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女性作家による、男性が主人公の短編集。
男女の関係を大胆に(セックスの話多め)赤裸々に(セックスの話多め)描く。
サイコサスペンス、ホラーなどの要素が強く、純粋に読み物としての面白さもじゅうぶん。
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「夜の匂い」「僕の愛しい人」「分身」には驚きと寒気がした。
また、どの短篇の中にも性描写が書かれており、生々しさがあったが、最後の「父が帰る日」は何かホッとさせる話であり気持ち良く読み終えることができたので大満足です。
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「私ね、ずっと考えていたの」
「どうせ奥さんになれないのだから」
「あなたの子供になれたらいいのにって」
(口紅/夜の匂い/終の季節/言い分/僕の愛しい人/バス・ストップ/濡れ羽色/分身/父が帰る日)
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短編小説9話。
口紅
夜の匂い
終(つい)の季節
言い分
僕の愛しい人
バス・ストップ
濡れ羽色
分身
父が帰る日
あとがきによると、男性主人公の話とのこと。
読んでいて、言われれば、そうかと気がつくくらい、
女性の視点、唯川恵の視点が明確で気がつかなかった。
初出が、小説新調、週刊朝日、小説工房、小説nonの1996年から2001年にかけたものを集めている。
これらで「ため息の時間」というのがうまいかも。
女性のため息なのか、男性のため息なのか。
女性と男性の両方を捕らえた人間のため息なのか。
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男性目線で描かれている愛し方が少し変わっていた男女の短編集。サクサク読めるからオススメ。
リアリティがあるものもあれば、背筋少し冷たくなる唯川さんホラー?のような作品もある。
最後の男は悔しがり、女は寂しがりの表現は言い得て妙だと思いました。
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男のため息か、女のため息か、悩ましい9編の短編集。
男女のすれ違い、ずれてゆく姿が、どこにでもあるようで、不思議と取り込まれてゆく。
『終の季節』:熟年離婚。「一番父親が必要なときにあなたはいなかった」世の父親にとって、致命的な一言、かな。そう、あの頃は、誰もが、家庭を忘れ寝食を忘れ自分を忘れて会社に尽くしていた。挙句、その結果が、…。リストラした部下の娘の「偽物の方がそれっぽいなんて、…」が、悲しい。失った時間は巻き戻せないか、…。
『僕の愛しい人』:自分の実力を買ってくれる人と、自分を愛してくれる人。経済的自立は、あるいは野望は、…。一昔なら、千晶さんを妾さんにしてチャンチャン。だったのに。
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男性目線で女性を描いた9つの短編。
ただ少し愛し方を間違えただけ。
それぞれの男性主人公の身勝手さに言葉が出ない。話にオチがあり(非現実的だったり)男は痛い目に合う(自業自得的に)。女性のしたたかさが際立っていた。
個性に富んでさくさく読める面白さだった。一時間完結ドラマになりそうな題材だと思った。
裏切り裏切られても、惹かれ合って繰り返すんですよね、それでも…。
(男性ではないので)共感とは違うが、寂寥感に包まれた男性の姿が、身近に居そうでリアルだった。
終の季節、バス・ストップ、分身(このラストは好み)が特に良かった。濡れ羽色のカラスはなんて言ったのだろう。
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「ったく、男ってばよぉ」と男のズルさに嫌気がさすが、「女はやはり、したたかよのぉ」そんな気持ちにさせられる恋愛9短編集。男がぎゃふんと言う話が多いのだが.....好みの話はブリッコ女とサバサバ女の狭間で揺れる『言い分』、ラストに驚いた『分身』、ざまーみろな『バス・ストップ』。『終の季節』と『父が帰る日』は毛色が変わってちょっといい話。どの話も短くてサクサク読み易く、隙間読書には良かった。
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唯川作品では珍しい男性視点の短編集でした。女の怖さ、狡さを知っているからか、出てくる女性がなんだか怖い!男って…と思いながら読むか、女って…と思いながら読むか…。一度で二度も楽しめる本でした。
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「口紅」
入院した余命僅かな妻が口紅を欲しいと言った。
原田は妻が化粧するのを好まなかった。一度だけ妻が薄く化粧した時も、化粧をするなと怒った。
→気付かず失ったものは大きいんだなーと思った。
「夜の匂い」
井沢は地味な女幹子と付き合い始めた。結婚も意識していた。
だが、幹子の友人のまり絵が頻繁に電話をかけてくる。面倒だな、と思っていた井沢だったが、ある日幹子の家にいるとまり絵が来て……。
→赤裸々だなぁと思った。そして結末が意外すぎた。あ、そっち? っていう。まぁこういう話もありじゃないかな。
「終の季節」
リストラにあった杉浦は、それまで家庭を蔑ろにしていたせいでリストラと同時に離婚する。だが、その時に杉浦は娘の友人で援助交際をしている女子高生に電話をした。どうしても、援助交際をやめさせたかった。
→なんか切ないなぁ。いいお話だと思う。
「言い分」
婚約者がいると言うのに同僚の女の子と浮気する洪一。二人の対立する主張に挟まれてしまう。
→優柔不断な男の話かな。それにしても「自分」というものがなくて驚いた。こういう人と付き合うと大変だろうな…。
「僕の愛しい人」
千晶を愛しながらも金持ちの令嬢真帆子と結婚した。結婚しても千晶との関係は続けた。だが千晶は死んでしまった。そこで僕がとった行動は。
→千晶は嬉しくなかっただろうなぁ…いろんな意味で。でも生まれてくる子供は女の子なんだろうと思わされた。
「バス・ストップ」
妻子がいる木島は浮気を続けている。浮気発覚直後は怒っていた妻も、今では模範的な妻だ。だから木島は安心して浮気を重ねていたーー。
→失ってから大切だったと気づくんですね。
「濡れ羽色」
取引先のるみ子と付き合って半年、考次はカラスが好きなるみ子と別れ同じ会社の久美と付き合い始めた。だが、家で戯れている最中にベランダにカラスがやってくる。そして、久美は唐突に家を出て行った。
→るみ子怖いです。あの時のあの台詞はそういうことだったのか〜って。しかもオウムじゃなくてカラスってところがまた怖さを倍増させてます。
「分身」
一回り以上年下の妻を貰った田崎は、パソコンを覚えた妻に暮林という名前でメールを送り始める。最初は返信しなかった妻も、やがて心を開き始めた。そして二人は会うことになり……。
→誰やねん。
ってなった。不思議な話。田崎さん趣味悪いね。
「父が帰る日」
借金をして妻子を捨てていった男。その息子が、自分を捨てた父を引き取ることになった。父は病身の身だった。
→最後にこの話持ってくるのは卑怯だと思う。皆んなで幸せになれたらいいね。きっと、父親を許すことで息子も楽になれると思う。
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読みやすかった。どれもサラッと読めた。
「口紅」「終の季節」「僕の愛しい人」「父の帰る日」が好きだった。
「言い分」は何から何まで告げ口する男にイライラした。あの男は何がしたいのかしら。この男と結婚しても絶対ロクなことにならないにちがいないのに、女2人がこの男に執着するのも意味がわからないって感じ。
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【本の内容】
愛したことが間違いなんじゃない。
ただ少し、愛し方を間違えただけ-。
完璧に家事をこなす妻を裏切り、若い女と浮気する木島。
妻が化粧をするのを許さなかった原田。
婚約寸前の彼女がいるのに社内で二股かけた洪一。
仕事のために取引先の年上女性に近づく孝次…。
裏切られても、傷つけられても、性懲りもなく惹かれあってしまう、恋をせずにいられない男と女のための恋愛小説9篇。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
最近、気になる作家の短編集である。すべて男性を主人公にしている。そして、すべて身勝手な男の話である。世間でありがちな内容がまた興味をそそるし、いらつかせる。中でも、一番いらつかせたのが「言い訳」「僕の愛しい人」だ。一番許せないタイプの男性である。「言い訳」は、二股かけ互いの言い訳を互いに話す卑怯者。「僕の愛しい人」は、自分本位で生き過ぎる者。女流作家が、ここまで嫌な男を描く鋭さに、次の小説も読みたくなる。
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私が好きだったのは『口紅』
旦那さんは奥さんがお化粧をするのが嫌いで、一度すごく怒ったことがあるんだけど、奥さんが病床のときに「口紅が欲しい」ってお願いして買ってきてもらうの。
でも全然使わなかく逝ってしまったのね。
でも実は、それを塗って死んだあと、旦那さんの友達の夢に出てきたお話。
これはね~、すっごい奥が深かったわ~。
なんていうか、奥さんの執念っていうか、旦那さんに対する対抗心っていうか、そういうものが死んでから表れるなんて女って恐ろしいわ~って思うんだけど、こういう旦那は絶対に許せない!!
その次に好きだったのが最後の短編の『父が帰る日』
これはね~、昔、奥さんと息子をおいて出て行ったお父さんが、30年も音信不通だったのに病に倒れて病院から電話がかかってくる。で奥さんにも押され、一週間の一時退院でお父さんを預かることになったのよね。でも或る日、孫のバックパックを漁ってるお父さんを見て息子が怒るの「また、そうやって昔みたいに金を盗むのか!」ってね。で、お父さんは病院に帰しちゃうんだけど、翌日、孫がお財布の中を見たら、くちゃくちゃの千円札が一枚入ってたんだって。
なーんかね、これ読んだときに、すっごい泣けそうになったのよ。泣きたかったの。でも隣りでTIMがうるさかったから泣けなかった。。。
これはね、ほんとじーんとくる話だったわ。
そのほかに7編の短編が入ってて、どれも男目線で書かれた話になってます。
この本、私、かなーり好き!!
5つ★あげたいな~。って思ったんだけど、たまにね「え?これはどういう意味?で、どうなっちゃったの?はっきり書いて~!」ってところが2箇所くらいあったので4つ★かな~?
でも唯川恵さんの作品はこれからもどんどん読んでいきたいと思います。
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男性目線で男女のいざこざをじっくりと描写したものは、これまで読んだことがなく新鮮でした。恋愛においては男性も理不尽で打算的で、自分が振り回しているようで振り回されていて、そこに男女の差はあるようでないような。物事をあまりに都合よく捉え後に苦労する様には、誰もがもつ弱さが垣間見え、くすりと笑いながらも少し心が痛むように思いました。
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男目線の女の話。あまりこのタイプの短編集は読んだことがなかったから、新鮮で面白かった。
半分が男が浮気をし、女が出ていくと言う展開だったが男側の性格がどの話も面白く呆れるような人が多かった。
「バスストップの木島の性格はもはやあっぱれだ。今どきこんな人はいないだろうが、杏子の復讐は立派なものだと思った。だが、妻と娘に逃げられ何もなくなった男たちを見るのは辛かった。
「僕の愛しい人」は少しテイストが違って面白かった。ホラー要素も入っており、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからない。主人公は千晶を殺して食べたと言うことなのだろうか?これなら、殺してみつかりようがないから捕まらないのか?
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サラサラ読めて良かった。
女性が書く男性目線の恋愛小ホラー短編集。
どの男もいい感じにだらしないのは女性が書いてるからなのだろうか。
女性が怖い話もあったけど、不思議な感じで怖いみたいなものが大半なので好みだった。
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愛したことが間違いなんじゃない。ただ少し、愛し方を間違えただけー。
この一言に尽きると思います。
いろんな男女の恋愛(一部家族愛?)の形があるんだなぁって。
男性目線で書かれてるのもあってか、短編集だし読みやすかった。
他の人も書いてるけど、やっぱ男の人ってバカだねー。
「夜の匂い」なんて、気づくでしょ!ってこころの中で突っ込みながら読んでました。笑
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いつかヤルヤルと思っていたけどついにヤっちまいました。
持ってる本、買っちゃった
一つ目のお話読み始めて「あれ?知ってるぞ」から始まり「まさか~」を通り過ぎ「あ~やっぱり」で終わり。
まぁ、私が選んで買うんだから同じ本買っちゃうのもあると思ってたんだぁ。
さて、気をとりなおしてこの本。
これ、面白いです。短篇集なんですが、どれも面白い。
ちょっと怖いお話もありますが・・・。
スラスラ読めます。
どの作品も男性が主人公で書かれています。
不器用な男性から、情けない男性まで(笑)
私が好きなのは「バス・ストップ」かなぁ。女性の立場からしてスキっとしちゃう。
「分身」は不思議な話だけど何か・・・ありそうな気もしたりなんかして・・・
主人公の男性が少し可哀相だったな。
最後に、これが言いたい。
カラスが喋った言葉は「殺される」だべ?
いや、しかし男って勝手。
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発売当時、購入した本屋で唯川先生が「男」を描く、がPOPのチャッチコピーでした。
「男はいつも女にしてやられる」
この言葉は流石!唯川先生!と云いたくなりました(笑)
あと「妻はもう妻でしかない」
よく世間で云われる、「妻はもう女じゃない」と云う男性の気持ちが理解できた気がします。
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以前、読んだかもしれない。
架空のメル友に化けた夫が一回り以上年下の妻にモーションをかける話。聞いたことがあった。
男性視点の女性を描く、というコンセプト。ファンタジーものもあり、サスペンスもの?(笑)もあり、面白かった。
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恋愛を男性視線から書かれていることに少々戸惑った。これを女性が書いているとはとても思えなかったからだ。滑稽でズルい男が多い。女は取り替えるもので、読んでいて時々イラっとする事もあるくらいだ。それほどにリアルに書かれているのは、これを読んだ男性が感じる事だろう。そして痛い目に合うのも男性というとこがちょっといい。
私が一番気に入ったのは、恋愛話ではなくラストに載っていた短いストーリーの「父が帰る日」だ。人間の憎悪を時系列で見た時、主人公でなくとも同じ対応をしてしまうだろう。でも、人は変われるということがやわらかくふんわりと落ちてきた。全て許すとかじゃなくても、小さなことからでも許せたらいいなと感じた。
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すべて男性目線から書かれた恋愛短篇集。どれも話の前半はよくある日常風景や心の動きなんだけど、中盤から面白くなってくる。最後には必ずどの作品も心にくるものがありました。お気に入りは「終の季節」。この人の他の作品も読みたくなりました。
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女性作家の描く、男主人公の話が実は好きです。
男を鼻につくように美化しないから(比べるのは失礼だけど、高村薫作品の男性はいい意味での美化だと思う)。
結末は予想がつくものばかりで、男たちは身勝手で情けなくて腹がたつけど滑稽で思わず笑みがこぼれます。
巻き込まれる女はたまったものじゃないけど、所詮他人事だしね。
恋愛小説というより、ホラー寄りの復讐譚な話が多い気がします。
昭和な感覚の男ばかりだから、大分昔の作品だと思ったけど出版されたはつい最近でした。
できれば今どきの男を出してほしかったけど、唯川さんの年代を考えると無茶かしら…。
それでも女は美しく淑やかな振りして、男を踏み台にするというのは今も昔も変わらないよな。
Posted by ブクログ
そんなに唯川さん詳しくないけど、男性目線なのが新鮮だった気がする。
消化不良の話も多いけど、私は消化不良結構好き。
もやっとしてるその感情が欲しくて短編集を読むくらい。
ため息つくけど、いやなため息じゃない。