感情タグBEST3
Posted by ブクログ
高校時代に現代文でやった「檸檬」をもう一度読んでみたい&装丁が可愛いので購入し読んでみた。
どの作品も病を抱えた人間が登場し、そんな敏感な感覚になっている人物の心の動きが丁寧に描かれていてどんなに病で苦しくても生活を続けなければならないという姿に心を動かされた。
好きだったのは、
「檸檬」、「桜の樹の下には」などのメジャーどころから、「Kの昇天」、「冬の日」、「ある崖上の感情」などもすごく良かった。
この中で特に好きだったのが「Kの昇天」で、舞台が夜の海という点で惹かれるし、タイトルや読み進めていくと感じるSF感にワクワクも感じた。
作品中で他の書籍についての言及もあり、それも読んでみたいと感じた。
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「桜の木の下には」
桜の木の下には屍体が埋まっている。 という一文から始まり、インパクトを受けた。独特の言い回しが面白く、あっという間に読んでしまった。読み終わった後、何となく伝えたいことは分かるが言語化が出来ない…とモヤモヤしていたので、色々な人の解釈を見てみた。すると「美しさと死は表裏一体」という言葉がものすごくしっくりときた。「檸檬」でも感じたが、梶井さんは美しいものと何かを対比させる話が多いのかな?と感じた。(違っていたらごめんなさい…)このような話は大好きなので、似たような作品を探そうと思う。
ここからは私が個人的に思ったことであり、考察などでは全くないが、桜と死は何故か深い関わりがあるというイメージがこの本を読む前からある。桜が散るのが儚いと感じるからなのか、春=自殺者が多いという偏見があるからなのかは分からないが。
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良かった
「Kの昇天」と「桜の樹の下」「のんきな患者」がお気に入りです。
日常に潜む憂鬱、その中にある綺麗さや尊い感情が繊細でとても良かったです。
彼の背景を調べると
なるほど…となる内容だったり言葉選びだったりします。
「のんきな患者」ではもろに出ていて、痛々しさ、揺らぐ精神、理由のある妥協。
リアリティーに溢れすぎて怖かったとゆうかどうしようもない気持ちになれます。
理由のない日々の虚無感を抱えてる人や純文学に興味のある人にぜひ読んでみてほしい一冊
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描写が綺麗!としか言えない私の語彙力ですが、読めて良かったです。Audibleで歩きながら聴いたからか、情景を頭の中で浮かべるうちに錯覚が起こり景色が二重映しになりかけました!
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何度読んでも好きな作品。
檸檬は憂鬱な人生をぶち壊してくれるような、そんなものの象徴な気がします。
私にとっての檸檬とは?と考えさせられる作品です。
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作中では主に美しいとされるモノ、又もしかすると価値ありとされる全てのモノは、また違った性質を持つなにかの犠牲により確立している。
日常生活の中で、自分が良いなと思うのものをさらに深掘りできるかもしれない、良いきっかけになる本でした。
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むかし読んだ本をふと読み返したくなり、檸檬を読んだ。
全編通して読んだら加筆します。
人生山あり谷あり。
病気をしたり、貧乏したりして弱ってしまった時、主人公はふと、これまで楽しかったはずのものが、重苦しかったり、煩わしいものになってたりすることに気付く。
と、同時に、昔の自分であれば気付かなかった檸檬の美しさに気付く。
「つまりは(檸檬の美しさの根底にあるものは)この重さなんだな」だなんて本気で思ったりして、鬱屈した気分が晴れたりする。
私も、炎のゆらぎや、煙ののぼる様を見ると癒やされる時があったりして、こんなどうでもいいことが、どうしてこんなに落ち着いたりするのだろうかと思ったりする。
やらなければいけないことと向き合うことが出来なくなったりして、中途半端に手を付けたものの、逃げ出したりもする。
そんな主人公の感覚が、文章表現が、私の人生とも重なる部分が多く、とても共感して読むことができました。
貧乏して、病気になって、弱ってしまっても、弱ってしまったからこそ、こんなただの檸檬に美しさを見出だせるのなら、人生って捨てたもんじゃないなと、美しいんだなと、思いました。
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彼の表現は個人的に好き。表題の「檸檬」を読む目的で購入しましたが、その他の作品も非常に面白く、やはり教科書で紹介されていた記憶のある作品は大人になって読むべきモノが多いと思う。
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目次
・檸檬
・城のある町にて
・雪後
・Kの昇天
・冬の日
・桜の樹の下には
・冬の蠅
・ある崖上の感情
・闇の絵巻
・交尾
・のんきな患者
・瀬山の話
・海
・温泉
堀辰雄に続いて読んでみた梶井基次郎。
同じく病弱で、散歩が唯一の治療というような日常だけど、文章が全然違う。
小説の文章というよりも詩?哲学?
余計な描写を削ぎ落した文章は、切れ味が鋭くて色気がある。ような気がする。
『檸檬』『桜の樹の下には』『冬の蠅』などは何度か読んでいるくらい好きだけど、今回は未完の習作と遺稿の『瀬山の話』『海』『温泉』が気になった。
特に、『瀬山の話』の中に、完成稿になる前の『檸檬』が挿入されている部分。
または同じモチーフを何度も書き直している『温泉』。
当たり前だが、改稿後の方が明らかに出来がいい。
だけどこれは、病み疲れ体力を失った体でできるものでは、なかなかない。
言葉を足し、引き、表現を変え、視点を動かし、ひとつひとつの文章の最善を探すには、どれほどのエネルギーを必要とするのだろう。
堀辰雄よりも前の時代の人だけれど、精神的にはいまの時代に近い人なのではないだろうか。
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得体の知れない塊(憂鬱な気分)に取り変わるのは檸檬。実際の具体的な解決にはなっていなくても、ちょっとした錯覚で心持ちが変化する。想像力のある子供心を忘れない人は、きっと本作でいう檸檬を簡単に見つけやすい。
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それは私が彼等の死を傷んだためではなく、 私にもなにか 私を生かしそしていつか私を殺してしまうきまぐれな条件 があるような気がしたからであった
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読み始め
初めての純文学、む、むず~~~~~!!!!!!
読み手を完全に置いてけぼりにしている…!!!
表現も独特すぎるし、こんなもん読めるか!!檸檬なんていらねぇ!!
読後
えっ…意外と面白いやん….好きな話もいくつか見つかったし…
投げ出さずに読み切った自分を褒めたい…
と、情緒が不安定になりながらも読破。
国語の教科書にも載ってるらしいけど知らなかったなぁ~
自分が学生のときに読んだら完全にお手上げだろうな(今回も微妙だったけど)
本自体は20の短い短編で構成されていたから、慣れてきたら割と読みやすかった。
それでも1編読むごとにパワーが必要だったというか、
大衆文学作品を読む時に使う場所とはまた違う脳の部分を使う、
そんな感覚だった。
檸檬
泥濘
橡の花
桜の樹の下には
冬の蠅
ある崖上の感情
あたりが個人的には好き。
純文学は作品の芸術性が云々~と言われているなかで
『檸檬』を深く理解できた、とは微塵にも思っていないけど
梶井基次郎の独特な感性は多少なりとも感じられた気がする。
”それは私が彼等の死を傷んだためではなく、私にもなにか私を生かしそしていつか私を殺してしまうきまぐれな条件があるような気がしたからであった”
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「えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけていた。」
冒頭から、この表現だけで「私」の憂鬱さに引き込まれた。非常に抽象的な表現なのに、なんだかその気配を知っているような、心の奥にある鬱を突かれた気分だった。
西洋的な美と懐古的な美の対立が、気が付きにくい細部にまで散りばめられていた。「檸檬」が漢字でなければいけなかった理由もそこにある。
流行である西洋の美に対し、「私」の想像の中での檸檬による丸善の爆発が、やはり「みすぼらしくて美しいもの」が勝っていたことを語っている。
本文は、心に浮かぶ気持ちを、ただ書き連ねているという印象で、かなり感覚的な表現が多い。それ故に、理解に時間がかかったが、一貫して梶井の感性が感じられる作品だった。
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“檸檬”
とても好きな作品だった。
いったい私はあの檸檬が好きだ。
それから、Kの昇天。
K君は月へ登ってしまい、影がK君を奪った。
シューベルトの「ドッペル・ゲンゲル」
哀れなるかな、イカルスが幾人も来ては落っこちる。
私も何遍やってもおっこちるんですよ。
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この評価はあくまで作品に対する一般的な評価ではなく、現時点の自分においての評価となります。
というのも、馴染みのない言葉で書かれていることや、話の展開も起承転結がなかったりすることで、正直ほとんど納得しながら読むことができなかった。読み終えるために読んでしまったような側面がある。この作品は純粋に楽しいと感じながら読める方、すごいなぁ。
ただ、これだけ世の中に評価されている作品を、今後読める自分になっていきたいので、文豪の名作は継続的に読むようにしていきたい。
その中でも以下は比較的楽しみながら読むことができて嬉しかった。
「冬の日」
語彙も平易で、ストーリーも入ってきやすく、文章性もあり、よかった。
病気に衰弱していく彼の心情の変化を感じることができた。
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難解で読みづらいけど、読み切れた
情景が想像できたら、もっと面白く読み切れるはず
梶井基次郎の生い立ちを知って読み直したいと思う作品だった
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高校の国語で取り扱われ、先生がしきりに「教科書を取っておくべき、檸檬は大人になってから読むとまた変わった感じ方を出来るはず」と言っていた。その先生が好きだったけれど教科書は嵩張るので、文庫本を購入。いまはまだ読まない
Posted by ブクログ
タイトルは知ってるけど、内容は知らない有名文学のひとつで読んでみました。
独特の文章でかなり読むのが大変で、あらすじの噛み砕いた紹介や皆さんの感想でやっと「ああ、そういうことか。」となり共感する部分ができました。ありがとうございます。
読解力をもっと鍛えなければ…。
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短編集。昔の人は結核とか胸の病で苦しんでいる人がいたのだなと思う。この作家さんもそのようだ。全体的に暗い、でも有名な純文学だから読み終えようと思った。
河鹿とは、鹿でなく蛙のことだと知った。
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全体的に難解でした。
いかにも不健康そうな描写が通奏低音としてあるものの、生きようとする意思や、親の愛など、はっとするような美しい描写が散りばめられています。
表題の「檸檬」はもちろん面白かったですが、個人的には「交尾」の河鹿が清流を渡るときの描写がとても好きです。
Posted by ブクログ
檸檬は短いが衝撃的なでした。丸善にしかけた時限爆弾なのか。
Kの昇天もドッペルゲンガーの話として秀逸。
著者がすり減らしながら生きていく人物の目線で描く世界はついていけない部分もあるが、時に妙な共感を覚えたり、唸ったりしてしまう。
時間をおいてまた読みたい。
Posted by ブクログ
ざっと一読しただけでは何も感じなかった文章。
作者が病の中にあり、命を削って綴った文章だと思うと、後からあれもこれも意味のあるものなのかと思えてくる。作者自身のキャラクターありきで成立する短編集なのかな。
表題の「檸檬」や、「Kの昇天」、「闇の絵巻」など、非常に短い短編の中にいろいろと感じるものがあった。
体調が悪くなったときに読み返したら、また捉え方が変わりそう。