【感想・ネタバレ】参謀本部と陸軍大学校のレビュー

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Posted by ブクログ

戦争遂行において中心となった陸軍参謀本部と、その人材教育を担った陸軍大学校について書かれている。

いかに戦前日本の軍事システムは未熟であり、太平洋戦争が無謀な戦争であったのかが分かる。ここで指摘されている組織の欠陥、教育の欠陥は現代日本でも指摘されており、勉強になる一方で、全く変わっていない現状に苦笑せざるを得なかった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
日露戦争に勝利した新興国家はなぜ破綻したのか。
組織の欠陥と無定見な教育に敗戦の真因を見出す新史観。

[ 目次 ]
第1章 山県有朋の参謀本部
第2章 幻となった統合参謀本部
第3章 陸軍大学校とメッケル
第4章 参謀本部の初陣―日清戦争
第5章 問われた陸大の真価―日露戦争
第6章 衝撃と迷走―第一次世界大戦
第7章 石原莞爾の挫折―日中戦争
第8章 組織が生んだ狂気―大東亜戦争

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年12月14日

Posted by ブクログ

日本はなぜ太平洋戦争へと突き進んでいったのか?陸軍、関東軍の暴走というのはよく言われている。ではなぜ陸軍がそうなってしまったのかを、陸軍の士官を養成する陸大の教育の分野から問い直している。その対象は広く、陸大・参謀本部の成り立ち、関係性や海軍、政府との関係について詳細に説明されている。また私が今まで勉強して来なかっただけだが、太平洋戦争に至るまでの動きが細かく書かれていたので、勉強になった。
人材教育の重要性と難しさは企業や現在の義務教育の場面にも当てはまると思った。また何を教えるかとはどんな人材を作るかであり、それは数十年後の日本や世界のビジョンをきちんと描かれていなければならず、今の日本にも不足している点だと思った。

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2010年11月14日

Posted by ブクログ

なぜ日本は無謀だとわかっていた太平洋戦争を開始してしまったのか?
内閣と陸軍の分裂、陸軍と海軍の分裂、参謀本部と陸軍省の並列関係、陸大の「総力戦」学軽視、という組織や教育の側面から説明した力作。
戦前の軍の状況はあまり知られていないが、首相は大本営メンバーではなかった、陸軍大臣は参謀本部長よりも格下だったなど、意外な事実を学ぶことができた。戦前の軍組織の関係を知らなければ、当時の意思決定を正しく知ることはできないはず。

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2010年06月02日

Posted by ブクログ

旧日本陸軍の参謀組織とその人材育成の視点からの簡単な通史。いたずらに悪者探しではなく読みやすい。政軍に通じた人材を育てられなかったのが致命だったと言うことか。

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2010年04月16日

Posted by ブクログ


 陸軍大学校の話を十分にからめきれていないと思いましたが、
 参謀本部の成り立ちの裏に夥しいほどの欲望が渦巻いていたことが感じ取れました。
 どんな組織・機構も政治力学から逃れることは出来ない。

 政治に長ける人が得をする。
 どこもかしこも、
 ずっとそういうものなのだということを、
 悲しいかな確信しました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

参謀本部、陸軍大学校、とちらも名前は聞いたことあるけどよく知らないってところ。
明治維新の勢い冷めやらぬ日清日露あたりまでは、組織の構成に不備があっても属人的な力で上手く回っていたものが、落ち着いて制度ができる頃から秀才は輩出されるんやけど大局を見る人財がいない、育てられない。簡単に歴史は繰り返すとか言うのも良くないけど、結局戦後日本も勢いのある高度成長期まで、落ち着いて来たはずなのに勢いがなくなるバブル崩壊後、いつか来た道感がもの哀しい。

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

「なぜ無謀な戦争に走ったのか」がわかれば、将来「無謀な戦争に走らずに済む」わけではないような気がしてきた一冊。

新書サイズにも関わらず、陸軍大学校と世界大戦の関係をきっちりと時系で説明できていて著者の知性というかドヤ顔が伺える。

陸軍大学校の創立から消滅まで、敗戦の一因としての立ち位置を新書レベルで克明に書かれている。例えば学校の卒業者が受けた教育の内容が貧弱だったために、第一次大戦において陸軍は「欧州に派兵しない(したくない)」という結論に至ってしまったのだが、これが無残な結果を招くことが予想できなかったなどなど。また共産化を防ぐという目的を離れて中国大陸で戦闘を初めてしまう暴走ぶりなど、どう考えても幼稚で痛々しく時代遅れの知識が背景にあることがよくわかった。

「戦争はんたーい」と叫んでいれば戦争に「巻き込まれない」なんて幼稚に考えてると、また「敗戦」するかもね。

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2018年08月26日

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