【感想・ネタバレ】ぼんぼん彩句のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

俳句から着想を得て紡ぎ出された物語の短編集とのこと。
もし世界が終わる日が来るとして、その世界が終わるときの、人々の走馬灯の様な、人々の記憶の断片が俳句から溢れ出している様な物語たちみたいだなぁと思った。
一つ一つの物語には関連性はない。だけれども、良くも悪くも一人ひとりの記憶の忘れられない1シーン。そんな物語が集まった短編集だった。
鉛筆画の挿し絵と物語から立ち上る香りが絶妙にマッチしていて、独特な温度と影になっていました。
やっぱり宮部みゆきさんはすごい。
本当にどの話も印象深かったのだけれど、私は「異国より訪れし婿墓洗う」と「薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ」の話が好きだったかな。

0
2023年12月03日

Posted by ブクログ

1つの俳句から物語を創る発想と、その俳句の世界観にぴったり合うお話を創り上げる宮部先生の筆力が素晴らしかった。社会派なお話からSFっぽいお話まで多岐に富んでいたが、鶏頭のお話が1番怖かった

0
2023年11月26日

Posted by ブクログ

俳句をタイトルにした小説の世界を、存分に堪能できました。それぞれの短編の中の人間模様が、深く心に刻まれました。

背筋がゾクっとするものあり、心ほんわかするものあり。ところどころに散りばめられた挿絵にも魅了されました。

俳句と小説の融合、成功していると思います。お得感、バッチリです。

0
2023年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宮部さん俳句もなさるんだ、と思ったら俳句もなさるけど本書は宮部さんの俳句の本ではなかった。他の方が作った俳句から短編を編むという面白い試みの一冊。
毛色が違う、じわっと怖くほんのり暖かくそして切なかったりやりきれなかったりする中身の濃い12篇。こんなに短い一編の中に詰まった登場人物の人生の濃さに驚かされます。物語って長さじゃないんだなぁと改めて思います。

短編の題材となった俳句を読まれたそれぞれの方々も、自分の詠んだ句からこんな話が展開するのかと驚かれたのではないかと想像。
各章の扉がそれぞれの俳句になっているのでそれを味わい、自分なりに情景や心情などを想像してから物語を読み、そして締めにまた同じ俳句を読むと、扉で味わったのとは全く別の情景や心情に連れてこられてしまった落差にとても驚かされます。
「この句からこんな話が出てくるとは…」
とても味わい深い一冊だと思います。

ぼんぼんってどういうことなのか、と思っていたら後書きにきちんと説明されていました。
なるほど。嬉しいことにこのシリーズはまだ続きそうです。
新しいシリーズを待つ楽しみができました。

それにしても宮部さんはこんなに物語が溢れていたら時間がいくらあっても足りないのでは、と。別のシリーズもそろそろ折り返しというところですし、御本人もどこかで語られてましたがぜひ長生きされてシリーズを完結していただきたいですよね。

0
2023年10月11日

Posted by ブクログ

大好きな宮部みゆきさんの俳句集なのかな?と思って読み始めたら、俳句仲間の方々の作品から着想を得た、「骨がらみで小説家」の宮部さんの現代が舞台の短編集。
なんと素晴らしい!しかも、二巻三巻と続けていきたいとのこと。素敵!

どのお話も宮部さんらしさに溢れてて、あっという間に読み終わってしまいました。
全話素晴らしいのは当然ですが、目次(各作品)を眺めた時に鮮やか(彩やか)思い浮かんだのは
『鋏利し 庭の鶏頭 刎ね尽くす』
でした。読み終えてウッヘッヘとなりました。

嗚呼、出来ることなら宮部みゆきさんのお話を一生読んでいたい!

0
2023年08月24日

Posted by ブクログ

宮部みゆき流石だなぁって思いました。句会でうまれた俳句をタイトルに短編を書くとは天晴です。この方の本の中の言葉はとても勉強になります。
とりわけ鬼籍に入るを知った次第です。俳句やってみようかな。

0
2024年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

12個の俳句から膨らむ短編小説。「枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる」婚約破棄されたアツコに枯れ向日葵が帰るよと言った情景が浮かび上がってきた。「鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす」亡くなった幼馴染に囚われている夫とその家族に意趣返しをした様がお見事。「散ることは実るためなり桃の花」娘を思う母の気持ちがやるせない。「月隠るついさっきまで人だった」〇〇のくせにという奴は信用しないようにしよう。「山降りる旅駅ごとに花ひらき」母にも疎まれていた春恵に幸あれ。「薔薇落つる丑三つの刻だれぞいぬ」確かに生きてる人間の方が怖い。

0
2024年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安定の面白さ。事故で亡くなった同級生をいつまでも想い続ける男とその家族の話は気持ち悪くて特に妹が。最後は少しざまあーって感じでスッキリ。

0
2024年02月11日

Posted by ブクログ

宮部みゆきさんの仲間の俳句を題材に派生し広がっていく物語。
俳句って知識がないと内容を読み解けない。
こんな風に物語がつくと改めて内容を理解し感じることができて楽しい。

0
2023年12月02日

Posted by ブクログ

俳句を種に描いた短編12作。
短編が先でそれを詠んだのかと思うくらいどれも見事にハマっていてかつ面白いのがさすが。
鶏頭、月、薔薇を詠んだ句の話が特に好み。
この先も続きそうで楽しみ。

0
2023年11月30日

Posted by ブクログ

僅か17文字の句を種子にして、さまざまな色の花を咲かせる。次に向日葵や鶏頭、桃を見たら句とともにこの風景を思い出しそうな気がする、そんな短編集でした。

0
2023年10月24日

Posted by ブクログ

十二の俳句と十二の短編集。それぞれの物語が俳句から連想される内容らしいけどどの話しもテンポがよくて、一筋縄でいかなくて、ドキドキして面白く読めました。
宮部みゆきさん、ハズレなし。

0
2023年10月12日

Posted by ブクログ

今年4月に出た宮部みゆき氏の新刊。
俳句を題材にした12篇の短編集。

これは人により評価が分かれそうな気がする。
一瞬の場面を切り抜いて短編に仕立てる力量は流石で上手いと思うのだが、著者の個性的な俳句の解釈を基に読者の想像を超えてホラーだったりSFだったり人間のドロドロだったりに展開していく。読者がその展開についていけないと期待に合わず、ごちゃ混ぜ短編集に感じる。

個人的には微妙についてけなかったかな。再読したら印象変わるかな。

なお、この本はあとがきを先に読んだ方がいいです。俳句を基にした本書の成り立ちがわかるからです。

0
2023年09月22日

Posted by ブクログ

自分が平々凡々と暮らしており、でも幸せだと実感。波瀾万丈も良いけど、それは、旅先で起こるだけで、結構。

0
2023年09月09日

Posted by ブクログ

仲間の俳句から連想して作られた12の短編
読後改めて俳句を読み上げ、俳句の作者さんになってみる。くすりと笑えたり、そう来る?となったり、流石だわと感動したり。一番好きなセットは平和さんの俳句とお話かな。ほのぼの

0
2023年09月03日

Posted by ブクログ

宮部みゆきが句会仲間の12の俳句をモチーフに書いた短編12篇。

そこはかとなく漂う不穏なトーンは共通だが、それぞれに趣の違う、噛み応えのある篇が集められた本書は、作者の筆力を存分に堪能できる。

0
2023年08月22日

Posted by ブクログ

短編集、作者の仲間の俳句から連想される物語で、タイトルがそれぞれの俳句になっている。
話がどれも短いので、まとまりがない感じになるかと思いきや、百人一首の上の句と下の句のように、物語と俳句がピッタリとはまる。怪談からミステリーまで展開も多種多様。さすが宮部みゆきだった。

0
2023年08月13日

Posted by ブクログ

俳句をもとに12の物語を集めた短編集。
さすが宮部みゆきさん。面白かった。
この俳句から、こういう物語が出てくるのか!という驚きがあったりして、楽しめた。

ほっこりするホラー(病院の残留思念のおばけと女子大生の話など)が好きだった。
ゴーヤカーテンのもホラー気味SF?の夫婦の話も良かった。
気になるところといえば。ストーカーになっちゃう男性キャラが多かったな、という印象。付き合う男がモラハラだったり、くずやろうだったり。

0
2023年08月09日

Posted by ブクログ

久しぶりに手に取った宮部みゆきさんの作品。
お仲間が作った俳句より着想を得た短編集でした。

宮部みゆきさんは「火車」や「模倣犯」「理由」など夢中で読んでいた時期がありました。
今回の短編ひとつひとつもなんだか不穏な空気に
引き込まれて、思わず読み入ってしまう、
ゴーヤーの話なんて、ただゴーヤーが枯れないだけの話なのにとても不気味。

やはりすごい作家さんだなと思ったのだけれど、登場人物の、特に若い女性になんだか違和感を感じて、、、。

なぜだろうと思ったのですが、言い回しなどが、若い人のそれでなく、
昔の人のような、ちょっと古い感じがしたのが違和感の原因かなと思い、ちょっと残念な気持ちになりました。

辛口でごめんなさい。
時代小説だったら気にならないのかもしれないですね。今度は時代小説を読んでみようと思います。

0
2024年04月04日

Posted by ブクログ

俳句を元にして彩られた短編小説集。
どれも毒のある話でちょっと怖い。
『山降りる旅駅ごとに花ひらき』は良かった。
『薔薇落つる丑三つ刻誰ぞいぬ』は怖いけどこれも良かった。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

 「俳句から短編小説を書く」というアイデアから生まれた、とあとがきに書かれている。
 一瞬を切り取る俳句を、長い時間軸を使う小説にする宮部みゆきさんの筆力は、流石だなぁと感心しながら読んだ。
 内容もバラエティーに富み、飽きることはなかったが、人間の闇を見せつけられる話が多く、怖かった。

0
2023年12月15日

Posted by ブクログ

最初誰の小説を読んでいるかわからなかった。徐々に宮部みゆきらしいと思う。俳句のことは良くわからないが、さすがにものを書く人達は上手いなと思う。 

0
2023年11月23日

Posted by ブクログ

久々の宮部みゆき作品。
今までのものとは傾向が違う気がしたが。
短編だったので読みやすかった。
題名が俳句になっていて、最後にまた俳句がきて、なるほどと言う感じ。
理不尽と思える内容に最後は溜飲をさげるという展開。
「薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ」がよかった。

0
2023年11月18日

Posted by ブクログ

宮部さんの、いわば俳句仲間の俳句を通じて短編を創作されている。
言っては悪いがまあ素人の俳句だけど、ここには作句者の思いが込められているわけで。
それを掘り起こすのではなく、その句から受けたインスピレーションで小説を起こしている。12編に関連はない。
たったの5-7-5から物語を作り出す宮部さんの力量に関心しています。

0
2023年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルが俳句の、短編集。

あとがきでBBKの、成り立ちもわかって興味深い。
俳句作者の紹介も⁉︎

どれも。哀愁…。感想としてはコワイ…。
句もすきだけど
〜プレゼントコートマフラームートンブーツ〜

0
2023年10月15日

Posted by ブクログ

各々短いけど、何か余韻が残るような短編集でした。「ぼんぼん」の響きから、勝手に明るい話だと思って読み始めたので、ちょっと暗いというか、怖い感じの雰囲気が意外で楽しめました。

0
2023年09月22日

Posted by ブクログ

どんな人も、表せない怒りや、いつ妬みや恨みに変わるかわからない羨望や、そんな感情を他の人には見えないように心の中に隠し持っていて、それが抑えきれずに溢れ出てしまう。
そういった瞬間をたった17文字で切り取ってしまえる俳句ってすごいな。

0
2023年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宮部みゆきさんの短編なんて久しぶりに読むな〜♪♪と思って読み始めました。
が……めっちゃ嫌な人間多く出てくるやん……↓
とテンションダダ下がりでした。
えー、宮部さんってこんなに上手にムカつく人間描けるわけ…?

最後はなんだかほんわかして終われたので、そういうふうに短編の話を組み上げてあるんだと思うけど…特に、働かずに司法試験の勉強しながら何回も予備試験に落ちて、浮気して旅行にいっちまう旦那のことを信じ続けて支え続ける娘の母親の話がヤバすぎた。私は絶望した……が、この先全てが万事解決する未来が来るんだろうか…

恋愛絡みのゴタゴタが多いですね。人が我を失う・道を外すのって恋愛ってことかしら…

山降りる旅駅ごとに花ひらき
これは、爽快でしたね!!もうフラストレーションマックスで、やべえ、この本読み終えること無理かもしれん……と息絶え絶えになっていた時にこの話。限界突破したころにまさかの逆転話!
しかも、誰も知らないまま幸せが訪れた系の話。1300万を受け取りながら、地に足つけて春恵が生きていく姿が最高でした。
(税金対策は大丈夫なのだろうか…あ、本人名義で貯金してるから大丈夫なのか。贈与は年110万まで非課税だし)

薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ
また最悪の若者どもが出てきたな‥しね!!と思ってたら、めちゃくちゃハートフルなお話でした。
悪意と善意の残留思念のようなものがあって、最後は善意が勝ってあの病院を守っていたように、
人も最後は善意が勝ちたいね。と思ったり、
ただあのばしょを守ろうとして、そういう生き方(?)をしていた幽霊ちゃんの純粋さに心洗われました。
お化けじゃなくて人間に怖い思いをさせられたミエコには、早く立ち直って、幸せな人生を歩んで欲しい。

0
2023年08月27日

Posted by ブクログ

1つの俳句 をタイトルにした短編集。宮部さんの 句会のお仲間の方々のちょっと怖い 俳句 からヒントを得て、宮部さんが12篇の物語を作った。作家さんって一つの句からこんな風にイメージを広げるのだなと感心する。サクサクと読めて少し ゾクッとするようなホラー感があるところが 夏の読書に最適だと思う。温かい句も、宮部さんにかかると「怖い」スパイスがふりかかるストーリーになる。素人さんの句とは思えない秀逸さが作者の想像をかき立てるのだろう。


※3章目の結末のページに、あり得ない人物の名前が記載されており(多分、編集、校正の段階での人物名の確認ミスだと思いますが‥)気持ちが冷めてしまい、残念です。それなので星3つとさせていただきました。

【追記】上記の名前ミスの件で版元のKADOKAWAに連絡したら、すぐに丁寧なお返事があり。重版の時に修正します、とのことでした。

0
2023年08月17日

Posted by ブクログ

「物理屋には歌詠みは多いが俳句詠みは少ない」と聞いたことがあります。
季語という縛りがある上に、語数の制約もきついからでしょうか?

最近は短歌を楽しむ人が増えているようですが、本書は俳句をタイトルにした25頁前後から成る12編の短編小説集です。
俳句の解説集ではないので、タイトル句の作者の創意とはかけ離れた物語になってもOKという内容です。

本書を「第一巻」と言っていて今後も創作を続けるようですが、年に3編ほどのペースなので「第二巻」は4年後でしょうか。
角川の「俳句」という雑誌に寄稿したものの単行本化でした。

肝心の各短編の内容ですが、少し物足りなさを感じました。
俳句→物語 というチャレンジングな創作なのですが、宮部みゆきさんの作品は十分に練られた長編が好きなのかも知れません。

私に俳句心がなさすぎるのか、作品タイトルになっている俳句の意味もよく分からないし、
各物語の最後にもう一度、俳句が登場するのだが、作品内容とうまく結びつけられなくてモヤモヤしました。

宮部みゆきさんは、存在自体が不愉快に感じるように邪悪な人を描写するのがうまい。
だが、短編で次から次へと気持ち悪い人物が登場してくるので、読後感は良くなかった。

タイトルと表紙の絵から、爽やかさと人情味を期待して読み始めてしまったのが失敗でした。
期待を裏切られながらも読めてしまったのは、先を読みたいという気にさせる宮部みゆきさんの文才なんだろうなと思います。

0
2023年08月09日

「小説」ランキング