【感想・ネタバレ】カラヤンとフルトヴェングラーのレビュー

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 本書に描かれた20世紀を代表する大指揮者フルトヴェングラー、チェリビダッケ、カラヤンが繰り広げる三つ巴の戦いは、「仁義なき戦い ── ベルリン・フィル編」とでも名づけたくなるほどの生々しさと妄執に満ちている。
 ヘーゲルはかつて「悪をも為しえる人間にしてはじめて善をも為すことができる」と述べたが、この3人が見せてくれたようなとてつもない妄執や疑心暗鬼があってはじめて、音楽にデモーニッシュな凄味がうまれてくるのかもしれない。

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2013年10月20日

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ネタバレ

チェリビダッケがベルリンフィルに残らなかった訳を知りました。
はずかしながら、チェリビダッケという名前を初めて読みました。
もっとはずかしながら、フルトヴェングラー も意識したのは初めてです。

ベルリンフィルのまわり、カラヤンのまわりの事柄を知ることができました。

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2011年09月24日

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すごく読み応えのある1冊でした。
芸術の裏にこんな昼ドラ顔負けの人間ドラマが繰り広げられていたんだなぁと実感。
音楽がナチスにどのように利用されていたのか。
そこに関わる人達の思惑が交錯する様子が良く分かる。
巨匠と呼ばれようと1人の人間。
フルトヴェングラーもカラヤンもチェリビダッケも凄く人間味がある。
身近にこうゆう人がいたら嫌だけど・・・。
素晴らしい芸術家=素晴らしい人格者という考えは間違ってる!と思わされました。笑

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2009年10月04日

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本屋で見つけた瞬間に読もうと思った本。クラシックを齧っていながら指揮者には全然こだわりがなかったんですが、読んでドイツ指揮者の時代の流れがよく分かりました。まずそもそも第二次世界大戦のヒトラー統治下のドイツで、政治に利用されながらも活動を続けていたという事実に驚き。カラヤンとフルトヴェングラーなんてほとんどまともに顔を合わせたこともないだけに、余計に相手を過大視し恐れ、陰謀・策略を巡らせていく様が、哀れ且つ人間臭い。チェリビダッケは三者の中では一番純粋?に自分のやりたいことを貫いた印象があるけど、やっぱり天才芸術家はどこか螺旋がずれてるのねと実感。三者三様の指揮者を受け入れ演奏したベルリン・フィルが世界一のオケである理由が分かった気がしました。

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2009年10月04日

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暴力の代わりに音楽が使われる、クラシック音楽界を舞台にした「仁義なき戦い」とでもいいたい権力抗争。綿密なデータを裏打ちにして人間関係の力学に従ってくるくると変わる状況を追うのを読むと、どこも一緒なんだなあと思わされる。

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2009年10月04日

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世界最高峰のオーケストラ「ベルリン・フィル」を巡る新旧帝王の争い。 今まであまり知られていなかった「第3代常任指揮者フルトヴェングラー」〜「第4代常任指揮者カラヤン(帝王)」へのバトンタッチを”ナチス”に悩まされ(時には利用し)魑魅魍魎の世界にて繰り広げられた権力闘争を克明に描く大作。 ハマります・・・。

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2009年10月04日

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ベルリンフィルの常任指揮者をめぐる骨肉の争い。芸術にはついてまわる、暗黒面。
この本でチェリビダッケという第三の指揮者がいることを知った。

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2019年07月03日

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カラヤンは超有名なので誰でも知ってますよね。
フルトヴェングラーはベルリン・フィルハーモニック管弦楽団をカラヤンに引き継いだ
史上最大の指揮者ともいわれています。

ナチス政権時代にはすでにして大指揮者であったフルトヴェングラー。
ヒトラーが大のワーグナー・ベートヴェン好きであったためナチ政権の宣伝に利用されかけるのをすんでのところでかわす毎日。
一方、その大指揮者に憧れるカラヤンが如何にしてフルヴェンを嫉妬に狂わすほど成長していったか読み応えがあります。

第三の男として、天才チェリビダッケが登場します。
若くして才能を認められて世に出、戦後BPOの指揮を任されます。
しかしオーケストラの全人事権を求め、老齢の演奏者を一掃としようとしたしたため反感を買い、最後の最後でカラヤンに指揮者を取られます。
個人的にはこのチェリビダッケの政治や権力には無頓着で「純粋な芸術」の音楽を求めている姿が一番共感できます。人付き合いが下手で、求める音を出せない奏者はコテンパンにこき下ろす。スティーブ=ジョブズに似た天才性です。

いずれにせよ、この本で戦中からカラヤン帝国草創期までのことがよくできました。

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2014年01月05日

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世界最高のオーケストラとして名高いベルリン・フィルに、そしてヨーロッパ音楽界に君臨した二人の指揮者、フルトヴェングラーとカラヤン。彼らの紡ぎ出す美しい音楽とは対照的な、どろどろとした人間模様、時代に翻弄される音楽の現実が、生々しく語られます。

ナチスが政権に就いた1933年以降、ドイツの音楽家たちは決断を迫られました。ある者は亡命を選び、ある者はドイツに残り、残った人々にはナチスとの距離をどう取るかという問題が残りました。既にベルリンフィルの主席指揮者であり、ドイツを代表する音楽家でもあったフルトヴェングラーは、ユダヤ人を保護し、新しい音楽を支持することでナチスと対立しつつも、ドイツ音楽の広告塔として利用されていきました。一方、若く野心に満ちたカラヤンも、自らの出世を求める途上で、またフルトヴェングラーの対抗馬として利用されることで、政治に巻き込まれていきます。そしてこのことが、22才も年下のカラヤンに対する、フルトヴェングラーの激しい嫉妬に繋がりました。

そして、敗戦を迎えるドイツ。非ナチ化が済むまで演奏のできない彼らの代わりに、敗戦直後のベルリンフィルの苦境を救ったのは、チェリビダッケというルーマニア出身の青年でした。しかし厳格すぎる彼の態度はやがて、オーケストラとの間に摩擦を増していき、初めは蜜月関係だったフルトヴェングラーとの間にも、微妙な不協和音が響き始めます。一方、なかなか思うような活動ができないカラヤンも、一歩づつ地歩を固めながら躍進の機会を窺っていました。

1954年、フルトヴェングラーは世を去ります。その後、なぜチェリビダッケでなくカラヤンが、ベルリンフィルを手に入れたのか。さまざまな駆け引きと思惑が錯綜する当時の状況を解きほぐしていくあたりが、この本のクライマックスです。

音楽の評価は主観的で、時に感情的になりがちですが、この本では彼らの奏でた音楽には踏み込まず、その人間ドラマの部分にのみ光を当てます。筆致はあくまでも冷静で、資料にあたった「事実」の部分と、彼らがどう考えたかなどについての推測による部分を明確に分けた記述です。

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2015年07月31日

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ネタバレ

[ 内容 ]
クラシック界最高の名声と金そして権力が集中するベルリン・フィル首席指揮者の座。
ナチス時代、その三代目に君臨する巨匠フルトヴェングラー。
彼は誠実な音楽の僕でありさえすればよかった、比類なき才能と野心をもった青年カラヤンが現れるまでは―。
嫉妬の炎を執拗に燃やし詐略をめぐらす巨匠、巧みに抗うカラヤン、そこに巨匠を慕う無名の田舎音楽家チェリビダッケが加わり、争いはさらに複雑になる。
クラシック黄金時代の美と欲望のドラマ。

[ 目次 ]
第1章 巨匠と失業者―一九三四~三八年
第2章 代理戦争―一九三八年
第3章 陰謀家たち―一九三九~四二年
第4章 黄昏―一九四二~四五年
第5章 第三の男―一九四六~四七年
第6章 駆け引き―一九四八~五〇年
第7章 逆襲―一九五〇~五一年
第8章 王の死とその後継者―一九五二~五五年

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年06月05日

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カラヤンは知ってても、フルトヴェングラーを知らない人も大分増えてきました。チェリビダッケは一部のマニアの中に封じ込められた感があります。
昔、アマデウスという映画の中でサリエリとモーツァルトの2人が折りなす権力と嫉妬のドラマを覚えているでしょうか? これは、3人の巨匠・天才が権力・嫉妬・軽蔑・尊敬・忠誠・猜疑心をもって織りなすドラマです。当時の世相が出ていておもしろいです。意外だったのはフルトヴェングラーの女好き&権力固執ぶりです。
たとえは正確ではありませんが、信長・秀吉・家康の戦国時代を彷彿させるような人間ドラマがあります。音楽版「その時、歴史は動いた」といっても過言じゃありません。

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2009年10月04日

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 カラヤン指揮ベルリン・フィルのCDは、誰もが一枚ぐらい持っているはず。R.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」は私の愛聴版の一つになっている。
 この本はベルリン・フィル四代目の首席指揮者をめぐる抗争の物語である。三代目指揮者として名声を博した巨匠フルトヴェングラーが、その座を脅かす新進気鋭のカラヤンに嫉妬。彼のドイツでの活躍を阻もうと詐略をめぐらす。そこにチェビリダッケも加わり、三角関係の中で政治が繰り広げられる。
 時に権力にすり寄り、時に甘言を弄し、時に裏切り。。。音楽の美しさとは関係のないところで、欲望剥き出しのドラマが展開。

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2009年10月04日

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キレイな音楽の裏にこんなドロドロした嫌な世界があるのかと思うと、あの音楽は何なんだ?という気になる。
政治に利用される芸術、ドイツはさすが音楽…日本は茶の湯があったか…

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2021年07月08日

Posted by ブクログ

少なくとも私の世代のクラシック好きにとって、フルトベングラー、カラヤン、チェリビダッケは大御所中の大御所。知らないものはないだろう。

フルトベングラーは神の様な存在とされるのに対し、カラヤンはステレオと映像時代の寵児、チェリビダッケは仙人(孤高とも言う)として扱われ同じ立ち位置ではなかった様に思う

3者の確執については漏れ聞いていたが、ここまでのものとは知らなかった。著者はあくまでも自身の推測としながらも、何年何月何日に誰がどこにいた事まで調べ上げての推測には説得力がある。

それにしても神とも崇められる硬派(見た目)フルトベングラーが、実は優柔不断で女好きであった事に自分の中で信じたくないような思いがある。

デュトワの様に、見た目と行動に一致感があれば何の抵抗もないんだけれど(デュトワさんごめんなさい!)




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2019年06月12日

Posted by ブクログ

 何気に手にした本である。内容はフルトヴェングラーからカラヤンへと、ベルリンフィルの指揮者交代に関わる裏話的なお話。興味がある人には興味が尽きないのだろう。

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2015年05月11日

Posted by ブクログ

ベルリン・フィルをめぐる物語。
フルトヴェングラーの偉大さ,恐ろしさ
カラヤンの努力,アメリカが与えた運
などがよく分かった。
本書は、あくまで歴史関連本。。


===メモ===
◆ベルリン・フィル指揮者
①1887~ ハンス・フォン・ビューロー
②1895~ アルトゥール・ニキシュ
③1922~ ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
④1955~ ヘルベルト・フォン・カラヤン

◆フルトヴェングラー存命中のベルリン・フィル指揮回数
・セルジュ・チェリビダッケ   400回以上
・ヘルベルト・フォン・カラヤン 10回

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2011年01月10日

Posted by ブクログ

とってもドラマティック!音楽論でなく人間ドラマに徹し、緻密な文を綴った筆者に拍手。
1951.7.29バイロイトの第9。20080208

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

クラシックマニア?のだんなさまのお薦めで読みました。

偉大なる指揮者たちのどろどろしたというかアホくさい物語。
指揮者としてはすごいんだろうけどなぁ・・・(苦笑)。
ただのおじさんたちの勢力争いというか,はぁ。
簡単に読み終わりました。

出てくる人たちが,カラヤンとかフルトヴェンさん,チェリさんなどなど知った名前の大指揮者たちばかりなので読みやすかったです。
これがカタカナばかりの名前の知らない人たちばかりでは読み終えなかったかも?

くだらない感想を書いてファンの皆さん,すみません。

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2009年10月04日

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