【感想・ネタバレ】サハラ砂漠の王子さまのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ラスト近くの文章より抜粋。


先のことは誰にもわからない。分かっているのは、私は一生、自分が自分であることから逃げることはできないということ。

ただ、この先どんなことが待ち受けていようと、自分の中に生まれるさまざまな感情を、そのときどきできちんと噛みしめたいとだけは思う。それが、どれだけ楽しくどれだけ苦しいことだとしても。

この大地に足をつけ、この目をしっかと見開いて、流れるままに進んでいこう。自分のことが分からないのであれば、分からないままに進めばいい。もしかしたら、自分のことなんて分かった気にならない方が幸せなのかもしれない。先のことが分からなければ分からないほど、私は自由でいられるから。

未来の私は、いつだって未知だ。

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2021年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たかのさんの本は2冊目。今回もとても面白かった。読みやすいし、リズムが良くてスラスラ読むことができる。

リビドー・ウォーズの章は読んでいてなかなか辛かったけれど、最後に伏線回収というか、その場面も含めて旅の意味がうまく纏められていた。
旅は、人との出会いによって自分を見つめ直すことなんだと知った。

今回の旅は前回と違って、現地で出会った旅人と共に旅をしている期間が長い。スギやん、塚田くん、ミケルは本当に優しくて思いやりがある人たちで、この3人に出会えた著者は運がいい。
特に極寒の砂漠の夜でのミケルの優しさには痺れた。私も著者と同じように、あの状況でミケルのように勇敢な行動を取れる自信がない。

著者のように、"今しかできないこと"にワクワクしながら生きていきたいと思う。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たかのてるこさんに感化された旅(といっても日本だけど)を企て、京都のゲストハウスを予約。旅先でジックリ読もうと購入しました。ところが、大型台風上陸のせいでゲストハウスはキャンセルするハメになってしまったのですが。

たかのてるこさん著書二冊目は、単行本の「モロッコで断食 上・下」の前編にあたるそうです。就職先も決まり、入職日前倒しで会社の寮を借り、その時点で親の仕送りで住んでいたアパートを引き払って海外旅行費を捻出し、大学4年の卒業一人旅へ出かけるところから始まります。その悪知恵が私好みです(笑)。


旅のはじまりはパリから。もちろん無計画でパリに乗り込んでしまい安宿なんぞない洗練された町を彷徨っていると、たまたま同世代の芸大の女の子と出会い意気投合する。しばし美術鑑賞の旅などをしてみるがホールド・アップ。

それからスペインへ。そこへ着くなり、ナント高校時代の同級生スギやんと再会。今度は2人で10日程行動を共にすることとなる。途中スコットランド人のアユガスと出会う。ラフなスキーをしようとしていた日本人2人はアユガスのハードな熱血スキーの特訓を受けるという大試練を乗り切った。


そして、いよいよモロッコ入り。フェリーに乗ったところから、YMCAの安宿で女性としての洗礼を受けまくることとなってしまう。宿を手伝うモロッコ人のアイシャと仲良しになった。公衆浴場のハンマムへ行ったり大切な民族衣装を着せてもらったりと楽しんでいた矢先、悪意ではないらしいが彼女の差し金で彼女のカレに襲われそうになる事件が発生。いたたまれなくなり、YMCAに居合わせた日本人・塚田君と逃げるように宿を出る。旅は道連れ・・・。


それからピンクの街・マラケシュに向う途中、ある家族と出会いモロッコの代表的な料理のクスクスやミントティをふるまってもらい日本のあれこれに答えられない自分を恥じたり。。。たかのてるこさんの旅は常に出会い・別れ・挫折・行動(移動)があるんだな~と、彼女のそれぞれの場面から次へと向える潔さをも感じる。


本書の最終目的地はサハラ砂漠。長距離バスの中で絶世のイケメン・スペイン人のミゲルと出会う。ところがこのミゲルが無鉄砲な旅行者で、彼に誘われ、現地調達で簡単な準備だけをして塚田くんと3人で徒歩での砂漠入りをする。当初は楽しく歩きだしたものの、雨天で極限に凍えるような砂漠の夜で2つしかない寝袋を貸し合ったりと死ぬか生きるかの中に絆を深めていく。が、翌朝には命からがら引き返した。戻ってまた3人は一夜を共にしたが、ミゲルとてるこさんの恋が芽生えたものの、3人はまたバラバラになっていく。最後に社会に出てから変わってしまうかもしれない自分と向き合う。


《先のことが分からなければ分からないほど、私は自由でいられる》

という一行がとても心に残りました。一人で海外へ行きたいという衝動に今、駆られています。


旅を記録して老後の楽しみにしようと思っている私にとって、たかのてるこさんの本はバイブルになりそうです。その時見たもの、味わったもの、感じたものは一瞬にして記憶から薄れていくことも沢山あります。写真と共に「記録」できたら・・・と今から楽しみに思っています。

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2014年03月14日

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