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三浦綾子がどんな人かを知ってもらうのに、もちろん「道ありき」から始まる自伝三部作もいいのだけど、それとあわせてこの本をおすすめしたい。エッセイのベスト盤だと思う。
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上川盆地、旭川、酷寒の地です。小4から女学校卒業まで朝晩牛乳配達をして育った三浦(旧姓堀田)綾子さん。春を迎える喜びはひときわだったことでしょう。三浦綾子・著、三浦綾子記念文学館・監修、三浦綾子生誕90周年記念出版「丘の上の邂逅」、2012.4発行。旭川だより、丘の上の邂逅、旭川とわたし の3章構成です。三浦綾子さん、没後の発刊を含め、2012年現在で102の作品を発表されています。デビュー作は1965年11月の「氷点」。1922.4.25~1999.10.12、享年77。
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慈悲の眼差しを持ちながら鋭い批判的な視点も垣間見えるエッセイ。邂逅の意味も読み方もわかりませんでしたが、最後にはわかったような気になりました。
本書の中に家族との夕食が嫌いだという子供の話があります。それを我が家の夕食と思い浮かべながら身につまされる思いで読む自分が情けなかったです。
全体的にはこの本を読むと気持ちが少しだけ解きほぐされるような感覚になります。
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旭川には一度だけ行ったことがある。真ん中を大きな河が流れる澄んだ街だ。この本に何度か出てくる歩行者天国の大通りも歩いた。大都会にもない規模感の歩行者専用ストリートがなんでこんな北の一地方都市に!?と不思議に思ったのが懐かしい。その時は旭川が三浦綾子ゆかりの土地だとは知らなかった。また訪れたいものである。
表題にもなっている「丘の上の邂逅」の教え子との再会のエピソードなど印象的な話はたくさんあるが、特別触れられているわけではないにも関わらず何より印象深いのは、著者と夫との関係性であろうか。深い信頼関係とはこういう形で表出するものなのだなと感心する。理想の夫婦像の一つの解。