【感想・ネタバレ】1ドル50円時代を生き抜く日本経済のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

何とも冴えない日本経済も資産ストックの観点から見れば、まだまだ安定感がある。何と言っても世界の中では押しも押されもせぬ債権大国。世界を振り回した円は、基軸通貨とまではいかないまでも闇将軍的な意味合いにおいて、疑似基軸通貨といってもよい影響力を行使した。円高は日本経済が成熟してきた結果であり、当然の帰結である。この円高環境に日本経済の構造を適合させていくことこそが賢明な生き方である。ところが、日本はプラザ合意を契機に通貨的太平の眠りから目を覚ますべきであったにもかかわらず、金融大緩和という強力な眠り薬を自らに投与することにより目覚めることを拒否してしまった。これがため、新型デフレという高いツケを払わされる羽目にまで陥ってしまった。先進成熟経済大国となっている日本が高度成長と同じ集権的管理のメカニズムで回しているのだ。古い枠組みで新しい展開に対応しようとしてもミスマッチがある限り次の新天地にはどうしようも辿り着けない。パックス誰それの時代は終わっており、今やグローバル無極化通貨時代。行き詰ったときは、これまでの状況と全く逆のイメージで考える正反対アプローチが肝要。産業空洞化問題が重くのしかかる日本経済の重圧をはねのけるには、去る者追わず来る者拒まずの愛嬌と度胸の心意気が欠かせない。切れ味鋭い巧みなレトリックで著者は円高こそ変革のチャンスと訴える。具体的提言にまでは至っていないものの、示唆に富んだ警句が随所にちりばめられており、学ぶべき点、多々あり非常に勉強になった。

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2012年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

―――「ドル安」の条件はかなり以前から整っていた、けれど世界中がドル安を認めないまま、今まで来た。理由は各国それぞれに違うものの、ドル安になっては困るという国々が、ドルが下がらないよう維持してきたからだ―――
なるほど、腑に落ちました。

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2011年08月02日

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