらすクリエイティブクラスについて論じている。

クリエイティブ経済における経済成長をもたらす主要な資本はクリエイティブな人的資本そのものであり、グローバル社会においてはその移動は自由度を高めているため、いかに彼らをひきつけるかが重要となる。

また、既存のクリエイティブな産業のみならず、それ以外の産業従事者の在り方にも課題がある。クリエイティブ産業が集積する都市においては、彼らの生活を支えるためサービス産業も集積するが、クリエイティブ層との賃金格差や彼ら自身の仕事が画一的で単純労働化しがちであることは問題もはらんでいる。
それは、サービス産業従事者の低生産性は、社会全体でみた場合、人的資本の損失であり、機会の浪費であること。そして、彼らが経済成長の利益を享受できずに、格差が拡大していっている状況は、経済全体の失速をもたらすからである。

効果的な処方箋は示されていないが、クリエイティブな人々は自らの個人的な動機でふるまっており、政治や社会が自らの動機に直結するインセンティブを提示できていないという現状が問題の一つである。

新たな階級闘争となりかねない現在の格差の状況を解消し、社会全体が高い生産性を有するような新たなやりかたを求めていく必要がある。

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2016年09月25日

Posted by ブクログ

■クリエイティブ・クラス

A.これからは、クリエイティブな時代になる。そして、今後は「専門的思考」「複雑なコミュニケーション」の2 つの分野
の職業が成長すると見られている。

B.今後、繁栄する都市としては、カナダの都市のように多様性があり、寛容性の高いところ、また台北のように、他地域か
ら才能を引き寄せる努力をしている都市などが注目される。

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2013年02月21日

Posted by ブクログ

寄らば大樹の陰、昔は正解だったけど、youtubeあり、twitterあり、iBooksありのいま、「んで、実力を見せてもらおうか」で企業名を掲げるだけではヘタレ度が浮き彫りになる。新時代へのエール、若い人には疑わずに読んで欲しい、そして創って行って欲しい。

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2012年02月09日

Posted by ブクログ

基本的にはドラッカーの「断絶の時代」にあるナレッジ・ワーカーの延長線の議論だと想ってしまった。 いいのかな?いやぁ多分違うんだろうけど。。

ただ、【シリコンバレーから自宅近くのオフィスへ】となる人材流出は面白かった。 儲かる仕組みが出来た既存の環境に人が集まるのではなく、自らの仕事や生活様式や文脈によって作りうるクリエイティブな風土、仕組み自体を彼ら彼女らが作るのだというパラダイムシフトなんだろう。

日本は、人口減少して六五歳以上の高齢者が二一%以上を占める「超高齢社会」に世界で最初に突入すると云われている。こういうときに、労働力人口の確保は女性や高齢者、若者、外国人という、これまで軽視されがちだった「異質の力」をいかに有効に活用できるかにかかっている。都市経済学者のリチャード・フロリダが経済成長の担い手として挙げる「クリエイティブ・クラス」という人材観は、日本の将来にとって示唆に富んだ選択肢だと想う。

しかし、トヨタもクリエイティブだということで、何がクリエイティブなのか定義が曖昧。結果オーライな議論、優良企業はみんなクリエイティブってことか? 

少なくとも、そうした今後国の競争力を左右する【クリエイティブ人材確保】と、彼ら彼女らへの【正当な評価、対価】が問題になるだろう。ただぁ、漠然としてるなあ。

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2010年06月27日

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