感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2013年06月02日
当然のように変なことが起きる、誰もそれを気にしない、そんな黄金町の物語。失業して旦那とも微妙な関係の青奈と、彼女に仕事をくれた千ちゃん、その恋人のダイヤ。それぞれの微妙な感情を不思議な町を通して描いた、大人のファンタジー。
Posted by ブクログ 2013年02月04日
現実と変な世界が不思議と溶け、混ざり合っている物語。
その2つの混ざり具合、その引き合いの出し方がすごく優しくて心地いい。
妙な景色に出会っても、なんの違和感もなく「ずっとそうだった」と自然に受け入れているその感覚が、不思議な浮揚感を醸し出している。
不思議な町で、妙な人たちと暮らすなかで得る、ふわ...続きを読むふわして大事なナニカ。
読み終えても、なんだかふわふわしてます。
Posted by ブクログ 2013年08月21日
一文が驚くほど長い作家。仕事柄、単文で句読点を打ちたくなってしまうので、読んでいて最初はめげそうだった。でも、負けてなるものかと読み進めていったら、ファンタジーというにはちょっと毒気があって少し考えさせられたりもした。
まぁ、最後まで高橋さんの文章にはあまり馴染めなかったんだけど…。
Posted by ブクログ 2013年06月12日
しゃべるオパールの指輪、破壊的なあーちゃん、元あーちゃんだった千ちゃんとダイヤなど青菜と那津男夫婦の周りに起こるあれこれが、のほほんとしていて不思議な世界を創っている。
Posted by ブクログ 2013年05月04日
仕事を辞め、夫と一緒に新しい町に引っ越してきた青奈の日常を
ゆるゆると描いた本なのですが
面白いのは、普通の描写の中に時折顔を出す、不思議な数行。
たとえば。。。
初詣の帰り道、突如として現れ、いたずら坊主を投げ飛ばす閻魔様。
筆を振り回して通りがかりの人にペンキを塗りたくる、アーちゃんという子ど...続きを読むも。
(しかも、アーちゃんは歴代何人もいるらしい)
民家の屋根の上で、蛇をむしゃむしゃ食べているシャチホコ。
指にはめると喋り出し、持ち主にアドバイスまでする指輪、おしゃべりオパール。
公園の池に浮かぶ蓮の花がひらくたび、毎日姿を現すちいさなお釈迦様。
黄金町に住む人々がなんてことはない日常として受け入れている
こんな摩訶不思議なできごとに、「ほうほう、そういうものなのね」とばかりに
青奈も夫の那津男も、実にあっさり馴染んでしまうのです。
黄金寺に捨てられて、寺で育てられ、町で乱暴狼藉をはたらいても
町の人になんとなく許され、13歳になるとその身分(?)を卒業するという
歴代のアーちゃんたち。
心の中に積った汚いものをアーちゃんという生け贄に投影して
みてみぬふりをして過ごしている町の人たちは
いつまでも成長しないコドモの部分を抱えながら
大人として偉そうに過ごしている自分を見るようで、なにやらほろ苦くて。
密かに不妊に悩む青奈も、崩壊しかけた熊のぬいぐるみを溺愛する那津男も
女性に見境のない、青奈の雇い主の千ちゃんも
アーちゃんなしでも自分の汚さに向き合って、浄化できる日のために
魔法の巣のような黄金町で、自分を包む卵の殻を
内側からコツコツと、たよりない嘴でつっついているのですね。
不思議な味わいの物語です。
Posted by ブクログ 2013年03月22日
すばる文学賞受賞作。
不思議な事が起こる黄金町に引っ越してきた青奈夫婦。
この町では初詣には閻魔様を詣で、民家の屋根ではしゃちこほこが動いている。
そして謎の存在、アーちゃん。
そんな町のそこここに存在する不思議を当たり前の日常として受け入れている風変わりな住人達との日常が、妻目線で描かれています。...続きを読む
この妻の語り口が軽妙で味わいがあり、非現実な中にも妙に生々しさのある部分を上手く中和している感じがします。
読後もなんだかふわふわした余韻が残ります。
おしゃべりオパール、欲しいかも(笑)