【感想・ネタバレ】超常現象をなぜ信じるのか 思い込みを生む「体験」のあやうさのレビュー

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Posted by ブクログ

人の認知機能にはバイアスがあり、誤りを起こすようにできている。このことに意識的でないと、正常な判断ができないので注意すべきである。当然、ビジネスの場でも気をつけなければならない。
この原因は、省エネルギーの認知情報処理をしているためで、人の能力が低いからではない。同様の誤りは、自分自身が体験、記憶したことにも起こる。さらに、自分の予期に合致するような情報が選択的に知覚されるバイアスがかかり、認知が歪められる。
これを防ぐためには、自分の見つめる上位のメタ視点を持つことが大事であり、自分と反対の視点に立ち、4分割表などで確率を論理的に議論すべきである。

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2019年10月30日

Posted by ブクログ

良書。この一言につきる。
唯一気に入らないのは、なぜこんなタイトルにしたんだろうってこと。
これだと超常現象に興味のある人しか手に取らないと思うなあ。
内容はもっと広い範囲をカバーしてて、いわゆる「クリティカルシンキング」の基礎的な態度や技術が、平易な記述で語られている。
そうだなあ。大学1年生くらいの人たちが、ちゃんと考えるための教科書として精読するのに、最適の本だと思う。

それにしても、ここ数年で
「こんなことが脳科学的に明らかになりました!」
と叫ばれてきたもののほとんどが、ずっと前に「心理学的に明らか」になっているのだなあと感慨。
「脳科学」の権威を相対化するにもよい本なのかもしれないなあ、と思う。

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2012年11月25日

Posted by ブクログ

健康食品などの代替医療を盲信してしまう患者さんの心理が何となく理解できた。

さらに、そのような患者さんへのアプローチ法のヒントも得られたような気がする。

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2012年08月06日

Posted by ブクログ

人間が陥りがちな様々なバイアスが分かる本。
こういうのを知っておくだけでも、胡散臭いものに騙されにくくなる。

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2011年11月02日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
UFO、虫の知らせ、星占い…。
科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。
しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない!
超常現象の実在を信じてしまうのは、人の思考システムの本質がかかわっている。

[ 目次 ]
第1章 「信じる心」はどこから生まれるのか?
第2章 「自分の目で見たもの」は信じてよいのか?
第3章 体験していないことをなぜ「体験」できるのか?
第4章 その考え方は正しいのだろうか?
第5章 それは本当に「めったにないこと」なのか?
第6章 「信じる心」を生む「体験」のあやうさ

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年05月21日

Posted by ブクログ

内容がとにかく面白い!!認知心理学的な観点から、様々な生活の中での“体験のあやうさ”を検証していきます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

認知心理学の紹介。
百聞は一見に如かずは、間違えることがある。
菊池聡と谷岡一郎は、誰もが読むべき一冊だと思う。

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2016年05月22日

Posted by ブクログ

UFO、心霊現象、血液型性格診断、予知夢(虫の知らせ)。そういう、オカルト・疑似科学的な現象をひっくるめて、ここでは「不思議現象」と呼ぶ。本書で繰り返し述べられていることであるが、著者は、こういった不思議現象の存在を否定しているのではない。その可能性を否定することは、原理的にできない。そのため、不思議現象について議論しようとすると、たいてい水掛け論に陥る。

不思議現象が科学的に認められない訳は、それが科学的知識に反しているからではない。そうではなく、信頼性と妥当性が欠けているからである。(信頼性と妥当性が何か分からない人は、本書を読んで欲しい。)まずはそのことを認めた上で、では、人々はなぜ不思議現象を信じるのかを考えましょう、というのが本書のスタンスである。

「信じる心」がなぜ生まれるのか?それは、一言で言えば、「認知のバイアス」によるものである。本書では、認知のプロセスを「知覚」「記憶」「思考」に分け、各段階で起きるバイアスがどのようにして誤った信念を生みだすかを分析している。

人は、自分が体験したことは、一番信頼できると思っている。ところが、ヒトの知覚システムは、しばしば誤りを犯すようにできているのだ。実在しないUFOや心霊現象が「見える」のは、多くの場合、単純に「知覚のエラー」(見間違え)によって説明できる。また、体験していないことを体験したかのように思い込むことがよくある(「記憶のエラー」)。誘導尋問が可能であることが示すように、記憶は容易に変容されうる。目撃者の証言なんか、あてにならないのだ。そのことを示す、数多くの心理学的な実験がある。

3番目は、思考の段階で入り込む「確証バイアス」である。周りを見渡してみれば、なるほど「A型で几帳面」な人を何人も挙げることができる。そのため、血液型性格診断(や、すべての占いの類)は当たるような気がする。しかしそれでは、「A型」と「几帳面」の間の関連性を示したことにはならない。実際には、「A型だけど几帳面ではない」「A型じゃないけど几帳面」「A型じゃなくて几帳面でない」の数も調べなければならない。要は、統計学を勉強しなさいということだ。ただ、この確証バイアスに関しては、統計学的な思考法を身につければ防ぐことができる。それに対し、知覚と記憶のエラーはヒトの生理的システムに依存するため、避けることは難しい。

本書は平易な日本語で書かれており、とても読み易い。1998年の出版だからもう15年も前になるが、古さを感じさせない。この手の本としては、かなりのロングセラーと言える。

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2013年02月10日

Posted by ブクログ

▼100文字感想▼

自分の考えることなんてホントに疑わしいものだと
知った。結局、自分の体験が強力に記憶にこびり
ついてるんですね。さらに、自分が目で見たことや、
過去の思い出さえも疑わしいという事実に驚いた。

相手の意見を受け入れられずに悩むあなたへ!


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▼3つの共感ポイント▼ 

■人はそれぞれ「自分の見たいと思っているように
 ものを見る」知覚システムを備えているのです
 (P54)

■なんとなく気になるという気持ちから物事を見ると、
 そこに確証バイアスが働き、やがて強力な信念
 さえも生み出すこともあるのです(P129)

■過ちを犯しやすい自分自身の認知を謙虚に知る
 ことこそ、人生や社会のさまざまな問題に立ち
 向かう際の基本ではないでしょうか(P206)

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2010年03月09日

Posted by ブクログ

気功やヒーリングなどの世界から学ぶところは多い。だが、まずこの本を読んで、思考を他人に預けずに学びたいところ。

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2010年01月11日

Posted by ブクログ

得体の知れない団体に誘われたときにこの本を読んでておかしさに気づきました。

・人は体験(非化学、偶然の一致も)から信じる心が生まれる
・判断する際に、何が事実で何がカンにすぎないか分類
・確率的なものの見方(可能性を評価)
・懐疑的に情報を見る目(クリティカルな目)

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2011年04月19日

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