【感想・ネタバレ】森のなかの海(上)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月04日

まだ上巻ですが、面白くって一気に読み終わってしまいました。

出だしこそ阪神淡路大震災の被害状況のあまりのむごさに、ちょっと読む手がとまりかけたのですが、夫と姑の不実から離婚へ、ひょんなことから奥飛騨の山荘に住むことになり…と、どんどん先が気になってしまいます。

冷静に考えると、ちょっとした知り合...続きを読むい程度の老婦人からいきなり広大な土地と山荘を譲り受けるなんてことはないでしょうし、その後の展開も主人公がというよりも、主人公の父が資産家で博学で懐の大きな人であることが大きなポイントとなっており、そこまで恵まれた人というのもあまりいないとは思います。

でも、震災の後、まだ家に閉じ込められている人が近所にたくさんいるなかで、それを見捨てて自分達だけが知り合いを訪ねて西宮から大阪に向かったことをずっと気にしていた希美子が、裏のアパートに住んでいた三姉妹が奇跡的に生き残ったが引き取る人がいないと聞いて、自分の家に迎え入れようとする気持ちはわかる。
その後まだまだ同居人が増えていくのにはびっくりしたけれど。

これは希美子の再生の話なのか、それとも遺産をくれた毛利カナ江のミステリアスな人生の謎を追う話なのか、はたまた身寄りのない少女たちの成長物語なのか。
テーマが多すぎて先が読めないけれど、とにかく続きが気になってぐいぐい読める。
満足、満足。

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Posted by ブクログ 2018年12月02日

この作家の作品はハズレがあまりない。阪神大震災で夫の不倫が義母も公認の仲で震災と夫の裏切りで精神的に追い詰められていくのかと思いきや、家族や昔からの付き合いがある老婆などの様々な出来事に流されながらも自分の意思を持ちながらも流されていく。
不幸をバネに幸せとは思っていないかも知れないけどやりがいもあ...続きを読むる充実した日々を送っていく。

お金の心配がないのは羨ましい限りだ。

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Posted by ブクログ 2017年05月15日

内容の紹介文を読んだ時点でワクワクしながら読み始めて前半はページはめくる手が止まらず読書の世界に浸りきりました。後半、7人の娘が森に転がりこんだあたりからちょっと中だるみのような気がして…展開が早いのでラストまで下巻もこのまま読みすすめたい!

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Posted by ブクログ 2015年01月05日

心の傷から再生する女性たちの話。この人の話は、読んでいて不思議と日常で疲れたドロドロが浄化されて、穏やかで前向きな気持ちになれる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年09月09日

阪神大震災で被災し、離婚し、不思議な縁から
奥飛騨の森のなかで住むことになる希美子と
一緒にすむ人たちの再生の物語
いつも勇気と涙がわいてくる
これでもいいんだよと言ってもらえている気がする

森のなかで象徴的な不思議な樹「大海(ターハイ)」のように
 すべてを受け入れて動じず
 すべてを包み込んで...続きを読む動じず
わたしもそういう人になりたい

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Posted by ブクログ 2011年01月27日

最低三回は上下巻読んだ。
神戸の震災が身近な出来事だからか、描写風景がリアルに思えてくる。読む度に好きなシーンが変わるのが飽きないところで、三回目のときは妹の奔放な性格に周りが振り回されていそうに見えて、実は周りが支えているんだと思えたことが印象的だった。またしばらくしたら読み返したい一冊。

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Posted by ブクログ 2010年08月07日

おちてるな、とおもうと宮本輝を読む。まだまだ世の中捨てたもんじゃないわよね、とおもいなおしてまた歩く。

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Posted by ブクログ 2009年12月16日

素晴らしい本。小説というより人間のドキュメンタリーのような。宮本氏は被災者なのか詳しく取材してかかれたのか。何があっても生き続けることを考えさせられる。また人としての質や精神性の高さなど深く共鳴した。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

小説内に出てくる「大海(ターハイ)」(これが題材の森のなかの海)が、友人から教わった中国童謡「大海 故郷」とリンクして、心洗われ心救われた作品。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「流転の海」シリーズは別として、わたしにとっては宮本輝作品の中でナンバー1。懐の深いお父さんにとても憧れを感じる。希望に満ちたものがたり。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

自分が読んだのは文庫じゃないんだけど、文庫にしても相当な長さがある本。

きっかけはタイトル。

やっぱり基本タイトルで読みたい本を探すので「森の中の海」と言うタイトルに神秘というか不思議な感覚を覚えて手に取った。

当時は高校生だったんだけど、そんな年齢でも分かる重い、でも明るさがある内容だった。...続きを読む

舞台は阪神淡路大震災から始まる。

浮気や人生観、生きること、恋愛観

当時の自分にとってはスケールが大きく感じた。衝撃を受けた1作(前編)

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Posted by ブクログ 2011年01月20日

背景には、阪神淡路大震災がある。その中で行われていたヒトとも思えない所業で夫と離婚した妻。両親が死んでしまい3人姉妹だけで生きなくてはいけなくなったものたち。森の中でひっそりと生きていた、過去の知れない老婦人。
老婦人死後、妻と姉妹達は森の中で暮らす。そこでの再生と救済物語。

教育のあり方を見た気...続きを読むがしました。最初は気持ち悪いくらい、人間不信に陥りそうでしたが。

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

相変わらず宮本輝の本は、季節も、景色も、味も、香りも、全てを共に体感する事ができる。
終始落ち着いて共に考えながら読み進める。
それなりにストーリーは動くし、登場人物も今回は多めだが、なんだか静かなんだよなー。
音は自然が奏でるものだけ。
私は何をする時にも音楽をかけるタイプだが、宮本輝の本にはそれ...続きを読むは邪魔になる。
下巻も雪が積もる音だけを聞く様に読み進めよう。

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Posted by ブクログ 2020年05月27日

宮本輝の長編小説。
阪神淡路大震災で奇跡的に無事だった希美子が、離婚し、息子と震災孤児たちと森の中で生活を始める。
人の縁と、その人が本来持っている人間性といったことを考えさせられる。
下巻が気になる。

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Posted by ブクログ 2017年10月07日

ドンドンと読み進めてしまわせる作者の筆力は相変わらずだと思います。ただ、登場人物が多すぎて、ボヤけた感じがします。それと、震災以降、少し説教臭さが鼻につきます。下巻にどのように続いていくのか楽しみです。

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Posted by ブクログ 2015年11月01日

欲しかった本の隣りにあり、タイトルと装丁に一目ぼれして購入。

阪神大震災が起きた時、私は小学生だった。東日本大震災もそうだと思うが、大きな大きな震災を目の当たりにし、大きく人生が変わっていく人が想像を絶するほど大勢いたのだろう。この物語の主人公の希美子さんもその一人。家族の形が変わり、住まいも奥飛...続きを読む騨へと変わる。そんな簡単なことではないとは思いつつも、奥飛騨の森に囲まれた山荘が生活の拠点になるなんて、なんて羨ましいのだろう!!傷ついた人たちがゆっくりゆっくり再生していくことがこの物語の神髄なのだろうけど、私は奥飛騨という場所で生活していくこと、森の描写にうっとりしてしまった。森は、木々は、たくさんのものを大きく包んでくれる。生きていくものに絶対に必要なものなのだなと思う。森の中で暮らしたい。今は、非日常が森であり、山であるけれど、日常をそちらにシフトできたらどんなにかいいだろう。そして!マロングラッセ、私も食べてみたい!!

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Posted by ブクログ 2015年01月19日

森の中で生活する暮らしが羨ましくなりました。
震災を巡る話云々よりむしろ、森の生活の描写にうっとりしました。
2014/05

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Posted by ブクログ 2014年04月16日

震災をきっかけに孤児となった少女の成長と、その少女を育てる母の変化を書いていたように思う。
教育上何点か大事なことを書いていたように感じるので、いつか再読しようと思う。
単純に小説として読んでも、内容の割に重くないので、読みやすかった。
本棚行き

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Posted by ブクログ 2013年01月07日

宮本輝さんの作品って分厚い本ばかりで敬遠してたんだけれど、読みやすくてビックリ(^^ゞ 阪神大震災によって運命が変えられた希美子さんの生き方が描かれているんだけれど、私は毛利のおばさまの方が気になる。あとマロングラッセも…(^^)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年11月02日

やっぱいいよぉー、宮本輝は。
キレイな文章に、キレイな関西弁、飽きさせないストーリー展開に、なんといっても魅力的な登場人物。どれをとっても上質な大人の小説って感じするわ。


舞台は多くの人が犠牲となった阪神大震災直後。
震災から命からがら逃げ延びた主人公を待っていたのは、夫の浮気による離婚。それを...続きを読む機に大きく人生が変わろうとしている主人公が力強く生き、周囲の力を得ながら自分のなすべきことを見つけていく様子が描かれています。

読んでて気持ちがよくなる小説で、この勢いで一気に下巻を読んでしまいます。

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Posted by ブクログ 2009年10月19日

阪神淡路地区を大地震が襲った日、36歳の仙田希美子の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した希美子は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り合った老婦人、毛利カナ江から奥飛騨の広大な森と山荘を相続し、息子二人と...続きを読む移り住むことに。現代に希望の光を与える大作。
(裏表紙紹介文より)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

阪神淡路地区を大地震が襲った日、36歳の仙田希美子の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した希美子は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り合った老婦人、毛利カナ江から奥飛騨の広大な森と山荘を相続し、息子二人と...続きを読む移り住むことに。現代に希望の光を与える大作。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

大震災の最中、主人公に起こる様々な出来事。
離れていく人もあれば、不思議な縁で出会う人もあり。
いつも変わらず見守ってくれる家族あり。
主人公の再生を描く物語、前編。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

阪神大震災の日に裏切られた女性。そこから立ち直っていく中で、他人の人生も立ち直らせていく強さが描かれる。所々に出てくる森がなんとも言えず、山奥で読んだらどんだけいいだろーなーって思う。

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Posted by ブクログ 2021年08月18日

阪神大震災が絡んではいるがあまり関係ないかな? 多くの遺産をタダで他人に渡した女性の謎が解き明かされていく話。

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Posted by ブクログ 2017年11月29日

震災から繋がる、繋がる。
ああ、こうなるのね。

だけどまだ、感動はない。

いろんな登場人物を忘れないようにしてる。

どうなるのかな、
女性のストーリー…?

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Posted by ブクログ 2015年08月02日

阪神大震災の当日 1995年1月17日。
仙田希美子は、旦那とケンカして、別の部屋にいた。
それが、震災のヒガイを受けないですんだ。
しかし、夫の奇妙な行動から、
夫が守ろうとしているのは、私ではないことに気づく。

離婚に踏み切るとともに、
奥飛騨に住む毛利カナ江とのつきあいから
毛利カナ江の遺産...続きを読むを受けとることに。
そして、ふたりの息子たちとすむことにした。

森の中に その家はあり、
楠と藤蔓がからみあった巨大な大木 が鎮座していた。
その巨木は ターハイ と呼ばれた。
そして、沢山の栗の木。
毛利カナ江は、マロングラッセを 作って貯蔵していた。
また、ドイツに住んだことがあり、西岡と言った。
この謎めいた 毛利カナ江を 探っていくことが、
この物語の主題でもあるが、それを絡めて
希美子が いかに 自立の道を歩むのか。
そして、震災のヒガイが どのようなカタチで、
存在しているのかを 明らかにしていく。

震災のニュースを見て、
両親と兄をなくしたとなりの三人姉妹が生き残っていることを知り、
引き取って 生活する。
その三人姉妹は あかるく じつに すなおな生き方をしていた。
それは、両親の躾のおかげであり、
マツタケご飯を食べたことはないが 健康に育っていた。

その三人姉妹の姉をしたって、七人の娘たちが押し掛けて、
森の中にある 希美子の家は 大きく変化していく。

阪神大震災が 人のこころの中に どのような精神的な
影響があるのかを さぐっていく ところに 
この物語のポイントがあるのですね。

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Posted by ブクログ 2013年06月01日

装丁の絵が物凄く綺麗で思わず手に取りました。阪神大震災の頃のお話だったので「あぁ、こうだったよなぁ」って思いながら読みました。宮本先生の作品は読んでると自然と笑みがこぼれます。

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Posted by ブクログ 2013年05月08日

森のなかの海・上巻はなかなか我慢を強いられるなぁと思ってい。
それがより顕著なのは序盤〜中盤にかけて。
主人公・希美子が(もちろん上巻の終盤から物語の収束に向けて、「再生」をより鮮明に書くためには必要なことなのだけれど)とにかく失意の底に押しやられていく。
そこに加えて、物語の舞台となる場所へ向かう...続きを読むために目まぐるしい変化の波が次々に押し寄せてくる。
これはもう、ほとんど急流を下るような感覚だった。
宮本輝さんの柔らかい文章が押し寄せる変化の波を受け止める緩衝材になったような気もするし、淡々と綴られるその書き方に否応なしに飲み込まれていったような気もする。
やっとこさ舞台が整ったと思ったら、そこに更に大きな変化がやってきた。
もうなんなんだ、と…。もっと希美子をいたわってくれ、とそんな思いすらあった。

そうして役者が一堂に会することでようやく物語は静かな流れを見せ始め、ゆっくりと着実にそれぞれの「再生」を描いていくわけです。



ここに上巻の感想を書いているうちに「あぁ、なるほどな」と、あらためて宮本輝さんの筆の巧みさに驚いたりする。
自分は、やっぱりこの人の描く物語が好きなんだなぁ…。

星3にした理由は…希美子があまりにも悲惨な目に遭ってたのと、物語に絡む「謎」が少し不自然に浮かび上がった時に妙に違和感があったからです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

人にはとてつもなく苦しく、逃避し難い出来事に遭遇することがある。それが必然か、偶然かは別として、なんと言うか、言葉では表現する事のできない喪失感、虚無感に苛まれる。

しかし、人は生きるという選択をしなければなれない。決して、「止」「終」はいけない。人生とは、このように過酷なものかもしれない。ただ、...続きを読む唯一の救いとも言えるのは、一人ではないということである。人は、一人ではない。だからこそ、苦難を受難することもでき、そして乗り越える事もできるのだろう。希美子はそれを体得した一人なのかもしれない。そしてその周囲の人々も。

人は、本当に強い生き物であると同時に弱い生き物であもある。だからこそ、魅せられるのかもしれない。

希美子の父の言葉に、「春秋に富む」という言葉がある。今はそのときなのかもしれない。本当はもっと若い人に使う言葉なのかもしれないが、自分自身の中でだけでも、その可能性を信じたい。年をとればとるほど、保守的になるというが、せめて自分の人生だけは、挑戦し続けたい。輝き続けたい。

大海(ターハイ)の重ね合いは人の助い合いを・・・
ターハイの幹の太さは人の真の強さを・・・
ターハイの不思議さは人の多面性を・・・
そして、ターハイ自体は人を示しているのかもしれない。

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