【感想・ネタバレ】政治的思考のレビュー

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Posted by ブクログ

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政治の向き合い方へのスタンスって学校で習えないけど重要なことだと思った。社会で生きていくために大事なことはほとんど学校で教えてくれないことだけどね基本。化粧の仕方とか人との付き合い方とかもそうだけど。政治っていうのは社会の最大公約数の妥協点を探ることで個人の理想を追求するものではないという事が書いてあった。政治というものにはある種の押し付けがましさ不愉快さが付きまとうもの。過度の期待は政治への絶望に繋がり、政治そのものへの興味を失うから気をつけた方がいいらしい。


杉田 敦(すぎた あつし、1959年4月30日 - )は日本の政治学者。 法政大学教授。 専攻は、政治理論、政治思想史。 群馬県伊勢崎市生まれ、東京育ち。 みんなで決めよう「原発」国民投票の代表を務める。 [略歴] 筑波大学附属駒場中学校・高等学校卒業 1982年 東京大学法学部卒業 1982年 東京大学法学部助手 1986年 新潟大学法学部助教授 1993年 法政大学法学部政治学科助教授 1996年 法政大学法学部政治学科教授 2003年 - 2007年 放送大学教養学部客員教授 [関係者] 制度的な指導教官は福田歓一。 1期上の兄弟子に川崎修がいる。

まして政治は、みなのことについて決める営みです。複数の人びとの間の集合的な決 定にかかわるわけで、そのために、政治は個人的な決定とは別の水準の理不尽さをもた らすものとして、私たちに意識されることが多い。複数による決定ですから、自分の意 のままにはいかないことも少なくないのです。全体を称する多数派の都合のために、 分が損をすることだってある。だからといっていつも従わなければ、決定すること自体 が無意味になってしまいます。この世に自分一人だけで暮らしているわけではないです から、集合的な決定は避けられるものではありません。納得はいかないけれども受け容 れないわけにもいかない。このあたりから、政治というものにはある種の不愉快さ、押 しつけがましさがつきまとうことにもなるわけです。

一般的にいって、政治に過度に期待することはあまりいいことで はありません。過度な期待は絶望と紙一重です。期待が裏切られる と、政治そのものへの絶望につながります。そして、政治などなく てもいいのではないかという話になってしまう。 ただし、政治との問に距離をとるべきだといっても、それは、政 治をなくせばいいという話とは違います。逆説的ですが、政治を活 かすためにこそ、政治に距離をとるべきなのです。政治に距離をと ることで、政治は活きるのです。政治的思考にとって大切なことを 以下にまとめてみましょう。 第一に、政治はさまざまな価値観にかかわるものであり、多様な 価値観の間の調整こそが政治だということを理解する必要がありま す。

よくいわれることですが、ユーモアとは自分に対して距離を置く ことができるような態度と関係しています。深刻な問題であって も、少し距離を置いてみれば、たかだかこの程度の問題だというこ とで、気持ちが少し軽くなる。それがユーモアでしょう。そう考え てみると、実は政治や外交にはユーモアが必要なのかもしれませ ん

政治は、利害関係を異にする生身の人間たちの対立を前提とし て、調整する作業をしなくてはならない。これは簡単な話ではあり ません。自然を相手にしているわけではないですから、すっきりし た結論が出ないのも当然です。政治は複雑な活動です。

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2023年07月30日

Posted by ブクログ

今の政治システムは完全なものではない。全員の意見を汲み取ることは不可能だし、構造上の欠陥があるのは事実である。だからといって、闇雲に制度を批判したり、政治参画を放棄しても良いわけではない。そもそも政治から逃れることは不可能で、どのように向き合っていくか、問題に対してどのようにアプローチをするのか、深く考えることができた。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

平易な文章で書かれており、大学で政治学を学ぶ前、政治とは何だろうと考える際に一読するのが良いのかもしれない。柔らかい文体ではあるが、ところどころ思い切り突き刺してくる。

読みおわってなるほどなと思った後に、あとがきを読んで思わず笑ってしまった。

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2020年05月30日

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十人十色の考え方や意見の相違を調整するのが政治の営みである。ゆえに誰もが政治から逃れることはできない。政治の問題は、すべて自分自身の問題に帰するのである。

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2020年01月11日

Posted by ブクログ

「なるほど!」とおもわず口に出したくなる素晴らしさ。

政治とは何かについてとても分かりやすくまとめてい、読んだ後に政治に興味が湧いてくる。

マスメディアの政治批判に流される前に、一度は読んでおきたい一冊

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2013年07月16日

Posted by ブクログ

腐敗や堕落といった言葉がいつしか似合う言葉となってしまった『政治』のそもそもを考えるのに好適な1冊。代議制や民主主義などの根本的なところから優しく解説されている。著者の述べるように「政治からは逃げられない」のであるから、どう対峙するかという自分の軸をしっかり持たねばならないと改めて気づかされた。

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2013年06月20日

Posted by ブクログ

政治哲学の本。
10年くらい前に刊行されているが、今読んでも古びていない。

誰が、いつ、政治的な決断をするのか。
誰かが誰かを代表するとはどういうことか、可能なのか。
権力の源泉は。そして自由とは権力をなくすことか。

アトランダムに書き出したが、こんな原理的な問題が検討されていく。

いま、ここにある問題を外部化するのは危険なことだという話が印象的だ。
政治家のせい、官僚のせい、外国のせいとすれば、気持ちは楽になるが、問題は解決しない。
自分(たち)の中の、変化を嫌う何かを見極めなければならない、というのだ。

その通り、とも思うが、難しいだろうな、とも思う。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

決定・代表・討議・権力・自由・社会・限界・距離という8つのテーマを通して、政治の捉え方、関わり方を記す。
政治は皆のことについて決める営みである。納得はいかないが、受け入れなければならないこともある。政治に不愉快さ、押し付けがましさがつきまとうのはこのことによる。何を問題とするかを決めた時点で、責任を誰に問うかもある程度決まっている。したがって、いつ何を問題とするか決めることは慎重であるべきである。
代表制が必要な理由には、規模の問題、専門性の問題がある。しかし、それだけではなぬ、政治家がそれぞれ意見を主張することで、知識の乏しい人々が争点や対立軸を理解するという政治劇(演劇)的な装置として代表制が存在していると考えられる。
討議することは民主制において重要であり、消滅してはならない。政治に正しさを過度に導入しようとすると、人々による話し合い、複数性が排除され、全体主義体制になりうる。
主権的な権力だけでなく、監視の権力、市場の権力等について、我々が支えているといえよう。その権力が排除されていないのは、我々が望んでいるからである。したがって、不都合な問題に対して、外部の人に押し付けるポピュリズム的な考え方をするのは妥当ではなく、権力の責任者はここにいることを自覚するべきである。
自由は権力と対義されやすいが、社会権のように自由の条件整備のために権力が必要な場面もある。すなわち、自由な状態とは政治的な秩序の不在ではなく、むしろ権力や政治によって実現しなければならない点もある。
今では経済のグローバル化と主権国家の相対化により、国民という単位で政治的な決定をしても、その効果が限定的になっている。政治の複雑性や不透明性が拡大している今日、当事者として関与しながらも、過度な期待を持って早期解決を求めない距離を保ち、中長期的・俯瞰的な視野を持つことが必要なのである。

政治との関わり方を一般人に分かりやすく示した書である。また、政治が我々の生活の至る所に不可分のものとして存在していることを理解させてくれる書でもあり、政治に詳しくない初学者向けの良書であろう。
しかし、政治と関係するあらゆる分野について(例えば、メディア、官僚制、教育)、そこに存在する課題の全ての要因を我々に帰着させている点が強引すぎるように感じた。確かに、民主主義国家でにおいては民意を反映させた政治がなされるが、そのことをもって政策の全てを直ちに自分たちの一部とする(当然そこに責任も発生する)のは、我々の範囲を広く捉えすぎているのではなかろうか。

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2018年02月25日

Posted by ブクログ

【読書その82】杉田敦氏による、政治に関する考え方を決定や代表、討議などのテーマに沿って論じた本。非常にわかりやすかった。

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2014年03月30日

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今の政治家を批判している方々すべてに読んで欲しい。もちろん,今の政治家にも悪いところはあると思うけれど,では自分はどうか?ということに気付かされる。良書。

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2013年02月08日

Posted by ブクログ

前半おもろい。
後半は難しくておもんなかった。

政治をどう理解すればいいか、
政治へどう接したらいいか書かれた本。

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2021年03月27日

Posted by ブクログ

政治を論じる上での現代的論点を分かりやすく整理した一冊.
政治学は「市民の学」であるわけで,ぜひ多くの「市民」の皆さんに手に取ってもらいたい.

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2014年11月10日

Posted by ブクログ

明治期における運用の時代に構築されていった政治制度。読んでいてもピンとこないのは政治について疎いからではと思い手にとった。

本書は政治というより政治に対しての姿勢を論じている。政治は万人にとっての正しさを追究するものでなく、少しでも納得いく形で何かの決定をするためのインフラ。価値観の多様化や決定が及ぼす領域の拡大により、決定することがより難しくなっている。その難しさを外部のせいとしている単純化した風潮が見られるが、まずは自分を含めた内部に目を向けるべきではという主張。

平易な言葉で現代政治に対する問題意識を絡めながら論が展開されているのは良かったが、政治制度の歴史的成り立ちをもう少し記載してくれればより勉強になっだと思う。

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2014年03月22日

Posted by ブクログ

講和ということもあるのでしょう。まるでルソーを読むよう・・・。
静かな語り口で、わかりやすく、あきることなく読める。
読後は、たぶん血となり肉となる知識なのですが、さて・・・、何が書かれてあったのかと思うことはある。
時間があれば、何度か読み直してみるのがいいのかも。

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2013年02月12日

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