【感想・ネタバレ】「普通がいい」という病のレビュー

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Posted by ブクログ

人生を変えた一冊!
丁度"今"欲しかった答えがここにありました。自分と向き合える言葉が沢山つまってます。
今特に悩みがなくても様々な人に読んで欲しい。私たちが普段問題視してないようなことに疑問を持ち、気付かせてくれて、読み終わると心がスッキリする本です。

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

子供のころから、人生の意味を考えるタイプの性格だったけど、会社員という駱駝になって、ますますこのままでいいのかなと思っているところに、たまたまこの本に出会えて、目の前の霧が晴れた実感がした。
大通から外れてもいい。自分を満たしてあげることで何者でもない「自分」として、私の小径を、生きるがゆえに生きていきたい。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

「正しく自分を甘やかす」ために。
なんとなく気持ちが疲れがちだなぁと思ってる人は、読んでみるとラクになるかもしれない。
「心」をないがしろにして「頭」優先になってしまう思考をひとりで解きほぐすのはかなり大変(そして手助けできる人に出会うのも困難……)だけど、考え方を知ってるのと知らないのでは大違いだからね。

この文章が綴られた動機そのものが、著者が定義するところの「愛」なのだなぁと思う。

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2023年08月21日

Posted by ブクログ

COURRIER JAPON
著名人の本棚
山口周さんの推薦図書より

頭と心と身体の関係について。
ああ、良い本に出会えた。
読むとするすると思考がほぐれて、心がふわふわと軽くなっていきます。。

精神科医であり思想家でもある筆者は造詣が深く、詩、哲学、宗教などの様々な分野からの引用も多く、多面的な論ですっと腑に落ちる。
頭で認識するというより、身体に落とし込まれ染み渡るような感覚の読書体験。

引用されている古今東西のあらゆる言葉たちをこんな風に咀嚼して編み上げ、自らの論旨の説得材料にするのは素晴らしいと感じた。
本を読む、とはこうやって自在に言葉を操る域まで至ること。私はまだまだまだまだ。

読んでいて学びと思考がより深まった。
先人の考えに触れ、いつの時代も人間は普遍的な問いに悩み、考え、感じ、悟り、世界を生きているのだと感慨深い。

名付けられた病は、精神病とカテゴライズされた重苦しい苦難というよりも、あるひと時の心と身体の状況なのだなと考えると、浮き沈みに思える。
頭で考えず、心の声に耳を傾けると、きっと浮いてこれる。

十牛図は見たことがあるが、このような意味を持つのかもしれないと思うと、先人達の生きる知恵を感じる。

愛に溢れた本。
疲れた心に優しく響いていく。
思考の力はすごい。ものは考えよう。
見方を変えたら生きやすく、楽しく、軽やかに。
全日本人に読んで欲しい。

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2023年04月09日

Posted by ブクログ

軽やかな筆致で掘り下げられる、人間の生き方。
おもしろかった。
高校生のころ、若い人を主人公にした成長の物語ってたくさんあるけど、中年以降はどうなるのだろう?とずっと不思議に思ってたけど、その問いに答えてくれた。
「敏感で太い」自分、経験は未来に向かって開かれる、螺旋の旅路、十牛図など、印象的な言葉やイメージもたくさん。
西洋東洋、古典と現代作を問わず引用される文献も魅力的で、読みたい本がまた増えてしまった。
読みたかった本を一冊読むたびに、新たに読みたい本が三冊くらい出てきて、雪だるま式に心の積ん読リストが増えていく現象、なんとかならんものかな……。

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2023年02月09日

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冒頭より(拙者要約)
人はみな他の人とは違う「角」をもって生まれてきた。しかし、この「角」はひときわ目立つため、他人は真っ先にこの「角」を話題にする。現代では、多数派の信奉する価値観(=普通がいい)によって、この角の切除が行われている。例えば、あるがままの人間は邪悪なもので、あるべき姿に向けしっかりと理性で制御すべきだという考えはその一例である。角が切除された大人たちをモデルとして育った人たちの中には、生きる意欲や生きる意味を見失って、日々むなしさを紛らわせるだけになっていたり、強い自己否定が心の中に巣くってしまっていることがある。

本書は、人間という生き物の根本的な特性を深く理解し、そのうえで「自分で感じ、自分で考える」という基本に支えられた生き方を回復するための、ヒントがちりばめられた本です。

冒頭にガラスのユニコーンの角が、他人とは違う自分の壊れやすい個性のメタファーとして登場します。私の場合は、人に対し感情的になってしまうということがこのガラスのユニコーンの角であることに気づきました。
 「普通、大人は自分の感情を制御できねばならぬ、常に冷静にならねばならぬ」という声が聞こえ、感情的になった後は自責の念に駆られることがしばしばありました。まさに、自分自身が普通がいいという力によって角を切除しようとしていた。

しかし、この本を読んで、むしろ自分の考えや意見を感情とセットで届けることが自分のあるがままの姿ではないか。感情を人の心を共振させるアンプとして、人の心に深く刻み込む彫刻刀として使えるのではないか。そのままで大丈夫!そういった気持ちが沸々とわくようになりました。

大なり小なり多数派の信奉する普通がはびこる社会において、自分の角によって生きづらさを感じている方、人間の根本的な特性を理解して自分らしく感じ、生きたい方に是非手に取ってほしいオススメの1冊です。

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2022年05月07日

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夏目漱石は自己本位と則天去私という一見相反する価値観を自身のなかで確立させたというが、その具体的な内容が書かれていたように思う。

日本に蔓延る神経症的な面は全て他人本位が故に生まれているものであり、まずは自己確立が必要である。

ただ、日本の治安の良さなどは他人本位が故に成立しているような気もしたがどうなのだろうか?

これも経済的な豊かさがあってのもので、他人本位は関係ないか。

愛は自分を満たすことから始まる。
自分が満たされていないにも関わらず、相手に施す何かはおせっかいでしかないバナナの話が良かった。

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2022年04月29日

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語り口が優しく読みやすかった。引用や比喩を使われているのも個人的にとても好きなところ。図にされているのもとても解りやすいです。
私は一回読んだくらいではとても理解したとはいえないけれど、なんとなく解る、つかめそうな感じで自分が今まで感じていた窮屈さが緩んだ気がします。それだけでも心と頭の考え方が楽になりました。
本当にこの本に出会えて良かったです。泉谷さんの他の本も読みたいと思います。

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2022年04月12日

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一言でいうと
【普通(世俗の幻想)から自分を取り戻せる本】

友人が「人間の精神的ボトルネックは大体かいてある」と勧めてくれて一読しました。

ただ良書過ぎて、何度も反芻し、20読しました(笑)

自分の精神分析論と、多分野の名著や偉人の鋭い指摘を抜粋し、織り交ぜ、非常に丁寧に「普通」が如何に危険かを教えて下さいます。

恐らく20回も読んだ私は、社会が強いてくる「普通」に慣れそうで慣れないズレを苦痛に感じていたから、この本を渇望するように反芻したのだと思います。

文体も抜群によく、口の中で転がしておると色んな味が広がる様に気づきがありました。

良すぎて、両親にそれぞれ一冊、友人に一冊プレゼントしました。いずれも世間と個人のズレを感じていたため渡しました。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

読んでよかった。とても良い本だった。一気に読んでしまった。哲学的な内容だと感じたが、上からでも下からでもない愛ある目線で書かれており大変読みやすく、わかりやすく、心にストンと落ちた。そして途中に出てくる図がシンプルでびっくりするほどわかりやすかった。
余談だが読後、ドラクエの遊び人レベルが上がると賢者になれるのも真理なんだなぁと思った。

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2021年09月29日

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我々が何かに悩むとき、そもそもの前提が間違っていることがある。その前提には世俗的な固定観念、理性から生まれた二項対立的な思考が刷り込まれている。欲望や感情を理性によってコントロールするのではない。欲望や感情を認め、あるがままであることを目指すことで理性の先の世界が開ける。

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2021年08月02日

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「普通」という言葉、これは自分にとっても呪いのような言葉である。

そこには必ず他人との相対的な比較が元になっているからだ。

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2021年05月31日

購入済み

よかった

自分が嫌になって嫌うことしか出来ませんでしたが、この本を読んで少し楽になりました。理性的であることが大事と思ってきましたが、必ずしもそうではないのだな。もっと、こころを大事にしないと、上の段階にはいけないのだろうな。

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2020年04月12日

Posted by ブクログ

・タイトルから想像する内容よりもかなりよい内容。
・心理学の内容がメインだが、哲学的な考え方も含まれている。
・なぜ生きるのか、なんのために生きるのか?自由とは何か?を考えさせられる。
・頭と心と体のバランス。図解が多く、わかりやすい。
・日本人と外国人の考え方の違いなどは出てこない。

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2019年11月14日

Posted by ブクログ

第9講の下記が特に「普通がいい」という病を表しているなあと思いました。
> マジョリティの大通りでは 、 「みんなも行っている 。みんなそうだから私もこれでいいんだ 」と思って 、自分自身では判断を行っていません 。また 、この道がどこに向かっていくのかも知らない 。そういう意味で自分の人生に責任を持っていないし 、自分の人生にもなっていないわけです 。
→昔はコレというパターンがあって、その通りに生きていればそこそこ幸せになれたものが、今はそのパターンになるのも難しいし、もっと色んなパターンあるよという話になっていて普通というものが無いということなのではないかなと思います。

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2019年09月10日

Posted by ブクログ

理性、理知的、論理的など、ある意味では美徳とされる感性に警鐘を鳴らす本書。
普通とは何か、普通に疑問を持たずに生きていないか、自分の生き方を省みる機会となった。
獅子的な生き方の先に行ってみたいと思った。

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

尊敬している精神科医の泉谷閑示さんの本。
日頃から人間を徹底的に見つめ、深く洞察されている結晶が、沢山書かれていた。
特にまえがき、第二講、四講はハッとさせられた。

第2項の、パブリックな言葉と内的な言葉について。個人的に、言葉に対するこだわりが割とある方なので、独自の意味を帯びさせてしまっているきらいがある。そんな内的な言葉を、時々そう親しくない人にも使ってしまうことがたまにある。ゆっくりと話して、その言葉について説明できるときは良いのだが、そううまくはいかないので、相手に誤解されたまま、ときには失礼にあたるまま会話を終えることになり、確かに内的な言葉を使う時や場所、相手を考えなければいけないなと反省した。
そして、この2つの側面のある言葉の使い分けをうまくできなくなっているという指摘は、現代をとてもよく表してるなと思った。

覚えておきたいことが多すぎる。でも、忘れてしまうので、備忘録として…



まえがき
人間の特性を理解し、その上で「自分で感じ、自分で考える」という基本に支えられた生き方を回復しなければいけない。
正常と異常の境界線上にあるような視点や言葉が今の時代では失われている。
鬱が治るとは、実際は、「あるべき悩みを悩むようになること」

第二講
言葉には、(内的言語:自分の内側を把握するのにも使われる)と(公共性を持つ言葉)の二つの側面がある。この2つの使い分けができない人が増えてきた。それは、自分と他者が違う内界を持ち、違う価値観で、言葉1つにも自分とは違う意味合いを載せているかもしれないということが想像できないから。
この想像は、自分はこう感じるが、この子はどう感じるか?など、丁寧に観察し、擦り合わせが行われるなど、子育てにも役に立つ。

第四講 
『エミール』ルソーより
子供につけさせなければならないただ一つの習慣は、どんな習慣にも染まないという習慣です

お腹が空いていないのに、習慣で3度食事を取る、天候やホルモンなどにより体調は変わるのに、毎日同じ時間に起き寝るなどの習慣は、本来の体の声を聞いていない。

自己形成のイメージ、
あるべき自分になるように足りないところを身につける(粘土や石膏をくっつけていくイメージ)
ではなく、
本来の自分を削り出す(彫刻のイメージ)
をすると良い。

第5講
心由来の深い感情の場合は、それを大切にし、頭由来(しかも心由来のように見せかけている)の場合は、それに振り回されないようにする必要がある。

意識と無意識の間には、浅いところから怒・悲・喜・楽の順に感情の井戸があり、古い怒りから吐き出していかなければ、その先にある本当の楽は発せられない。

三様の変化
駱駝(従順さ、忍耐、努力、勤勉さ)
→獅子(窮屈であることに気づき、怒りが爆発し、1人称の自分の誕生)
→小児(全てあるがままに。創造的な遊びに没頭する)
第六講
角を矯めて、牛を殺す(少しの欠点を直そうとして、かえって全体をダメにしてしまう)

欲望を大欲(より深く本質的な魂の満足に向かうこと)に膨らませていくことにより愛になる。

第七講
絶望とは、残していた一抹の期待をきちんと捨てることである。しっかり執着を断つことによって、真の絶望が訪れ、自由に解放されていく。


繊細で神経質な人が感じていることを、感じないようにすることはできない。無理にやれば離人症になる。
ガラス細工のような壊れやすい純粋さから、螺旋状にグレードアップしながら変化成熟していき、強化ガラスのような強さと純粋さを手に入れる。

第八講
森有正の経験と体験の考え方。
「苦労が身になる人」と「苦労が勲章になる人」の違い。

第九講
すべての良い仕事の核には、震える弱いアンテナが隠されている

第十講
人生の目的を考える→あるところから先へ行くと、目的や目標というものは、ある種の導入に過ぎなかったことがわかる。→目的に向かって、生きることの貧しさや窮屈さもわかってくる→何か大きな流れが私たちを運んでいると感じられてくる。

つまり、自分らしく生きることを追いかけていくうちに、主語の(自分)が消え、天命とでも言うべき、大きな力が自分を動かし生きていることに気づく。

[十牛図]禅の考え
ある者が、牛(本当の自分)を探し、手なづけ、遊び、また牛(牛と自分:本当の自分とそれまでの偽りの自分)はいなくなり、無になり、自然の一部としてあるがままになり、仙人のように暮らし、また人里に下りて、若者に会い、その若者に影響与え、若者がまた牛を探すようになる。

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2024年03月10日

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今自分が悩んでいる過程がどういうものなのか、またなぜこんなに悩んでいるのかが、この本の文と図で分かりやすく理解出来た。もっと感情を引っ張り出したい。また哲学を学びたいとも思えた。

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

「普通」ってなに?に答えを示してくれる良書です。
さらに、「普通」ではない人(レッテルを自ら貼るべきではないですが)が生きて行くためのヒントがたくさん書かれています。とくに、著者の「5本のバナナ」の話がなるほどと思えました。

多くの詩を引用しながら人の思考を解説しています。詩を読み慣れていないので、最初は少し難解で読むのに骨が折れる印象ですが、詩の解釈を丁寧に解説してくれるので、最後まで読み切ることができました。

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2023年05月09日

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「他人と同じ」であることこそ「普通」であり、それを良しとする日本人の特性について、共感の連続だった。自分も見事に当てはまる点がある。思考停止で主体性を失っているのは、果たして生きていると言えるのだろうか?自分で感じ、考えることの大切さをあらためて学んだ気がする。

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2023年03月19日

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いいことが書いてあるんだろうけど、難しかった…もう少し色々な本を読んで、自分自身の知識を深めてから再読したい。

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2021年12月28日

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よかった。

全10講で人の心の在り方や変化を古典などを引用しつつ作者独自の図などで分かりやすく説明した本。

響く箇所が結構あった。

読む本ない人にはおすすめ。

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2021年11月21日

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「普通」という言葉はなるべく使わないようにしている。
特別支援教育に携わる者として、子をもつ親として。

しかし、本著を通していかに意識の根底に「普通」がはびこっているかが再認識できたように感じた。

生きるうえで「自分」を軸にできていないという認識を新たにしたというべきか。

心に耳を傾ける。

頭の支配を意識する。

自然の摂理に従って、心を豊かに生きたいけど…なかなか難しそう。

でも、だからこそ。

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2021年03月17日

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10回連続の講義形式で書かれているが、1回ごとに
自分はどうなのかを深く考えさせられるので、スイスイと読み進められる本ではなかった。少し時間を置いてからまた読むことで少しずつ理解が深まるように思う。手元に置いておきたい一冊。

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2021年03月04日

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科学的根拠を用いず、詩や思想書の引用が多い。だから、本当なのかな?と思ってしまうが、それがまさに「頭」や「理由」で考えているということ。

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2021年01月05日

Posted by ブクログ

久々に何度も読みたい、と思えた本。
精神科医の治療の話だが誰にでも参考になりそうな、生きるコツが書かれている。

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2020年08月21日

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心に従え、という話。著者は精神科医だが哲学や仏教とも絡めて人生に関する色んなことを考えておられる方で、一度読んだだけではまだ追いつけてない感じがある。

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2020年05月24日

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〇〇しないといけないという考え方をやめよう。
二元論は頭の考え方。どっちかにふれても、反対側は実は繋がってるかもしれない。
なんの意味もないかもしれないけど、やってみたい!と思うからやる。あと先は考えない。

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2020年05月16日

Posted by ブクログ

もしこれから苦しみや悩みが襲ってきた時、それは天からのギフトで自分らしく生きていくための大切
なメッセージだと受け取る。

誰でも怒り哀しみはあるけれど、深い感情においては喜びや楽しみと同じくらい大切なものだ。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

『「普通がいい」という病』
この題名を見て想像したのは、世間では異常・異端とされている人たちが輝ける可能性というものでした。それは例えば、大勢の人たち・マイノリティが歩んでいく道を外れるというのは決して悪くないことだよ、というようなことや、「普通ではない」という言葉には大勢とは違っていても、豊かな精神を保てるよ、といったことを示してくれる本ではないか。そういう想像が読む前の私にはありました。

読んでみて端的に表すなら、これは「普通がいい」という病を患った”社会構造”を解剖するような本ではなく、「普通がいい」という考えに浸った”個人”が読んでみて気づくものがあれば、と考えた著者が筆を取った本、という感じがしました。
(予想していたものとは角度が違いました)

特に感じたのは「引用がことのほか多い」「宗教色が強い」ということで、本当なら一連の流れがつかめる筈の内容のところが、引用によって流れが寸断されるので分かりづらくなってしまっているのが残念です。
中でも「この本はお坊さんが書いたのかな?」と思ってしまうくらいには宗教になぞらえた引用が多く、そういう系統が苦手な方は予め知っておいた方が良い情報かもしれません。

「駱駝→獅子→小児」の話や、「バナナの話」など、楽しめる話題はいくつかあるのですが、「0人称」のところは(私の理解力不足もありますが)3回ほど読んでみても意味がわかりませんでした。
「心的現実」などについても、突然出てきた言葉なのに説明が全くなく、「精神的に感じる現実のことかな」と想像しながら読みましたが、意味合いが合っているのかは不安が残ります。
読者層を一般にするのであれば、こういった専門的な語りについてはもう少し説明が欲しいというのが正直なところです。

とはいえ、興味を持って新たに知る項目もあり、不満ばかりではありません。自分の体験に照らし合わせて「そうだったのか」と思うこともありましたし、読んで良かったな、と思える箇所もあります。
……しかし、想像していた内容とは90度くらい違いました。なかなか、読書は奥が深いですね。

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2021年01月21日

Posted by ブクログ

失楽園についての話がおもしろかった。
アダムとイヴが智慧の実を食べて神は2人を罰したけれど、善悪の判断を得たことはむしろいいことでは?と思っていたけど、善悪の智慧の実はつまり物事を善/悪に判断する二元論の実であった。
実を食べた直後にイチジクの葉で陰部を覆ったのは、二人とも同じ人間であったのに男/女という区別が生まれたからだと。何事も二極化して判断する二元論的な思考は小賢しさや邪悪さを生み出す諸刃の剣でもあるのだとすごく納得した。

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2019年06月02日

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