【感想・ネタバレ】直感力のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年12月29日

・同じ指示を出されても、人によって仕上がりは異なる。同じ単語でも、人によって解釈は異なる。→基本を踏まえ、一手ごとの選択をし、時にはリスクを冒して決断するといった経験を重ね、道のりを歩いてのちに、自然に個性は出てくる。

・色んな環境や関わる人、経験などによって、「その人」が出来上がっていく。例えば...続きを読む、たまたま長女に生まれたからこそ、責任感や面倒見が育まれる。私の場合、人と調和することよりも、自分が興味のあることをやりたい。その為には1人でも構わない。1人で参加すれば、初めての人とも関わることが出来る。

・向かうべき答えが分からない場面→何をしてどう考えるべきかが、非常に大切でありその人の個性が際立つ時。→昔からあるアイデアに今のアイデアを付け足していく。

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Posted by ブクログ 2021年07月18日

直感は本当に何もない所から湧き上がることはない。
もがき努力した全ての経験を土壌として、ある瞬間に生み出されるもの。ほとんどが無意識下で行われ、意図的に行っているのかが自分自身にもわからないようになれば、直感が板についたと言える。そしてそれを信じることで、湧いてきた直感が初めて有効になる。

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Posted by ブクログ 2021年06月28日

本書の「はじめに」に、棋士は「直感」と「読み」と「大局観」の三つを使いこなしながら対局に臨んでいると述べ、そのうち「読み」については「計算する力といっても過言ではない」と述べている。「大局観」については、著書を読んでくれと言われている。そして、本書で「直感」について語ろうというのだ。

ただ、本書の...続きを読むタイトルは「直感力」であるが、それだけについて語られたものではなかった。将棋という勝負の世界全般について語られている。自身の期待としてはプロの棋士の直感というものがどういうものかを知りたかったので、それについて述べられた最初の二章くらいがとても面白かった。

第一章「直感は、磨くことができる」
「直感は決して先天的なものではない」という言葉から、「直感」は経験により得られるということだが、その得られるプロセスの説明が非常い興味深かった。

「地を這うような読みと同時に、その状況を一足飛びに天空から俯瞰して見るような大局観を備え持たなければならない。そうした多面的な視野で臨むうちに、自然と何かが湧き上がってくる瞬間がある。」

羽生さんと対談されたカーネギーメロン大学の金出先生の言葉も並べてみると面白い。

「それまでは毎回発火していた脳のニューロンが、その発火の仕方がいつも同じなので、そこに結合が生まれ、一種の学習が行われたということではないか」

「直感」といっても、それは膨大な思考の蓄積の中から生まれるものというイメージだ。昨日今日でふと直感力が身につく者でないことが分かる。

さらに、次のような言葉は、プロ棋士の「直感力」がいなかるものかを少しでも理解する手立てとなるように思う。

「つまり、直感とは、論理的思考が瞬時に行われるようなものだというのだ」

「もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ」

「湧き出たそれを信じることで、直感は初めて有効なものとなる」

「惑わされないという意志。それはまさしく直感のひとつのかたちだろう」

「将棋は、ひとつの場面で約八〇通りの可能性があると言われている。私の場合、その中から最初に直感によって、二つないし三つの可能性に絞り込んでいく」

「直感は、ほんの一瞬、一秒にも満たない短い時間の中での取捨選択だとしても、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明することができるものだ」

「直感を磨くには、多様な価値観を持つことだと思う」

次の第二章「無理をしない」では、冒頭に「余白がなければ直感は生まれない。リラックスした状態で集中してこそ、直感は生まれる」という言葉が紹介され、その意味について解説が加えられる。

「余白がある」ということは、「無駄がある」と同意のようだ。無駄とは「役に立たないこと」とか「間違い」とかを意味するようであるが、そういうことの経験も一定量を超えると、それが全体に対して有効になってくるという。「失敗は成功の母」の考えに近い。

リラックスした状態で集中する、その集中とはいかなるものか。
著者は、集中力を高めるトレーニングとして3つ挙げている。
①何も考えない時間をもつ(その状態からスタートして、徐々に深く潜っていくのだそうだ)。
②じっくりと一つのことについて考えをめぐらせる習慣を作ること。
③時間と手間のかかる作業に取り組む(=集中力持続のために)。

すなわち、「集中力」もまた昨日今日で簡単に身につくものでないことが分かる。

無駄と思えることも、失敗も、多くの経験の蓄積を重ね、そういう取り組みの中でじっくりと一つのことについて考えをめぐらせたり、時間や手間をかけてでも取り組んでいくという地味な作業の集積の結果として、すぐれた「直感力」が獲得できるということになる。何事も真剣さを忘れず、経験を積み重ねよということだろうか。

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