【感想・ネタバレ】シューマンの指のレビュー

「シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――」
2011年本屋大賞5位にランクインした音楽ミステリー小説『シューマンの指』。
この作品をオススメしたい理由は、なんといっても作者の圧倒的な描写力!!私はシューマンの曲を全く知らなかったのですが、読んでいるうちになぜか頭の中でシューマンの音楽が鳴り出したのです!
音楽小説にして極上の青春ミステリーである本作は、魅力的なキャラクターたちのストーリーを楽しみながら同時に音楽の知識も身に付くという、一粒で二度おいしい作品です。
ミステリーファンだけでなくクラシックファンの中でも話題騒然となった本作。面白くてほかにはない小説を探している方は、ぜひご一読ください。読み終えたあと、シューマンの曲を聴きたくなること間違いなしです!(私は我慢できず読んでいる最中にCDを購入しました…)

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Posted by ブクログ

これ好みです。とっても面白かった。「イデアとしての音楽があれば実際の演奏には何の意味もないんだ」とする主人公の言にはまったく賛成できないけど。
で、読み終えてから気づいた。この作品って読者を選ぶよね。シューマンの作品に触れていない人には楽しめないのかもしれない。『死神の棋譜』を読んだ時辛かったのは、こちらの将棋に対するリテラシーが低かったからに違いなく、それと同じことが今回はシューマンなわけだ。うーん、こういう書き方もありの時代になったってことなのかな。

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2021年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クラシック音楽専門書かと見紛う程、その詳細な内容の充実度に圧倒されるばかり。専門とする私には至極面白いし勉強になるしついて行けるけれど、全く専門外の人の中には小説の芯を見失う可能性もあるかもしれない。もちろん専門としなくとも十分丁寧かつ鋭敏に繰り広げられる物語はすべての人の心を離さないと思う。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シューマンに対する知見が全くない僕でも、一種のシューマン論評を読んでるかのように魅力的な音楽性、フラジールな人物像を学んでいるという感覚。前半は特に。
これはミステリーになりうるのか?と思ったら急に殺人事件。後半はあれよあれよと畳み掛ける展開で一気に読み進めてしまった。

それでも音楽を文字で表現するときの幻想的形而上的言葉の紡ぎ方が心にじわっと染み込む感覚が好き。後、言葉のチョイスも深遠で幅広くて、比喩表現も巧みで好みな文章だった。

総じてストーリーとしてはどんでん返し系。こんだけ語り尽くした物語がまさか。。。って驚きは初めてでやられた!というか推理はもう諦めてた!

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2019年03月16日

Posted by ブクログ

天才ピアニスト少年、永嶺修人。右手の指を失ったはずの彼が30年後、再びピアノを弾いたと伝え聞いた語り手。再生した指の謎。そこからの語り手による高校時代の回想は、修人とのシューマン談義が延々と続き、正直、読むのが大変だった。後半、語り手の高校卒業の日の殺人事件から話は動く。全ての謎は語り手が閉じ込めてきた記憶が手記という形で蘇ってきた。受験でピアノを弾くシーン、語り手だけが修人のピアノや文章を通じて微妙な変化を感じたりするところがゾクゾクした。衝撃のラストの後のさらなる衝撃。そしてさらに…最後の最後までおもしろかった。歪んだ世界感が印象に残った。

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2018年02月01日

Posted by ブクログ

シューマン大好きの私にはすごく楽しんで読めました。

結末にはちょっとびっくりというか、そんなオチもありなのか…と思いましたが、個人的には好きです。

もう一度ピアノを、特にシューマンを弾きたくなりました。

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2015年06月07日

Posted by ブクログ

「ノヴァーリスの引用」以来、奥泉光の作品を読み続けてきた。ミステリー仕立てではあるけれど、ミステリーとして読んでしまうととても平凡な作品と感じてしまうだろうと思う。けれど、芸術というものの本質の追求がテーマである作品として読んだらどうだろうか。僕はこのミステリー仕立てそのものが、芸術の本質に迫ろうとした人間の限界のようなものを表現しているのではないかと思えてならない。

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2014年06月14日

Posted by 読むコレ

奥泉光天才!!

映画のような内容ではありますが、小説ならではの描写で何度も何度もどんでん返しが起こります。
あっという間に物語の渦に飲み込まれてしまう。
音楽に詳しい人ならもっと楽しめそう。
もっとたくさんの人に読んでほしい!

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2013年08月12日

Posted by ブクログ

最後の数ページの衝撃が凄かった…
音楽のこと、シューマンのことをかなり知っていないと楽しんで読めないかもしれない
私の友達は途中で断念していた

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2023年04月10日

Posted by ブクログ

この作家の本は初めて読んだが、面白かった。

シューマンの楽曲に関するいろいろ(うんちく)はほぼ飛ばし読みではあったが、ついついつられて音楽を探して聴いてしまった。あー、この曲もこの曲もシューマンだったのかと音楽に疎い私は恥ずかしくなりました。
完成された音楽を演奏するというのは、完全なものの一部だけが外に滲みててくるもの、みたいな感覚はなるほどなあと思った。ピアニスト(演奏者)は音楽への奉仕者、とか、音楽をやったことのない人間にはよくわからない世界である。私は楽譜も読めないし(ピアノはやってたけど、書いてあることを鍵盤に投影して音を出すという作業ができなかった。ほんとうに下手くそだった)頭の中で音楽が鳴ることもないで、よくわからないが・・・。

ぐいぐい読ませるストーリー展開だったが、途中で「風と樹の歌」か??という展開にまでいき、びっくりしつつ、最後で「はー、やっぱりそうきたか」というところで落ち着いた。だいたい、なくなった指が再生するなんてことは不可能だしな・・・。

文庫の装丁が素敵。血がついてたの、最後まで気がつかなかったけど、最後まで読むと、内容にぴったりの装丁。

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2022年07月11日

Posted by ブクログ

修人について語るときの、静謐でいて幻想的なレトリックが良い。その中でも、とくに魚を使った比喩が多い気がした。何かが表出するとき、水の中で泳ぐ魚が水面に向かって浮かび上がるイメージを通して表現されている箇所がいくつかあった。本作ではシューマン論に限らず音楽ついて語られることが多いが、作者にとって、音楽と魚の動きには似ていると感じる部分があるのかもしれない。と思った。

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2020年08月21日

Posted by ブクログ

初奥泉作品。恩田陸の音楽モノを読んだ後ってことで、このタイミングで読んでみることにしました。純文学作家が書いたミステリ、っていう認識で読み始めて、途中までは”いやいや、普通に純文学やん”って思いながら頁を繰ってました。まああながち間違いでなく、実際三分の二くらいまでは、シューマンを軸にした音楽論みたいのが繰り広げられています。残りの三分の一で、指の謎が次第に解き明かされるんだけど、それに関しては『まあそんな感じですか』くらい。最終的には、それなりに楽しめました。

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2017年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかったー。とりあえず通り一遍にしかシューマン聞いてなかったので、改めて聞こう。
ラスト近く、かなり耽美~な、てかBLつかジュネ?な展開で、あれま!と驚いたw いや、まあアリですが。
他の方のレビュー読んだらわりと不評が多いのですな。うーん。音楽については、興味はあってもさっぱり詳しくない私に特に違和感なかったんだけど。ミステリーについては、ぶっちゃけこれまで読んだ中でうなるようなうまいのて、ごくごくめったにしかないからw 別にこれが批判に値するとは思わなんだ。

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2017年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

音大をめざす高校生が主人公。
結局音楽の道に進まなかった現在、過去を振り返って語る。
昨年の夏に読んだ『船に乗れ!』と同じ構造。

しかし、目には見えない音楽を目に見えるように、本からは聞こえない音楽を聴こえるように、感覚としてわかるような描写が魅力だった『船に乗れ!』とは違い、楽典の講義を受けているような(受けたことないけど)論理と言葉で音楽を語るこの作品は、読んでいて大変疲れました。

物語半ばに殺人事件の被害者が突然出現したけれど、だからと言ってミステリに引っ張られることもなく、音楽を軸に結ばれた仲間たちの話は淡々と続く。

残り50ページから殺人事件の真相を暴くことに筆が向かったように見えるけれど、やっぱりあくまでも主眼は音楽なんだと思う。
作者が書きたかったのは音楽家としてのシューマンであり、自我の分裂に悩む人間としてのシューマンだったのではないか。

そう思いながら解説を読むと、この読み方はまんざら外れてはいないらしい。

とはいえ、ミステリとしての体裁をとっている以上、ネタバレになりかねないことは書けないので、これ以上書くことはないんだなあ。
クラシック音楽、特にシューマンに興味のある人は読んだ方がいいと思うけど、ミステリと思って読んだらちょっと肩透かしかも。

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2017年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初奥泉。ミステリィとして読み始めたから、最初は読むのが苦痛でした。。特に魅力的な(?)事件も起きず、全く判らない音楽談義(主にシューマン)が永遠と続き・・とても退屈で、よく挫折しなかったものだ。しかし、徐々にではあるが面白く感じられるようになった。そして最後には『マジかっ!?』と、拍手を送りたい。帯に偽りなし!ホント純文学にして傑作ミステリィでした。

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2016年05月12日

Posted by ブクログ

冒頭の鹿内堅一郎から里橋優への手紙の謎が、最後の里橋の妹宮沢恵子から吾妻豊彦への手紙で見事に解き明かされるという、特異な構成の物語だが、Youtubeで出てくる曲を楽しみながら読んだ.優の手記が淡々と展開する中で、何故か腑に落ちない部分がずっとつきまとうが、最後のどんでん返しが秀逸だ.

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2015年06月30日

Posted by ブクログ

なんだか不思議なお話でした。

前半部分は、クラシックに疎い私にとっては、全くピンとこない内容だった。クラシック好きな人だったら、面白いんだろうなぁ、と思いながらなんとか読み進めた。

それが、殺人事件が起こり、一気にミステリーへ。シューマンの調べを底に響かせて、思いもよらないクライマックスへ。
こからさらに、主人公の妹の手紙によって、世界はガラリと様相を変える。
前半部分にも、たくさん伏線があったんだなぁ。確かに読みながら、違和感を覚えるきじゅつはたくさんあった。

誰かの目線で語られる世界と、他の者からみた世界が、こんなにも違うなんて。
音楽は目に見えないけど、確かにそこに存在する。世の中で、目に見えているものの、なんと限られたことか。

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2015年03月28日

Posted by ブクログ

クラシックの楽曲や演奏に対する詩的な賛美表現や
作曲家の薀蓄がページの大部分を占めており、
読中受ける感じとしては、ミステリー小説を読んでいるというより
クラシック名曲ガイドの類を読んでいるのに近い。

物語的な起伏もそれほどなく、
事件といえば高校で起こった殺人事件くらい。

終盤になって、物語が急転直下を告げて
物語の土台がひっくり返る様はなかなかに見ものだが
それを良しとするかついていけない感じを受けるかで
評価が変わってくる一冊だと思う。

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2014年10月14日

Posted by ブクログ

奥泉作品は、面白いものと「なんだかよくわからない」ものがある。
この作品はかなり面白い。
ラストのどんでん返しが効いていて、「ええっ?」と読み返す羽目になった。
ミステリとしては感心したし、シューマンに対する愛情(たぶん、作者の)が噴出していて、凄みのある作品だと思う。
が、好きではない。

余計な部分が多くて冗長にすぎるわけではないのだが、それほどシューマンやピアノに関心がないので、「このあたり、読むのが面倒だなあ」と思う部分が結構あった。
骨子となるストーリーがあって、肉付けがある。
ストーリー展開や人物造形、文体などが気に入っても、肉付けの部分を愉しめないと「好き」とは言えないのだな。
シューマン、音楽に対する深く強い思いを感じたけれど、それが鬱陶しくもあった。

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2014年02月21日

Posted by ブクログ

小中の音楽の授業ってなんであんなにつまらないのでしょう?
漫画や映画や小説で取り上げられる音楽家達は皆さん個性的で興味深く、その音楽にもついつい聴き入ってしまいます。
今回はシューマンについて詳しくなりました。ありがとうございます。

でも残念ながら小説としては星3つかな。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印象的には昭和の文学のような地の文の雰囲気がある。
ご友人のピアニストの方の協力もあったからか
かなりの分量が挟み込まれている音楽談義が
非常に重く、クラシック音楽を知らない人には特に難解で
その割にミステリ要素の部分には意外とそこまで
関わってこない。
シューマンの人となりが主なポイントになってくると思う。
元々ある程度の知識がある方、ピアノを習っていたことがあるとかシューマンが好きであるとか
そういった方はかなり楽しめるのではなかろうか。

このシューマンに関する記述が出典があるのか
オリジナルの創作なのか疑問に思う部分があった。
ソースを検索してみたが見つけられなかった。


ネタバレになるが
まず殺人が起こるタイミングがかなり遅めであり
長々と主人公の語りが続く点、
主人公の名前が中々明かされない点から
修人がシューマンからくる実在しない人間オチだったら嫌だな、まるでオヤジギャグなネーミングだし
と途中で思ってしまったもので
まさかその通りの展開になってしまってがっかりした。

実は主人公が書いた小説である、といったパターンかなと思っていたのだが
幻想、狂気、というオチはミステリとしては残念。
だったらなんでもありではないかと思ってしまう。
手記の中で本人の告白があったが実はこうで、という
ネタバラシかと思いきや
更に妹の手紙という回答編は唐突感もあったし
怒涛の展開、どんでん返しというよりは
すぐに覆されて冷めてしまった。

殺人事件自体も唐突な印象だし
トリックや動機を予想しながら楽しむような描写ではないので、自分の好きなミステリとは違ったようだ。

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2021年08月02日

Posted by ブクログ

音楽、耽美、ミステリー。うむー欲張り。
クラシックは別に嫌いではありません。ただ聞く機会を持たないだけで有ります。
指を呪術で復活させた天才ピアニストの話からスタートするので、どうなるの?と先行きを危ぶみましたが、ちゃんとミステリーだし、歪んだ青春もきらりと光るし、登場人物もしっかり妖しい。
ミステリーとしての制度よりも、全体に漂う雰囲気を評価したい。

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2021年03月22日

Posted by ブクログ

普段読んでいるミステリ小説の感覚で入っては退屈になるかもしれません。こういう表現や文体が純文学なのかなと思いますが、華美な比喩表現や調べないと分からない言葉が多々あり、ついていくのでいっぱいいっぱいになってしまいました。
途中、永峯修人が夜の音楽室でピアノを弾くシーンでは、シューマンの音楽が聴きたくなったので読むのをやめYouTubeにアクセス。本に戻った直後、女性の悲鳴が聞こえてくるというミステリ要素が出てきます。ここまでで全ページの半分を費やしてます。

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

芥川賞を獲った「純文学」の作家が、ミステリに転向した、なんて騒がれた作品だったような。
正直、ミステリーは苦手で、その楽しみ方もいまひとつわかっていない。
同じ事件についての解釈が何通りも語られていくのだけれど、結局、最後に出てくるのが「正解」でいいの?と当惑しているありさまだ。
だから、というわけでもないけれど、この作品は文体を楽しむ作品だ、と思って読んだ。

主人公、里橋優の高校時代の友人堅一郎が優に宛てた手紙、優自身の手記、そして最後は優の妹恵子が、優の高校時代の美術教師吾妻先生に宛てた手紙で構成される。

謎めいた美少年で、天才ピアニストである長嶺修人に導かれ、音楽の道に進んだ優の手記は、錯綜していて、追いかけるだけでも大変だ。

優が修人を追いかけてシューマンの生涯と音楽に迫っていく部分は、精緻な文体で音楽学の研究書を読んでいるかのよう。
しかもそれが、彼らが高校生だった時に起きた女生徒殺人事件にも関わっている。
犯人は誰か、優はなぜ音楽の道を捨てたのか、指のけがでピアノが弾けなくなったはずの修人がなぜツヴィカウでコンチェルトを弾いていたのか、そして今になってなぜ優は自らの指を切って失踪したのか。

「音楽はいつも、そこに、完全な形で存在するのに、どうして不完全な演奏で汚さなければいけないのか?」という修人の音楽観に、服従的な立場に居続けた優が、それを乗り越えていくところが感動的だった。
音楽は完全な形で存在するのだから、不完全な演奏であっても壊れるはずがない、と。

それにしても、何かこの作品、道具立てが萩尾望都の漫画とか、『ガラスの仮面』とか、昔のドラマや少女漫画の世界に近い匂いがする気がする。
デモーニッシュなものへの憧れとか、そういう類のもの。
不思議な読後感がある。

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2020年03月01日

Posted by ブクログ

ミステリというより純文学?丁寧で繊細で美しい文だった。表現の仕方が好き。緩やかに繰り返し語られ日々の思い出も不穏さも、音楽に詳しくないからこそ魅力的に思えたし想いを馳せながら曲を聴いた。

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2019年11月17日

購入済み

作者のことは、知らなかったのですが、雑誌読んでたら、湊かなえさんが、奥泉さんの本が好きだと、書いてあったので、読んでみましたが、さほど期待したミステリー感はなく、音楽も得意でないので、感動はなかったかなー

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2018年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やれやれ。すごい小説だとは思うものの、いろいろ性に合わなかった。シューマンの音楽の描写や、音楽の演奏についての考え方、BL展開...。私もシューマン好きなんだけど。

一点、殺人の夜に、音楽室でピアノが魅惑的に弾かれるシーンが魅力か、、

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2017年05月11日

Posted by ブクログ

読んでいるときの違和感が あ〜〜そーゆーことねぇぇぇ!!と結末で回収されたのはよいのだけど、要するに思ってたのと違うからこその違和感だったわけですね。
主題となるであろう 幻想的な晩の映像が怪しく美しく脳裏に思い描かれる。

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2017年04月14日

Posted by ブクログ

クラシック音楽、とくにシューマンに関する記述がとても多い。
シューマンを語るために書かれた物語といってもいいくらいだ。
多くの参考文献を読み込み、吟味し、そのうえで書かれたものだろうと察せられる。
音楽は必ずしも「音」にならなくてもよいのだ。
修人が繰り返し述べる音楽論が、彼が持つ独特な価値観や性質として強い印象を残す。
好みが分かれる物語かもしれないけれど、興味深く読むことができた。
高校時代に起きた女子高生の殺人事件を追うミステリーとしても、音楽に造詣が深い物語としても、楽しめる一冊ではないだろうか。

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2017年02月17日

Posted by ブクログ

 音大を目指していた主人公。彼の通う高校に、天才ピアニストと名高い少年が入学してきた。
 
 少年は指が切断されたのに、のちに海外でピアノを弾いていたという話から始まって、女子高校生がプールで殺されたりなので、ミステリーのカテゴリーにはいってるみたいだけど、実際には「シューマン論」だった。
 うん。「シューマン論」としては、ものすごく面白かった。

 で、入れ子の入れ子みたいなことなのだけど…。
 
 どこまでを曖昧模糊にするかっていうのが、微妙。
 つか、これを<ミステリー>にカテゴライズしないといけない、曖昧のままでおいてはおけない、というのがむしろに今の出版業界の苦悩が感じられるのだが…。

 ともあれ、こういう類のもので、良作である証拠は読後<聞きたくなる>ということだと思う。
 
 で、めっちゃ聞いた。
 でもって、やっぱりピアノソナタ第2番、以外はあんまり好きじゃない。
 ごめんね、シューマンww

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2016年07月15日

Posted by ブクログ

なんとも不思議な。最後まで読んで、やられたーと思う。 
延々と音楽史だか音楽論だかが続く。全く音楽に疎い私は正直飽きた。でも最後まで読んで良かった。

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2014年09月20日

Posted by ブクログ

全体的に音楽の専門的な内容が多くて読みにくい印象を受けました。
途中から結末がなんとなく予想がつき、腑に落ちない部分もありました。

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2014年01月28日

Posted by ブクログ

うーん、何とも評価が難しい。
前半はあれ程長く書き込む必要があるのだろうかと思える。
表現力を楽しむにはお誂え向きだが、、、、、、
160ページを超える頃になってようやくストーリーが進み出す。
そうなってくると面白い。
そもそもジャンル的には何なのだろう、、、、、、

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2021年03月01日

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